実はこわい、猫がうんちしない理由。便秘の目安と危険な病気

毎日の猫のトイレ掃除、多少めんどくさいですが猫の健康をチェックするチャンスとも言えます。オシッコやうんちの量や状態を見ることで、猫の体調の変化に気づくことができるのです。

もしもうんちが出ていない、トイレに行って力んではいるけれど出ないようだといった場合には便秘かもしれません。そのとき注意が必要なのは、実はただの便秘ではなく別の病気が隠れていることもあるということです。詳しくみていきましょう。


基本的に、猫のうんちは1日1回

猫のうんちの回数は、基本的には1日1回になります。きちんとご飯を食べているのであれば、1日1回うんちが出ているでしょう。

もちろん人間と同じで、ご飯の量が少なかったりしたときには1日1回うんちが出ないこともあります。うんちが出ない日が1~2日続いても、元気があるようなら心配はいらないでしょう。

それ以上うんちの出ない日が続くようでしたら、便秘と言えます。特に高齢になるとどうしても腸の動きが悪くなってしまい、便秘にもなりやすくなってしまいます。

便秘になると腸に便やガスが溜まってしまうためにお腹が張り、苦しそうにしているかもしれません。食欲がなくなって、食べても吐くようにもなります。腹痛があるために、お腹を触られることを嫌がるようにもなるでしょう。

そして気をつけたいことは、ただの便秘だと思っていたら実は危険な病気が隠れているということもあることです。この場合には放っておいたりしては危険ですので、すぐに動物病院で診察を受けなくてはいけません。

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うんちが出ないと思ったら、オシッコが出てないということも

便秘は、特に胃腸の機能が衰えてきている老猫に多くなります。何度もトイレに行き、排便をしようと力みますがなかなか出ません。出ても、コロコロとした硬い便が少し出るだけです。

ただ気をつけておいていただきたいのは、歳をとったオス猫が何度もトイレに行っているという場合には「下部尿路症候群」という別の病気かもしれないということです。

これは尿結石が詰まるために尿が出なくなってしまう病気で、オス猫にとってとても危険な病気です。すぐに治療を開始しなくては命に関わることもあります。

オシッコを出したくても出せないため、猫は何度もトイレに行ってしゃがみます。便秘の時とも似たような様子を見せるのですが、オス猫の場合には気をつけた方が良いでしょう。

うんちが出ないのか、オシッコが出ないのか、トイレに入る様子をしっかり観察しておいてください。迷った時には、まず動物病院へ連れて行った方が良いかもしれません。

下部尿路症候群はメス猫もなる病気ですが、重大な症状が出てしまうのはオス猫だけです。老齢のメス猫が何度もトイレに行くようなら便秘かもしれませんが、オス猫の場合には便秘ではないかもしれませんので、すぐ獣医さんに相談してください。

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うんちしない理由に、重大な病気が隠れている恐れもある!

最近うんちが出ていないから、便秘してしまったのかな。。。そんな風に思っていたら、実は重大な病気が隠れているということもあります。

老齢の猫の場合にはしばしば便秘をしてしまうことがありますが、まだ若く元気な猫の場合には便秘ではない可能性もあるのです。

うんちが出ないといったとき、実は次のような病気が隠れている恐れもありますから気をつけてください。

毛球症

先ほども言いましたが、うんちが出なくなったという時には毛玉が詰まってしまっている可能性もあります。

猫は自分で全身を舐めて毛づくろいをします。舌でブラッシングするようにして抜け毛を取るのですが、取れた毛はそのまま飲み込んでしまいます。大量の毛を飲み込んでしまった場合には腸に詰まって、便秘になってしまうのです。

抜け毛の多い季節は特に注意するようにしておきましょう。飼い主さんは普段からしっかりブラッシングをしてあげてください。

他にもおもちゃで遊んでいて食べてしまったり、ビニールや紙などを飲み込んでしまったりということもあります。若くて元気ないたずら好きの猫は、特に気をつけた方が良いでしょう。おもちゃで遊んだ後は、必ず引き出しの中などに片付けてください。

我が家の猫もまだ子供だった頃、出しっ放しにしてあった遊んだ後のおもちゃを噛みちぎって飲み込んでしまったことがありました。幸いすぐに吐き出して大事には至らなかったのですが、背筋が寒くなる思いがしましたし、ものすごく反省させられました。

猫は時に、飼い主さんの思いもしない行動を取ることがありますから気をつけましょう。

▼猫の毛球症を予防するためには、やはり飼い主さんの日頃のケアが欠かせません
猫の毛球症について知る。具体的な症状と日頃からできる予防法

巨大結腸症

元気な若いオス猫に起こりやすく、ひどい便秘を繰り返します。大腸の一部である「結腸」の収縮力が弱まってしまったために便をうまく押し出せなくなってしまう病気で、結腸は便が大量に溜まって巨大化していきます。

便秘を繰り返したり、食欲不振や嘔吐などの症状が現れることもあります。体重が減ってきてしまったり、毛並みが悪くなってくることもあります。

生まれつきの障害が原因になっていることもありますが、病気や事故が原因で症状が出ることもあります。

腸閉塞

腸が何らかの原因によって塞がれてしまったために、便が滞ってしまう病気です。腸内にはガスも溜まり、お腹が膨らんでくることもあります。猫は腹痛を感じ、お腹を触られるのを嫌がったりします。

嘔吐することもあり、食欲は低下し衰弱してきます。治療が遅れると危険な状態になることもあるため、注意が必要です。

腸を塞ぐ原因としては、誤って飲み込んでしまったプラスチックやビニールなどということもあります。他にも腫瘍、腸捻転、「腸重積」といって腸がたたみ込まれたような状態になる病気などの可能性もあります。

便秘にならないようにするための5つの対策

猫も人間も、便秘の原因は似ています。ただ人間は自分が便秘になれば自分で便秘だと判断できますが、猫は何も訴えてくれません。普段の行動とのちょっとした違いで、飼い主さんが便秘に気づいてあげることが大切になります。

うんちが出ない状態が何日も続いてしまうと腸には便が詰まり、猫は腹痛を感じるようになります。うんちを出したいのに出せない、と苦しまなくてはいけなくなります。

そうなる前に、飼い主さんができる対策をとっておいてください。日頃から次のようなことに気をつけておくと良いでしょう。

なるべく体を動かして運動をさせる

人間と同じように、猫も運動不足になると便秘気味になってしまいます。体を動かさないと腸も動かないため、便がスムーズに出なくなるのです。

もともと猫はよく寝る動物ですが、飼い主さんが構ってくれないとさらに体を動かす機会が減ってしまいます。毎日意識して、遊びながら体を動かすようにさせましょう。キャットタワーを置いたり、動くおもちゃで一緒に遊んだりすると良いでしょう。

水分をしっかり摂るようにさせる

水分不足も便秘の原因になります。水分の摂取量が少ないと便が硬くなってしまい、スムーズに出せなくなってしまうのです。

特にドライフードの場合には、新鮮な水をたっぷり用意することを忘れないでください。また、たまにウェットフードに変えることで水分摂取量を増やすこともできます。

▼猫の毎日の食生活を改善してあげることで、便秘の悩みから解放してあげましょう
スムーズな排便のカギは毎日の食環境!愛猫の便秘を改善する方法

スキンシップしながらお腹をマッサージしてあげる

お腹を優しく温めながら撫でてあげることも良いでしょう。お互いに気持ち良いと感じられるようにやってください。お腹を触られることを嫌がる猫の場合には、無理にやらなくて大丈夫です。マッサージが逆にストレスになってしまいます。

もしも以前はお腹を触られても嫌がらなかったのに急に嫌がるようになったという場合には、腸に便がたくさん溜まっていたり何か問題が起きているかもしれません。動物病院で相談してみてください。

▼便秘解消のための猫のお腹マッサージの方法については、こちらをどうぞ
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トイレは落ち着いて排泄ができる場所に置き、いつでも清潔に保つ

どのようなトイレなのかも、猫にとっては重要になります。排泄中は無防備な状態になるため、トイレが落ち着かないような場所ではじっくり排泄ができません。

トイレは人(猫も)の出入りが多くない静かな場所、ご飯の場所とは離れた場所に置くようにしましょう。トイレの場所が頻繁に変わったりすると猫も落ち着きませんから、いつでも決まった場所に置くようにしてください。

そしてトイレが清潔かどうかも大切です。猫は汚れたトイレでは排泄したがらなくなるため、いつでも清潔にしておくようにしましょう。

▼猫にとってちゃんと快適なトイレになっているか、置き場所はどうか…なども確認してください
猫のトイレの置き場所はどこがベスト?ポイントと具体例

もしも引越後に便秘がちになったということでしたら、トイレの場所などを見直してみてください。また引越がストレスになって便秘になってしまうこともあります。

猫はストレスを感じやすく、ストレスによって便秘がちになってしまうこともあります。猫は環境の変化に弱いですから、なるべくいつでも同じ環境で、猫が安心して暮らせるようにしてあげてください。

毛玉対策をする

猫は自分で全身を舐めて毛づくろいをします。猫の舌先はザラザラとしていて、その舌をブラシのように使うことで抜け毛を取り除くのですが、取り除いた毛は舌の構造上飲み込むしかありません。

その毛が胃や腸に入って毛玉となり、便秘の原因になってしまうことがあるのです。他にもおもちゃやビニール、紙などの異物を誤って飲み込んでしまうこともあります。

このような状態を、上項目でも触れたように「毛球症(もうきゅうしょう)」と呼びます。

これを防ぐためには、普段から飼い主さんがまめにブラッシングをしてあげることが大切です。特に毛が抜けやすくなる時期には気をつけておきましょう。またおもちゃで遊んだ時にはしっかり片付けるといったことも注意しておいてください。

ただの便秘じゃないのがこわい‥猫の排便のチェックは欠かさずに

このように、ただの便秘ではなく重大な病気によってうんちが出なくなってしまうこともあります。猫の様子がおかしいなと思った時には、動物病院へ行った方が良いでしょう。

なお便秘気味だからといって、勝手に人間用の便秘薬を使ったり浣腸をしたりはしないようにしてください。必ず獣医の指示に従いましょう。

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