健康な猫の歯茎はピンク色。がん等の危険な病気のときの色や特徴は?

普段、猫ちゃんの口の中を見てあげることはありますか?歯磨きの習慣がなかったりすると、なかなか口の中を見る機会は少ないかもしれません。

でも、たまには口の中を見てあげることも大切です。歯茎の色を見ることで、猫ちゃんの健康状態を知ることができるのです。普段と違う色だった場合には、何か問題が起きているかもしれません。

健康な猫の歯茎はピンク色。では注意したい歯茎の色や特徴は?

猫の健康に問題がなく体調が良いときには、歯茎の色は赤みがかったきれいなピンク色をしています。

今、隣にいる猫ちゃんの唇をめくってみて、きれいなピンク色をしているようでしたら問題ないでしょう。口元を触られ慣れていない子ですと、嫌がって引っ掻いてしまうかもしれませんから気をつけてください。

もしも今、猫ちゃんに口の中を覗かせてもらえなかった場合には、今後のためにも口元に触れたり口を開けてもらう練習をしておいた方が良いでしょう。そしてできれば、歯磨きをするようにしてみてください。

猫は歳をとるにつれて歯周病にかかりやすくなります。それを予防するために一番効果的なことは、歯磨きを続けていくことです。この機会に、歯磨きができるように遊びながら練習をしていくと良いでしょう。

ところでもしも歯茎の色がピンク色でなかった場合には、猫ちゃんの体の中で次のような異変が起きている可能性があります。場合によってはすぐに動物病院へ連れて行かなくてはいけないこともあるため、注意が必要です。

歯茎の色 注意したい病気
赤色 歯周病、扁平上皮がんなど
白色 感染症、出血、中毒などによる貧血
紫色 チアノーゼ
黒色 色素斑、悪性黒色腫

では、それぞれについて詳しくみていきましょう。

猫の歯茎が赤い:歯周病や扁平上皮がんの可能性大

猫の歯茎が赤く腫れてしまっている場合には「歯周病」、歯茎だけでなく舌や口の中全体が赤くなっている場合には「口内炎」、赤くなっている部分が盛り上がってしこりになっていれば「扁平上皮がん」の可能性があります。

それぞれについて説明します。

歯周病

「歯周病」は歯茎(歯肉)が炎症を起こして赤くなってしまう「歯肉炎」と、さらに進行して歯の根元までがダメになってしまう「歯周炎」とを合わせた病名です。

人間と同じで、猫も歳をとるにつれて歯周病にかかりやすくなります。3歳以上の猫のうちの8割もが、歯周病にかかっているとも言われています。

歯周病になると、歯茎が赤くなる以外にも次のような症状が現れます。

  • 口臭がひどくなる
  • よだれを垂らすようになる
  • 時々、歯をカチカチと鳴らす
  • 硬いフードが食べられなくなる
  • だんだんと食欲が低下して、元気がなくなる など
歯周病の一番の原因は、歯垢や歯石を溜めてしまったことです。しかし注意しなくてはいけないことは、感染症にかかったことが原因となって免疫力が低下し、その結果、歯周病を発症することもあることです。

猫エイズ、猫白血病ウイルス感染症、猫風邪などの感染症にかかると、免疫力が低下してしまいます。するとそれが引き金になって歯周病になってしまうこともあるのです。

このように重大な病気が隠れていることもあるため、異常があれば早めに動物病院へ連れて行くようにしましょう。

口内炎

歯茎や舌、口腔の粘膜までが赤くなってしまっているときには「口内炎」かもしれません。赤く腫れたりただれたりして、出血することもあります。口臭が強くなり、よだれも垂らすようになるでしょう。

痛みがひどいために、食欲はあるようなのに食べようとしなくなります。食べられないために、だんだんと痩せて元気がなくなってきます。口の周りを触られることも嫌がってしまいます。

人間の口内炎とは違い、このまま放っておくとどんどん弱っていってしまうため注意が必要です。

口内炎の原因としては歯垢や歯石が溜まってしまったこともありますが、猫エイズや猫白血病ウイルス感染症、猫風邪などの感染症にかかって免疫力が低下したこともあります。早めに動物病院へ行くようにしましょう。

扁平上皮がん

歯茎の赤くなった部分が盛り上がってしこりになっている、または炎症や潰瘍になってしまっているという時には扁平上皮がんなどの腫瘍ができてしまっているのかもしれません。ただししこり状にはならない場合もあります。

初期にはわかりにくいのですが、潰瘍はなかなか治らず徐々に大きくなってきます。猫はしきりにその部分を気にして掻きむしったりしてしまうかもしれません。出血してしまい、血の混じったよだれを垂らすようにもなります。

急いで治療を開始する必要がありますから、しこりや潰瘍があった場合にはすぐに病院を受診するようにしましょう。

猫の歯茎が白い:貧血を起こしている可能性大

猫の歯茎の色がいつもより薄い、白っぽいといった場合には、「貧血」を起こしているかもしれません。貧血とは、赤血球の数や赤血球の中にあって酸素を運ぶ役割をしているヘモグロビンの濃度などが、正常よりも低下してしまった状態を言います。

血液の重要な役割の一つは全身の臓器へ酸素を運ぶことなのですが、貧血になると十分な酸素を運ぶことができなくなってしまい、体は酸欠状態になってしまいます。そしてそれに伴って、様々な症状が現れるようになります。

貧血を引き起こしてしまう原因はいろいろとあります。治療法は原因によって異なってくるため、まずは貧血の原因を調べることが必要です。

貧血になると歯茎が白くなる以外に、次のような症状が現れることもあります。

  • 元気がない
  • 食欲がない
  • 耳がピンク色でなく、白っぽくなっている
  • 呼吸が速い
  • 心臓の鼓動が速い など

他にも「黄疸」が出て口の中の粘膜や白目が黄色くなる、尿が赤ワインのような赤色になる、消化管からの出血が続いている場合には便の色が黒っぽくなるなど、貧血の原因によって様々な症状が現れます。

ただ貧血症状が徐々に進行していった場合には、あまりはっきりとした症状が現れないということもあります。

貧血の原因には猫白血病ウイルス感染症、猫エイズ、ヘモバルトネラ症(猫伝染性貧血)といった感染症が関係していることもあります。腫瘍や腎不全が原因となることもあります。

玉ねぎを間違えて食べてしまったり、アセトアミノフェンという解熱鎮痛剤を摂取してしまった時にも貧血を起こしてしまいます。

このような時には少しでも早く動物病院で治療を受ける必要があります。急に元気がなくなって歯茎や耳が白っぽくなった、黄疸が出たり尿が赤くなっているといったことがあれば急いで受診するようにしましょう。

猫の歯茎が紫色:チアノーゼの可能性大

チアノーゼとは、血液中の酸素濃度が低下して皮膚や粘膜などが青紫色になってしまう状態です。人間の場合には指先などにも変色が見られますが、猫の場合には歯茎や舌などが青紫色になります。

チアノーゼの原因としては気管支の病気、心臓の病気、重度の貧血といったことが考えられます。暑い場所にいたために熱中症になったり、逆に寒さのため低体温症になったりした時にもチアノーゼが現れます。

このような症状が現れた時には非常に危険な状態になっています。しばらく様子を見ようと放っておいたりしては、死に至ってしまうこともありえます。なるべくすぐに動物病院へ連れていくようにしましょう。

猫の歯茎が黒い:心配のない色素斑、もしくは危険な腫瘍かも

歯茎や舌に黒い斑点がある場合には、二つの可能性が考えられます。一つは心配のいらない「色素斑」、そしてもうひとつは放っておいては危険な「悪性黒色腫(メラノーマ)」という腫瘍です。

それぞれについて見ていきましょう。

色素斑

健康な猫であっても、歯茎や舌などに黒い斑点ができることがあります。これは特に茶トラの子に多く見られます。

子猫の時には目立たなくても、成長するつれて大きくなることもあります。私自身も茶トラの子を飼っていましたが、ある日たまたま口の中を見たところ大きな黒いシミがあり慌てたことがあります。

獣医さんに相談したところ即座に心配ありませんと言われ、安心しました。黒くなった部分が腫れたりしこりになっていなければ大丈夫でしょう。

これは「シミ」のようなものです。心配はないのですが、口の中に子猫の頃にはなかったはずの黒い斑点ができたら不安になりますよね。そんな時には一度、獣医さんに相談してみてください。

悪性黒色腫(メラノーマ)

歯茎や舌の黒くなった部分が盛り上がっていたり、しこりになっていたりするような場合には腫瘍の可能性もあります。これは「悪性黒色腫(メラノーマ)」と呼ばれるもので、人間にも発症することのある皮膚がんの一種になります。

悪性黒色腫の場合には口臭が強い、よだれを垂らしている、よだれに血が混じっている、食欲がない、食事は食べたそうなのにあまり食べないなどといった症状も見られます。

もしも歯茎などが黒くなっている原因が悪性黒色腫だった場合には、すぐに治療を始めなくてはいけません。

ただし口の中の黒くなった部分がしこりなのかどうか触って確かめることは難しいかもしれません。不安があるようでしたら、まずは獣医さんに相談してみることが一番でしょう。

日々猫ちゃんの口の中をチェックしよう

このように歯茎の状態をチェックすることで、猫ちゃんの健康状態がわかることもあります。

ブラッシングをしたりしている時に、猫ちゃんの全身の状態を見てあげている人は多いでしょう。その際には、ぜひ口の中も覗いてみてください。もちろん無理矢理ではなく、遊びながら徐々に見せてもらえるようにすると良いでしょう。

また歯磨きの習慣をつけることもオススメします。今までそんな習慣がなかった場合にはかなり難しいかもしれませんが、歳をとって歯周病になってから後悔するより健康なうちから習慣付けておいた方が良いでしょう。

もちろん嫌がる猫ちゃんに無理矢理やったりはしないで、お互いに余裕を持って遊びながらできるようになれば理想的ですね。

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