フランスの王妃、マリー・アントワネットの愛猫だったと言われるターキッシュアンゴラ。
その美しく豊かな被毛とつぶらな瞳、可愛らしいお顔は世界中で長きに渡り愛されてきました。そんなターキッシュアンゴラを今日は紐解いてみましょう。
この記事の目次
ターキッシュアンゴラの基本情報。美しい瞳とフワフワの被毛
ターキッシュアンゴラの特徴といえば美しいフサフサの被毛ですよね。ペルシャ猫の元になったとも言われる今も昔も愛され続けるその生態はいかに?まずは基本情報から紐解いてみましょう。
平均体重と体の特徴
ターキッシュアンゴラは筋肉質で細身の体をしていてその平均体重は2.5Kg~5Kgと小ぶりな体をしています。くさびの頭から生えた大きな耳がとても可愛いですね。
目のカラーと特徴
ブルー、グリーン、ヘーゼル、オレンジ、ゴールド、カッパー、オッドアイの瞳のカラーが見られるターキッシュアンゴラ。つり目でアーモンド型の形をしています。
被毛カラーと特徴
ターキッシュアンゴラといえばホワイトのイメージがありますが、実は被毛カラーと被毛パターンは意外と多いです。
ホワイトはもちろん、ブラック、レッド、ブルー、クリームが存在し、被毛パターンもソリッド、キャリコ、バイカラー、タビー、スモークが存在しています。
見た目はとても豊かな被毛のイメージがありますが、実はターキッシュアンゴラはアンダーコートではなくシングルコートなのです。
つまりフワフワの下毛はなく見た目よりも毛の量が少ないです。とは言っても普通の猫よりかは豊かな被毛なのでお手入れはこまめに行ってあげるようにしましょう。
また忘れてはいけないのがそのフサフサの尾。体に対して長くとても大きく見える尻尾はターキッシュアンゴラをさらに魅力的に見せてくれますね。
ターキッシュアンゴラの歴史
ターキッシュアンゴラはトルコ原産の猫です。その歴史は古く1600年代にはすでに存在していたという文献が残っています。かつてヨーロッパの上流階級の貴族や王族はその優美な見た目と美しさに魅了され好んで飼育をしていた高貴な猫でもあります。
当時は同じようなゴージャスな見た目のペルシャ猫と並ぶほど人気の猫種で、かの有名なマリー・アントワネットを始め様々な王族の寵愛を受けてきました。
しかし時代と共に顔のつぶれたペルシャ猫が人気となっていき、ペルシャ猫からの作出を目的にターキッシュアンゴラは交配され、しだいにその個体数を減らしていきました。
この事に危機を感じた原産国であるトルコはターキッシュアンゴラを国の宝とし首都の動物園で保護することにしました。
それ以来、国外で繁殖を行われることでその美しい宝石のようなターキッシュアンゴラの特徴がなくなることを懸念したトルコは国外に輸出することに難色を示すようになりました。
しばらくの間保護されているトルコの動物園以外で見ることがなくなったターキッシュアンゴラが再び世に出回るようになったのは20世紀に入ってからです。
一度は絶滅の危機に瀕したターキッシュアンゴラですがトルコの純潔種を守ろうとした決断と、譲り受けた諸外国のブリーダー達による努力のおかげでターキッシュアンゴラはその美しい姿のまま今日を迎えています。
ターキッシュアンゴラの白と黒。白のオッドアイは国宝級!
ターキッシュアンゴラといえば真っ白な猫というイメージが強いですが、全身真っ黒のターキッシュアンゴラも存在します。
なかなかお目にかかれませんが、白のターキッシュアンゴラよりも妖艶なイメージになるため猫好きの中では人気のカラーとなっています。
また白の被毛にオッドアイを持つターキッシュアンゴラはその稀少性から幸運を運んでくれる猫、国宝級の猫といわれています。
実際に真っ白な美しい被毛に吸い込まれそうなほどに輝く宝石を彷彿させる瞳は神秘的で尊い存在に思えます。
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ターキッシュアンゴラの性格はまるでバレリーナ
ターキッシュアンゴラは昔からバレリーナのような猫と言われてきました。優美で高貴な見た目からそう言われるようになったのはもちろんですが、気品に溢れた立ち振舞いにも由来しています。
自由を愛し束縛を嫌い、まるで歌いながら歩くような姿と好奇心の塊のような何にでも興味を見せる姿は王妃のようにも見えます。
家族皆に愛されるというよりは、お気に入りの1人に愛されていたいタイプです。そのお気に入りの人物の1番であれば、他のペットや子供がいても仲良く過ごすことができます。
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ターキッシュアンゴラの飼い方と気を付けたい病気
美しく気高いターキッシュアンゴラを家族に迎え入れる場合どのようなことに気を付け、どのような病気に注意をするべきなのでしょうか?
ブラッシング
光沢のある自慢の被毛は最低でも1日1回はブラッシングをしてあげるようにしましょう。毎日欠かさず行ってあげることで毛玉や毛球症の防止にもつながりますのでコミュニケーションを兼ねて是非行ってください。
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運動
優美な見た目をしているので、大人しいイメージがありますがターキッシュアンゴラはとても運動量が多い猫種です。
好奇心も旺盛のためキャットタワーやキャットウォークを用意して十分な運動と刺激を与える遊びをしてあげるようにしましょう。
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食事
ターキッシュアンゴラは運動量のわりには少食なため食事は高タンパク質、高カロリーのものを与えてあげましょう。食事量には気を使い、食の細い子ならカロリーが足りるように工夫をしてあげあてください。
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病気
ターキッシュアンゴラがもっとも気を付けなければいけない病気はAtaxia(運動型栄養失調)です。
あまり聞いたことのない人も多いでしょうが、これは小脳の異常により運動失調になる遺伝性の病気です。治療法は現在ないため発症すると子猫の間に死に至ることが非常に高いです。
運動をしたがらず寝てばかりいるようならAtaxia(運動型栄養失調)の可能性が高いので獣医師に相談をしてみましょう。成猫の場合は肥大型心筋症に注意しましょう。こちらは心臓の壁が厚くなる病気です。
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こちらも完治することはありませんが、早期発見をすることで症状を軽減することは可能です。呼吸が苦しそう、運動を嫌がるなどの症状が見えたら肥大型心筋症を疑うようにしましょう。
ターキッシュアンゴラの購入方法と平均価格
ターキッシュアンゴラの数は少ない物の日本にもブリーダーは存在します。しかしペットショップに並ぶことは大変珍しいので、直接ブリーダーさんに問い合わせてみるのが有効的な方法です。
購入価格は平均30万円ほどです。
しかし、日本でターキッシュアンゴラの繁殖を行っているブリーダーさんは少ないので、問い合わせた時に子猫がいない場合や生まれる予定があるとしてもすでに予約売約済みの可能性も十分考えられます。
ターキッシュアンゴラを購入する際はブリーダーに問い合わせて予約をしておくか、海外から輸入するのが確実と言えます。
海外から輸入するさいは生体代の他に輸送費もかかりますので予算は多めに用意しておくようにしましょう。
極上の被毛と麗しい姿が魅力のターキッシュアンゴラ
ターキッシュアンゴラはトルコの国宝と言われるほど美しく、宝石のように輝く麗しい猫です。今も昔もその姿に魅了されている愛猫家は多く、根強いファンが多い猫種とも言えます。
猫の王様と言われるペルシャ猫の祖先といわれているだけあり、その姿はやはり高潔で魅力的ですね。ターキッシュアンゴラはいつか家族に迎えてみたい、そんな思いを抱かせてくれる神秘的な猫というのが一番の魅力なのかもしれませんね。