冬には暖房器具から離れない猫ちゃんの姿はとても愛らしいですよね。でも、そんな猫ちゃんが暖房器具によって怪我をしてしまう場合があります。
完全室内飼いの猫ちゃんの場合、怪我をするケースはとても少ないのですが、その少ない中で比較的多く聞く怪我がこの低温やけどです。
低温やけど、と言えば人間にも同じような症状がありますよね。人間でもうっかりすると重篤化してしまう危険な怪我です。
猫ちゃんは全身を被毛に覆われていて、人間よりもとても小さな生き物ですので重篤化すると更に危険です。
猫の低温やけどの症状
低温やけどは痛みやむず痒さを伴うため、低温やけどを起こしてしまった猫ちゃんには
- 患部が気になりやたらと舐める
- 触ると痛がる
- 毛が抜けてハゲになる
- 水ぶくれがでる
- 皮膚がただれる
といった症状や行動がみられます。
低温やけどは暖房などの熱くは感じない程度のものに長時間触れ続けることで起こる怪我です。猫の体温より少し高い40℃~44℃くらいのものに触れていると猫ちゃんは低温やけどを起こしてしまいます。
重篤化すれば通常のやけどと同様に皮膚移植が必要になってしまう可能性もあります。
低温やけどの原因
低温やけどの原因は、私たち人間が使用しているものがほとんどです。
- カイロ
- ホットカーペット
- こたつ
- 電気毛布
- 湯たんぽ
- 電気あんか
- ストーブ
などなど。
一度暖かい場所を発見するとなかなか動かない猫ちゃんです。ずっと同じ姿勢で眠っている時には注意して見てあげてくださいね。
その他、意外に思われる原因のひとつに夏場のぽかぽかとしたひだまりがあります。
床や、猫ちゃんが寝る場所に置いている家具など、直射日光があたると思いのほか高温になっていることがあります。高温になりそうな時は原因のものを他の場所へ移してあげたり、光を防いで高温にならないようにしてあげてください。
低温やけどの対策
湯たんぽなどを猫ちゃんにあたえる場合は温度設定を低くし、タオルを一枚巻いて低温やけどを起こす温度ではないようにしてあげることが重要です。
ホットカーペットなどから動かない猫ちゃんもいますが、スキンシップも兼ねて姿勢を動かして、同じ場所が暖まり続けないようにしてあげましょう。
自分で動けない老猫や、生まれたての子猫の場合は更に気を遣ってあげてください。猫ちゃん自身が熱いと思っても動けない場合がありますので、必ず様子を確認しながら暖房器具を与えてください。
ヒーターやストーブは一定の距離より近付けないようにするために柵などを設置してください。飛び越えて近付いてしまう子もいるのでできれば上部もカバーしたいですね。
寒さが心配な場合は、ペットボトルや湯たんぽにお湯をいれて使用してください。こちらは一定時間が過ぎると温度が下がるため低温やけどの心配も減ります。
低温やけどになっても、猫は自ら「低温やけどになった」と言うことはできません。発見できるのは飼い主である私たち人間だけです。
日頃からのスキンシップを怠らず、飼い猫の身体に異変がないかよく観察してあげてくださいね。
お腹や肉球などが低温やけどを起こす可能性が高いと言われています。もしも低温やけどの兆候が見られればすぐに動物病院へ行きましょう。
電気あんかで低温やけどになったうちの猫
我が家の猫が低温やけどになって内ももにハゲを作ったのはもう随分と昔の話です。それまで健康優良児でなんの問題もなかった6才のオス猫でした。
多頭飼いでしたのでハゲを発見した時、感染症を疑い仕事を休んで病院に連れて行ったことを覚えています。とても小さなハゲで、1.5cm四方くらいの大きさでした。
いざ診察されると「低温やけど」という話で治療がいるほどのものではない、とのことで随分がっくりしました。
我が家ではもう10年以上使っている電気あんかがありました。電気あんかとは、電気で温まる、湯たんぽやカイロみたいなものです。
冬場で寒かったこともあり布団の中でそれを使用し続けていたのを私が電源を切るのを忘れたまま出社したことが原因でした。
しかし、この低温やけどもハゲだけで済んだから笑い話にできるのであって、皮膚に炎症が起きていれば治療のために時間やお金も、何よりも猫ちゃんの健康を損ねてしまう結果になりますので、以後は気をつけて過ごしています。
家庭内での怪我を防ぐために
暖房を使う場合は低温やけどはもちろん、熱中症などにも気をつけてあげてください。こたつなどを使用している場合、一日中そこから動かない猫ちゃんもいます。
設定温度を低めにする、こたつなら1カ所を持ち上げて中の温度が上がりすぎないようにする、ホットカーペットなどと併用しない、などのように気をつけてください。