多頭飼いの猫の喧嘩の理由は?飼い主が気を付けるポイントと対処法

猫を多頭飼いするいいところは、色々な個性を持つ猫と生活できることですよね。ただ、個性や性格が違う猫ちゃんを飼う時に心配になるのは猫同士で喧嘩をしないのかということです。

実際に多頭飼いをしている家庭で猫同士が喧嘩をして困っているという飼い主もいらっしゃいますし、同居猫同士の喧嘩が原因で怪我をする事例もあります。

多頭飼いをすることで猫が一匹で寂しくないように、遊び相手となるようにと多頭飼いを選んだのに仲が悪く喧嘩ばかりするのは困ってしまいますよね。

そんな多頭飼いの喧嘩にお悩みや不安を感じている方のために、今回は多頭飼いをするうえで気をつけたい猫同士の喧嘩についてと対処法をご紹介しましょう!

多頭飼いで猫が喧嘩をする理由

多頭飼いをするうえで気を付けたいのが猫同士の喧嘩です。猫も感情や個性、考え方の違いがありますから様々な思いや不満を主張し喧嘩をしてしまいます。

そんな猫達が何故喧嘩をするのか?理由を知れば事前に多頭飼いで問題になりやすい猫同士の喧嘩を防げるはずです。

まずは多頭飼いをするうえで発生原因になりやすい猫同士が喧嘩をする理由についていくつかご紹介しましょう。

先住猫との対面を失敗してしまった

先住猫がいる状態で「1匹で寂しそうだから」「捨て猫を拾ってしまったから」という理由で新たにもう1匹を家族として迎え入れることで多頭飼いとなる人もいると思います。

そこで注意してほしいのは、猫は元々縄張り意識が強く他の猫が自分の縄張りに入ってくることを非常に不愉快に感じる個体が多いということです。

それまで先住猫はお部屋の中は全て自分だけのテリトリーだったはずです。そのテリトリーに知らない猫が侵入してきただけではなく、今まで独り占めしていた飼い主様まで取られてしまうのですから新入り猫に敵対心を向けるのは必然的だといえます。

そんな敵対心を向けられた新入り猫も気が弱い場合なら喧嘩にはならないでしょうが、気が強く我が強いタイプの猫ちゃんなら売られた喧嘩を買ってしまい結果、喧嘩が絶えない家庭になってしまうのです。

そんな先住猫と新入り猫の喧嘩を防ぐ方法は、猫同士を初めて対面させる瞬間が勝負です。初めて先住猫と新入り猫を対面させる時はいきなり直接対面させてはいけません。

先住猫にとっても新入り猫にとっても、初対面同士なのですからいきなり自分たちの心の準備ができていない状態で引き合わされたら驚いてしまいます。

新入り猫を家に迎え入れた直後はお互いの姿を直接見えないようにし、数週間~数ヶ月かけて徐々に対面させるようにしましょう。

焦らずに少しずつ慣らしてあげることが、喧嘩がない平和な多頭飼いを成功させるコツです。多頭飼いをこれから始めようと思っている方は、先住猫と新入り猫の対面を失敗しないように気をつけましょう。

相性が悪い

先住猫と新入り猫の対面に注意をしたり、数匹を同時に迎え入れた場合でも多頭飼いをしている猫同士が喧嘩をする場合があります。

これだけ気をつけたのに何故?と首をかしげる飼い主もいらっしゃると思いますが、実はどれだけ仲良くさせようとしても、どれだけ初対面に気を付けたとしても猫同士の相性が悪いという事があります。

人間でも相手が悪い人ではないことはわかっているのに、何故か好きになれない人や、話が合わないという人いますよね?それと同じで猫も性格が合わない、なんとなく気が合わないということがあります。

そのような場合は、同じ空間で気の合わない者同士が生活をすること自体がストレスとなりますので可能であれば生活環境を分けてあげることで喧嘩を防げます。

例えば一戸建ての場合ならば、一階と二階で猫の生活空間を分けてあげてもいいでしょう。マンションならばお互いに1人になれる空間を作ってあげることで極力お互いを干渉せずに生活させてあげることで喧嘩を防げます。

前述したように猫は縄張り意識が強い動物です。気の合わな猫が自分の縄張りで生活をしている状況を極力なくし、お互いのパーソナルスペースを保てるような生活空間を作ってあげるようにしましょう。

ストレス

猫は元々自分たちで狩りを行い生活をしていましたが、飼い猫の場合狩りをする必要性もないので体力が有り余っています。

その有り余った体力や外を走り回れないストレスを解消するために飼い主が遊んであげる必要がありますが、なかなか時間を取れず遊んであげられなかった場合、そのストレスをお互いにぶつけてストレスを発散させようとします。

最初はじゃれ合って遊んでいたとしても段々とエスカレートしていき、最終的には激しい喧嘩となり飼い主が気が付いた時には収拾がつかなくなっていたということもありえます。

もちろん、猫同士じゃれ合い適度に運動をすることでストレスを発散できるのが多頭飼いのいいところでもあります。

しかしある程度は飼い主が一緒に遊んであげてストレスを発散させてあげることが喧嘩に発展させないコツでもあります。

嫉妬

先住猫と新入り猫の場合、飼い主はどうしても先住猫よりも小さい新入り猫を気にかけてしまいがちですが、そのような飼い主の行動は先住猫からの嫉妬の対象となってしまいます。

先住猫にとっては新入り猫が来る前は何事も自分優先にしてもらっていたのに、急に現れた猫に自分の居場所を取られてしまった気がして攻撃をする気持ち、なんとなくわかるのではないでしょうか?

また今まで仲の良かった猫同士が急に喧嘩をするようになった場合、知らず識らずのうちに一匹の猫を優先的に物事を進めてしまって他の猫が嫉妬をしているのかもしれません。

そんな嫉妬する思いから喧嘩を仕掛けている猫ちゃんならば、ほかの猫と変わらず大好きだよという事を猫ちゃんに教えてあげる必要があります。

例えば猫ちゃんと遊ぶときは、嫉妬している猫もちゃんと遊べているか気にかけながら遊んであげる、一匹の猫を抱っこして撫でてあげたならば他の猫にも同じように接してあげるようにするなど、多頭飼いをする場合はどの猫も平等に扱うことが大切です。

難しいでしょうが、猫同士の優劣や力関係などを考えて上手に全員の甘えたい、構ってほしいという要求を満たしてあげるようにしましょう。

多頭飼いの喧嘩とじゃれ合いの違い

多頭飼いをしていると猫同士がじゃれ合っている姿をよく見ると思いますが、時にはじゃれ合っているのか喧嘩をしているのかわからず困惑してしまうことありますよね。

喧嘩だったらすぐに止めなければいけないけど、じゃれ合いだったら遊んでいるところを邪魔したら悪いしと迷ってしまう。そんな方の為に次は多頭飼いの猫同士の喧嘩とじゃれ合いの違いをご紹介しましょう!

威嚇している

じゃれ合いをしている時は遊びの一環なのでうなり声をあげるなどの威嚇行動は見られません。しかし喧嘩の時は「ウー!」「シャー!」と威嚇をしながらお互いを攻撃し合います。

最初は遊んでいても、段々じゃれ合いがヒートアップしていき喧嘩に発展することもありますので威嚇をしだしたならば止めるようにしましょう。

耳を寝かせて降参しているのに追いかける

じゃれ合いをしている時は、一方が降参を意味する耳を寝かせて逃げる仕草をすればそこで終了します。しかし喧嘩の場合は、相手が耳を寝かせて逃げているにもかかわらずその後を追いかけて攻撃を続けます。

どちらか一方が相手を執拗に追いかけることは見られないので、多頭飼いしている猫が執拗に嫌がる猫を追いかけまわすようになったら喧嘩していると判断しましょう。

猫同士が長時間見つめ合っている

見つめ合っているのだから仲がいい証拠でしょう?と思うかもしれませんが、猫の世界ではお互いに目を合わせることは相手に敵意を向けているという意味になります。

つまり長時間お互いに視線をそらさず瞬きをすることもなく、見つめ合っているのはにらみ合っているまさに一触即発の状態ということです。

多頭飼いしている猫同士が静かに見つめ合っていたら、喧嘩に発展する可能性がありますので何か対策を考えるようにしましょう。

多頭飼いの喧嘩を止める方法と対処法

多頭飼いにおいて猫同士の喧嘩は止めなくてもいいという説があることはご存知ですか?

その理由は完全室内飼いの猫は刺激がなくストレスが溜まりやす傾向にあるため、ある程度の喧嘩はストレス発散になるためだと言われています。

そのため多頭飼いの猫同士の喧嘩は、執拗に追いかけまわしたり怪我をするような激しい喧嘩に発展しないのであれば放置して自然に治まるのを待つのも対処としては正しいといえます。

しかし、あまりにも頻繁に喧嘩をする場合や一方との力の差が歴然としていて大怪我をしかねない場合は人間が仲裁に入って止めてあげる方がいいでしょう。

しかし、猫同士が激しく喧嘩をしているところに手を出すと咬まれたり引っ掻かれたりして飼い主が怪我をしてしまうかもしれません。

私も実際に猫の喧嘩の仲裁に入って手を出してしまったために、手の甲を引っ掻かれ何針も縫う怪我をしたことがあります。

猫同士が喧嘩をしている時は焦って無暗に手を出すのではなく、興奮した猫を冷静にさせてあげることが重要です。

そんな、多頭飼いの喧嘩を止める上手な方法はいくつかあります。多頭飼いの猫同士が喧嘩を始めた場合は以下の方法を試してみましょう。

霧吹きでスプレーをする

猫は水が苦手な動物です。その特性を利用して多頭飼いしている猫同士が喧嘩をしている場合は顔に向けて霧吹きをして気を逸らすようにしましょう。

水を直接かけることは猫にとってストレスになりますし、風邪をひいてしまう原因となりますが霧吹きくらいの水なら問題はありません。

興奮して熱くなっている猫ちゃんの頭を冷やすという意味も込めて霧吹きで1プッシュして冷静さを取り戻してあげましょう。

大きな音を鳴らす

怒鳴り声や大きな声で怒ると飼い主の事を怖がってしまうのでよくはないのですが、猫達の気を逸らすために大きな音を鳴らすことも有効な方法です。

ただし、猫は大きな音が嫌いで大変ストレスに感じてしまうので大きな音を鳴らし喧嘩を止めるのは、怪我をしそうなほどの激しい喧嘩で我を忘れている時だけにとどめるようにしましょう。

おもちゃで気を引く

長時間お互いを見つめ合っていたり、威嚇をしだしたりと放っておいたら喧嘩に発展しそうな雰囲気を察知した時に他のおもちゃで気を引いて喧嘩の発生を防ぐのも一つの方法です。

特に飼い主が遊んでくれないことによるストレスが原因で喧嘩となっている場合はとても有効な手段です。

多頭飼いの猫同士に不穏な空気が流れていた場合は音のなるおもちゃなどで気を引き楽しく遊んであげることで、ストレスを発散させてあげましょう。

喧嘩の原因を排除する

喧嘩が起こる前に原因となりそうな要因を排除することも多頭飼いの喧嘩に対する有効な対処法といえます。

例えば、それぞれの猫が安心して生活できる環境や部屋を用意してあげたり、餌やトイレの取り合いで喧嘩をしないように複数個所に用意をしてあげたりと、それぞれの距離感を保てるような生活環境を整えてあげることが大切です。

また多頭飼いの場合、嫉妬深い猫ちゃんは自分以外の猫が可愛がられることをとても不快に感じて、嫉妬から他の猫に喧嘩を売ってしまうこともあります。

そのような場合は、ほかの猫を可愛がるとき嫉妬深い猫ちゃんが見えないところで可愛がったり遊んだりしてあげるなど工夫しましょう。

多頭飼いの喧嘩を見守るか止めるかは飼い主の判断次第

人間でも仲いい兄弟や仲のいい友達ほど喧嘩をするといいます。猫も仲がいい猫同士でも多頭飼いという限られた空間の中で共同生活を送っていれば喧嘩することもありますよね。

その喧嘩をじゃれ合いの延長だからと見守るか、怪我をする危険を感じて止めるかは飼い主の判断に任されます。

多頭飼いの猫同士の喧嘩には様々な考え方や意見がありますが、愛猫が喧嘩の怪我が原因で重篤な症状に陥らないためにも、怪我をしそうになったら紹介した方法で止めるようにしましょう。

また飼い主の務めとして大切な愛猫が喧嘩をしない快適な生活を送れるように生活環境や接し方を工夫しストレスの溜まらない穏やかな生活を送らせてあげるように心がけましょう。

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