多頭飼いの餌問題。猫個別で見るべきポイントと与えるときの注意点

猫を多頭飼いすることは様々なメリットとデメリットがあります。そのデメリットの中で注目をしなければいけないのが「猫の餌問題」つまり猫のご飯についてです。

同じ種類の動物だとは言っても、食が細い猫、食欲旺盛な猫、アレルギーのある猫、好き嫌いの多い猫と体質や好みは様々です。

そんな個性も食べる量も好みも体質も違う多頭飼いの猫の餌はどのような事に気をつけて、どのように与えればいいのでしょう?今回はそんな「多頭飼いの猫の餌の与え方」に焦点を当てていきましょう!

多頭飼いの猫は注意したい餌の食べる量

まず最初に注意をしなければいけないのは「餌の量」についてです。猫によって食べる量や食べるスピードは違うため、しっかりと見ていないと餌をよく食べている子と、全然食べれていない子が出てしまいます。

さらに猫によっては他の猫の餌を横取りしてしまうこともあるのです。まずは多頭飼いの猫が食べる餌の量についてみていきましょう。

猫は餌を食べるスピードが個体によって違う

多頭飼いをしたことがある人や、猫と接する機会が多い人なら分かると思いますが猫は個体によって食べるスピードが違います。

とてもゆっくり時間をかけて食べる猫もいれば、バキュームかなと思うほど吸い込むように食べる猫もいます。

そんな食べるスピードが違う猫ちゃんを多頭飼いするうえで気を付けたいことが、餌を一匹一匹お皿を分けて与えてあげるということです。

大皿で餌を一斉に与えるのは愛猫によって食べる量の差が出る原因になる

多頭飼いをしている飼い主の中には、一匹一匹お皿を出していたら洗いものが増えるしめんどくさいからと大皿で一斉に餌を与える人をみかけますが、それはおすすめしません。

前述したとおり、猫は個体によって食べるスピードが違うため大皿で一斉に与えると食べるペースが速い猫ちゃんが餌を食べすぎてしまうだけではなく、食べるスピードが遅い猫ちゃんが満足に餌を食べられなくなる可能性があるのです。

多頭飼いに限らず餌は食べすぎても食べなさ過ぎても健康によくありません。一匹一匹の餌を食べる量を管理するためにも、餌を与えるときは一匹づつお皿に分けて与えるようにしましょう。

他の猫の餌を横取りする猫も

猫はクールなイメージを持たれていますが、案外欲張りな性格をしています。そのため猫によっては自分のご飯がまだ残っているのに他の猫のお皿から盗み食いをしてしまう猫も存在しています。

特に一斉に餌を与える場合によくみられ、全く同じ餌を与えているのに何故他の猫のご飯を横取りするの?と、思いますよね。

猫にとってそれは分かっているのでしょうが、何故か他の猫が食べているご飯はおいしそうに見えてしまうようです。また見た目は同じでも、味は違うのでは?という思いから、思わず隣の猫のご飯を盗み食いしてしまう猫もいるのです。

ちなみに横取りをされる猫はだいたい他の猫よりも力関係が弱いので、餌を横取りされても黙って見守ることしかできない場合がほとんどなのです。

その結果、同じ量のご飯を与えているはずなのに食べ過ぎによって肥満気味になる猫と、あまり餌を食べられず細身の猫が多頭飼いの中で発生しやすいのです。

そのような事態が起きればどちらの猫にとっても健康によくはありません。愛猫の健康を保ってあげる為にも、多頭飼いで餌を与える場合は飼い主がしっかりと愛猫の餌を管理してあげる必要があります。

多頭飼いの餌で気をつけたいアレルギーの有無

多頭飼いの猫に餌を与える時、量の他にも気を付けたいのが食物アレルギーです。

猫に食物アレルギーなんてあるの?と驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが、猫は人間のように個体によって食物アレルギーを保有していることがあります。

  • とうもろこし
  • 小麦
  • 玄米
  • 魚類
  • 大豆
  • 牛肉
  • 豚肉
  • 鶏肉
  • 卵白
  • 卵黄
  • 牛乳

猫が保有する食物アレルギーのアレルゲンは、ザっとあげただけでもこれだけ存在します。このほかにも特殊な食材にアレルゲンを持っている場合や、キャットフードに含まれる添加物にアレルゲンを持っている猫も存在します。

ただし、人間でも食物アレルギーを持っているかや発症するかは個人差があるように、猫も個体差があります。

つまり多頭飼いをしている猫の中でも、それぞれが持っているアレルゲンが違うために同じキャットフードを与えられない可能性があるということです。

例えば一匹はA社のキャットフードは大丈夫だが、他の会社のキャットフードはアレルギー反応が出る。しかし多頭飼いをしているもう一匹の猫はA社のキャットフードではアレルギー反応を示してしまったという場合です。

必然的にそれぞれ別のキャットフードを与えなければいけません。それだけではなく、それぞれの猫がそれぞれの餌を盗み食いしないように監視しておく必要もあります。

これが2匹だけならいいですが3匹、4匹と猫の数が増えれば増える程、それぞれの体質は違ってきますので餌やりが大変になってきます。

一番手間のかからない方法としては、どの猫が食べてもアレルギーが出ないキャットフードを見つけて与える方が万が一アレルギーを持っている猫ちゃんが食べてしまった時も安心ですよね。

ちなみに我が家には3匹の猫がいますが、そのうちの2匹がおそらく何らかの食物アレルギーを持っています。

どちらの猫も何がアレルゲンなのか特定できず、様々なメーカーのキャットフードや食物アレルギーを持っている猫用のキャットフードを試しましたがどちらの猫もアレルギー反応を示さないキャットフードがなかなか見つからず困っていました。

そんな時にかかりつけの獣医さんにおすすめされたのがこちらの商品。

▼ロイヤルカナン 療法食 消化器サポート
ロイヤルカナン療法食消化器サポート商品イメージ
プレミアムキャットフードとして大変有名なロイヤルカナンから発売されている療法食である「消化器サポート」です。

こちらの商品は消化器に疾患のある猫ちゃん用に作られた消化にいいキャットフードでアレルギーや消化器症状に悩んでいる猫におすすめのキャットフードです。

実際に、獣医さんの愛猫もこの消化器サポートを与えてアレルギー症状が治まったとのことでしたので私も試しにこちらのキャットフードを与えてみました。すると、どちらの猫にも症状が出なかったのです!

以降、我が家はアレルギーを持っていない愛猫も含めてこちらの消化器サポートを愛用しています。我が家の場合はこちらで症状が治まりましたが、猫によってはこちらの商品でもアレルギーが出ることはあるようです。

しかし、多頭飼いでどの猫にも合うキャットフードが見つからないという方はこちらの消化器サポートを試してみてはいかがでしょうか?

多頭飼いの猫に餌をあげる時に気を付けるべき事

多頭飼いをしているうえで餌の量を考えながら与えるのは正直大変ですが、愛猫の健康を保つためには妥協してはいけません。それでは最後に、多頭飼いの猫に餌を与えるうえで気を付けるべきことをご紹介します。

これから猫を多頭飼いしようとしている方も、多頭飼いをすでにしている方も愛猫のために餌の与え方をこの機会に見直してみましょう。

多頭飼いの場合、餌は同時に与えない

多頭飼いしている猫に餌を与えるときにまず心がけたいのが同時に餌を与えないようにすることです。

同時に餌を与えてしまうと、気の弱い猫や力の弱い猫が餌を横取りされてしまう原因にもなりますし、ほかの猫の餌を食べることで食べ過ぎによる肥満の原因にもなります。

食べるスピードに差がある猫同士や、力関係があまりにもありすぎる多頭飼いの猫は極力同時に餌を与えないようにするか、別の場所や部屋で与えるようにしそれぞれが落ち着いて餌を食べられる環境を整えてあげましょう。

餌を与える時は名前を呼ぶ

多頭飼いで餌を与えるときに大切なのは、「今だれにご飯を与えているのか」ということを猫達に理解してもらうことです。

多頭飼いをしている場合、餌を与えたり遊んであげたりするとき一斉に行う家庭がほとんどだと思います。

しかし、ご飯を与えるときに何も言わずに餌だけを置いては「今これは誰のご飯なのか?」「これは自分が食べていいものなのか?」と猫が混乱し、結果的に力関係の強い猫が力の弱い猫の分の餌まで食べてしまうという事態が発生するのです。

そのようなことを防ぐために、餌を与える時は必ず「○○、ご飯だよ」といって名前を呼んであげましょう。そうすることで他の猫も自分の餌ではないと理解しますし、猫自身も自分のご飯だと自信を持って食べることができます。

多頭飼いの猫に餌を与える時は、それぞれの名前を呼んで餌を与えるように心がけてみましょう。

先住猫から餌を与える

多頭飼いをするきっかけは様々でしょうが、先住猫がいる状態で新入り猫を迎え入れた場合は何事も先住猫を優先的に物事を進めるように心がけると多頭飼いがうまくいきやすいです。

先住猫は元々、一匹しか飼われていなかった時は飼い主の愛情を独占できただけではなく、何事も自分優先でお世話をしてもらっていたはずです。

しかし、新入り猫が現れたことで大好きな飼い主を取られてしまったことに不満を感じるだけではなく自分の立場も取られてしまうのではと不安になってしまいますよね。

そんな不安な気持ちを無くすための有効な手段が「先住猫から餌を与える方法」なのです。猫にとって食事の順番はとても重要で、基本的に力関係が上の猫から餌を食べる傾向にあります。

そんな習性を利用して、餌を与える時は先住猫から餌を与えることで「多頭飼いをしていても一番愛されているんだ!」という自信を与えてあげられるのです。

さらに餌を横取りしてしまう問題行動は「力関係を誇示するため」という理由もあります。新入り猫のご飯を横取りすることで先住猫は、自分の力が強いことを示そうとしているのかもしれません。

そんな問題行動を予防するという意味でも、多頭飼いの場合は先住猫から餌を与えるように心がけるようにしましょう。

多頭飼いの餌の時間は注意をしよう

猫にとって餌は生きるためにとても重要なことです。しかし他の猫がいる多頭飼いの場合、個体差や食への好み、さらに力関係にもよって餌を食べすぎてしまったり、食べられなかったりと個体差によって違いがでやすい傾向にあるのです。

適正な量の餌を食べる事は猫にとって健康を維持するためにとても重要なことです。

多頭飼いをしていると、思うように管理しきれない事もあるかもしれませんが飼い主の責任として一匹一匹にあった餌の適正量をしっかりと管理するようにしましょう。

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