猫がスフィンクス座りする理由。ややリラックスしてるにゃ

猫の画像や動画がインターネットで人気になり、その仕草に様々な名前が付けられるようになりました。

手足をを折りたたんで箱のような形になった「香箱座り」や、体をうつ伏せにして謝っているかのような「ごめん寝」など聞いたことがある名前もあるかもしれません。

色々な座り方をする猫ですが、その座り方の違いで猫の気持ちをある程度把握する事も出来るのです。

今回は「スフィンクス座り」と呼ばれる座り方について、それがどんな意味を持ちその座り方をしている時の猫の気持ちはどのようなものなのかを調べてみました。

スフィンクス座りはややリラックス中

香箱座りやごめん寝などの名称は学術的な物ではなく、猫好きな人や猫を扱うメディアの中だけで通じるものですが、様々な呼び方が生み出されているのはそれだけ猫が愛されているからと言えるでしょう。

「スフィンクス座り」とはその名前の通り、エジプトのギザのピラミッドのそばにある、スフィンクスのような座り方の事を言います。

スフィンクス座りする猫の写真

このように前足がまっすぐに伸びて床についているのが特徴です。香箱座りとは、この前足が出ているか出ていないかの違いとなります。

スフィンクス座りする三越デパートの像の写真

三越デパートのライオン像も、スフィンクス座りをしています。堂々とした姿に見えることから、スフィンクス座りをしているネコ科の動物が、しばしばモチーフにされています。

スフィンクス座りをしている猫の気持ちは、「ややリラックスしている」と考えられます。

猫は人間に飼育されていても、野生の感覚を忘れることはほとんどありません。暑い夏にお腹を出してだらりと伸びきっている事もありますが、完全に野性を忘れるということはないのです。

スフィンクス座りは前足を出している為、休憩してはいるもののすぐに立ち上がることが出来る姿勢です。そのことから、猫にとってはややリラックスしている状態と考えられるわけです。

ただ座っている様に見えますが、周囲の音に耳を傾けて異常なものはないか観察をしているのです。

猫の耳は人間よりもはるかに高い音域を聞き取る事が可能です。いわゆるモスキート音と呼ばれる、人間には聞き取ることが出来ない音も猫は聞き分けることが出来ます。

何もおかしなものはないのに、何かを見つめているような様子の時は、猫だけに聞こえる音を聞き取っているのかもしれません。

信頼関係がある程度出来ている姿でもある

スフィンクス座りをしている時点で、猫との信頼関係はかなり出来ていると言えるでしょう。警戒している猫は、人間の前でリラックスした座り方をしないからです。

この姿は猫のお気に入りの場所で見せることが多いです。そのまま姿勢を崩して、寝てしまう場合もあります。

スフィンクス座りや香箱座りをしている時に、愛猫の名前を呼んでみてください。おそらく、しっぽを振って返事をしてくれるでしょう。

休憩中で面倒だから尻尾で返事するよ、という場合が多いです。それはリラックス中でも飼い主の事を意識している、つまり信頼関係が出来ている証拠とも言えます。

猫の休憩中の姿は常にチェックしておこう

スフィンクス座りは前足を出してすぐに立ち上がれる姿勢であるため、ある程度体力がある証拠と言えます。

体調が悪い猫はこの姿勢をとれないことがあります。警戒をする元気もないほど、体長が悪くなっている可能性があります。

夏なのに体を丸めて寝ている時間が多かったり、どことなくだらんと力なく横になっている事が多いなと思ったら、出来るだけ早く病院へ行って診察して貰うようにしましょう。

猫の寝ている姿やリラックスしている時の姿も、毎日よく観察していると異変に気づくことがあります。

お気に入りの場所に来ないで、ベットや椅子の下に入ってしまってずっと出てこなかったり、食事に反応をしないといった変化を見逃さないことが大切です。

体調が悪い猫は物陰でじっとする傾向がある

猫は死期を悟るといなくなる、と昔から言われています。これにはちゃんとした理由があります。

体調が悪くなると、猫は人目のつかないところに隠れるという習性があります。

弱肉強食の自然界の中では、具合の悪さを他の動物に知られてしまうと、真っ先に自分が狙われるということを本能で知っているからです。

現在は室内飼いが主流ですが、少し前までは自由に外に出ている猫も多くいました。そのため、体調が悪くなると静かな所に隠れて、回復するまで物陰でじっとしているのです。体調が戻れば姿を見せますが、そのまま落としてしまう場合もあります。

これが、猫が死期を悟るといなくなるという伝承の理由です。

室内飼いであっても、体調が悪い場合はじっとしている事が多いです。消化不良や便秘などの一時的な問題で具合が悪くなっている場合もありますが、病気がある場合は早く見つけることが何よりも大切です。

普段から猫がどのような姿や、どこで休んでいるかを確認しておくことが長生きの秘訣ともいえます。

なお、子猫は個体差がありますがスフィンクス座りや香箱座りが出来ません。まだ体が成熟しておらず筋肉も少ない為、後ろ足を折りたたんで座るということが出来ないためと考えられています。

スフィンクス座りや香箱座りはある程度落ち着いた、大人の猫の座り方であるともいえます。

リラックスしている姿からも猫の体調を読み取ろう

スフィンクスはエジプト神話やギリシャ神話などに、登場するライオンの体と人間の顔を持った怪物です。古代の人は、動物のライオンがスフィンクス座りをしているのをモデルにして、ギザのスフィンクスを作ったのかもしれません。

ライオンやトラといった大型のネコ科は、香箱座りは苦手のようでスフィンクス座りをしている姿をよく見かけます。スフィンクスをしている猫は、どことなく凛々しい雰囲気を感じます。

猫は家につき縄張りを大切にする動物です。スフィンクス座りをしながら、自分の縄張りに異常はないかを確認しているのかもしれません。

愛猫がリラックスできる環境をつくってあげられるように、猫の様子は常に気にかけてあげることが大切です。

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