猫の尻尾の付け根は触って大丈夫?痛がるのか喜ぶのかを見極めて

猫の尻尾の付け根をこしょこしょかいたり、軽くトントン叩くと気持ちいいらしい、という話を聞いたことがあるかもしれません。

尻尾の付け根をいじるとしゃちほこのようにお尻をもちあげてくる猫もいるため、猫のおもしろ画像としてネットで見る事も出来ます。

しかし猫によっては嫌がる場合もあるので、やたらと触るのは良くないようにも思えます。

一体、猫の尻尾の付け根には何が隠されているのでしょうか。猫の尻尾の付け根の秘密に迫ってみます。

また、尻尾回りの病気やお尻のケアについても考えていきます。

尻尾の付け根には神経が詰まっている

尻尾の付け根を触られた猫の写真

我が家の猫も多少はシャチホコ状態になります。

もう少し若い頃は気持ちよさそうにしてましたが、最近はちょっとお尻をあげるぐらいになっています。そのため、今はもうあまり触らない様にしています。

これは猫によってもかなり反応が違うようです。

そもそもなぜ、尻尾の付け根を触るとこのような反応をするのでしょうか。

猫の感情は尻尾に出るとも言われています。犬に比べると感情が乏しいと思われがちな猫ですが、尻尾の動きを見れば猫の感情がわかることもあります。

そのため、猫の尻尾には神経が集まっており、数種類の筋肉から作られた精密な構造をしているのです。

猫の尻尾の形は様々で、中にはほとんど尻尾がない猫もいますので、全ての猫の尾の構造が同じというわけではありません。

一番オーソドックスなタイプである尻尾の長い猫の場合、18から23個のしっぽを支える骨と、数種類の大小12個の筋肉で構成されています。

その尻尾に尾骨神経という神経が尻尾全体に張り巡らされており、猫の細やかな尻尾の動きを可能にしているのです。

尻尾を動かしている尾骨神経は、猫の尻尾の付け根あたりで尿の動きをつかさどる骨盤神経や生殖器の動きに関係する陰部神経、膀胱の動きをつかさどる下腹神経といった様々な神経につながっているのです。

猫の尻尾を引っ張ってはいけないのはこのためで、万が一尻尾に集まる神経を損傷してしまった場合、排泄や排便、歩行障害といった障害を起こしてしまうからです。

猫の体の中でも、デリケートな部位といってもよいでしょう。

尻尾の付け根は猫のツボの1つといえる

猫の尻尾を触ったり軽くポンポンと叩くと気持ちよさそうにするのは、この神経が集まっているからと考えられています。

人間も同様ですがツボと呼ばれる場所は、神経が特に集まっている部分のことを指しています。

ツボ押しを受けたことがある人なら、想像がつくかもしれません。足や肩などのツボを押すと気持ちよくなることもありますが、人によっては痛いと感じる場合もあるでしょう。

同じ場所でも、酷い肩こりや筋肉痛などその時の体調によって痛いと感じることもあるかもしれません。これは体の構造や体質に個人差があるからと考えられます。

猫も同様で、猫のツボといえる尻尾の付け根を触ると気持ちよくなる猫もいれば、不快感になる猫もいるわけです。

ですから、触り過ぎには注意したい所です。尻尾の付け根を触って嫌がるのであれば、すぐに触るのをやめるようにしましょう。

逆に気持ちよさそうにしている場合は、リラックス効果があるともいえます。中には自分から触って、とアピールする猫もいるかもしれません。

尻尾の付け根を触って喜ぶ猫であれば、スキンシップにもなりますので触ってあげることも良いでしょう。

ただし、前述したように尻尾の付け根は神経が多く通っているデリケートな部分です。強く叩いたり尻尾を引っ張ったりすると、神経が傷ついてしまう場合があります。

尻尾の付け根を触る時は優しく、軽くトントンと叩いてあげる程度に留めておきましょう。

尻尾の周りの状態にも注意をしていおこう

また、尻尾を触る時には猫の体調も常に確認しておきたい所です。

尻尾の毛がもつれていないか尻尾の形はおかしくないか、肛門周辺の状態や臭いなどは病気にサインになりますので、注意しておくようにします。

猫の尻尾にサインが出る病気を確認しましょう。

皮脂が過剰分泌され細菌が繁殖してしまうスタッドテイル

スタッドテイル(尾腺炎、尾腺過形成)は尾のつけ根あたりにある脂を分泌する腺、尾腺の皮脂が過剰に分泌されてしまう病気です。

この病気はしっぽのつけ根の毛がもつれて固まってしまったり、悪臭を発したりします。

去勢をしていないオス猫に多い病気ですが、今の所病気の原因はわかっていません。また避妊手術をしていないメス猫でもかかる場合もあります。

症状が進むと毛が黒ずんできたり、炎症したり、化膿する場合もあります。

治療法は薬用シャンプーで尻尾の毛を清潔にし、化膿している場合は抗生物質を投与します。去勢・避妊手術をするのが最も効果的な方法とされています。

もしこの症状が現れた場合は、去勢・避妊手術を視野に入れて獣医師に相談するのが良いでしょう。

肛門嚢に分泌物が溜まる肛門嚢炎

肛門嚢炎は肛門嚢という袋状の器官に炎症が起きてしまう病気です。

犬に比べて猫は発症がまれな病気でありますが、細菌がよって膿が溜まってしまうと肛門嚢が破裂してしまう事もあるため、注意が必要です。

発症するとお尻を舐めたり、気にするようなしぐさを見せるようになります。

年を取ると肛門の筋肉もゆるんでくるため、肛門嚢を絞る力が弱まってしまい内部に分泌物がたまりやすくなってしまうのです。また、下痢や軟便で肛門周りが汚れてしまい、感染症をおこしてしまう事もあります。

この病気にかかってしまった場合、抗生剤で炎症を抑えて治療をします。また、カテーテルを挿入して肛門嚢をきれいに洗浄します。

月に1、2回肛門に脱脂綿をあてて軽く絞ることで、肛門嚢を清潔に炎症を予防する事も出来ます。

なお、この予防は肛門嚢炎を起こしたことがない猫であれば不要となります。

健康な猫はウンチの後お尻を拭く必要はない

ところで、猫がウンチをした後にお尻を拭く方が良いのでしょうか。

これは健康な猫であれば拭かなくても良いのですが、下痢や軟便の場合はお尻にくっついてしまうことがあるので拭いた方が良いでしょう。

無理やり拭くと、かえってストレスになってしまうこともあります。

排便の後、猫は自分で肛門を舐めて清潔にします。人間の感覚だと少々不衛生も感じますが、猫は人間よりも雑菌に強く口の中で消毒してしまう力があるのです。

猫はもともとは野生で生きていた動物です。野生動物は捕えた獲物をそのまま食べますし、自然という様々な雑菌がいる中で暮らしています。そのため、人間よりも雑菌に強くなったと考えられています。

しかし、肛門の力が弱くなってうまく排便できなくなった老猫はケアが必要になります。その他、長毛種の猫・肥満気味の猫・下痢をしている猫はうんちの汚れがより残りやすくなりますので、軽く拭いてあげると良いでしょう。

この時ぎゅうぎゅうと強く拭くのでなく、濡れたタオルやおしりふきシートなどを使って優しく汚れをぬぐいます。

特に毛の長い猫は汚れをほっとくとうんちが固まって毛にこびりついてしまうこともあるので、お尻回りには注意するようにしましょう。

尻尾は特にデリケートな猫の第二の顔

猫の尻尾の付け根は様々な機能がつまっており、デリケートな部分でもあります。触ると喜ぶ猫もいれば嫌がる猫もいるので、扱いには注意したい部分でもあります。

同じ猫でも、年齢を重ねるにつれて触られるのが嫌になってしまう場合もあります。猫の様子を確認しながら、スキンシップをするように心がけましょう。

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