たれみみでまんまるお目々がかわいいスコティッシュ!その愛らしさから大人気ですが、実は遺伝的な問題があります。
たれみみの秘密からスコティッシュの遺伝的に気を付けたい病気についてお伝えします。
なぜ耳が折れてるの?
たれみみで大きなお目々のスコティッシュ。とってもかわいいですよね!
でも、耳が垂れるのは、実は「軟骨の形成異常」なんです。
発症は後ろ足やしっぽから始まり、痛みが伴うことが特徴です。発症すると、元には戻りません。
わたしたちがかわいいと思う背後には、スコティッシュフォールドの抱える遺伝的疾患が隠れています。
スコティッシュフォールドを迎えたいと思ったら、この疾患についてもぜひ理解しておいてください。
スコティッシュフォールドの耳の折れ方
- シングルフォールド・・・耳の折れが一番ゆるい
- ダブルフォールド・・・・耳の折れがしっかりとして、頭につく位
- トリプルフォールド・・・耳の折れがきつく、完全に頭についている
垂れ耳は「軟骨の形成異常」です。
その兆候を見分けるポイントは
- しっぽが硬直している
- 手足を触るといやがる
- 鼻が変形している
この様な兆候が現れたら、まずは獣医さんへ行きましょう。
ねこちゃんに痛みが表れている可能性があり、その痛みを緩和してあげる必要があります。
スコティッシュのかかりやすい病気
遺伝的な問題からスコティッシュのかかりやすい病気があります。代表的な疾患をご紹介します。
遺伝性骨形成異常症
成長過程で骨が変形する疾患。生後3か月から2年の間に発症し、骨が変形したり、軟骨がこぶのようになります。
遺伝的なものなので完治はできませんが、早期発見のため、成長するまで定期的に獣医さんで検診を受けましょう。治療は主に鎮痛剤投与。酷い場合は痛みが一生続きます。
重度の場合は外科処置で骨瘤を取り除いたり、または放射線で骨の形成異常を抑制します。
最近は新たな薬物治療として鎮痛剤のほかに骨の成長を調整するビスフォスフォネート製剤と消炎剤を内服させる治療法が開発されました。
飼い主さんがしてあげられるのはねこちゃんの環境を快適にしてあげること。
室内でジャンプした後、着地時に手足の関節に負担がかかりますので、階段を置いたりクッション性のある床材を使うなど、ぜひ心がけてあげてください。
腎不全
腎不全の原因としては細菌や病原体の感染、毒物摂取、加齢、先天的な遺伝要因など様々なものが考えられます。
スコティッシュフォールドの場合は先天的な遺伝要因が大きいと言われています。
早期発見で延命につながりますので、定期的に獣医さんの検診を受けましょう。
肥大型心筋症
心臓の筋肉が肥大化して血流が悪くなり、酸素欠乏症となります。
初期段階では目に見える症状はありませんが、症状が進むと胸水がたまったり血栓ができて呼吸があらくなり、手足が冷えて麻痺します。
心筋症の原因は先天性のものと、必須アミノ酸のタウリン不足によるものがあります。
また、栄養バランスのよいキャットフードを与えることも大切ですね。
尿結石
膀胱や尿管に石が形成されて排尿が困難になる疾患です。
食事や感染、遺伝が原因とされています。尿道の細いオスがかかりやすい疾患です。
軽度の場合は結石を溶かす薬を投与しますが、重度の場合は外科的手術で結石を取り除くこととなり、ねこちゃんの身体への負担が大きくなります。
外耳炎・難聴
耳が折れていることから通気性が確保できないため、スコティッシュフォールドは外耳炎になりやすいです。悪化すると難聴になる可能性も。
かゆみがあるため、壁や柱に耳を擦り付けたりしていないか、耳から滲出物がないかを確認しましょう。
治療は耳の洗浄や抗生物質の投与となります。重度の場合は消炎剤も投与されます。
垂れ耳のスコティッシュフォールドには耳のお掃除は欠かせません。
眼瞼内反症
まぶたが内側にもぐりこみ、まつげで眼球に傷がつき、炎症がおきます。スコティッシュフォールドではまぶたがおおきいことから遺伝的要因と考えられています。
治療は内側に入ってしまったまぶたを整形外科処置で取り除くことになります。
スコティッシュとの生活で気を付けるべき点と、定期健診の重要性
スコティッシュフォールドの病気は遺伝的なものが多く、防ぐことはできないとされています。
ただ、病気の症状が現れたら早期に対処することで、ねこちゃんの負担を軽減してあげることができます。
完治はできませんが、より快適な状況をねこちゃんに用意してあげることができます。
そして、一番大切なことが定期的な検診。
獣医さんで定期的に検診を受けることが病気の早期発見、早期対処となり、ねこちゃんの痛みを緩和したり、一緒にいられる時間を延ばすことができます。
病気を知って、まるごと受入れスコティッシュ!
スコティッシュフォールドのかわいさの背後には遺伝的な大きな問題がありました。
遺伝的な病気もひっくるめて、垂れ耳のかわいいスコティッシュフォールドを受け入れてあげてくださいね。
また、現在スコティッシュフォールドを飼っていて、ねこちゃんが元気であっても、ねこちゃんが痛みを感じていないか、時々注意してみてあげてください。
対処療法ではありますが、ねこちゃんの痛みを緩和してあげるために飼い主さんができることがあります。
ねこちゃんの過ごしやすい環境を整えてあげること。ねこちゃんの行動を注意して観察し、定期的な検診を欠かさないこと。
それがスコティッシュフォールドとの生活で飼い主さんができることです。