猫の流動食を選ぶときのポイント&食欲が低下した時の食事方法

胃腸などの調子が悪い時に食べる、どろっとした液体状の流動食というものがあります。

人間でも療養食として食べることがあるように、猫用の流動食もありペットショップなどでも扱っています。基本的には病気や加齢により、食欲が落ちて普通のフードを食べない時に流動食を食べさせることが多いです。

猫用の流動食はどんな時に与えるのが良いのでしょうか。猫用の流動食の役割と食べさせるべき状態について、解説していきます。

また、家で手作りをする時に注意すべきポイントについてもあげていきます。

主に食欲不振の時に食べさせる

猫も様々な原因により食欲が低下する事があります。

病気や高齢が原因で食欲が低下する事が多く、その他口内炎など口腔のトラブルが原因で体そのものは元気でも、口が痛くて食べたいけど食べることが出来ないといった事もあります。

猫の流動食フードパッケージ写真1

流動食は水分が多く、消化しやすいように作られていますので、食欲が低下している時に与えれば食べてくれるかもしれません。

画像のフードは18歳以上の猫に推奨されているもので、腎臓への負担を少なくするために、たんぱく質とリンが少な目になっています。

高たんぱくやリンの取り過ぎは、腎臓に負担をかけ腎不全の原因になることがあるのです。

猫の流動食フードパッケージ写真2

こちらも水分が多いです。リンやナトリウムなどのミネラル分が、少な目になっているのが特徴です。たんぱく質がやや多くなっています。

画像はペーストタイプの流動食ですが、完全に液体になっているものや粉末のもの、ゼリータイプのものなどもあります。

では、どんな時に流動食が必要になるのでしょうか。猫も様々な理由で食欲がなくなることがあります。

病気や高齢、口内トラブルなどで食欲が低下し、これまでは好物だったものを食べなくなってきます。その原因に応じた、流動食の選び方を確認していきましょう。

老猫は食べる力が弱くなる為柔らかいフードに切り替えていく

どんな猫でも必ず年を取ります。猫は人間より速いスピードで年を取っていきます。そのため、個体差はあるものの7歳頃からだんだん老いを感じるようになっていき、食事の好みが変化する事があります。

年を取るにつれて歯や顎の力が悪くなり、消化する力も弱くなっていきます。シニア期に入ったからと言って、すぐに流動食が必要というわけではありません。

我が家の猫は17歳と高齢ですが、高齢猫用のドライフードもウェットフードも好んで食べていますので、その猫の体調に応じて流動食を取り入れるようにしましょう。

ペットショップで売っている高齢猫用のフードは、基本的に水分を多めにして消化をしやすくするようにしてあります。

これらのフードを食べなくなったら、さらに柔らかいペースト状のフードを試してみましょう。ペースト状のものは舐めて食べることが出来るので、かための物が食べられない猫でも食べてくれるかもしれません。

また、これまで好きだったウェットフードをドロドロにすることで、流動食を作る事も出来ます。ミキサーにかけたり、大きな固形物が入っている場合は網でこしとってからすりつぶし、お湯を入れて混ぜる事で流動食になります。

栄養が偏らない様に注意しよう

注意したいのは、総合栄養食を必ず与えるというところです。普通のキャットフードも、一般食と栄養食があるように、市販されている流動食も一般食と栄養食があります。

人間で言えば一般食はおかず、栄養食はごはんという関係になります。食欲がない猫にとって、栄養を付けることはとても大事な事です。一般食ばかりに偏らない様に、バランスを考えて与えるようにしましょう。

シリンジやスポイトを使って食事の介助を試す方法もある

猫が自力で食事をとれない場合は、完全に液体の流動食をシリンジやスポイトを使って食べさせるという方法があります。

食べる力がかなり弱くなってしまった猫は、飼い主が介護をして食べさせる必要があります。食欲が極端に落ちている猫の場合は、栄養価の高いウェットフードを与えるようにしてください。

スポイトやシリンジで食事を与える時は、まず片方の手で猫の顔を抑えます。

仰向けやあまり頭を上に向けてしまうと、誤飲を起こしてしまう事がありますので、うつぶせの姿勢をとっておきます。

口のわき、犬歯の後ろの隙間にスポイトやシリンジを差し込み、食事を少しずつ注入していきます。あまり一度に注入するとこぼしてしまうので、ゆっくりと行いましょう。

猫用のシリンジやスポイドは、ペットショップやネットショップなどで購入することが出来ます。大きさにより値段が異なりますが、300円~3000円程度のものが主流です。

介護用に飲ませやすく改良されたものもありますので、いざという時のために購入しておくと良いでしょう。

慣れていない猫の場合は、嫌がって暴れたり逃げようとすることがありますので、タオルで猫をぐるぐるまき、足で挟んで動きを固定するのが良いでしょう。

暴れてひっかく事もありますので、完全室内飼いあれば爪を切っておいた方が怪我も少なくなります。

手伝ってくれる人がいるのであれば、タオルで巻いた後にうつぶせで抑えていてもらいます。

また、指で直接食べさせる方法もあります。こちらは飲み込む力がある若い猫向けの食べさせ方になります。

猫をうつぶせに座らせて、ペーストの食事を指にとり、猫の上あごに食事を塗りつけます。シリンジやスポイトを使う時と同様に、誤飲を防ぐためにも仰向けにさせないようにしてください。

病気の場合は何を食べさせるのが良いのか確認しておこう

病気で食事ができない場合は、必ず何を食べさせるかを獣医師に確認してください。病状によっては、食べるのを控えるものもあります。

その上でしっかりと栄養をつけさせていくことが、病気改善の1つにもなります。薬などの治療も大切ですが、栄養を付けて免疫力を付けることも重要です。

流動食を与えて食べてくれればよいのですが、なかなか食べようとしない時は上記のシリンジやスポイド、指を使った方法で食事を与えてみてください。

その時にその猫にとって何が一番必要なのかを、病状に応じたアドバイスを専門医から受けた方がより病気の改善も早くなるでしょう。

必要なものがカロリーなのか、水分なのか、それとも他の栄養素なのかで食べる食事も変わってきます。

病気の時は猫もデリケートになることがあります。人間のようにこれを食べれば栄養がつく、ということを猫に理解させるのは難しい事です。

人間が介護をして猫に食べさせる方法は、最初は嫌がるかもしれませんが、回数をこなしていくうちに慣れてくるはずです。猫の介護は根気よく続けることが大切なのです。

手作りは素材に注意をしよう

市販のフードをなかなか食べてくれない場合は、猫が好きな食材を使ってフードを手作りするという方法もあります。

市販のものは保存料など添加物が入っていることがほとんどなので、手作りすることで安全なフードを食べさせることが出来ます。

その分、痛みやすくなりますので、手作りしたものは冷蔵庫で保存し早目に食べきることをお勧めします。

また手作りフードは食材に注意をすることが重要です。例えばネギ類や生卵など、猫が食べてはいけないものもありますので、猫に食べさせてはいけないものを把握しておく必要があります。

猫は肉食動物ですから、肉や魚は加熱すれば基本的に食べることが出来ますが、特に鶏肉や魚は小骨が喉に刺さってしまう可能性がありますので、調理前に必ず取り除くようにしましょう。

猫が牛乳を飲む場面をテレビなどでもよく見かけますが、本来牛乳は子牛が飲むものです。猫によっては下痢や結石の原因になる場合がありますので、頻繁に飲ませるのはあまり良くはありません。

猫のおやつとして定番になっているにぼしも、塩分が高い食品なので猫の病状によっては結石を作る原因にもなります。

手作りする場合も、どの食材はダメでどれならOKなのか、事前に確認しておく必要があります。また栄養が偏らない様に管理する必要があります。

市販のフードはペットフード公正取引協議会という機関が定めた、必要な栄養素をクリアしているもののため、猫に必要な栄養素を摂取することができるのです。

手作りの場合は全て飼い主が管理しなければならないため、どの栄養素がどれだけ必要なのかを考える必要があります。

猫の食事介護は根気よく行う事が大事

愛猫が元気にご飯を食べている姿は安心するものです。

食欲がないということは病気や老いのサインになると同時に、あんなに元気だったのにどうしたんだろうと、飼い主を不安にさせます。

生物である以上は、年を取るし病気にもなります。だからこそ早く元気になってもらうために、元気の源ともいえる食事をあれこれと工夫してあげることが飼い主の役目でもあります。

幸いにも現在では、昔に比べて猫の療養食も豊富になりました。そのおかげで、かつては数年しか生きることが出来なかった猫は、今では20歳を超える事も珍しくなくなりました。

食事をなかなかしてくれないこともありますが、根気よく介護や看病をし、早く愛猫に元気になって貰う様にしていきましょう。

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