7歳を超えると、猫はシニア期に入っていきだんだん動きもゆっくりになり食も細くなっていく傾向にあります。
まだまだ見た目は元気いっぱいでも、シニアになるとかかりやすくなる病気も出てくるため、特に食事には気を付けたい所です。食事を注意する事で、老猫の生活が健やかなものになっていくからです。
シニア期に入った猫の食事で、注意していくことはどんなことなのでしょうか。猫の食事や、食事回りの環境からシニア期の注意点を探っていきます。
食べる量も減ってくる為フードの切り替えを
特に病気でもないのに、若い頃と比べると食事の量が減ってきたなあと感じてくることがあります。
これは年齢と共に運動量も減り代謝も減ってくるため、若い頃に比べて食事を多く必要としなくなる為です。
人間でも育ち盛りの思春期の頃はどんなに食べてもすぐお腹が減るけど、ある程度大人になるとあまり食べられなっていく、というのと同じことなのです。
消化器系などの病気がある場合は治療が必要になりますが、そうでない場合は老化が原因なので食事もシニアにとって適したものに変えていきましょう。
もちろん、年をとっても食欲旺盛な猫もいますので、このあたりは猫の様子をよく見ながら変えていきます。
7歳を超えたからといって即、シニアフードに変えなければならないというものではありません。
我が家の猫の場合は11歳ぐらいまでは若い頃と同じように食欲がありましたし、12歳過ぎたあたりから少し食欲が落ちてきたかなあという感覚がありました。
猫が食べやすいフードを見つけてあげよう
ペットショップなどではフードはたいていの場合子猫用と成猫用、シニア猫用という種類のものがあります。
さらにシニア用も、11歳以上、16歳以上など年齢ごとにフードが分けられています。このフードは年齢別の栄養価はほとんど変わりません。
これはスーパーなどでよく見かけるキャットフードの、同じ素材を使っているフードの年齢別の栄養分です。
1歳以上
1歳以上 | 15歳以上 |
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成分表からもそんなに大きく変わらない事がわかります。栄養価はさほど変わらず、高齢猫用の食事の方が柔らかく食べやすいものになっている事が多いです。
温めたりフードを砕くなど、食べやすくなる工夫をしてみる
シニアといえども必要な栄養はちゃんと取らなければなりません。お気に入りのメーカーがあれば、引き続き食べさせてあげるのが良いです。
年齢と共に味の好みが変わる事もありますので、色々なフードを試して好きなフードを見つけてあげるのが良いでしょう。
老猫がなかなか食事をとってくれないこともあるでしょう。この場合は食べさせる工夫が必要になります。
上記の色々なフードを試すのも1つの方法になります。
ドライフードなら細かくしてあげるのも1つの方法になります。
口内炎に注意。ひどい場合はまずは病院で対処法を聞いておこう
口内炎など口の中に原因があって、食べたくても食べられないこともあります。口内炎は何度でも繰り返す厄介な病気です。
デリケートな猫になると、口が痛む為水を飲む事も嫌がる場合もあります。もし、食事で辛そうにしているのを見かけた場合は、無理に食べさそうとせずに病院で処置をして貰う様にしましょう。
口内炎はなかなか完治しないしつこい病気ですが、塗り薬などで腫れを抑えることは可能です。
それでもダメな場合は、猫の歯を全部抜くことにより、歯石が歯に溜まらない様にするという治療もあります。
しかし治療費もかかる上に、健康な歯まで全部抜くというのは抵抗があるでしょう。薬や食事で改善することもありますので、色々な工夫をこらしてみるのが先決と言えます。
人間用の加工食品等は絶対に与えないようにする
またシニアに限ったことではありませんが、人間用に加工した食事を与えることは絶対にやってはいけません。
例えば人間用のかつおぶしをフードにかける、人間用のサバ缶やツナ缶、ハムやウィンナーなどを与えるといったことになります。
おいしそうな香りがするので、猫が欲しがるためついあげてしまう事もあるかもしれません。ですが、ここは猫にとって良くないのだと心を鬼にして我慢させましょう。
この習慣をつけさせてしまうと、若い頃は何事もなくても猫が高齢になった時に肥満や病気の原因になる事もあるからです。
腎不全は食事療法が大事。まず医師に相談しよう
高齢猫に多い腎不全である場合は特に食事に注意が必要です。
腎不全は腎臓の機能が徐々に低下していく病気で現在猫の最も多い死因の1つとなっている病気です。
一度腎不全になってしまうと、失われた腎臓の機能は回復することはなく、少しずつ腎臓の機能が低下していき命にも関わることになってしまうのです。
腎不全であるかどうかは、病院で血液検査などで診断することが出来ます。もし、猫がやたらに水を飲んだりおしっこの回数が増えたり、よだれを垂らしたり良く吐くと感じた場合は腎不全になっている可能性があります。
病院で検査をしてもらうことはもちろんですが、食事も腎臓により負担をかける高タンパクなもの、リンを多く含むものは控えるようにしましょう。
腎不全用のフードも様々なメーカーから出ています。ドライフードからウェットフードまで、現在では種類も多くなってきていますので、どんなフードがよいか医師に相談をしたうえで切り替えをしていきましょう。
これらの腎臓用のフードを食べてくれない場合は、これまでの食事に薬を混ぜて投与させるタイプものもありますので、食べてくれないからとあきらめないで根気よく食事療法をしていきましょう。
なお、この食事療法をいかに早く開始できるかで、その後の寿命がかなり変わってくるというデーターがあります。様子がおかしいと感じた場合は、すぐに動物病院へ行くようにしましょう。
食事だけでなく、フードの器も工夫してみる
フードそのものの改善の他、フードを入れる食器を高くした方が食べやすいという事もあります。猫が首を下げて食事をするのが、年齢と共におっくうになってしまうからです。
我が家では脚付きの食器を使っており、その高さは7.5センチになっています。メーカーによると、この高さが大人の猫にとって一番食事をしやすい高さとなっているそうです。
小さな台に乗せてあげるだけでも違いますので、あまり食べなくなってきた場合は食事の器そのものも変えてみると良いでしょう。
猫は水の好みが激しい。良い水飲み場を作ろう
フードと同様に必要なのが水です。特に腎臓の病気のある猫は脱水に気をつけなくてはなりません。
ウェットフードにも水分は含まれていますが、新鮮な水は常に用意しておきます。出来れば2、3か所複数の場所に水の器を置いていきます。
猫は気に入った場所の水でないと飲んでくれないことがあります。きれいな水を用意しても、風呂場の床に落ちた水滴や流しに溜まった水を飲みたがることもよくあります。
これは人間にはわからない好みの水の味があるからとか、ひんやりした場所の水を舐めるのが気持ちがいいからとか、色々な理由が考えられるようです。
また、食事の入った器のそばに置かれた水は飲まない事も多いようです。これは猫が本能的に、綺麗な水を探すからと言われています。
そのため、猫も食事のそばの水は飲まないのかもしれません。あまり水を飲まない場合は、配置する場所も変えてみる良いでしょう。
飲まない場合はカルキ抜きを試してみる
猫用の水は水道水でも大丈夫です。ただ、中には水道のカルキ(塩素)の臭いを感じて嫌がる猫もいます。
沸騰させなくても、空のペットボトルなどに汲み置きしておき、2.3日放置するとカルキが蒸発していきます。
我が家の猫も、風呂場の水を舐めたりしてしまいなかなか器の水は飲んでくれなかったのですが、カルキ抜きするにしてから、飲んでくれるようになりました。
人間にとっては何も変わらなくても、嗅覚がずっとすぐれている猫には水の違いもわかるのかもしれません。
人間用のミネラルウォーターは厳禁
ただし、人間用のミネラルウォーターは与えないでください。
ミネラルウォーターはその名前が示す通り、ミネラル分が多い水となっています。ミネラルとは、カルシウムやリンなど生物にとって必要な鉱物の総称です。
猫に与えてしまうと、そのミネラルが体に負担をかけてしまう事も考えられます。水道水か、猫用として販売されている水を与えるようにしてください。
猫の快適な老後生活を作るのは飼い主の役目
猫は年を取ると体が弱くなり、より飼い主に甘えてくることもあります。老猫だからといって、あまり過保護にしてしまうのもよくありません。
老猫になっても猫は飼い主にかまってほしい時もありますし、一緒に遊んでほしい時もあります。
毎日撫でてあげたり、ブラッシングをしたりなどスキンシップを忘れない様にしてください。毎日猫と接して様子を見ていると、ちょっとした体調や動きの変化に気づきやすくなります。
猫の要求には出来る限りこたえて、安心できる老猫生活をさせてあげるようにしましょう。
みんなのコメント
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11歳半の愛猫が痩せてきたように感じ(ブラッシングを毎日入念にしているからか?)
毎日快便だったのが、1日半ごとになったので気になります。元気はあり、食欲もあります。
お水を飲む量は以前とさほど変わらないけど今夜は数回水を飲みに行って 一晩で2回おしっこをしました。
臭いは以前より強くないかなと感じました。