掃除機は猫の天敵?猫が掃除機を嫌う理由を知っておこう

猫にとって掃除機は大の苦手なものであることは、猫飼いさんの間では良く知られていることかと思います。しかし逆に掃除機を全く恐れない猫もいます。

掃除機が苦手な猫は掃除機の音を聞いただけで逃げ出しますし、逆に掃除機が好きな猫は掃除機に体をゆだねて、吸われるのを楽しんでいることもあります。

この違いは一体どこからくるものなのでしょうか。猫が掃除機を苦手とする理由について探っていきます。

また、猫がいる家庭ではどのような掃除機を選ぶのが良いのか、掃除機のタイプについても調べてみました。

掃除機の低くて大きな音と妙な動きが、猫に恐怖を与える

猫が掃除機を怖がる一番の理由は、あの大きな音が原因と考えられています。

家庭の中では様々な電化製品があり色々な音を立てていますが、掃除機は特に大きな音を立てる電化製品です。

しかもまわりのものを吸い込みながら近づいてくるのですから、人間よりも体が小さく聴覚が優れている猫にとっては何よりの恐怖でしょう。

同じ理由で洗濯器やドライヤーの音を怖がる猫もいますが、ドライヤーや洗濯機は移動しないのに対し、掃除機は動いてくるのが嫌う理由の1つでしょう。

猫は近眼なので掃除機の形が良く認知出来ない?

掃除機は人間にとっては大きな音を立てるだけの電化製品ですが、猫にとってはどのように感じるのでしょうか。

まず猫の視力は人間よりもかなり弱い事が上げられます。目が良さそうなイメージがありますが、猫は極度の近眼であり、視力にすると0.1から0.3程しかありません。

猫は近眼である代わりに動体視力が優れており、ゆっくりと動くものを捕らえるのは苦手ですが、素早く動くものを捕らえる力ははるかに人間よりも優れています。

人間にはまったく動きを見る事の出来ないハエの様な素早い虫の動きも、猫にははっきりと見えていると考えられています。

猫はこの動体視力のおかげで、ねずみのような素早く動く獲物を捕らえることが出来るわけです。

高い聴力のため掃除機の音がうなり声のように感じる?

さらに聴覚が優れているがために、大きな音は苦手とされています。

猫は人間の10倍ほどの聴覚を持ち、人間には聞き取ることが出来ない音域の高い音もキャッチできると言われています。

何もないのに耳をぴくぴくと動かしている時は、人間には聞こえない音を感じている可能性があります。

猫の耳の筋肉は人間よりも複雑な構造であり、180度動かすことが可能です。寝ている時も耳では常に音をアンテナのようにキャッチしており、危険があればすぐに逃げられるようにしているのです。

人間に飼育されている猫は外敵の心配がない環境で暮らしていますが、野生の頃の習慣は残っているのです。

また猫は高い音よりも低い音を苦手とする傾向があります。猫だけに限りませんが、動物は威嚇する時に低い音で唸り声をあげることが多いです。

犬がウーウーと、うなり声をあげているのを聞いたことがあるかもしれません。高い音よりも低い音に危険を感じ、苦手としていることが多いようです。

そのため、低い音でゆっくりと近づいてくる掃除機は、猫にとってみれば動物のうなり声を想像させてしまうのかもしれません。

掃除機が来ると逃げ出す猫や威嚇をする猫、静かに立ち去る猫など、猫により反応は様々です。

得体の知れない大きな生き物が唸り声をあげて近づいてきたら、猫でなくても恐怖を感じるのではないでしょうか。

我が家の猫は掃除機のスイッチを入れた途端にパニックになり、飛び上がりながら逃げ出してしまいました。それ以来、猫がいるところでは掃除機はかけないようにしています。

同じ理由から、花火や雷の音も苦手な場合が多いようです。

また猫が男性よりも女性の方を好むといわれていますが、男性の方が声が低い為に、声自体を怖がっているのではないかとも言われています。

掃除機のホースが蛇に見える?

その他に音ではなく、掃除機のホースが蛇に見えるので怖がっているのではないかという説もあります。

猫の後ろのきゅうりを置いておいたら、猫がびっくりして飛び上がったという動画が一時話題になりました。それと同様に、掃除機のホースがうねうねと動き、近づいてくるからなのではという説です。

しかし猫によってはきゅうりにびっくりしないこともありますし、掃除機のスイッチを入れなければ驚かないこともあるようです。

猫によってはあの形と音が不快に感じる場合もあるでしょう。

掃除機と猫の写真

掃除機の横に座る我が家の猫です。あんなに嫌っている掃除機ですが、動いていないとまったく平気なようです。

掃除機の形がというよりは、我が家の猫の場合はやはり音が苦手なのかなと考えております。

掃除機が好きな猫は、掃除機が怖くないとわかっている?

中には掃除機が全く平気な猫もいます。

我が家の場合も初代の猫は掃除機が全く平気な子で、抜け毛を掃除機で直接吸うことが出来るほどでした。

猫によっては、掃除機をかけると自分から寄ってくることもあります。中には掃除機で吸ってほしいとおねだりする猫までいるんだとか。

掃除機が苦手な猫と好きな猫、この違いはどこからくるものなのでしょうか。こればかりは猫に聞いてみるしかないのですが、猫の性格により怖がるものが違うから、と考えられています。

昔の掃除機はモーター音の大きなものが主流でしたが、現在は比較的音が静かな掃除機もありますので、家庭で使っている掃除機の違いもあるでしょう。

また掃除機が好きな猫は嫌いな猫の場合と逆で、掃除機が自分にとって害がないとわかっているからと言えます。

例えば犬などの動物に威嚇されてもまったく動じない猫がいるのと同じで、掃除機の音に対してもそれが脅威と感じていないと考えられます。

掃除機に体を吸われて気持ちよさそうにしている猫もいます。これは掃除機で座れることがマッサージになっているのではないかと考えられます。

人間が身体をもまれるのと同じように掃除機の吸引力で、猫のツボを刺激しマッサージ効果がある可能性があります。そのため掃除機が好きな猫の場合は、掃除機が気持ちがいいものだと判断しているのでしょう。

猫の個性によるところが大きいですが、掃除機が好きな猫は吸われている間、とてもリラックスしていることもあります。

無理やり掃除機に慣れさせることは禁物

掃除機が嫌いな猫に、無理やり猫に掃除機を好きにさせるようなことは絶対にやってはいけません。

無理に掃除機をかけると逆にストレスがかかり、それが元で様々な病気が発症する場合があります。

しかし、猫がいる部屋を掃除機で綺麗にしなければならない時もあります。猫が避難できる部屋があれば、そこに猫を移しておきその間に掃除する事も出来ますが、そうはいかない場合もあるでしょう。

換毛期で毛が抜け代わりが激しい時や、猫のトイレの砂が飛び散ってしまった時など、猫がいれば部屋が汚れる事も多く常に清潔にしておきたいものです。

掃除機を使う時は猫の反応を確認しよう

その場合はまず掃除機を猫に見せて、どう反応するかを見ておきましょう。

掃除機を見ても大丈夫なようであれば、猫から離れた場所から掃除機をかけてみます。スイッチを入れてパニックになるようであれば、速やかにスイッチを切りましょう。これ以上無理に掃除機をかけると、猫がトラウマになってしまうことがあります。

猫が怖がらない掃除機を選ぼう

使っている掃除機に慣れないのであれば、掃除機を使わないで掃除をするか、掃除機自体を買い替えるしかありません。

日本では隣の家との距離が近かったり、マンション住まいが増えて騒音問題が多く発生するようになりました。騒音は近所とのトラブルの引き金になることも多く、中には殺傷事件にまで発展したケースもあります。

そのため、電化製品も音が静かなものが主流になってきました。海外のメーカーも多く参入し、昔に比べて様々なタイプの掃除機が発売されるようになりました。

掃除機には大きく分けて紙パック式・サイクロン式・スティック型・ハンディ型・ロボットタイプなどがあります。それぞれの特徴をまとめてみました。

紙パック式

昔からあるタイプの掃除機です。紙パックにほこりを集めるため吸引力も高めです。紙パックがいっぱいになってくると、吸引力が落ちてしまいます。また価格が安いのも特徴です。

サイクロン式

紙パックを使わずにサイクロンの力で空気とちりを分離させます。紙パックよりは吸引力はひくいものの、紙パックの交換が必要ない為、紙パックのコストがかかりません。

しかしその分、定期的にフィルターを掃除する必要があります。紙パックの物より価格が高い傾向があります。

モーター音が静かなタイプなものも多く販売されています。

スティック型

現在主流になっている掃除機です。スリムな形で起き場所を取らない掃除機です。充電タイプのものが多いですが、コードがついているものもあります。

充電しないといけないため、稼働時間が短いのが欠点です。軽い物が多いので、高い場所の掃除にも便利です。

ハンディ型

その名の通り手で持ち運びできるサイズの掃除機です。コンパクトのためサイクロン方式の掃除機となっています。充電タイプのものが多く、小回りの利く掃除機ができます。

ロボットタイプ

ルンバに代表される掃除機です。吸引力は低めですが、汚れた場所を自動感知し出かけている間に掃除してくれます。

ただし水などの液体を吸い込んでしまうと故障してしまうことがあります。家具の隙間などの細かい場所まで行き届かないのと、購入価格が高いことが欠点です。

猫がいる家にはサイクロンタイプのものがオススメ

サイクロン式の掃除機の方が静かな物が多い傾向にありますが、メーカーにもよります。

ロボット掃除機は音が静かで動きもゆっくりでコードもないため、留守中に猫がコードを噛んでしまう可能性はありません。

しかし水をこぼしてしまったり猫が吐いてしまった時など液体を吸い込んでしまうと、故障の原因になることもあります。また物が多い家だと不向きな場合もあります。

またカーペットやフローリングなど床の状態によっても向き不向きがある為、環境に合わせて音のなるべく静かな掃除機を選ぶようにしましょう。

音の少ない掃除機を選んで清潔な環境にしよう

大きな音というものは猫にとってストレスになるものの1つです。

猫にとってのストレスを取り除いてあげることは、飼い主が必ずやらなくてはならないことの1つですが、同時に猫がいる部屋を清潔にすることも必要不可欠なことの1つです。

日々アップされている動画や写真を見ると、掃除機に対する猫の反応も様々です。それは猫の個性が見えるものでもあります。その個性は飼い主でなければわかりません。

愛猫がどんな性格なのかを見極め、ストレスのない良い環境を整えてあげることが、飼い主の大事な役割なのです。

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