猫はとっても可愛いですが、なかには「猫なんて嫌い」という方もいます。その要因のひとつは、おしっこによるさまざまな迷惑。野良猫や放し飼いの猫が、砂場や花壇などにおしっこをしてしまうことがあるのです。
猫のおしっこは臭いが強く、ちょっと洗ったくらいでは、なかなか消えません。
猫のおしっこ臭への対策について、ちょっとお勉強してみませんか。これから猫を飼う方も、今すでに猫を飼っている方も、どうぞ少しだけ、考えてみてください。
猫だからこその理由がある。猫のオシッコが臭い理由
猫のおしっこは、とても刺激的な臭いがします。多少の個体差はありますが、どんな猫のおしっこも、鼻にツンとくる、きつい臭いをしているものです。
その理由は、猫の体のしくみにあります。
猫はもともと、水が少ない地域に生きていた生き物です。リビアヤマネコという砂漠の猫が、今ペットになっている猫のルーツであるという説があります。砂漠では水は貴重ですから、いつでもガブガブ飲むことはできません。
だからこそ、猫の体は、少ない飲水量でも生きているようになっています。飲んだ水分を、少しも無駄にすることなく体のなかに取り込んで、血液や栄養を循環させているのです。だから、猫のおしっこには、成分がぎゅっと濃縮されています。
猫が水を飲み過ぎるときは、病気の兆候である可能性があります。気になった方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
猫がよく水を飲む時は病気の可能性あり!体のサインを見逃さないで
可愛くても臭いのは嫌!?おしっこ臭対策をしよう
いくら猫が可愛くても、「可愛い猫だから、臭くても平気!」とは思いにくいですよね。できることなら臭くないほうが、飼い主さんだって幸せです。
そのために、少しだけ手間をかけて工夫をしてみましょう。
トイレの工夫をしよう
猫トイレにも砂にも、たくさんの種類があります。
トイレ自体の種類としては、プラスチックの容器になっている一般的な猫トイレの他、すのこ付きのシステムトイレや、覆いがついたフード付きタイプなどがあります。家具調になっていて、戸棚の中に収まるタイプもありますね。
猫トイレに敷く砂にも、さまざまなタイプがあります。紙製の砂や、ひのきなどの木製チップ、シリカゲルなどの鉱物を材料にしたものもあれば、猫砂に香りがついたものもあります。システムトイレのように、シートを使うタイプもありますね。
臭いを抑えるという点では、かっちり固まる鉱物系の猫砂がオススメです。重いのが難点ですが、おしっこだけをしっかり固めてくれるので、無駄もなくて済みます。
臭いも逃さずキャッチしてくれるシステムトイレも、おしっこの臭いをよく吸収してくれます。こちらは、専用のシートが少々お高いのが難点といえば難点です。
猫が嫌がらないのであれば、香り付きのものも臭い消しに役立ちますね。
猫トイレのおしっこ臭を抑えたいと思うのであれば、猫砂をケチるのはやめておきましょう。猫トイレに敷く砂の量が少ないと、猫トイレの底におしっこがこびりつき、いつまでもとれない臭いの元となります。まめに掃除して捨てることも重要です。
まめな掃除と換気を心がけよう
基本的なことですが、やはり大切なのは、掃除と換気です。
猫トイレをキレイにしておくことは、排泄物の臭いを抑えるためには、ごく当たり前のことです。ですが、猫トイレの掃除は、トイレでのおしっこの臭いを抑えるためだけではありません。
猫はキレイ好きな生き物です。
トイレが汚れていると、トイレ以外の場所でおしっこをしてしまうことがあります。猫がおしっこをしてしまった家具や衣類などは、なかなか臭いがとれません。服など廃棄しやすいものはまだ良いですが、なかなか捨てにくい家具は困りますよね。
ヘタをすれば、「家全体が猫のおしっこの臭いになってしまう」なんてことにもなるかもしれません。
猫は、はじめにしっかり教えてあげれば、おもらしをすることは滅多にありません。多くの場合は、トイレの場所をきちんと覚え、毎回そこでするようになります。
猫にお粗相させないためにも、お掃除と換気をしっかりして、猫トイレの環境を清潔に保ちましょう。
理由がないのに猫がよくおもらしをする場合は、こちらも病気の可能性があります。猫のおしっこは濃いので、泌尿器系の病気になりやすいのです。
マーキングを減らそう
猫のオシッコは、排泄のためだけのものではありません。臭い付けのためのマーキングの場合があります。
マーキングのためのオシッコは、排泄のためのおしっことは違います。普通のおしっこよりも臭いが強く、砂をかけて埋めることもありません。しゃがんで地面に向けてするのではなく、立ったままシピピっとオシッコをかけます。
このマーキングは、オス猫に特有のものです。これは、去勢手術をすることで、抑えることができる場合があります。去勢には、生殖器系の病気を予防したり、ストレスをなくしたりする意味があります。ですが、マーキングにも効果が見込めるのです。
ただし、すでにマーキング癖がついてしまっている場合は、なかなか癖がとれない場合もあります。愛猫のマーキング癖が去勢で治るかどうかは、獣医さんにも相談をしてみると良いでしょう。
近隣へのおしっこの迷惑臭にも気を付けよう
最近では、猫の室内飼育が推奨されています。これは、事故や病気などのリスクを予防するためでもありますが、ほかのお宅に迷惑をかけるのを防ぐためでもあります。
あなたの可愛い猫が、他人にとっても可愛いとは限りません。
幼稚園や公園などの砂場で、猫がオシッコやウンチをしてしまうという話を聞いたことがある方はいるでしょう。猫がご近所のお庭をトイレに決めてしまったりすることもあり、近隣トラブルは絶えないものです。
こういった問題は、室内飼育にすることで、避けることができます。
集合住宅にお住まいの方は、たとえ室内飼育にしていたとしても、その臭いには気をつけたいものです。猫を飼っていると気づきにくいものですが、動物を飼っていないお宅では気になる臭いになることが多々あります。
猫との暮らしは夢じゃない。現実を知ってペットを飼おう
猫は、散歩もいりませんし、トイレのしつけも比較的楽です。犬に比べれば、手軽なペットのように感じるかも知れません。
ですが、それでもやはり、動物を飼うということは手間のかかることです。可愛い部分だけを見て一緒に過ごすことはできません。
おしっこの臭いも、同様です。「猫はきれい好きだから臭くないはずだわ」と思って猫を飼い始めると、「こんなに臭いと思わなかった」と猫に幻滅してしまうかもしれません。
逆に、始めから「そういう臭いがするものだ」と思っておけば、受け止められるものです。ですから、猫を飼い始める前に、是非その臭いや手間のことを知っていてください。
ペットと暮らすことは、楽しいだけではすまない手間があります。けれどそれ以上に、楽しかったり、嬉しかったりする、かけがえのない時間をペットと共に過ごすことができるはずですよ。
ポイントを押さえさえすれば、オシッコの臭いもそれほど気にならなくできるはずです。臭いで嫌な思いをするのは最小限に抑えながら、、愛猫との幸せな生活を満喫しましょう。