猫と会話が出来たらどんなによいだろう。猫を飼っている人なら、誰もが考えたことがある事だと思います。
猫語がわかれば猫のどんな要求だって答えられるし、やってはいけないことを教えたりとしつけを猫に教える事も出来るでしょう。猫だけが知っている世界を教えて貰うことだってできます。
猫と直接会話をすることは出来ないけれど、猫と長く暮らすことで直接言葉がわからなくても、猫の言いたいことがわかってくることもあります。
猫語を翻訳する装置もありますが、それはどこまでの性能なのでしょうか。そして、わかる範囲でどんな猫語があるのか具体例を挙げていきます。
猫語翻訳アプリを試してみた
少し前にペットと会話ができる装置、「ミャウリンガル」が流行ったことがあります。
その前に発売されている犬用会話装置「バウリンガル」の猫バージョンで、現在でも販売されているものです。猫との会話ができるというよりも、猫の反応を見て楽しむ玩具になっています。
これとは別に、猫語翻訳アプリというものがあります。
現在の所iPhoneとiPadのみでの対応のようですが、無料で楽しむことが出来るようなので、どこまでの性能なのか試してみました。
電卓のような画面です。猫のシルエットのボタンを押すと、それに応じた猫の声が流れます。ミャオマーズやウィスカーズなど、猫の声のタイプも選べます。
赤いボタンを押しながら声を吹き込むと、それを猫の言葉に変換してくれます。
我が家の猫「ミミちゃん」と話しかけてみました。ちょっと反応しているようです。
「ご飯食べる?」と聞いてみました。どちらかというと、差し出されたスマートフォンの動きに反応しているような気がします。
何度かやっているうちについに猫も反応しなくなりました。もう飽きてしまったのかもしれません。
あくまで猫の反応を楽しむための物。しつこくやらないこと
アプリダウンロードのページではジョークを交えつつこのアプリの説明がされており、またしつこくし猫に苦痛を与えてしまう事は絶対にならないでくださいと注意書きがされています。
ミャウリンガル同様、このアプリも猫の反応を楽しむものです。猫の耳元で大きな音を再生させたり、反応しないからとしつこくアプリを使うものではありませんので、そこは注意すべきです。
なお、追加料金で別の猫の声もダウンロード出来るようです。そんなに高額な料金ではないので、もう少し楽しみたいときは追加してみるのもいいかもしれません。
猫と暮らすことでわかる猫語
現在の技術での猫との会話は不可能ですが、猫と暮らしているとわかってくる猫の気持ちもあります。
猫は様々な要求を言葉にして人間に使えていきます。その鳴き声はいつも同じではなく、鳴き方から猫の気持ちを察することが出来ます。
猫を飼っている人にはおなじみとは思いますが、猫との長年の生活で私自身が取得した猫語をお伝えしたいと思います。
なお、猫により個体差があることはご了承ください。
ナーオナーオ 意味:相手への要求
おなかすいた・トイレを掃除して・ドアをあけてなど
連続的に低めの声で鳴き続けるときは、大抵何らかの要求を伝えていることが多いです。上げたフードが気に入らないというわがままぶりもあるかもしれません。
当てはまる要求が全て実行済みであれば、もしかしたら遊んでほしいのかもしれません。
私の場合、その時は猫に構う様にしてあげます。ですが、出かけないでほしいと訴えていることもあるかもしれません。仕事の場合は留守番させるのは仕方がないでしょう。
帰宅したら、思い切り猫にかまってあげるようにしてください。
▼朝1番の時間帯は、どうしても要求鳴きが増えるかもしれませんね
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アオーンアオーン 意味:かなり強い要求
かなり構ってほしい・ストレスが溜まっている・どこかが苦しい・痛い
上記よりもより強い要求をしている時の声です。
ストレスがかなり溜まっている状態なので、早急に猫が何を要求しているのかを把握し対処すべきです。発情期の猫もこのような声で鳴くことがあります。
もしこのような声を出していたら、すぐに構ってあげてください。もし特定の原因がわからず、猫を取り巻く環境に問題がなければ、どこか具合が悪いのかもしれません。
食事はどうか、普段から具合が悪そうにしていないか、排泄は問題ないかなどのセルフチェックを行いましょう。
猫は我慢強い動物です。見た目に問題がなくても、病気が進行していることもあります。原因がわからない時は病院へ行く様にしてください。
▼強い要求の時には、このようなストレスサインも一緒に出ているかもしれません
猫のストレスサインを見分ける!飼い主ができるストレス対策
ミャ~オ 意味:ちょっとしたアピール
撫でてほしい・ちょっと構ってほしい・遊んでほしい
甘えん坊の猫には多い鳴き声です。
飼い主の膝に乗りたかったり、注意を引いてみたかったりとそこまでしつこくはないけど、飼い主と一緒にいたい気分なのかもしれません。
▼ちょっとしたアピールのために、物も落としてしまうかも…
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ニャ! 意味:叱責
はやく!・おそい!
時々強く短くニャ!と鳴くことがあります。まるで叱りつけるような声です。モタモタしている飼い主に、要求を早く行ってほしいという気持ちなのかもしれません。
アーオー 意味:威嚇
喧嘩やってやる!・こっちの方が強いんだぞ!
単独で完全室内である場合は、あまり聞くことはないかもしれません。猫同士が喧嘩している時の威嚇の声です。
これは自分の方が強いぞ!喧嘩やってやるぞ!という挑発の意味もあるのかもしれません。特にオス同士は喧嘩をすることが多いものです。
室内猫の場合でも、窓辺にひょっこりやってきた野良猫や近所の猫に威嚇をすることはあるかもしれません。
動物としてはごく自然な喧嘩ではありますが、それにより怪我をしたり相手から病気をうつされることもあります。
じゃれ合い程度ならお互いに力加減がわかっていますが、本気の喧嘩となればあまりしてほしくないところです。
外に出ている猫の場合、相手に追いかけられてそのまま迷子になってしまうこともありますので、外へ出す場合はくれぐれもそのあたりのリスクを考えたい所です。
フー! 意味:強い抵抗
あっちいけ!・いやだ!
嫌な相手、恐怖を感じた相手に出す音です。強い威嚇の他、嫌がっている時にもういやだ!と叫ぶ代わりにこの音を出すこともあります。
普段おだやかに暮らしている飼い猫は、なかなか出さないかもしれません。
我が家の猫は、昔爪切りに慣れていない頃、爪切りを抵抗しフー!という音を出したことがあります。
いずれにしても飼い主にこれをやるということはよっぽど嫌がっているということになります。薬を飲ませるなど必要である行為の場合は、出来る限り早く処置を済ませてあげたいところです。
シャー! 意味:警告・強い恐怖
総統に怒っている時・警告のサイン
フー!より強く鋭い音です。
人なれしていない猫に近づこうとして、シャー!という音を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この音を出す猫は相当怒っています。たいていの動物は人間と違い、むやみな争いは避けようとする本能があります。争う事で怪我をするリスクがあることを知っているからです。
この音を出している猫を見かけたら、それ以上近づかずそっとその場を離れるようにしましょう。
▼猫の威嚇についてはこちらをご覧ください
シャー!と威嚇する原因とそのときの猫の気持ち。しつけは出来る?
しかしもし、飼い猫にこのような態度を取られたらどうすべきでしょうか。
家に来たばかりのまだ慣れていない猫なら、最初のうちは仕方がないでしょう。愛情を持って世話をすれば、いずれ猫との距離は狭まるはずです。
ですがそうではなく、頻繁にシャー!と威嚇をされるのであれば、猫との接し方を改めるようにしてください。獣医師など専門家にアドバイスを受けるのもよいでしょう。
猫に無理やり服を着せたり、嫌がっているのに無理やり遊ばせたりといったことはしてないでしょうか。
猫は道具ではありません。猫に限らないですが、ペットを服やアクセサリーと同じようにしか見られない人は、ペットの飼い主には向きません。
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ギャオ! 意味:びっくり・拒否
びっくりした!・拒否する!
突然物陰から同居猫が出てきたり、そばでものが倒れたり、猫もびっくりする事はあります。また、不注意によりしっぽを踏んでしまった時など、急なアクシデントでびっくりしながらこの声を上げることがあります。
ただびっくりするだけなら心配はいりません。
もしもしっぽを踏んでしまったり物にぶつかってしまったりなど、身体的なトラブルがありその後具合が悪そうにしている時は、けがをしている可能性もあります。獣医師へ相談するようにしてください。
また、ちょっとした抵抗をする時にも出すことがあります。嫌がっているのに触ったりなど、拒否をすることもあります。
そのような場合はねこパンチしようとしたり、逃げたりするといった拒否行為がセットになることが多いです。
耳を後ろに倒す「イカ耳」になっていることもありますので、猫の行動に注意をしておきましょう。
ギャーオギャーオ! 意味:やめて!・こわいよ!
嫌がっている・恐怖・すぐにやめてほしい
お風呂に入っている時など、猫にとって嫌な行為をしている時に叫ぶような声を出します。
普段穏やかにしている時はあまり聞くことはないかもしれません。まだ慣れていない猫は、ブラッシングや薬を飲ませたりつけようとするときにもこの声を出すかもしれません。
猫にとっては嫌でも、猫のために必要な行為であることもありますのでその場合は心を鬼にして、なるべく早くその行為を終わらせるようにしたいものです。
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ゴロゴロゴロ 意味:リラックスしてる・具合が悪い・不安だよ
とてもリラックスをしている・具合が悪い・不安な時・死の直前
飼い主の膝の上で、猫によりゴロゴロやグーグーといった低い音を出すことがあります。これは猫がリラックスをしている時の音として有名なものでしょう。
ゴロゴロという音は、約20~50ヘルツの低周波音でこの音には人間の脳をリラックスさせる効果があると科学的にも証明されています。
同時に猫も、リラックスしている時にこの音を出して満足感を得ていると言われています。
しかし、それとは逆に具合が悪い時や不安を感じた時、また死の直前になった時もゴロゴロ音を出すと言われています。
これはこの音を出す事により、リラックスさせて自分を治癒しているからだと考えられています。
医師の中では、骨折した骨のそばに猫を置いておくと、折れた骨が修復すると言われているそうです。これはこの低周波音が、折れた骨を強化したり再生を促進させる働きがあると、科学的にも証明されているからなのです。
そのため猫は自らの体の調子が悪い時に、この音を出して直そうと試みるのです。
見分けるのが難しい場合もありますが、普段からの猫の様子を確認して、おかしな点がないかをよく見ておくのが良いでしょう。
▼猫がゴロゴロしている時のきもちについてはこちらをご覧ください
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ニャオーン 意味:はーい・こっちだよ
飼い主への返事・ここにいるよ
猫との信頼関係が築けていれば、猫の名前を呼んだ時に返事をしてくれるかもしれません。
猫がリラックスしている時に、名前を呼んでみましょう。面倒な時は、声は出さずに尻尾で返事をするときもあります。
熟睡している時は反応しませんが呼んで返事をするということは、飼い主が自分にとって重要な存在であることを猫もわかっているということになります。
なお、猫は男性よりも女性の声により反応する事がわかっています。返事をしないからと言って、必ずしも嫌われているということでもありませんので、猫とのコミュニケーションの時間を大切にしていくようにしましょう。
会話は無理でもコミュニケーションはとれる
今から約120年ほど前の1901年(明治34年)、20世紀に入った正月の報知新聞に、「20世紀の技術予測」としてこの先100年実現するであろう技術や知識を予測した記事が掲載されました。
エアコンやテレビの普及、天気予測などの技術、そして月面着陸などの科学技術はほとんどが実現しています。
しかし、蚊やノミの根絶など生物関連の予測はほとんどが実現されず、その中の1つに動物との会話の実現という予測がありました。
予測の記事が書かれてから120年程経ちましたが、動物との会話は実現どころか、いまだに兆しすら見えていないという状況です。
それでも人は、猫に人間の言葉で話しかけてしまうものです。
愛猫に「ごはんだよ」とか「そこに乗っちゃダメ!」「こっちむいて」などなど、言葉がわからないことがわかっていても話しかける事も多いでしょう。
それは言葉自体はわからなくても、コミュニケーションがある程度取れる事がわかっているからと思っています。
ペットの虫や魚、植物にも話しかけることもあるでしょう。
直接的な会話は無理でも命のある存在には違いなく、そうやって心を通わす事に何らかの意味がある事を、飼い主はわかっているからに違いありません。
みんなのコメント
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にゃーお
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よくわかった