猫がいる空間、そこには不思議な磁場があります。ファンタジーの世界こそがふさわしい、愛らしくミステリアスな生きもの。彼らを溺愛するアーティストが多いのも頷けますよね!
▼猫が好きな有名な芸術家については、こちらをご覧ください
猫好きの有名な芸術家5人。芸術家に猫好きが多い理由があった
事情があって猫を飼えない方から多頭飼いの飼い主さんまで、すべての猫好きさんにおすすめの小説、5作品をご紹介します。
登場する猫たちの愛らしさに心の底から癒されること間違いなし。読書後は、誰もが身近な猫たちをより愛おしく感じることでしょう。
カフェかもめ亭 猫たちのいる時間(村山早紀/ポプラ文庫ピュアフル)
港の近くに佇むカフェ「かもめ亭」。ここを訪れた謎めいたお客から若い女店長へ、猫にまつわる数々の不思議なお話が語られます。
愛する家族を守った健気な黒猫の話、絵を描くのが好きな少女と三匹の白猫の話など、せつないストーリーから、ちょっと背筋が凍るようなものまで、ファンタジーや謎解きの要素などを含む7つのお話。そのどれもが不思議と心に残ります。
目次は、ストーリーごとに音楽と飲み物が添えられ、まるでカフェのメニューのよう…
- 踊る黒猫 ♪Fly Me To The Moon/ホットミルク
- 猫姫様 ♪四季、冬の第二楽章/アップルエード&キリマンジャロ
という感じです。
自分自身が、静かな音楽が流れる「かもめ亭」で、注文した飲み物を飲みながら、話に耳をすましている…、そんな感覚にとらわれてしまう1冊です。
▼まるでかわいい猫たちに囲まれた、猫カフェでの出来事のようですね
保護猫カフェめおまるけレポート。古民家の縁側で猫と一緒にのんびり
世界から猫が消えたなら(川村元気/小学館文庫)
映画化もされているポピュラーな小説。読まれた方も多いかもしれません。
世界から猫が消えてしまう、あなたはそんな殺伐とした世界に暮らせますか?私なら…。そして主人公は…?
脳腫瘍で余命宣告を受けた青年(猫と2人暮らし、映画オタクの郵便局員)が自宅に帰ると、自分と全く同じ姿をした、ちょっと陽気な?悪魔がいました。
「失う」ということの意味を、改めて考えさせられる作品です。失ってみて初めて気づく、その存在のかけがえのなさ、それは時として残酷な現実となり、残された者を苦しめます。
それでもまだ、届けられる言葉や思いはきっとあるはず!そんな感情が主人公の心に、そして読者の心に溢れ出してきます。
可愛くて、健気なキャベツ。「そろそろ来るな…。」とわかっていても、やっぱり同じシーンで泣いてしまう(お約束ですかね?)、そんな作品です。
猫語の教科書(ポール・ギャリコ/ちくま文庫)
ある日、編集者のもとに届けられた不思議な原稿。それは、なんと猫がタイピングしたものでした!
「あまりにも荒唐無稽なストーリー」と思われるかもしれません。でも、表紙をご覧ください!確かに猫がタイプライターを叩いています。(笑)
ちょっと前に、PCで自分のフードを注文した猫ちゃんがいたくらいですから(実話ですよ!)タイピングをする猫だって、きっといるはず。
その驚きの内容の一部をご紹介しますね。(心の準備はよろしいでしょうか?)
▼猫がフードを食べないのには、猫の意志がしっかり働いていたなんて…驚きです
カリカリを食べない猫にひと工夫!簡単4つのカリカリ変身術
コワい!!確かに薄々気づいてはいました。(笑)でも、こうして文章化されると本当に恐ろしいですね!(ぷるぷる…)
どうですか、この徹底ぶり?猫がいっしょに遊びたがっている時に、人間が自分の趣味に浸っていてはいけないのだそうですよ。すご過ぎますよね…。
読み進むうちに、自分がすでに猫たちの手中にはまってしまっているような錯覚(いや、錯覚じゃないな、コレは。)に陥ってしまいます。
▼こちらの記事では、じっと飼い主さんを見つめてくる猫の小悪魔的な気持ちについて知ることができます
じーっとあなたを見つめる猫の気持ち。そこには小悪魔的な理由が!
読みながら、飼い主さんたちは、思わず愛猫の顔をチラ見してしまうことでしょう。
ギャリコは他にも「ジェニイ」「トマシーナ」という、猫が主人公の小説を書いています。よろしければ、是非そちらもお読みくださいね。おすすめです。
せかいいちのねこ(ヒグチユウコ/白泉社)
最近話題のヒグチユウコさんの、小説と絵本の中間のような作品。書店に平積みになっているのをご覧になった方も多いのではないでしょうか。
「猫のヒゲを集めて体に入れると本物の猫になれる。」そんな話を聞いたニャンコは、相棒のアノマロとさっそくヒゲ集めの旅に出ます。
はたしてニャンコは憧れの「本物の猫」になれるのでしょうか?
ストーリーはもちろんですが、作者独特の画風や色彩感覚に強く惹かれてしまいます。美しく、少し毒のある絵は一度見たら忘れられませんね。
ふたりのねこ(ヒグチユウコ/白泉社)
迷子になってしまったぬいぐるみのニャンコが、公園で1匹の捨て猫に出会います。公園に住んでいる女の子の「ねこ」は自分自身の悲しい経験から「にんげんはほんとうにひどいいきもの」と思っていました。
「ねこ」は、ぼろぼろのニャンコのことも、実は自分のように捨てられてしまったのでは?と疑いますが、それでも男の子のもとへ帰りたがるニャンコのために、一緒に家を探す手伝いをしてくれます。
そんなふたりでしたが、別れは急にやってきて…。
暖かくて、切ないストーリー、可愛いだけではない絵にグラグラと心を動かされます。
▼猫のオススメ童話については、こちらで紹介しています
猫の童話おすすめ10選。大切な子供に感動と笑顔をプレゼントにゃ
やっぱり猫って愛おしい!猫小説でモフっと癒されよう
ユーモアあふれるものから涙腺の崩壊必至のものまで、ちょっとした空き時間にも読める5作品をご紹介しました。もしも、機会がありましたら是非、手に取って読んでみてくださいね。
お気に入りの猫小説との出会いは、猫好きにとっては至福の時間ですよね。時には読書で猫まみれになって、心までモフモフしちゃいましょう!