猫といえば魚!そんなイメージを持っている方も多いでしょうが、猫にしらすは与えてもいいのでしょうか?
魚の中でも小さくて癖のない魚なので料理にも取り入れやすい食材なだけではなく、カルシウムも豊富なので進んでしらすを食卓に並べている家庭も多いのではないでしょうか?そんなしらすは果たして猫に与えてもいいのでしょうか?
今回は猫にしらすを食べさせていいのか?また、しらすを食べさせるとしたどのような注意点があるのでしょうか?
猫はしらすを食べてもいいの?基本的には量に気をつければ問題ない
猫はしらすを食べてもいいのか気になりますよね。しらすに毒があるなんて聞いたことはないですが、猫にとっては果たして?
猫はしらすを食べても基本的に問題ない
猫はしらす自体を食べても基本的に問題はありません。飼い主様がしらすを食べている時にうらやましそうに見つめている愛猫のご飯に、そっとしらすをトッピングしてあげても問題はありませんのでご安心下さい。
特にしらすには猫に必要とされる栄養素であるカルシウムやミネラルが豊富に含まれています。猫の健康のためにも、しらすを与えるのは大変いいことだと言えますね。
ただし、猫にとってしらすは問題はありませんが、しらすを与える量や与え方には十分注意が必要です。
しらすの塩分に注意
猫にしらすを与える時にもっとも注意をしたいのが、しらすに含まれる塩分量です。
皆様がスーパーで購入して食卓に並べる釜揚げシラスですが、あちらにはヒトが美味しく食べられるように塩分で味付けがされています。
そんなヒト用に味付けをされたしらすを、体の小さな猫ちゃんが大量に食べてしまったら塩分過多となってしまいます。猫はもともと塩分を処理することが不得意で大量に摂取をしてしまうと身体が塩分を処理しきれずに体調を崩してしまいます。
しらすを毎日飼い主様に食べさせてもらっていた猫ちゃんが、ある日体温低下と意識障害といった症状を発症し慌てて病院に駆け込む事態に発展したこともあります。その猫ちゃんは危うい状態を乗り切って3~4日程の入院で無事に回復をしました。
しかし、もう少し遅かったら最悪の場合死に至る可能性すらあります。そのため、愛猫にしらすを与えるときは減塩のしらすを与えるか、しらすを与える前に熱湯をかけるなどして塩抜きをしっかりしてから与えるようにしましょう。
しらすのミネラルとカルシウムの摂り過ぎは厳禁
しらすの中に含まれているミネラルやカルシウムは猫にとっても必要な栄養素ではありますが、過剰に取りすぎてしまうのは猫の健康を害する可能性もあります。
猫は泌尿器系の病気になりやすいということをご存知ですか?特に尿を排出する尿道に栄養素が結晶化した結石がたまってしまう尿路結石になりやすいのです。そんな尿路結石の原因となるのが、ミネラルやカルシウムの摂りすぎによるものなのです。
そのため、猫にしらすを毎日大量に与えてしまうのはミネラルやカルシウムを多量に摂取することによって泌尿器系の病気を発症してしまうかもしれませんので、しらすを多量に与えるのは控えるようにしましょう。
猫にしらすを与える方法
猫にしらすをあげたいと思っても、カルシウムやミネラルを多量に与えてしまうこになったらどうしよう?塩分過多になってしまったらどうしよう?
という、思いからしらすを食べさせてあげたいけど、食べさせてあげられないと思っているのではないでしょうか?
もちろん、愛猫が嫌がっているようならしらすを無理に与える必要はありませんし大量に与えるのは問題がありますが、量を守り、しっかりと塩抜きをするならば与えても大丈夫です。まずは猫にしらすを与える方法をご紹介しましょう。
しらすの塩抜きをする方法
猫にしらすを与える時にまず考えたいのがしらすの塩抜きです。
最近では減塩しらすも販売されていますが、減塩しらすだからといって塩が使われていないわけではありませんし、ヒトにとっては減塩ですが猫にとっては多量に食べては塩分過多になる可能性があります。
たとえ減塩しらすを与えるときでもしらすを与えるときは念のために塩抜きをしてあげるようにしましょう。それでは、さっそく塩抜きの手順をご説明します。しらすの塩抜きの方法はいたって簡単です。
- 沸騰したお湯の入った鍋にしらすを入れて2分ほどゆでてから水切りをする
- 茶こしやザルなどにしらすを入れて、上から熱湯を回しかける
- 耐熱皿にしらすと水を入れてラップをして電子レンジに数十秒加熱し水切りをする
塩抜きの方法は上記の3つがあります。しっかりと塩抜きをするならば鍋で茹でる方法がいいですが、少々時間と手間がかかってしまうので少量であれば茶こしやザルに熱湯を回しかける方法がお手軽ですね。
また電子レンジで塩抜きをする方法はお湯を沸かす時間も必要ないので、時短で調理できるのがとてもいいです。
人間の赤ちゃんの離乳食の下ごしらえと同じ方法で塩抜きできますよ。
しらすを与える適量
しらすの塩抜きをしっかりしたとしても、しらすに含まれるミネラルやカルシウムは猫にとって結石の原因となる栄養素なので多量に摂取してはよくありません。
そのためしらすを与えるときは、ごく少量を与えるように心がけましょう。
ここで注意をしたいのが、ごく少量といわれてどの程度を与えるのかということです。例えばヒトの一口といっても猫からすればその量はなかなかの量となってしまいます。
そんな量を頻繁に食べてしまっていては、塩分過多による症状やミネラルやカルシウムの摂り過ぎによる結石になってしまうかもしれません。そのため猫にしらすを与えるときは、一つまみ程度に与えてあげるようにしましょう。
しらすは毎日与えないようにしよう
猫にしらすを与えるときに量を控えていたとしても、毎日毎日与えていては意味がありません。
しらすを摂取する量が少量だとしても毎日毎日摂取し続けたら、結石の原因となるミネラルやカルシウムが身体の中に蓄積してしまい結局重篤な症状を引き起こす可能性があるのです。
しらすを与えるときは1週間に1回程度にとどめるようにしましょう。
しらすだけを食事にしないようにしよう
しらすは量と与える頻度さえ守れば猫にとっても楽しい食事になりますし、いつもと違う味や触感を楽しめるのでいい刺激になりますよね。
しかし、しらすを与えるからといってしらすをメインに食事を与えてはいけません。しらすにはたくさんの栄養素が含まれていますが、あくまでもメインの食事があってプラスαの食材としての優秀さです。
そのため、しらすを与えるときはあくまでもメインの食事にトッピングをしたり混ぜ込んだりする与え方をしましょう。おすすめは普段与えているキャットフードの上にトッピングをする与え方です。
最近では手作り猫ごはんも流行っていますが、自分で猫ちゃんのごはんを作るのは栄養バランスをとりにくく味付けも濃くなりがちです。そのため猫ちゃんの健康を考えるならば、市販のキャットフードを与える方が健康にいいと言われています。
実際に市販で販売されているキャットフードは、メーカーが猫ちゃんの身体に必要な栄養バランスをしっかりと研究し猫ちゃんが喜んで食べる味になるように試行錯誤を繰り返して開発されています。
そのため、キャットフードは大変優秀な食材でここ十年ほどで猫の平均寿命が飛躍的に伸びたのはキャットフードの品質が高まったためだと言われています。
そんなキャットフードですから、基本的にはわざわざ栄養のバランスが懸念される、手作り猫ごはんを与えなくても品質のいいキャットフードを与えておけば健康は保たれると言われています。
その証拠に猫に手作りごはんを与えるというのは日本だけの風潮でペット先進国では猫に手作りごはんを与えることはなく、キャットフードを与えるのが常識となっています。
愛する猫ちゃんに手作りごはんを食べさせてあげたいと思う気持ちはわかりますが、手作りごはんを与えるときは毎回ではなく週に1回程度にしましょう。その時にしらすを使った手作りごはんを与えるのもいいですね。
適量を守って猫にしらすを与えよう
猫にとってしらすは必ず食べないといけない食事というわけではありませんし、嫌がる場合は与える必要な一切ありません。しかし、猫は魚のニオイが好きなのは事実なのでしらすの磯の香りに惹かれてほしがる可能性もあります。
そんな時は一つまみ、おすそ分け程度に与えてあげるようにしましょう。決してしらすを大量に与えたり、塩抜きをしないまま与えたりしないように注意をしてください。