猫といえばいつものんびりと寝ているイメージがありますが、猫の記憶力というのは実際はどのくらいあるんでしょうか。
本当は、猫にはどのくらい物事を記憶しておく力があるのでしょうか。
猫は記憶力が悪いと思われていたけど、実はかなり記憶能力がある!
結論から言わせてもらうと、猫はなんと人間よりも記憶力が高いことが分かっています。
(ちょっとかしこそうな表情をしてみた、うちの愛猫の先生……キリッ!)
人間はこのように、ズラッとたくさん並んだ番号などを記憶しておくのが結構苦手です。これを覚えていられるのは、30秒が限界だとも言われているほどなんですね。
しかし、これが猫の場合だとその20倍もの記憶力を発揮するんです。あんなに普段はのんびりしている猫が?……なんとも驚くべき研究結果ですよね。
猫ってご飯を食べることがとにかく好きですからね。ご飯をいつまでも「くれー!くれー!」としつこくねだってくるあの執念深さには脱帽してしまいますよ。
つまり、猫は〈本人がやる気を出しさえすれば最強の記憶力を引き出すことができる〉わけです。
基本的に猫はきまぐれな性格ですから、猫の記憶力についての研究はまだまだ途中だと言えるんですね。
まだ未知の世界である猫の記憶力に、私たちは無限の可能性を感じられるのではないでしょうか。
猫は家からかなり遠くの道まで記憶することができる
では、実際に猫は自分が住んでいる家からどのくらい遠くの道まで覚えることができるんでしょうか。
うちの先生は基本的に外に出ることはありませんが、ニセ蔵はまれに脱走してしまうことがあります。
やはり基本的に、猫は家から近い場所なら記憶していられるという事なんですね。
やはり猫によってそれぞれ違いますが、平均すると半径300メートルくらいの距離なら家までの道順を記憶できると言われています。
中にはそれよりもはるかに遠い、300キロもの距離を何ヵ月もかけて家に帰って来た猫も希ではありますが実際にいるんです。
そこまでいくと、もう涙涙の感動モノですけどね……全ての猫がそこまでの記憶力があるわけではないかもしれません。
でもどの猫でもすばらしい可能性や、底知れぬ力を持っていると信じたいですね。
毎日の生活の中でも、猫は記憶力を使っている
猫は毎日の暮らしの中でも、ごく自然に記憶をしながら生活をしていることが分かっています。
ご飯をくれる人や、一連の行動を記憶している
猫はご飯に関することは本当によく覚えています。だから、いつもご飯をくれる人のことは特別によく記憶しているんです。
野良猫の場合でも、ご飯をくれる人がいるならそれを必ず記憶します。
その人が餌をくれる直前にする行動を猫は記憶しているので、その行動をしたら猫はすぐに寄ってくるわけですね(例えば、お皿をスプーンでガンガン叩く……などの行為)。
怖い体験は忘れることがない
猫は嬉しい記憶よりも、怖い体験や辛かった体験をよく記憶しています。
今ではおかげさまですっかり元気になっていますが、その体験があってからはやっぱり外に出なくなりましたね。
玄関を開けている時にソローッとその辺りを確認するように出ることはありますが、玄関を閉めようとしたらズザザーッと急いで帰ってきます。
やっぱり野犬に噛まれた、あの怖い体験を忘れることはないんだろうと思っています。
先生、もう怖がらなくても大丈夫だからね。
猫の性格も記憶に基づいていた
飼い猫は人に甘えるのがうまいですが、野良猫って人が近づけば怖がるし、それこそ甘えたりなんてしてくれないですよね。
これにも猫の小さい頃の記憶というのが関係していたんです。
猫もこの2歳の前後の時期に人と関わっておくかどうかで、人に甘える猫になるのか、そうならないのかが決まります。
こちらとしてはなるべく人に甘えて、飼ってもらってほしいですけどね。やはり猫として生まれたからには愛されてほしいですからね。
猫の性格がどのようにして形作られるかについては、人間の場合と似ている部分があるんですね。
自分のテリトリーから離れることを恐れる
猫は、自分のテリトリーである家から離れることを恐れます。
「旅行先で突然猫が逃げてしまい、そのままはぐれてしまった」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これは、旅行に同行させられることでテリトリーの家から離れてしまうので、「なんとか家に帰らないと!」という猫の焦りから来ています。
泊まりで出掛けるからといって猫を連れていくことがないようにしてくださいね。猫は一晩くらいなら、お留守番もちゃんとできますよ。
飼い主のことを猫はちゃんと記憶している
先ほどの先生の入院の話ですが、10日間の間何度かお見舞いに行ったんですよね。
その度に先生は「連れて帰ってくれ~」と鳴きまくったり、ゴロゴロと喉を鳴らしたりしていました。
車の中でもずっと鳴いていましたね。そして実際に家に連れて帰った途端、とつぜんぱったりと鳴かなくなり、喉のゴロゴロも止んだんです。
大怪我のせいで10日間入院していたし、やっとやっと家に帰って来たということでかなり安心したんでしょう。
飼い主である私に会えた喜びと、やっと家に帰れた喜び。猫にとっての喜びは飼い主の幸せでもありますね。
飼い主のことを忘れてしまうこともある
それでも、長い間会っていないと飼い主のことを忘れてしまうこともあるようです。
そして、きっと飼い主との絆がどのくらいなのか、いつもどのくらいの深さで愛されていたのか?
これが猫の記憶にとって大切なポイントになるんだと感じています。
毎日、あなたは必ず声かけをしていますか?猫を触ったりしてふれあいをしていますか?
猫の記憶の中にいられる、愛情あふれる飼い主でいたい
猫の記憶力は人間が考えているよりも高いということが分かりましたね。
猫はきまぐれな生き物ですが、ご飯の時は特に記憶力を発揮するということも面白いです。
ぜひ日頃からたくさんふれあい、愛情を注ぐことで猫の記憶に刻まれる飼い主になれますように。