猫の喧嘩はデメリットだらけ!喧嘩する理由と必要な喧嘩後のケア

猫は、基本的にはかわいいです。しかし基本はあくまでも基本。例外的な行動を起こすこともあります。その典型が「猫の喧嘩(けんか)」ですね。普段は「ニャー」とかわいらしく鳴く猫も、喧嘩では豹変します。

カタカナ表記が難しいほど、非常に迫力ある怒声で闘争を繰り広げるのが猫の喧嘩。猫パンチもかわいいパンチではなく、完全に「武器」ですね。そして、喧嘩にデメリットがあるのは猫も人間と同じです。

猫の喧嘩をいろいろな角度から考察します。

猫の喧嘩にメリットはない。危険なデメリットはたくさんある!

猫だって感情を持つ生き物ですから、喧嘩もします。街で見かける野良猫さんの中には、耳がちぎれた、顔に傷がある、目がつぶれてしまった・・・などなど、猫の喧嘩が原因と思われる傷を負った猫もいますね。

1年を単位として見たとき、猫の喧嘩を見ない年はないなぁと感じます。どちらかといえば犬よりも猫のほうが好戦的な印象がありますね。

飼い猫だって野良猫や別の飼い猫と喧嘩をすることがあります。それどころか、多頭飼いの猫の場合、毎日顔を突き合わせていながらも、何かのタイミングで喧嘩をすることもあります。

いずれの場合も、猫にとって喧嘩がメリットになることはありません。もちろん縄張り争いやメス争いなど、猫本人にしてみれば喧嘩をする、そして勝つことにメリットがあるのかもしれません。

しかし飼い猫の場合、猫にはストレスなくいつまでも元気に長生きしてほしいという飼い主さんの願いが優先されますので、その場合喧嘩はデメリットにしかなりません。

喧嘩はダメ!というけれど‥具体的な猫の喧嘩のデメリット

多頭飼いの猫の喧嘩では、さすがに耳がちぎれるような大ケガや、生涯消えることのない傷が顔にできてしまったなどというケースは多くないでしょう。しかし外出中に遭遇した野良猫との喧嘩の危険もあります。

生涯消えない傷ができるくらいの大ケガだって、猫の喧嘩による大きなデメリットであることは間違いありません。しかし実は、それ以外にもできるだけ猫の喧嘩を避けるべきである理由があるのです。

猫の喧嘩のデメリット
  • 傷がわかりづらい(放置による患部の悪化の危険が増大)
  • 感染症(猫カゼ、猫白血病、猫エイズなど)の危険が増大する
  • 特に未去勢オス猫は喧嘩遠征があり、交通事故の危険が増大する

特に高齢猫の場合、猫カゼでも生命の危険があります。ましてや猫白血病や猫エイズなどの感染症ともなると、年齢性別にかかわらず、生命が脅かされるほどの危険であると解釈すべきです。

ということは、猫の喧嘩は飼い猫の生命を脅かす対象であるといっても過言ではないかもしれません。喧嘩で命がけの闘争を繰り広げる猫にとって真の脅威となるのは、その後の感染症や交通事故なのです。

また、喧嘩が直接の原因でないにしても、喧嘩の際に高所から落ちて骨折したなどという不運も考えられます。箇所によっては骨折も命とりになります。これは人間と同様ですね。

なお、猫白血病は感染後2カ月で有意な血液検査が可能です。とはいえ、猫白血病はかかってからでは遅いので、検査は「安心」のためのものであって、感染予防にはなりません。

そこで、お宅の猫ちゃんの喧嘩が多いという飼い主さんは、万一のための感染症予防策として、抗生物質(アモキクリア錠など)を常備しておくとよいかもしれませんね。


(参考:アモキクリア錠100-獣医医療開発株式会社 より)

抗生物質であれば、100%ではないものの、感染症予防にはなります。また、万一喧嘩による傷を発見したら、すぐに病院へ連れて行って消毒、治療を行うことをおすすめします。

傷が悪化してたいへんなことになってしまう猫(特にオス)が多いので、要注意です。

万一猫が喧嘩をしたら。喧嘩後のケアと病気への対策

大きな傷をつくってきたり、外出から帰宅して足を引きずっていたりなどという明らかな異変が猫に起こっていたら、「喧嘩でもしたかな?」とすぐに判断できるはずです。

しかし問題なのは、ちょっとした傷ではわかりづらいという点でしょう。もともと猫はガマン強い特徴がありますので、少々の痛みやつらさなどはいつものようにひょうひょうと乗り越えてしまうことが多いです。

しかしこれが猫にとっては危険です。傷が小さくても感染症は起こりますし、せっかくの感染症予防の抗生物質を飲ませるタイミングを失ってしまいます・・・喧嘩によるケガに飼い主さんが気づく必要があります。

猫どうし(まれに対犬)の喧嘩のあとの猫の様子
  • 妙にハイテンション(うなり声、太い尾、妙に攻撃的、爆食いなど)
  • 落ち込んで元気がない(尾がだらりと下がっているなど)
  • 食欲がない
  • 毛を逆立てて帰宅(足以外の場所に汚れが付着している)
  • 同じ箇所を執拗に毛づくろいしている

上記のケースでは、もしかしたらほかの猫に咬まれた傷がどこかにできているかもしれませんので、要注意です。喧嘩で勝った場合でも、傷はできます。特にオスの喧嘩は熾烈を極めるのでさらなる注意が必要です。

とはいえ、発情期のメスも、しつこいオスに対して、ともすればオス以上に激しく凶暴な攻撃を仕掛けることがあります。このあたりは人間の女性とおな・・・いや、なんでもありません。

とにかくオスかメスかによらず、喧嘩したかな?と思われるフシがあったなら、少し落ち着いてからでも猫の身体を隅々までチェックしてみてください。そして傷があったら適切な対処をしましょう。

もちろん抗生物質の薬を飲ませたり、病院で手当てしたりといった対処ですよ。

猫の喧嘩を止める方法

猫の喧嘩を止めることができるのであれば、喧嘩でケガをしてそこからばい菌が入って感染症になり・・・という最悪のシナリオを回避することもできます。ダニやノミ、蚊であれば薬で対処できますが、相手も同じ猫。

フロントラインなどの薬を塗っても効果はありません。できることといえば、

  • 飼い猫を家の外に出さない
  • オス猫は去勢する
  • 喧嘩を見つけたら追い払う

といったかなり原始的な手法しか思い浮かびませんよね。喧嘩を止める方法としては、大声で追い払うよりも

  • 風船を破裂させる
  • 水が入ったバケツを落とす

などの方法が有効とされますが、これだと驚いた猫が突発的に走り出すため、今度は交通事故の危険があります。たとえよその猫、飼い猫の敵猫だったとしても、交通事故に遭ってほしい猫好きさんはいませんよね。

ということで、猫の喧嘩を事前に食い止めるのは少々難しい部分がありそうです。そこで、まずは「なぜ喧嘩をする?」という猫の喧嘩の原因をあらかじめ把握しておくことで、何らかの対処は可能かもしれません。

猫が喧嘩する主な理由

猫の喧嘩の主な原因は、実は主要な理由についてはすでに上で触れているのですが、以下のように説明されます。

  • オス猫による縄張り争い
  • オス猫によるメスの取り合い
  • じゃれているうちにだんだんムカついてきて本気になった(特に多頭飼いで)

いやぁ・・・なんとなくどれも人間と同じかなぁと思いますね。猫も生き物なので当然ですが。さて、これらを踏まえての対策ですが、縄張り争いを防止するといっても、まさか人間が縄張りを横取りするわけにもいきません。

縄張り争いに関しては、できるだけ家の外に出さないことを心がけるしかないでしょうね・・・しかしメスの取り合いなら対処は(ある程度)可能です。もちろん人間が横取りするわけではありません。

上でも触れましたが、オス猫を去勢するという方法が一番喧嘩予防の可能性は高いです。生殖能力の有無はオス猫の嗅覚が鋭敏に察知します。気に食わないという理由で喧嘩になることはありますが、可能性は低くできます。

そして、オス、メスともに、繁殖期の時期にはできるだけ外に出さないようにするというのも1つの対策です。その分猫にはストレスがたまりますので、家でたくさん遊んであげるなどのサービスも重要です。

まあオス猫の場合はそんなサービスを受けつけるほど素直ではないかもしれませんが・・・何しろ子孫を残すという、いわば「神のお告げ」のようなものですから、ある程度仕方がない部分もありますよね。

ちなみに、猫の発情期には個体差があって、2月~4月くらいの1~2週間程度、6~8月くらいの1~2週間程度とされることが多いです。筆者の経験(猫の、です)からすると、いわゆる「秋発情」もあるかな、と感じますね。

いずれにしても、妙にソワソワ落ち着きがなくなったり、陰部を盛んに舐めるようなしぐさがみられたりしたときには、その猫が発情期を迎えようとしているサインとなっている可能性が高いです。

もちろん、体調不良でも似たような行動をとることがありますので、混同することがないよう飼い主さんは十分注意していただきたいと思います。

猫の喧嘩について知り、猫のピンチを脱してあげるのも飼い主の務め!

今回は「猫の喧嘩」についてお話してきました。お宅の大切な猫ちゃんが喧嘩をしたら、飼い主としては非常に心配になりますね。もしかしたら、皆さんが想定していなかった危険も今回お話できたかもしれません。

猫にも個性があって、とにかくよく喧嘩をする猫もいるようです。夢の中でまでも喧嘩をしているらしく、妙な声と妙な動作を眠りながら繰り返すという器用なシーンを筆者も見たことがあります。

その意味では、喧嘩をするのも生きている証拠なのかもしれないなぁとは思います。ただ、喧嘩はやはり猫にとって大きなデメリットとなり、時に「取り返しのつかない致命傷」となってしまうこともあります。

このことだけは、飼い主さんがしっかりと把握しておく必要はあると思います。そういう認識の助けに、今回のお話がなってくれるならうれしいです。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ