猫の平均寿命は昔に比べて飛躍的に長くなりました。
現在、室内飼いの猫の平均寿命は15歳前後となっています。野良猫の平均寿命と比べると、3倍近くも長い寿命になるのです。
なぜ飼い猫の寿命が延びたのか、それには様々な理由が上げられます。医療の発達やキャットフードの改良もありますが、飼い主が猫は家族として扱うことが多くなったのも大きいでしょう。
そして愛猫を長生きさせるには、どのような飼い方をしたらよいのかを、解説していきます。
猫が長生きになったのには、様々な要因がある
2017年現在、猫の平均寿命は次のように言われています。
完全室内飼い | 15歳前後 |
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外に行き来する室内飼い | 13歳前後 |
野生 | 5歳前後 |
ちなみにオスは14.3歳、メスは15.2歳と平均寿命に差が出ています。
それほど、猫が長生きするのは珍しいこととされてきました。
現代では20年生きる猫も見かけるようになりました。なぜ、こんなにも寿命が延びたのでしょうか。それにはいくつかの要因があります。
ペット医療の進化が猫の平均寿命を長くした
大きな理由の1つが、医療の発達です。
20世紀になってから人類の医学は飛躍的に発達しました。特に、1928年に抗生物質が発見されると、これまでは人類の最大の脅威であった細菌による感染病が治療できるようになりました。
それまでは人間の平均寿命は約3、40歳とされていたのが今では80歳代にまで伸びています。
日本はアメリカに比べると、まだまだペット医療の整備が遅れている部分もあると言われています。これから整備されてくるものもあるでしょう。
子供の頃から猫を飼ってきた私から見てもペット医療は発達したと感じる部分があります。昔に比べて、効果的な薬がかなりたくさん出てきたなと感じます。
ペットは飼育している動物ではなく家族という認識が高まり、人間と同じような医療を受けさせたいという飼い主のニーズに答えながら、動物医療は日々発展しているのです。
キャットフードの栄養価が高くなっている
医療と並んで重要なのが栄養のあるペットフードです。食べ物は毎日取るものであるから、体への影響は大きいのです。
専用のペットフードが登場したのは1970年代になってからで、それまではねこまんまと呼ばれる、人間の残り物のごはんに、かつおぶしやみそ汁を混ぜた物を与えていたこともありました。
雑食である犬と違い猫は完全な肉食のため、ペットフードが登場するまでは栄養が偏る事もありました。
現在では多種多様な栄養豊富なペットフードがあり、尿路結石・肥満・老猫といったその猫の体に応じたものもあります。
肉や魚、穀物系野菜系など食材も豊富であり、好みの難しい猫にも美味しく食べられる工夫がされています。
日本人も平均寿命が飛躍的に伸びたのは戦後の事であり、いかに食事が大事かということがわかります。
ペットに対する飼い主の意識の変化
ペットは家族という認識が浸透したのも、大きな理由と言えるでしょう。ペットは家にいる動物、というだけではなく、大事な子供のような存在と考える人が増えてきました。
私自身も、自分の事よりも猫に対して使うお金の方が多い事もしばしばあります。実際に、自分よりもペットにお金を使うという人も増えてきています。
それが良い傾向ととるのか過保護ととるのかはその人次第ですが、ペットロスという言葉もあり大切なペットを失えば精神的なショックからなかなか立ち直れなくなることも多いのです。
ただ、やるべきしつけもしないなど、あまり行き過ぎたかわいがりは問題です。大事な家族だからこそ、飼い主のつとめは果たさなければなりません。
外は危険がいっぱい。だからこそ室内飼いをする
また、外へ出る飼い猫の場合は約14歳です。対して野良猫の場合は約5歳と、飼い猫に比べると圧倒的な寿命の差があるのです。
野良猫の場合は、満足な食事がとれなかったり病気になってしまえばそれがいのちとりになってしまうこともあります。
それに加え、交通事故や猫同士の喧嘩などで怪我をすることもあるため、人間の保護が受けられる飼い猫よりも、はるかに長く生きることが難しくなってしまうからです。
それは猫に限らず、野生で生きる動物には宿命ともいえるでしょう。
長生きするには食事や生活環境を整えることが必要
猫の長生きの理由として医療やペットフードの発達や飼い主の意識、猫の生活環境の変化を上げました。
少しでも愛猫に元気で長生きして貰うためにも、栄養のある食事は必須となります。ペットフードには安い物から高い物まで色々な種類があります。
具体的には、ペットフードの裏面などに記載されている成分表を確認します。ペットフードは含まれている量が一番多いものから順番に名前を表示していくという決まりがあります。
このキャットフードであれば、とうもろこしが一番多く含まれていることになります。また合成着色料も含まれている為、あまり頻繁に与えるのは健康に影響が出る可能性もあります。
魚や肉メインのものとバランスよく与える様にします。
食べ過ぎによる肥満は危険
より良いものを猫に食べて貰いたいですが、食べ過ぎによる肥満は健康に影響がでてきます。低カロリーで高たんぱくなものを与えるようにしましょう。
市販のキャットフードは、猫に必要な栄養に基準を満たす様に作られています。また、食事の回数は時間を決めて1日2回と決めます。
おやつを食べさせすぎるのも禁物です。室内飼いの猫は運動不足になりやすい為、おもちゃなどで遊んであげるようにします。
完全室内飼いにする
猫同士で喧嘩をしてけがをしたり、病気に感染することもあります。交通事故に遭遇してしまったり、心無い人間に傷つけられることも考えられます。外で予期せぬ出来事に遭遇し、家に戻ってこれなくなることもあります。
家の中だと運動不足になりやすいし、自由に出来なくて可哀そうだと思う部分もありますが、外へ出ることに夜リスクはそれよりもずっと多いのです。
我が家の猫も昔は外へ出ていた時期もありましたが、現在は完全室内飼いになっています。最初の頃は外へ出たがるそぶりも見せていましたが、だんだんとそれもなくなり、現在は家の中でのんびりと過ごしています。
猫は広い面積の場所よりも、高さがあり上下に運動出来るもので運動不足を解消できます。キャットタワーを設置したりして、人間がいない時でも運動が出来る環境を整えましょう。
猫の体調管理はしっかりと
言葉が話せないからこそ、飼い主が猫の状態をしっかりと管理することが長生きの秘訣になります。
7歳を超えた頃から老化が始まり、病気にもかかりやすくなってきます。食事の吸収力も弱くなる為、食事はシニア用のものをメインにします。
毛並みのつやや目やにがたまっていないか。食事の量や水を飲む量に変化はないかを確認します。
特に猫は腎臓系の病気にかかりやすいため、水を飲む量が増えたなと感じたら、一度病院で検査をしてもらった方が良いでしょう。
放置してしまえば隠れていた病気が進行し、気づいた時には手遅れという事にもなりかねません。
猫は病気を隠したがる生き物です。それは病気であることが他の動物にわかってしまうと、命取りになってしまうからです。
飼い猫であってもその習性は引き継いでいるので、体調がおかしくても悪いように見せないのです。具合が悪い猫は、他の動物に見つからない様にものかげでじっとしている事もあります。
もし、これまで元気であった猫が、やたらに隠れた場所にいると感じるのであれば、何か病気が隠されているかもしれません。
深い愛情が猫を安心させ、寿命をのばすことにつながる
愛情を持って育てられた猫は、精神的にもリラックスし長生きする傾向が高いと言われています。
ベタベタに可愛がられて毎日撫でられてスキンシップされることにより、ストレスもためることなく生活できるのです。
猫の種類により平均寿命の違いはありますが、長生きする猫は大抵大事にされている猫であるというデーターもあります。それは何も難しい事ではありません。
流行だから、という理由で猫を飼うのであればそれはおすすめしません。
猫も長く生きることにより、認知症などの昔はあまり問題視されなかった病気が社会問題化するようになりました。猫も長生きの分、介護の必要が出てきます。
マスコミはよく猫は手がかからないと言っていますが、手がかからないのは若いうちだけで、老猫になれば身の周りの世話や食事のこともよく考えないといけなくなります。
動物病院へ連れて行く機会も多くなり、金銭的な負担も大きくなります。
それでも、猫が人間へ与えてくれる精神的な癒し効果は絶大です。私自身も、大事な猫がいるから頑張れるという気持ちで毎日過ごしています。
少しでも長く愛猫との楽しい時間を過ごすためにも、猫の生活環境を整えてこまめに健康をチェックしていくことが、何よりの長生きの秘訣なのです。
みんなのコメント
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うちの虎太朗は、女の子なんですが凄く凛々しい顔してます。