「猫との暮らしで、日々元気をもらっている。」「辛い時に愛猫に慰められた。」
そんな風に実感している飼い主さんは多いのではないでしょうか。最近は、猫が人に与える健康上の効果に大きな注目が集まっています。
アニマルセラピーの活動は世界中で確実な効果をあげていますね。ヒーリングドッグ、セラピードッグなど、つい犬の方にばかり目が行きがちですが、実は猫にも犬に負けないくらいの十分な癒し効果があるんです。
しかも、特別にアニマルセラピーのトレーニングを受けてない猫でも、人間を癒してくれる特殊な能力がちゃんと備わっているんですよ。
猫と暮らすことで得られる癒しの効果についてまとめました。
猫が与えてくれる具体的な癒し効果4つ
最近の研究では「愛情をもって猫を飼うことで、人間が自然に癒し効果を得ている」ということが証明されています。飼い猫が人間に及ぼす具体的な癒し効果やポジティブな影響には、おもに次の4つがあります。
ゴロゴロ音でストレス解消、免疫力アップ効果も!
猫が幸せそうに喉を鳴らす時のゴロゴロ音、実はこの音にはヒーリング効果があります。ゴロゴロ音の周波数は25~140Hz。この周波数には免疫力を上げる作用があり、人体に良い影響を及ぼしていることがわかっています。
撫でることで得られるリラックス効果
猫を撫でると、体内に幸せホルモンの一種であるオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは不安やイライラを抑え、幸福感を得られる効果があります。さらに、このオキシトシン、ストレスへの耐性強化にも役立つ優れものなんですよ。
撫でられてリラックスできるのは猫の方も同様ですね。「猫と人間、双方が触れ合うことでどちらにも得られる癒し効果がある。」そう考えるだけでとても幸せな気持ちになり、癒し効果倍増ですよね!
猫の飼育により心血管疾患のリスクが低減
ミネソタ大学心臓研究所による2008年の研究で「猫を飼っている人は心臓発作で亡くなるリスクが飼っていない人に比べて30%低い」という調査結果が報告されています。
また、後の追跡研究の結果でも、猫の飼育がすべての心血管疾患による死亡の減少(脳卒中も含む)につながることも明らかになりました。
これはストレスホルモン、コルチゾールが抑制され、血圧が安定するためといわれています。
猫の生き方、存在そのものにある癒し効果
猫は犬のようにきっちりしつけることはできません。でも、そんな自由で気ままな性質そのものが猫の魅力であり、「天性のセラピスト」と呼ばれる所以でもあるのです。
猫の立ち振る舞いや生き方は、私たちを楽しませ、その場を明るい雰囲気で包んでくれます。さらには疲れた心を癒したり、家族の会話の輪を広げたりもしてくれますね。
猫の癒し効果はすべての人に有効。障害やストレスに寄り添う猫たち
猫といっしょに暮らすことで得られる癒しや幸福感は、どの世代も共通して感じることができるものです。その世代特有の心的ストレスを癒してくれるのはもちろん、障害や精神疾患に苦しむ人に寄り添う猫たちもいます。
自閉症の子供のコミュニケーションサポート
自閉症の子供の多くは人間よりも動物に強いつながりを感じています。2012年に実施されたフランスの研究では、ペットがいる自閉症の子供たちの方が、ペットがいない場合よりも社会生活への適合が比較的容易であることが立証されています。
猫を飼うことは、子供の精神面での安定に大きな効果があります。特に、一部の自閉症や発達障害などの子供たちに一定の良い影響があることが実証されています。
自閉症の少女の心の扉を開けた猫の例があります。
イギリスのレスターシャー州に住むアイリスちゃんは 2011年2歳の時に自閉症と診断されました。
人とのコミュニケーションがとても苦手だったアイリスちゃんですが、ヨガや音楽などのセラピーを体験しながら絵の才能を開花させ、今では、印象的な美しい絵を描く画家としても活躍しています。
▼アイリスちゃんが描いた絵
(出典:COURTESY OF IRISGRACEPAINTING.COM)
彼女を大きく変えたのが、スーラという名の猫の存在でした。2013年に両親が知人から預かったスーラは、特別にセラピーアニマルとしての訓練を受けた猫ではありませんでした。それでも、出会った瞬間からふたりは大の仲良しになりました。
すると、それまで言葉によるコミュニケーションをほとんどしなかったアイリスちゃんが、なんとスーラに話しかけるように!そして、徐々に家族に対しても言葉で自分の思いを伝えられるようになったのです。
彼女にとって大切な存在になったスーラは、今ではどこへ行くのも何をするのも一緒。アイリスちゃんの不安を取り除き、日々の生活を支える大切な役目を果たしています。
▼絵を描くアイリスちゃんとそれを見守るスーラ
(出典:HUFFPOST)
自閉症の子供を育てている多くの家族の貴重な前例にもなるアイリスちゃんとスーラの関係は、写真と共に書籍化され世界中で話題になりました。
(小さなモネ-アイリス・グレース-自閉症の少女と子猫の奇跡/辰巳出版)
うつに苦しむ人の味方になってくれる
抑うつ障害に苦しんでいる人にはペットとの交流は心休まるものになります。(年をとると誰もが陥りがちな「老人性うつ」にも猫との交流は有効です。)
すべてのペットにはうつ症状をおさえる効果がありますが、特に猫は、ひざに乗せてなでているだけでも十分効果的です。さらに、猫を飼うことによる日々の世話や責任感が自然に社会的な活動の場を広げることにもなり、症状の改善につながる要因の1つにもなるでしょう。
認知症の予防や高齢者の生活の支えになる
認知症の予防には、運動すること、頭を使うこと、誰かと会話したり触れ合ったりすることの3つが大切とされています。猫を飼うことはこれらを全て満たしてくれるといえますね。
餌の買い出しや動物病院での検診などは良い外出の機会になりますし、餌やりやトイレ掃除などは頭を使う作業です。また、体をなでる、一緒に寝るなど、猫との十分な触れ合いもできます。
自分を必要としてくれるものの存在は、人の心を強く、穏やかにしてくれます。「年をとっても大切な愛猫と最後まで一緒に暮らしたい。」という思いは、飼い主さんなら誰もが持つのではないでしょうか。
飼い主さんが亡くなった後は施設が責任を持ってペットのお世話をしてくれるので、愛猫との暮らしを安心して楽しむことができますね。
癒し効果は愛猫からの素敵なプレゼント
小さな猫たちが潜在的に持っている癒しの能力は、想像以上にすばらしいものであることがおわかりいただけたことでしょう。
彼らは、側に寄り添うことで私たちを幸福感で満たしてくれます。それは、日々猫たちから飼い主さんへ届けられる素敵なプレゼントといって良いでしょう。
みんなのコメント
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自閉症の子のサポートをする猫ちゃん、素敵ですね!
お揃いのマント?が可愛い💕 -
私はうつ病で長年苦しみましたが、あるきっかけで、仔猫を飼い始め8カ月後に仕事復帰出来るまでに復活しました。どんな事をしても、改善しなかった精神症状が改善されたのは、紛れもなく愛猫のおかげです!!
猫の癒し効果は本物だと身をもって体感しました!これからも、愛猫と、人生を歩んで行きたいと思います。 -
小さい頃、泣いていると、 よく飼い猫が顔を舐めてくれました。
やっぱり、人の心を感じとることができるんですね。
兄弟みたいに育ったんで、亡くなった時は辛かったです。