獲物を狙って右へ左へ、果敢に飛びかかる猫の姿。飼い主さんの用意したおもちゃで喜んで遊んでくれるところを見るととても嬉しくなりますよね。
特に飼い始めたばかりの時は飼い主さんも愛猫の好みを探っていろいろなものを試したくなるのではないでしょうか。
猫はなんでもおもちゃにする天才です。定番の猫じゃらしから高級な電動おもちゃまで、またその場でちょこちょこっと遊べるものから大がかりな運動会まで。
猫がもっと喜ぶ遊び、より楽しく遊べるおもちゃがないかとお探しの飼い主さんに、様々な猫との遊び方をご紹介します。
猫にとっては遊び=狩り!狩猟本能を意識して猫と遊ぼう
猫に楽しく遊んでもらうための大前提として、「狩り」を意識することが重要です。猫にとっての遊びは様々な意味がありますが、ひとつには狩猟本能を満たすということが挙げられます。
実際の狩りを想定し、より生き物らしいランダムな動き、まるで感情を持っているかのような緩急、狩る者と狩られる者の駆け引きを演出することで、猫は飼い主さんの繰り出すおもちゃに夢中になってくれるでしょう。
マンネリからの脱却。猫が喜ぶ遊び8選
定番のおもちゃから意外なものまで、実際に我が家で実践している猫との様々な遊びをご紹介します。
猫を飼うのは初めてという飼い主さんから、猫と遊び続けてそろそろマンネリ気味という飼い主さんまで、気になるものがあればぜひ実践してみてください。
猫じゃらし
定番でありながら、なんだかんだで最もバリエーションが出せるのが猫じゃらしです。猫を飼っていたら誰もが1本は持っていると思うのですが、実は市販のものより手作りの方が飽きが来なくて楽しめることが多々あります。
我が家で最も喜んでもらえるのはモールです。100均で買ってきたモールの束をちょろちょろっと猫に振るだけで異様なまでに猫が反応します。
猫によって好む素材はかなり差があるので、モールだけではなく羽根や紐など、様々な素材を試してみるのがおすすめです。振り方は同じでも、素材が変わるだけでいつでも新鮮な反応をしてもらえます。
猫は飽きやすい生き物と言われていますが、我が家の場合は逆に猫に「飽きないの?」と聞きたくなるレベルです。ちなみに、猫が喜ぶ猫じゃらしのふり方は「大興奮!猫が夢中になる猫じゃらしの動き10パターン&素材」でご紹介しているので参考にしてみてください。
追いかけっこ
猫に遊んで!と要求された時一番簡単な遊び方がこの追いかけっこです。獲物を追いかけるのが大好きな猫ですが、意外と追いかけられるのも嫌いではない様子。
大げさな音を立てて、猫めがけてどどどどっと走ってあげると猫が大慌てで逃げていきます。
嫌がっているのかと思いきや、追いかけるのをやめると「あれ、追いかけてこないの?」とばかりこちらを伺うので、やはり追いかけっこは嫌いではないのでしょう。
積極的に猫を追いかけてあげましょう。中には逆にこちらを追いかけてとびかかってくる猫もいます。そんな時は慌てて逃げてあげましょう。
電動おもちゃで1人遊び
猫が遊んでほしい時、飼い主さんの手が必ずしも空いているとは限りませんよね。そこでおすすめなのが電動おもちゃです。最近の電動おもちゃは非常に賢くできているので、商品によっては猫が思わず食いつくような絶妙な動きを再現します。
飼い主さんが忙しい時、あるいは留守中など、電動おもちゃのタイマーを入れて放置しておくだけで猫が喜んで食いついて1人遊びをしてくれるでしょう。
ちなみに我が家で使っているのは「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン2」。電動おもちゃとしては比較的お手軽な価格なのに、我が家の猫は1年経っても飽きずにずっと大興奮で使っています。
紙袋やダンボール、トンネル
だいたいの猫が遊びたがるのが紙袋、ビニール袋やダンボールです。
買い物に行って余ったものがあったらとっておき、1回だけの使い捨てとして思い切り遊ばせてあげましょう(何度も使い回すより、新しいものの方が喜びます)。
また、市販の猫用トンネルも意外と長持ちするのでおすすめです。放り投げておくだけで勝手に突っ込んで遊んでくれるので、とてもお手軽。
より興奮してもらうには、猫が中に入っている間に上から猫じゃらしなどで表面を軽くなぞりましょう。袋越しの気配に、猫は夢中で獲物をとらえようと袋の中で暴れ回ります。
ボールなど小さいおもちゃを投げる
猫がダッシュしやすいよう、できるだけ遠くまでボールやおもちゃを投げてあげる遊びもおすすめです。我が家で愛用しているのはスーパーボール。あまりによく跳ね回るので、猫の食いつきがとまりません。
難点は回収が面倒くさいことです。大量に買って大量に投げ、回収は最後にまとめてやるのがおすすめです。
また、家具が多い部屋だと家具の下に入り込んで回収に手間がかかるので、廊下など物の少ない奥行きのあるところで遊んであげるとよいでしょう。
扇風機+紐
テーブルや家具などに軽いリボンや紐などを結び、そこに扇風機やサーキュレーターなどで風を送ると、勝手に動く自家製電動おもちゃのできあがりです。
紐の素材を変えればいつでも新鮮に遊べますし、扇風機の強さや向き、置く数などを調整することでたなびき方も変えることができます。扇風機は大きいものでなく、卓上サイズでも大丈夫。
また、エアコンの下にリボンを結んでも似たような効果を得ることができます。できるだけ風が強い方がよく揺れるため猫の興味を引けるでしょう。
ただし、猫がじゃれた時に猫に強風がかかるような状態だと遊んでくれなくなるので向きや風の強さには気をつけましょう。
またたび
マンネリが続いてきた時はこれ!またたびがおすすめです。効く猫と効かない猫がいますが、効く猫にはたまに使うと大興奮です。普段のおもちゃに少しだけ擦りつけて与えてみましょう。
まるで初めてのおもちゃのように大喜びで遊んでくれるはずです。昔はよく遊んでいたのに今は見向きもしなくなったというおもちゃにもおすすめです。
レーザーポインター
レーザーポインターの利点は背が届かないような高いところ、あるいは遠くまで照射できる点です。
背の高い冷蔵庫や棚の上など、普通に猫じゃらしで遊んでいたのでは絶対行くことのないところまで猫にダッシュしてもらうことができます。階段の昇り降りも猫にだけさせることができます。
飼い主は楽ちんです。まさに家中が猫のアスレチック。
猫の安全を守ろう!猫との遊びでの注意点
猫と安全に楽しく遊ぶためにも、いくつか注意しておきたい点があります。基本的なことをまとめました。
「1回にたくさん」より「短くてもこまめに」遊んであげよう
猫は一瞬で獲物を狩るため、瞬発力には優れていますが反面、持久力はあまりありません。そのため、遊ぶ時間は1回に5分~10分で十分です。あまり長く遊んでいると息切れしてしまいます。
1回に遊ぶ時間は短くていいので、飼い主さんの手が空いた時にできるだけこまめに遊んであげましょう。遊んであげる回数は多い方が猫が喜びます。
おだやかな性質の猫であれば1日に10分、活発な性格の猫には1日に30分程度遊んであげるのが理想的です。
おもちゃを出しっぱなしにしない
猫との遊びにもバリエーションが尽きてきた、何をしても飽きてしまって反応しない。そんな飼い主さんはもしかしておもちゃを出しっぱなしにしてはいないでしょうか。
実は猫はおもちゃが遊んでいない時でも自分の目につくところに置いてあると、見慣れてしまい飽きやすくなってしまいます。
猫と毎日新鮮に遊ぶために、おもちゃは毎回きちんと片づけましょう。引き出しの中など猫から全く中が見えない場所がおすすめです。遊ぶ時だけ出してあげるようにすると、猫は飼い主さんに大喜びでおもちゃをねだってくれますよ。
事故に注意
獲物に夢中になるあまり、猫は周囲が見えなくなってしまうことがあります。
- 猛ダッシュの末家具などに激突
- 勢い余って床を滑り、捻挫や骨折をしてしまう
- 獲物に噛みついているうちにパーツがとれ、誤って飲み込んでしまう
など、猫の遊びには意外と多く危険が潜んでいます。飼い主さんは猫と遊ぶ時は猫から目を離さず、事故のないようにあらかじめ障害物を撤去したり、おもちゃに破損がないかチェックしてから遊ぶようにしましょう。
爪を切ろう
猫と遊びの最中、意外と困るのが爪です。猫は獲物を取り押さえたり、高いところにしがみついたりするのに爪を活用しますので、遊んでいる間は爪がよく飛び出ます。
爪がカーペットやカーテンなどに引っかかってとれなくなってしまうと事故に繋がりますし、飼い主さんごと猫じゃらしに飛びかかって、飼い主さんに怪我を負わせてしまう可能性もあります。遊びの前に爪は切っておくようにしましょう。
遊びすぎず、時間を守ろう
特に子猫の場合、「遊びたい!」という欲求に体がついていかないこともあります。
遊ぶことはストレス解消にはいいのですが、それだけ体力を消耗してしまいます。疲れすぎると抵抗力が落ちて、風邪などの原因になるので遊びすぎには注意しましょう。猫が要求するからといって長時間遊び続けることは避けた方が無難です。
こまめに休憩を挟みつつ回数を増やすか、あらかじめ決めた時間を超えたら遊ぶのをやめるのがおすすめです。
手を替え品を替え、新鮮な方法で毎日こまめに遊んであげよう
猫にとって遊びは狩りの練習。そして遊びは猫の本能を満たし、ストレスを減らし、運動不足解消にもなり、その上飼い主さんとのスキンシップにもなるという究極の行為です。
飼い主さんは1日1回5~10分程度でいいので、こまめに毎日遊んであげるようにしましょう。猫との遊びは飼い主さんにとっても癒しです。様々な手段を利用し、毎日変化をつけることでお互い飽きずに楽しく遊ぶことができるでしょう。