猫が目を掻いているようにしきりに目をこすり、顔を洗う仕草に似ているけどいつもより頻繁。
もしかするとなんらかの違和感や痛み、かゆみが原因かもしれません。
猫ちゃんの様子をよく観察してみて、この記事で紹介する病気などの症状がないかチェックして見ましょう。
猫が目をこする原因
猫ちゃんが目をこすっている原因として
- 外的な影響で異物が入った(ゴロゴロしててかゆい)
- 目の病気
- ウイルスなどのアレルギー
などが主にあげられます。
顔を洗ういつもの仕草となんか違うような…、1日ずーっとこすっているような、そんな仕草を繰り返します。
数日で良くなれば良いですが、どれも初期は見た目に変化がなくとてもわかりにくい症状です。
外的な影響で異物が入った(ゴロゴロしててかゆい)
わたしたちと同じように、生きていればゴミが不意に入ってしまいます。「かゆい〜、ゴロゴロする〜、なかなか取れないよ〜」といった症状です。
違和感がなくなれば目を掻く仕草はおさまりますが、目をかきすぎて傷ついてしまうと下記のような症状に進展してしまうこともあります。
目の病気
- 結膜炎
- 角膜炎
- 流涙症
- ぶどう膜炎
- 眼瞼内反症(逆さまつげ)
などが猫がかかる主な目の病気です。
特に結膜炎はかかりやすく、猫に目の異常があった場合に一番多い病気と言えます。
猫風邪由来で結膜炎にかかる場合、入った異物から傷ついて発症する場合など、原因は身近にたくさん存在しますのでなかなか避けて通れない病気の一つといえます。
ウイルスなどのアレルギー
現代の病といわれている花粉症やアレルギー性鼻炎。人間のみならず、この症状にかかる猫ちゃんが近年増えていると言われています。現代の食事や生活環境が原因といわれている人間の花粉症と同じですね。
目のかゆみの加え、くしゃみなどが出ますので「猫風邪」と勘違いして放置し目の病気に進行してしまうパターンがあります。
花粉症は猫ちゃんによって皮膚病にかかる子もいます(花粉が原因で皮膚が痒くなる、人間もお子様に多い症状です)。
しかし、猫の花粉症診断は非常に難しく、採血をしてアレルギーチェックをおこないます。この「採血」が猫はとても大変です。
犬と比べ血管が細く暴れる猫ちゃんが多いため病院によってはあまりやりたがらない先生も多くいらっしゃいます。
筆者は猫の抗体検査が必要で2度採血を経験してますが、先生に非常に苦労を掛けてしまい、今でも思い出しただけで申し訳ない気持ちになります(暴れる逃げる威嚇する、おかげで血管から血が吹き出る、といった所です)。
目のまわりの見た目でわかる症状。気づいたら病院へ
上記の異物が入った、病気、アレルギーでかゆい、などの症状は見た目の異常でも確認することができます。
下記のように、見た目に現れている場合は早めに病院へ連れて行きましょう。目薬(症状によっては飲み薬も)などの処置で劇的に良くなりますよ。
あまりに掻きむしる場合の猫ちゃんはエリザベスカラーなども買うことができます。
- 目やにがたくさん出ている(ドロっとしたもの)
- 涙がでている(サラサラしているもの)
- 片側だけしきりに掻いている
エリザベスカラーは猫ちゃんごとに1つあると、他の病気や怪我の際も非常に役立ちます。
目やにがたくさん出ている
茶褐色や赤っぽい、コーヒー豆のカスのような目やには、新陳代謝の影響で出てくる老廃物です。さほど気にすることはありませんが白乳っぽい・黄色っぽい・緑っぽい目やにはウイルス感染の影響が非常に高い目やにです。
茶色い通常の目やにも、体質などによってたくさん出る猫ちゃんがいます。特に多頭飼いしている方は「こっちの子は全然ないのにこの子はいつも目やにだらけ」という経験もあるかと思います。何匹も飼っているからこその気になる変化です。
目やにが固まってしまい、落ちにくくなってたくさん顔に付いている場合もありますが、単純に目やにを減らしたり柔らかくしてくれる目薬もありますので、気になる方は先生に相談してみると良いかもしれませんね。
涙がでている(サラサラしているもの)
サラサラした涙はかゆい状態の場合が多いといえます。チリゴミなど異物の混入や花粉症などのアレルギー症状で涙が出ます。
いつもよりウルウルとした瞳で下まぶたに涙が溜まったような状態になります。「人間で言うとのあくびした後」のような見た目です。
瞳ウルウル猫ちゃんはとても可愛いですが、実は本人からのSOSかもしれません。
涙とともに白乳っぽい涙を流す場合があります。そうなると更に悪くなって進行してしまっている場合が。耳鼻が生まれつき弱い猫ちゃんにも多く見られます。
片側だけしきりに掻いている
片方だけの症状、というのは見た目でもっともわかりやすく病気の可能性も高い事が考えられます。
片方の目はなんともなければ掻く事もせず、見た目にも症状は現れません。同じような場所だけしきりに掻いていたり、壁に顔を擦り付けていないか、左右の瞳の状態を併せてよく観察してみましょう。
猫でも花粉症は現代病!?花粉症の猫が増えている
ここ最近現代病のひとつ、花粉症の症状に悩む猫ちゃんが増えているそうです。昔は花粉症の人が少なかった、とお年寄りが話している事を耳にした事もあるのではないでしょうか?
車などの排気ガスや、食事の欧米化が原因で年々増えている花粉症は人間のみならす犬猫にも大きく影響しています。
花粉と共に汚れた空気を吸い反応を起こして花粉症は発症します。スギやブタクサなどの植物が少ない地域(北海道など)もありますが、空気が綺麗な田舎が花粉症人口が少ないのもわかる気がします。
猫ちゃんの花粉症の原因も人間の花粉症と原理は全く同じで、春先になると涙・鼻水・くしゃみなどの症状が出ます。
最近は室内飼いの猫ちゃんが増えていますが、飼い主である人間が外から帰った際にコートなど衣服に付いた花粉やお掃除の時に窓を開けたりして反応する猫ちゃんもいます。
こまめに掃除をしてあげたり、花粉除去目的の空気清浄機をを24時間稼働させるなど、わたしたち人間と同じ事を意識するだけで猫ちゃんの症状を和らげてあげることができるかもしれませんね。
猫の花粉症治療
先日病院で花粉症の治療で通院している猫ちゃんがいました。耳鼻が生まれつき弱いそうで、ずっとズビズビしていて(その姿がこれまた可愛いんですが)とてもかわいそうでした。
わたし自身ひどい花粉症持ちなので、「この辛さがウチの子たちに…」と初めて猫の花粉症を意識しました。
猫の花粉症治療(予防)は主にステロイド剤を使って症状を暖和させていくものです。
これも人間と同じで、特効薬はありません。減感作療法というアレルギーの原因となる植物を特定して徐々に体をその物質入れてに慣らしていくという方法もありますが通院が必要で期間も費用もかかります。
人間のスギ花粉舌下療法なども、効けば完治できるそうですが効果に個人差があり3年程度通わなくてはなりませんから、猫ちゃんが通院しても同じ結果だったら…という不安点がとても残りますね。
目はとても大事。異変があればすぐ病院へ
猫ちゃんの目や病気について、たくさん書きましたがご不安は解消できましたか?「顔をこする」と「目をこする」なかなか見た目だけでは判断しずらく病院へ連れて行こうか迷う事もあると思います。
猫が目をこする症状に追加して健康チェックができるようになるととても安心ですね。
猫の目の病気は体の中でも特に多いのに、飼い主さんが気づかず放置気味になってしまう病気です。少しでも異変を感じたら、相談できる獣医さんにすぐ連れて行って健康に長生きしてもらいましょう。