皆さんは、猫がまばたきをするのを見たことがありますか?猫は目の構造が人間と違うので、人間のように頻繁にまばたきをする必要はありません。しかし、理由があってわざわざまばたきをすることはあります。
今回は、猫がまばたきをする理由、ゆっくりとしたまばたきか、何度もするのか、その理由の違いについてなどをご紹介していきます。
猫は本来あまりまばたきをしない
猫は人間と比べるとまばたきをあまりしません。その理由は「瞬膜」の存在が大きいと言われています。
瞬膜とは、まぶたとは別に横方向に動く透明、または半透明の薄い膜のことです。目を閉じる時に一瞬だけ露出するので「瞬膜」と呼ばれています。また瞬膜は「第三眼瞼」とも呼ばれています。
この膜が眼球の上を動くことで薄い油膜で眼球が覆われるとともに、ごみやほこりを除去してくれるのです。
人間にも瞬膜のなごりは残っているのですが、退化してその役割は果たしていません。そのため人間は頻繁にまばたきをして眼球のごみやほこりを除去するとともに目を潤す必要があるのです。
では、猫はまばたきという動作をしないのでしょうか?そうではありません。眼球を潤すのとは別の理由でまばたきをすることもあるのです。
目の異常が原因の場合がある!まばたきがサインとなる
まばたきの回数が急に増えた、異常なほど多い、目を気にしてこすったりしている時は瞼の異常であることもあります。どの病気だとしても、きちんとした治療、処置が必要となるのでまずは動物病院に相談しましょう。
角膜炎、結膜炎など
角膜炎は目の中に異物が入った時に、気になって目をこすった結果傷がついてしまい、そこからばい菌が入って角膜が炎症を起こしてしまう病気です。
また、結膜炎、緑内障でもまばたきが増えることがあります。
治療方法としては点眼で薬を入れる、その間さらにいじったりしてしまわないようにエリザベスカラーを付けて保護する、などがあります。
瞬膜の異常
瞬膜は冒頭でも述べましたが、まぶたとは別に存在する膜のことです。この瞬膜がまばたきの時だけではなく常に露出した状態となることがあり、目を潤すため、または違和感があるためまばたきが増えることがあります。
片目のみ露出している時は、そちらの眼球が傷ついているなどの異常がみられます。
両目の時は、何らかの体調不良である可能性が高いです。
眼瞼内反症という病気
慢性的な角膜炎や結膜炎により瞼が痙攣し、内側に反り返った状態となる病気です。まばたきを頻繁にする、光をまぶしがる、必要以上に涙が出る、という症状が現れることがあります。
猫が気にしていじったりこすったりしてしまうことも多く、傷がつくとそこからまたばい菌が入って化膿し、症状がひどくなってしまうことがあります。
治療の方法として一般的なのは、手術で内反した瞼を切って形を整えます。
ゆっくりまばたきをするのは好きのサイン
猫が、人間と目があった時にゆっくり、パチ、パチとまばたきをすることがあります。これは相手を「好き」と思っている行動です。
猫は野生の部分がまだ残っており、敵と対峙したときは相手とにらみ合ったまま目を見開き、じっと見つめます。まさに一触即発の状態です。一瞬の隙に相手に攻撃される可能性もあるので、まばたきをしている場合ではありません。
一方で相手と目が合った時にまばたきをするのは「あなたを敵だと思っていませんよ。攻撃しませんよ」というサインでもあるのです。
猫同士のコミュニケーションの際に、まばたきは信頼や愛情表現として使われます。その名残で人間と目があった時もまばたきをすることがあります。
ゆっくり、パチ、パチ と何度もまばたきをするときはその分相手のことを好き、信頼している、というサインなのです。
こちらもまばたきで返そう
猫がまばたきをしてきたらどうすればよいのか?答えは簡単です。こちらも同じようにゆっくりまたばきをして返しましょう。
猫と目があった時、じっと目線を合わせたままそらさないと、猫側は「敵意」ととらえて警戒してしまいます。
人間だと、好きな相手同士じっと見つめあうことが愛情表現となることがありますが、猫にとっては違うのですね。
こちらもまばたきを返して「あなたのことが好きですよ、警戒していませんよ」ということを知らせてあげましょう。
逆に猫がじっと見つめてきた場合、まだあなたのことを少し警戒しているのかもしれません。その場合はこちらからまばたきをしてみましょう。
すぐには返って来ないかもしれませんが、なんどか続けているうちにまばたきを返してくれることがあります。
猫をよく観察することが大事
いかがでしたか?猫がまばたきをする理由は人間とは違うということ、なんらかのサインであることが分かったと思います。
猫のまばたきを見た時、それが愛情表現なのか目の異常なのか、普段の猫の様子をよく見ることで判断できます。
まばたきの原因が目の異常、病気である場合は、気になって目をこすった結果、余計に悪化することが考えられます。
ひどくならないうちに適切な治療をすることが大切ですので、異常を感じたら動物病院に相談するようにしましょう。
猫が日ごろから猫とのコミュニケーションを良くとり、愛情をお互いに表現して相思相愛になれるように、または目の異常があった時にすぐに気が付けるようにしておきましょう。