子猫は要注意のコクシジウム症。繰り返す下痢と血便の症状は危険かも

猫の体内には、気づかないうちに寄生虫が寄生してしまうことがあります。猫に寄生する寄生虫にはいろいろな種類がいますが、そのうちのひとつがコクシジウムです。猫の小腸に寄生して、コクシジウム症を引き起こします。

子猫がこのコクシジウムに感染してしまうと場合によっては死亡してしまうこともあり、とても危険です。あまり耳馴染みのない寄生虫かもしれませんが、コクシジウムがどのような寄生虫なのか説明していきましょう。

コクシジウムは原虫の仲間

「コクシジウム」は「原虫」に分類される寄生虫です。原虫は単細胞生物ですが、ウイルスや細菌などよりも大きくて複雑な仕組みをしています。もちろん、肉眼では見えません。

原虫に分類される生物としては、他にマラリアや赤痢アメーバなどがいます。 猫に寄生するコクシジウムには複数の種類があり、これらが寄生して発症する病気が「コクシジウム症」になります。

コクシジウムは猫の体内に侵入すると、小腸粘膜の細胞内に寄生し増殖を繰り返します。それによって、猫にはさまざまな症状が現れるようになります。

とは言っても、大人の猫であればコクシジウムが感染しても特に症状は出ないということがほとんどです。しかし子猫が感染してしまった場合には注意しなくてはいけません。

まだ体力のない子猫が感染してしまうとひどい下痢を起こして、便に粘液や血液が混じってしまうこともあります。そして次第に衰弱していき、死んでしまうことさえあるのです。

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感染すると下痢を繰り返し血便の症状が見られることもある

コクシジウム症は生後数ヶ月までの子猫にみられることが多くなります。大人の猫の場合には、感染しても特に症状は現れません。 コクシジウムは猫の小腸粘膜の細胞に寄生して増殖を繰り返し、細胞を壊していきます。

そのため、コクシジウム症で現れる主な症状は下痢になります。ひどくなると、便に粘液や血液が混じってしまうこともあります。 そして下痢を繰り返しているために栄養を吸収することができなくなり、痩せて衰弱してきてしまいます。

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飼い主さんは猫の異常になるべく早く気づいてあげてください。 コクシジウム症になると、以下のような症状が現れます。

  • 下痢をする
  • 症状が重い場合には、便に粘液や血液が混ざることもある
  • 吐いてしまう
  • 発熱する
  • 痩せてくる
  • 脱水症状になる
  • 食欲がなくなる
  • 発育不良となる
  • 衰弱してきて、死んでしまうこともある

もしも子猫が下痢を繰り返していたり便に血が混じっているようなことがあれば、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

▼動物病院で直接検査してもらうときの手順については、こちらをご覧ください
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重症化させないためには、少しでも早く治療を始めることが大切です。 血便はコクシジウム症のほかに、「鉤虫」という寄生虫が寄生した鉤虫症でも現れます。猫の便を調べることで、コクシジウム症かどうかはすぐ診断できます。

感染猫の便の中には「オーシスト」がいっぱい

コクシジウムは猫の小腸に寄生して、そこで増殖を繰り返します。そして猫は、便の中に「オーシスト」と言われるものをたくさん排出するようになります。 オーシストとは発育段階の途中のものです。

まだこの時点では、他へ感染する力は持っていません。 その後、便の中に紛れて外界へ排出されたオーシストは1-2日ほどで成熟して感染力を持つようになります。

この成熟したオーシストを他の猫が口にしてしまうと、その猫にも感染が広がってしまうことになるのです。

また成熟したオーシストは、ネズミなどに食べられることもあります。するとコクシジウムは、そのネズミの体内に寄生します。そしてこのネズミを猫が食べると、コクシジウムはその猫に感染していってしまいます。

このようにコクシジウムは、感染猫の便の中のオーシストから他の猫へとどんどん感染していってしまうのです。

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コクシジウム症予防のためにも、猫の便はすぐに片付ける

コクシジウム症の猫の便の中にはオーシストがたくさん混じっているため、便の検査をすることでコクシジウム症の診断は簡単にできます。 もしもコクシジウム症と診断をされた場合には、サルファ剤などで治療を行なっていきます。

他にも下痢がひどければ下痢止めが使われたり、脱水症状を起こしているようなら輸液の点滴を行なったりします。 そして何より大切なのことは、コクシジウム症を予防することです。

それにはコクシジウムの成熟オーシストを口に入れないようにすることです。 感染猫の便の中にはオーシストがたくさん排出されていますが、猫が排便した直後のオーシストにはまだ他への感染力はありません。

ですから、猫が排便をしていたときにはなるべく早く片付けるようにしましょう。 これは他の病気の予防のためにも言えることですが、猫の便を片付けずにトイレを不衛生にしているといろいろな感染症のリスクが高くなります。

また猫は清潔好きのため、汚いトイレではストレスが溜まってしまいます。トイレはいつでもキレイに保っておくようにしましょう。 そしてネズミなどを食べてしまわないようにさせることも大切です。

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家の外へ遊びに行く習慣のある猫は、いろいろな病気にかかってしまうリスクも増えます。できることなら完全室内飼いにした方が良いでしょう。また普段と違う様子が見られたときには、すぐ動物病院を受診するようにしてください。

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