TNR活動とカットされた耳の話。不妊手術をうけたさくらねことは

お家にあそびに来た野良猫(地域猫)ちゃん。もしくは町で見掛けた野良猫ちゃん。ふと耳を見てみると…あれ、片方の耳がまるで桜の花弁のように欠けているような…?

それ、実は不妊手術をしましたよ!というサインなんです。オスとメスによって切る耳が違う、なんて話も?

今回はそんな、知った後に野良猫の耳をついついチェックしたくなるような、豆知識のお話です。



野良猫の耳が切られてる理由。地域猫とTNR活動

猫の耳がカットされている理由15158

片耳だけのV字……他の猫と喧嘩をして怪我をしたのかしら?いえいえ、そうではありません。

勿論そういう猫ちゃんも中にはいるかもしれませんが、殆どが不妊手術を受けた猫。

まずは何故野良猫の耳が桜型の耳に切られているのか、というところからお話していきましょう。

様々な保護団体の活動により、現在では基本的に野良猫のことを「地域猫」と呼んで、地域で見守っていきましょう、というスタンスになっています。

ここで重要になってくるのが、「TNR活動」です。

TNR活動とは、

■Trap(トラップ): 捕獲すること

注意

  • 猫がけがをしないように気をつける。
  • 連絡先、目的など書いた張り紙をつける。
  • 捕獲機を仕掛けている間、その場所から離れない。
  • 猫が捕獲機に入ると速やかに布で捕獲機全体を包み込んで猫を安心させる。

■Neuter(ニューター): 不妊手術のこと

注意

  • 不妊手術済みの目印として、猫の耳先をvカットします。
  • 全身麻酔がかけられているので、猫は痛くありません。
  • 出血もほとんどないです。

■Return(リターン): 猫を元の場所に戻す

注意

  • 猫ボランティアさんは術後経過観測をすること
  • 餌は置き餌をせず、猫が食べ終わるのを待ち、あとかたづけと掃除をすること。
  • 捕獲もれの猫は速やかに捕獲してTNRを行う事。

tnr活動の説明イラスト

このように、捕まえた野良猫に不妊手術を施すことによって、徒に野良猫が増えてしまうことを防いでいるのです。

同時に、保健所での保護数や殺処分数を増やすこともなく、今生きている猫達がそれぞれの猫生を謳歌できるようにという活動が、様々な地域で為されています。

その、「TNR活動できちんと不妊手術をしましたよ!」という証が、この桜型の耳なのです。

tnr活動によって不妊手術を受けた猫のイラスト

「耳をカットするなんて、虐待じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、きちんと麻酔で眠っている間にカットをされますので、痛みはありません。

また、もししていなかった場合、万が一また捕まって再手術をすると逆に猫ちゃんに負担が掛かってしまう、というのを防ぐ狙いもあります。

「外にもお散歩するうちの猫が、耳を切られて帰ってきた!」という話もありますが、首輪がない場合には野良猫と飼われている子の区別が付かないことが多々あります。

勿論、既にしている不妊手術に重ねて手術をすることはありませんが、麻酔を掛けられてしまう可能性はあります。

となると、猫ちゃんの負担になってしまいます。

ですので、外に遊びに行く猫ちゃんを飼われている場合は、きちんと首輪をつけてお散歩をさせるようにしてあげてくださいね。

カットされてる耳でオスメスが分かる?というお話

ここで私の家の話になるのですが、うちにいる5匹の猫のうち2匹は、耳が桜型にカットされている猫です。

その内1匹は出会った時には既にカットされていました。

もう1匹はうちにいる5匹の内2匹の親猫なのですが、最初は地域猫として世話をしようと考えていたため、自分で愛護団体を通して獣医さんに施術してもらいました。

そんな生い立ちの違う2匹なのですが、実はある共通点が。

それはどちらもメスの猫だということ。そして、カットされている耳は左耳だということです。

つまり、性別によってカットされている耳が分かれている!ということなのです。

カットされている耳12051

私の住んでいる神奈川のとある地域では、メスは左耳。

カットされている耳12054

オスは右耳のほうをカットされています。この写真はうちの猫の反転画像ですが…(笑)

ただし、他の地域によってはそれが逆であったり、どっちも同じ場合もあるので、一番は地域でTNR活動をしている団体の方に聞いてみるのが良いでしょう。

この見分け方が分かれば、いつもお家に来ている猫ちゃんの性別がどちらかな?と言うのも判断しやすくなりますね。

もし耳が欠けていない野良猫を保護したら?不妊手術の自己負担について

もしこの記事を読んでいるあなたがある日、耳が欠けていない、不妊手術をしていないかもしれない猫ちゃんを保護したら?

直ぐに近くの愛護団体もしくは、獣医さんに連絡してみて下さい。

愛護団体の方たちのスケジュールにもよりますが、色々な手配をしてもらえることもあります。

現に、私の場合は、現在の愛猫「シナモン」の手術は愛護団体の方と協力して捕獲などの手筈を整えてもらいました。

カットされている耳12053

(↑この子がシナモン。)

金額は愛護団体を通してもらったので、1万円ほどで済みました。

また、TNR活動を支援している獣医さんは、同じく愛護団体の方や、役所の方に聞くと教えてもらえます。

場合によっては、行政に申請することで、自己で負担する場合よりも安く不妊手術を受けられる可能性があります。

ただし、地域によって違うので、ご自分で負担していただく場合もあります。

私の場合は、最初から不妊手術を受けていた子と愛護団体を通して手術をさせてもらった子以外の3匹は、全て自己負担で不妊手術を受けました。

金額ですが、大体オスで1万~2万円、メスで2万~3万円くらいで受けられるはずです。

また、先程イラストと文章を使用させて頂いた「公益財団法人 どうぶつ基金」の方でも、いろいろな条件を満たした方に配布している「一般枠の無料不妊手術チケット」や、協力病院のリストがあります。

詳細はURL先をご覧くださいね。

TNR活動のおかげか、年々減少している猫の殺処分数

因みに、このTNR活動のおかげか、猫の殺処分数は年々減少傾向にあります。

カットされている耳12056

地域に住む猫ちゃん達のためにも、今日からあなたも是非、TNR活動に参加してみてはいかがでしょうか。

また、桜型の耳の猫ちゃんを見掛けた際には、ちゃんとTNR活動で不妊手術を受けた猫ちゃんなんだな、と安心して見守ってあげてください。

この運動が続いて、何時しか殺処分数ゼロの社会になると良いですね。

それでは最後にうちの桜耳の子の幸せそうな写真を……。

カットされている耳12055

この子達の未来が何時までも幸せなものであることを祈ります。

猫の耳は保護された印12056

以上、少し為になる野良猫の耳の豆知識でした。

※今回、我が家の猫の写真と明記しているもの以外のイラストなどは原著者である「公益財団法人 どうぶつ基金」様の許可を取った上で使用させていただいております。ご提供ならびにご協力、感謝いたします。

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