ホットカーペットの猫の低温やけどに注意!安全な使用法、対策まとめ

寒い時期には猫にもしっかりと防寒対策をしてあげたい所です。

昔は人間用の炬燵やストーブで温まる事が多かった猫にも、今では猫専用の炬燵やホットカーペットなどが登場し、猫の体に合わせた防寒対策が出来るようになってきました。

安全に使用できるとはいえ、低温やけどには注意したい所です。猫はお気に入りの場所にじっとするという習性があるため、飼い主が気づかない間に低温やけどになってしまう事もあります。

今回はホットカーペットについて、選び方や注意点などを解説していきます。

ホットカーペットによる低温やけどに注意すべき理由

今でも炬燵で温まる猫のイメージが強く、猫が炬燵で温まっているイラストも沢山ありますが、本来人間用の炬燵を猫が使うのは危険が伴う事もあります。

最近の炬燵は電気のものが主流で事故も少なくなりましたが、あくまで人間が温まる為に設計されたものです。猫にとっては暑すぎてしまう事もあり、脱水や熱中症の原因になる可能性もあります。

健康な猫であれば自分から炬燵から出てきて暑さを調整する事も出来ますが、老猫や病気のある猫の場合はそのままこたつの中で眠ってしまい、脱水や熱中症などになってしまうケースが時々起ります。

猫は毛皮がある分、人間よりも熱さに鈍感になっていることがあるのです。また、子猫であれば電気炬燵のコードを噛んでしまい、歯茎や口をやけどしてしまう事故につながる事もあります。

こたつは狭くて暗い所を好む猫にとっては快適な空間であるために、炬燵に入って温まっている猫が多いのです。

そのため現在では猫に体に合わせて作られた、猫用の炬燵もあります。我が家では猫用の炬燵を購入し、寒い時期にはほぼつけっぱなしにしています。

人間用の炬燵はつけっぱなしだと電気代も心配になりますが、猫用のものは電力が人間用の物よりも少なめとなっています。

なお、猫が炬燵を使う時の注意点等はこちらの記事で詳しく記載していますので、併せて確認いただければと思います。

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炬燵は布団に覆われた空間と移転で人間の監視がどうしても行きにくくなる点もあるし、外出する時につけっぱなしにするのは心配もあります。

そこで、猫用のホットカーペットを利用する人も増えてきました。

ホットカーペットといっても様々な種類があり、猫1匹分のちいさなものから、1部屋を覆う広いものまであります。人間用のホットカーペットを敷いた部屋で寝ている猫もいるでしょう。

猫は人間よりも低温やけどをしやすい性質がある

どの大きさであれ、最も心配しなければならないのは低温やけどです。

触れてすぐに熱さに反応する高温やけどとは違い、44度の暖房器具に3、4時間程度接する事により低温やけどを発症します。

温度が上がるほどやけどを発症する接触時間が短くなっていきます。46度ほどだと、約1時間で低温やけどになると言われています。

人間は体毛が薄いため、その分熱い部分に触れればすぐにその温度が伝わります。

しかし猫や犬などの動物は全身が毛に覆われている為、熱さに対する感覚が人間よりも鈍感です。前述の炬燵の中で気づかないうちに、熱中症や脱水になってしまうのと同じ理由です。特に猫は、自分が心地よいと思った場所に留まる性質があります。

我が家の猫も私の部屋にいることが多いのですが、私の部屋は南向きである為夏場はかなり暑くなります。そのため、外出の時は窓を開けたり扇風機をかけたりして熱が溜まらないようにしていました。他の涼しい部屋にうつしても、猫自身で移動してきてしまうようです。

夏の暑い時期でも自分がお気に入りの場所であれば、締切った部屋や日差しの当たる窓際などで寝てしまうため、そこで体力を奪われて様々な症状を発症してしまうこともあるのです。特に体力のない老猫や子猫、病気のある猫には注意が必要となります。

猫は人間よりも皮膚が薄い

特に猫は良く眠る動物ですから、気づかないうちに低温やけどになってしまうケースも考えられます。

また毛のせいで皮膚の状態が確認しづらい点も、猫が低温やけどになってしまう要因の1つです。

猫の皮膚の構造は人間と同じく、表皮・真皮・皮下組織の3段構造となっています。人間と違うのは、毛がびっしりと皮膚の表面を覆っている部分です。

もう1つ人間と違うのが、皮膚の厚みです。人間は体毛が薄い分皮膚が熱くなっていますが、猫は人間よりも皮膚自体は薄くなっています。人間の皮膚と猫の皮膚を軽くつまんでみると、猫の皮膚の方がびよんと柔らかくなっていることがわかります。

これは人間が進化の過程で二足歩行し狩猟を行うようになったため、より運動が持続できるようになったため、体毛が無くなり汗をかくようになったからと考えられています。人間は寒い時には服を着ることで体温調整することが可能です。

一方待ち伏せ型の狩猟をおこなう猫は、一撃必殺の瞬発力を出すために体を進化させたため、長時間にわたった狩りは行いません。汗も肉球など一部を除いてはかかないため、体は毛で覆われ皮膚はその分薄くなっているのです。

やけどには4段階があり症状が異なる

やけどには段階があり、やけどの段階により対処法が異なります。

Ⅰ度熱傷

皮膚の一番外側である表皮が熱により損傷をした状態です。赤くなったり皮がむけたりする程度で、通常は数日で回復します。

人間の場合は見た目で判断できますが、動物の場合は毛に覆われている為見た目でも判断が難しくなっています。

Ⅱ度熱傷

表皮に加え真皮に損傷が及んでいる状態です。Ⅱ度熱傷はその状態により浅達性と深達性に分けられます。

浅いもの(浅達性Ⅱ度熱傷)は真皮の浅い部分にやけどが及んでいる状態です。

赤み・水ぶくれ・痛みが発症し完治までに1週間から2週間ほどかかります。痕が残る事はあまりないようです。

深いもの(深達性Ⅱ度熱傷)は真皮の深い部分にやけどが及んでいる状態です。

赤み・水ぶくれ・痛み・潰瘍の他にケロイド(皮膚が傷つけられ体内の修復により、皮膚が赤く盛り上がってしまう症状)が形成されることもあります。

完治までに数週間から1か月以上の日数が必要となり、あとが残ったり部位によっては皮膚の動きに影響が出てしまう事もあります。

Ⅲ度熱傷

皮下組織にまで損傷が及んでしまう状態です。皮膚の表面が黄色や褐色に変色し、皮膚の組織全体が損傷をしているため治療に数か月が必要となります。

皮膚の状態によっては、移植手術が必要になる事もあります。また治療が終わっても障害が残る事もあります。

低温やけどでⅢ度熱傷までいってしまうケースは少ないですが、まったくないとは言い切れません。状況によっては皮膚がただれてしまうこともあり得ますので、特に冬場にホットカーペットを使う時には注意をしておくべきでしょう。

深達性Ⅱ度やⅢ度のやけどの場合、完治するまでにも時間と労力がかかり、飼い主の負担もより大きくなってしまいます。

人間のように見た目でやけどをしているかも判断しにくい為、普段からやけどを予防できるようにしておきたいところです。

しきりに皮膚を舐めたり痛そうにしている場合は要注意

外からではやけどがわからないためやけどをしてしまったかどうかの判断は、猫の仕草で確認をします。

猫がやけどをし皮膚を損傷した場合、しきりのその場所をなめたり、落ち着きが無くなったりといった状態になります。

猫は痒みや痛みがあると皮膚をなめて治そうとする習性がある為、同じ場所を舐めることでその場所の毛が薄くなったりはげてしまうこともしばしばあります。

もししきりに皮膚を舐めているのであれば、皮膚の状態を確認するようにしましょう。

皮膚が赤くなったり傷ついているのであれば、やけどやそのほかの皮膚の病気にかかっている可能性が高くなります。

猫のやけどの応急処置はとにかく冷やす事

やけどをした時の応急処置では、患部を冷やすことが重要です。

もしシャワーが苦手でなければ、冷たいシャワーを患部にかけて冷やします。あまりかけすぎると体温が奪われてしまうため、短時間に留めておきましょう。

シャワーが苦手な猫や老猫や子猫、病気の猫や冬など寒い時期はシャワーを当てることで体温が奪われ別の病気を発症してしまう事もあります。

この場合はぬれたタオルを患部に当てたり、保冷剤をガーゼやハンカチなどに包んで患部に当てて冷やします。保冷剤がなければ氷でも可能です。この場合は30分を目安に冷やしてください。

皮膚がはげてしまったり赤くなったりしきりに舐めるようであれば、動物病院で見て貰うようにしましょう。

やけどがどの程度まで達しているかは、素人では似た目で判断する事は出来ません。状態によっては薬を塗る必要もあります。

なおやけどをしているからと言って、人間用の薬を使う事は絶対にしないでください。人間用の薬はあくまで人間の体に合わせて作られています。

大抵の皮膚の薬は、同じ人間の体でも顔の周りには使用してはいけないと注意書きがあるはずです。

それは顔の皮膚は他の部分よりも薄いからであり、同様に皮膚が薄い猫の体に使ってしまったら副作用が出てしまう可能性があるからです。

猫は患部を舐めてしまうため、薬を口に入れてしまうかも知れません。

動物病院で治療を受けた場合は、エリザベスカラーをつけるように勧められるはずです。

動物病院で購入する事も出来ますし、ペットショップやインターネットでも販売していますので、その猫に合ったエリザベスカラーを用意しておくとよいでしょう。

自己診断はせずに、適切な処置をするように心がけてください。

カバーや敷物を使って低温やけどを防ごう

ホットカーペットでの低温やけどを防ぐためには、直接暖房器具に長時間触れさせない工夫が必要になります。ホットカーペットの上に一枚タオルなどの敷物をかけることで低温やけどをかなり防ぐことが可能です。

ホットカーペットではなくゆたんぽを使用する場合は、必ずカバーをかけるようにしてください。

ゆたんぽはお湯を入れたばかりの時はかなり高温になりますので、薄い布ではあまり効果がありません。必ず厚めのもので包むようにしましょう。

猫用ホットカーペットは猫の体に合わせて設計されている

猫用として販売されているホットカーペットは、あまり高温になり過ぎないように工夫されているものも多いです。

最高でも38度以上にならないように設定されていたり、コードに噛みついても安全なようにカバーがされていたりと色々な工夫がされています。

メーカーによっては小型の物から数匹の猫が温まれる大型のものまで、サイズを選ぶことも可能です。

高級な物を除いては5000円前後のものがほとんどなので、やけどが心配であればこのようなペット用に設計されたものを使うのも良いでしょう。

脱水しないように水飲み場を用意しよう

また、特に老猫や病気のある猫は脱水症状になりやすくなります。ホットカーペットのそばには水飲み場を用意しておくようにしましょう。

ホットカーペットに近づけすぎるとこぼした時にショートしてしまう事もがあり得ますので、少し離れた所に置いたりトレーなどの上に置くなどの工夫をするようにしましょう。

飼い主が注意する事で低温やけどは防ぐことが出来る

昭和の初めごろまでは石炭を使ったこたつが主流で、あまり暖かくならない上に一酸化炭素中毒を起こしてしまうという危険だった時代もありました。

今は電化製品も安全設計な物が増え、その上ペット用に設計されたものも多くあり、不幸な事故も少なくなりました。

とはいえ、暖房器具は正しく用法を守り適切な処置をすることは大切です。少しの工夫でやけどなどの事故を減らすことは可能です。

猫の安全と健康状態に注意して、寒い冬を暖かく過ごす様に心がけましょう。

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