猫はなぜ出待ちをするの?ドアの前でじっと待つ猫の心理

猫は一般的にクールで常に単独行動をしているように思われていますが、一緒に暮らしているとかなりの甘えん坊で感情豊かな動物であることに気づきます。

犬のように態度にはっきり出さないため、猫はクールな生物であると思われているようですが、猫によっては飼い主にべったりで飼い主がお風呂やトイレに入っている時も、ドアの前で待っていることもあります。

そのような猫の様子を出待ちと言いますが、出待ちしている猫はどんな気持ちで飼い主はどうすべきなのでしょうか。

食事やトイレ・飼い主に甘えたく出待ちをする

外から帰ってくると玄関にちょこんと座って待っていたり、部屋の入り口や扉の前、またトイレやお風呂の前で待っていることもあります。飼い主がトイレやお風呂から出るのをじっと待っている姿は、まるで忠犬ハチ公のようです。

そもそもなぜ猫は飼い主の出待ちをするのでしょうか。

いくつかの理由がありますが、出待ちしている時の猫の心理は飼い主に何かを要求していることが多いと考えられています。

代表的な例では、お腹がすいた・遊んでほしい・トイレが汚いから掃除してほしいなどといったことになります。

もちろん出待ちしている時がすべて同じ心理状態ではないため、その時により要求の内容は異なります。

食事をおねだりしたくて出待ちをする

最も多い猫の要求の1つが食事です。猫はとてもおねだりが上手な動物です。じっと待っていれば飼い主が食事を用意してくれることを知っています。

食事の出待ちをする時は、いつも食事を食べている器のそばや、冷蔵庫のそばでじっと待っています。そこにいれば食事を食べることが出来ることを知っているからです。

中にはお気に入りの食事を出してくれるまでじっと待っている猫もいます。ドライフードは常に用意してあるのに、ウェットフードが出てくるまで冷蔵庫の前で待っている猫もいます。

おねだりをされても食事の量は守ろう

とはいえ、肥満や病気などで食事制限をしなければならない場合は、心を鬼にして決められた食事を守らなければなりません。

食事は毎日食べる分、体に最も大きく影響します。食事の出待ちをしていても、健康のための管理はしっかり守りましょう。

飼い主と遊びたいために出待ちをする

猫によっては大好きなおもちゃをそばに置いて出待ちをしているかもしれません。

猫は犬よりコミュニケーションに乏しいと言われますが、コミュニケーションの取り方が犬と異なるだけで、猫はかなりの構って欲しい気質を持っているのです。

実際に猫と暮らしていると、孤独でミステアリアスというよりも、猫によってはかなりの甘えん坊で飼い主にべったりとくっついてくることも多いことがわかります。

猫がひとり遊びをしていることもありますが、飼い主と遊んでほしいこともよくあることなのです。特に単体で過ごしているおひとりねこは、その傾向が強いことがあります。

ある飼い主が室内にカメラを設置し、家を出て外からカメラの画像を確認すると、玩具をくわえた飼い猫が飼い主を探し寂しそうな声で室内を歩き回っていた姿が撮影されました。

その飼い主は猫が可哀そうで外に出かけるのが辛くなってしまったそうです。

現代社会では飼い主が朝から晩まで家にずっといられることのほうが少なく、仕事や学校などで外出し猫に留守番をさせなければならないことは多いです。

だからこそその分、猫と一緒にいられる時間は猫とのコミュニケーションを大切にしなければなりません。

出待ちをするほど一緒に遊びたがっている猫は、遊ぶことでストレスを発散させることにもつながります。

なるべく時間をたくさんつくり、猫とのスキンシップや遊びの時間を大切にしてください。それが猫の精神的にも安定させ、長生きにもつながっていくのです。

飼い主を親だと思っておいかけてくる

子猫が母猫を待つように、猫は母である飼い主が帰ってくるのを出待ちして待っているのです。

猫は飼い主のことは人間だと認識せず、大きな猫だと思っていると考えられています。そのため、食事やトイレなどの世話をしてくれる飼い主は、猫にとって母猫と同じ存在なのです。

野良猫の場合はある程度大きくなると母猫がわざと子猫を追い立てるような行動を取り、子猫がひとりだち出来るように仕向けて行きます。

しかし飼い猫の場合はひとりだちする必要がなく、また飼い主も猫が子供であろうと大人であろうと同じように面倒を見るため、猫はいつまでも赤ちゃんになってしまうのです。

だからといってあえて野良猫のようにひとりだちさせる必要もないでしょう。

自然界ではひとりだちできないと食事も見つけることが出来ないため生死に関わってしまいますが、人間の管理下である飼い猫は自分で食事を見つける必要もありません。

猫が甘えてきたりスキンシップをとってほしそうな態度を見せたら、なるべく要求に答えてあげましょう。

母猫に甘えている猫は幸せも感じていると言われています。猫の幸せは何よりの飼い主の願いでもあります。猫との時間を大切にして、飼い主に甘える要求に答えてあげましょう。

お風呂場やトイレの前で待っていることもある

猫によっては飼い主お風呂やトイレに入っている時も出待ちしていることがあります。

我が家の猫もお風呂場の前でじっと待っていることがよくあります。

猫は水が嫌いな子も多い中、なぜわざわざお風呂場の前で待っているのでしょうか。

お水を飲みたがっている

猫によって理由は様々ですが、1つにはお風呂場の水が飲みたいという理由があげられます。

我が家の猫もそうですが、水飲みの器を用意しているにも関わらず、お風呂場の桶などの水を飲みたがります。水道からポタポタと落ちる水を飲みたがったり、お風呂場の床を舐める猫もいるでしょう。

飼い主やその家族がお風呂を使えば、お風呂場が濡れるのでその水を舐めに来る猫もいます。

お風呂場で暖まろうとする

もしくはお風呂の蓋の上が温かいので、そこで休みたがる猫もいます。また飼い主にごはんなどをおねだりするため、待っていることもあります。

しかしお風呂場は猫にとって危険な場所でもあります。万が一にも湯船の中に落ちてしまった場合、溺れてしまうことがあります。

実際に猫に起こる不幸な事故の1つに、お風呂場での溺死があるのです。猫がお風呂場にいる場合は必ず注意するようにしましょう。

お風呂場は危険な場所のため、お風呂場には入らせないようにするのも1つも方法です。普段から注意をしておくことが、不幸な事故を防ぐことになるのです。

トイレの前で待っているのは好奇心によることも

トイレの前で待っている場合はどうでしょうか。

トイレで待っている猫も、飼い主さんやいつも可愛がってくれる家族に甘えたかったり、ごはんなどのおねだりをしたいためと考えられます。

またトイレという未知の空間に興味がわいているのかもしれません。トイレに入りトイレットペーパーで遊ぶ猫もいます。

成猫であればお風呂のような溺れてしまう可能性は低いものの、猫が入ってイタズラされて困るようであれば、普段からトイレに入らないようにするのもよいでしょう。

トイレの水を飲んでしまう場合もありますので、衛生的に考えてもあまりよくありません。

猫の健康管理や事故から守るためにも、普段からのしつけが大切です。

猫は飼い主の足音を区別している

ところで猫は、外から帰ってくる飼い主のことがわかるのでしょうか。猫は人の足音で飼い主とそうでない人を見わけていると言われています。

狩猟動物である猫は人間よりもずっと高い音域の音を聞くことができます。人間が聞き取ることが出来ない、モスキート音も聞くことが出来ると考えられています。人間が聞いている音と猫が聞いている音は、かなり違いがあると言えるでしょう。

人間の足音は人により様々です。また足音だけでなく、ドアを開く音や階段を上る音などで判断している場合もあります。

我が家の猫の場合は、玄関前の扉を開ける音が聞こえると、いつも玄関に移動して出待ちをしています。扉を開くカチャンという音が聞こえると、家族が帰ってくるとわかっているようです。

逆に宅配便など家族でない人が来たときは、耳だけそばだてているものの出待ちをしにはいかないので、扉の音と家族の足音で聞き分けているのかもしれません。

複数の猫と暮らしていると出待ちしない傾向

猫の中には出待ちをしない猫もいます。出待ちをしない猫は、多頭飼いの中にて飼い主との関係が1対1でない場合に多いようです。

おひとりねこは飼い主を独り占めにできますが、他の同居猫が沢山いる場合はそうはいきません。

態度に出さなくても猫は飼い主に構ってもらいたいことがあります。時間がある時にはスキンシップをして猫との時間を大切に過ごしましょう。

出待ちをしている時には脱走に注意

猫の出待ちは何ともけなげで、一刻も早く外出先から帰ってきてあげたいと思う人も多いでしょう。

出待ちをする上で注意すべきことは、ドアをあけた時に外へ出てしまうことです。猫によっては外の世界を見てみたいこともるでしょう。

完全室内飼いであれば外へ出たもの勝手がわからず、迷子になったり交通事故に合ってしまうこともあります。

猫の逃亡防止のための柵など、色々な逃亡防止のためのグッズも出ています。それらのグッズを使って、猫が家の外に出ないように工夫をしましょう。

猫との信頼関係をどんどん築いていこう

猫が出待ちをするという事は、それだけ飼い主を信頼していることにもなります。

おねだりは色々ありますが、今後ももっとスキンシップをして猫との信頼関係を築きあげていきましょう。

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