大事な愛猫が大腸炎に!となると飼い主さんも心配ですよね。
大腸炎は猫には比較的ありがちな病気で、数日で治る猫もいれば慢性化してなかなか治らなかったり、あるいは何度となく発症してしまう猫もいます。特に胃腸の弱い猫の場合は注意が必要です。
大腸炎は飼い主さんの丁寧なケアである程度緩和することができます。症状が軽いうちにきちんとしたお世話をして、悪化や再発を防ぎましょう。大腸炎の症状や、猫が大腸炎になってしまった場合の食事やお世話方法についてご紹介します。
この記事の目次
どんな病気?急性と慢性がある猫の大腸炎
大腸炎とはその名のとおり、何らかの理由で大腸が炎症を起こしてしまっている状態です。
大腸炎になると便秘、軟便、下痢、血便など便の異常の他、嘔吐の症状も見られることがあります。また、痛みを伴い、猫がつらそうに顔をしかめるのを見ることもあります。
大腸炎には急性のものと慢性のものがあり、若い猫に多いのは急性大腸炎です。歳をとるにつれて慢性的に大腸炎を患う猫が増えて行きます。
慢性的な大腸炎の方が症状自体は軽いことが多いですが、なかなか治らずに苦戦することもしばしばであり、時には原因不明のまま完治しないこともあります。
多すぎて特定できない場合も。大腸炎の原因
大腸炎の場合、考えられる原因が非常に多く、また複数の原因が重なっていることもあり、特定が難しいのが現状です。
- 食事が合わない
- ストレス
- 気温差による負担
- 猫が舐めとって胃の中に溜まった毛玉
- 異物誤飲
- 食物アレルギー
などの他、別の大きな病気が原因で大腸炎を引き起こしている場合があります。このため、大腸炎を根本的に治療するためにはまず大元の原因となっている病気の治療、あるいは環境の改善などから始めなければなりません。
もし動物病院で検査をしても原因が特定できない場合は大腸炎の治療は対症療法が中心となり、下痢止め、整腸剤や抗生剤、炎症止めなどが処方されます。
猫が大腸炎になったら、飼い主さんが積極的に動こう!
例えばストレスが原因で大腸炎となってしまった場合、病院では対症療法をすることはできても、ストレスを取り除いてあげることはできません。
ストレスを取り除いてあげることができるのは飼い主さんだけです。そしてストレスの原因がそのままの場合、何度となく大腸炎を発症してしまうことがあります。
- 最近、猫の食事を変えた
- なにかストレスになりそうなことがあった
- トイレが汚い
- 季節の変わり目で寒暖差が激しく、猫に負担がかかっている
- なにか食べてはいけないものを食べた
- 特定のものを食べると便の調子が悪い
など、なにか思い当たることはないか片っ端から探してみましょう。
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消化しやすいように配慮を。大腸炎に優しいおすすめのフード
大腸炎になった場合、獣医さんから指示がなければ特別食事を変える必要はありません。
しかし、より消化器に負担がかからないように配慮された療法食や、猫が食べやすいウェットフードなども販売されていますので、症状によっては切り換えてみるのもおすすめです。
▼猫の腸への負担を減らせるウェットフードについては、こちらをご覧ください
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療法食については獣医さんに相談してから切り換えるようにしましょう。ちなみに、我が家で使っているおすすめのフードをいくつかご紹介します。
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット i/d(w/d)
消化ケアに配慮された療法食です。水溶性、不溶性食物繊維を配合し消化しやすく、またお腹の調子を整えるのに役立ちます。ドライフードもウェットフードも用意されているのが嬉しいところ。
またi/dのシチュー缶という、よりリッチなウェットフードも発売されています。基本的にi/dはチキンが主成分なので、肉好きな猫には特におすすめです。
ちなみに去勢・避妊後、あるいは肥満などでカロリーが気になるという飼い主さんには同じシリーズで脂肪分を減らし、カロリーに配慮されたw/dもあります。
脂肪分が少ない方が胃腸には優しいということもあり、我が家ではw/dをメインに食べさせています。
ロイヤルカナン セレクトプロテイン
こちらは食物アレルギーによる消化器疾患向けの療法食です。ドライとウェット両方があります。大腸炎の原因のひとつになりうるのが食物アレルギーです。特定のフードを与えると便に異常が出るという場合は食物アレルギーかもしれません。
しかし、どの食材がアレルギーの原因になっているのかを調べるのはものすごく大変ですし時間もかかります。そこでセレクトプロテインを与えてあげることで、食物アレルギーでも安心して食べてもらうことができます。
ロイヤルカナン 消化器サポート
消化器疾患の猫のために開発された療法食である、消化器サポート。特筆すべきはサイリウムが入っているという点です。サイリウムは食物繊維なのですが、このサイリウムのおかげで便秘や下痢、血便などが改善しやすくなっています。
ヒルズのi/dだと我が家の猫は特に便の様子に変化はないのですが、この消化器サポートを食べさせるとびっくりするほどぷりっぷりの便が出ます。
血便が出て病院に行き、「軽い大腸炎ですねー」と言われてしまった時は我が家ではこのフードです。もちろん全ての猫に効果があるとは限りませんが、下痢や血便が出て困っている場合は試してみてはいかがでしょうか。
意外と多い?大腸炎になった時飼い主さんがしてあげられることいろいろ
愛猫が大腸炎になってしまったら、投薬だけでなく飼い主さんにはいろいろしてあげられることがあります。原因を探るために猫の様子を観察したり、また、以下のような方法で猫が少しでも楽に過ごせるよう、腸内環境を整えてあげましょう。
食事の改善
人間も、胃腸が荒れた時はできるだけ消化のよいものを食べるはずです。猫も同じで、脂肪の多いフードなどは胃腸に負担がかかるため、控えた方がよいでしょう。
カロリーが必要な子猫の場合はまた別ですが、去勢避妊手術を済ませた成猫であれば脂肪分の少ないフード、消化器に配慮されたフードを選んであげるとよいでしょう。
また、ウェットフードも柔らかく食べやすいためおすすめです。ウェットフードは8割が水分でできているため、水分補給にも役立ちます。
水分をたっぷりとらせる
特に下痢が続いている場合は、脱水症状が出やすくなります。失った水分を取り戻すためにも、ぜひ意識して水分を多く取らせてあげてください。また、下痢でない場合も水分を多く取ることで便が柔らかく、出やすくなります。
- 水飲みボウルをいつもより多く置く
- 自動給水器を設置する
などすると飲水量を増やすことができます。また、ウェットフードをあげるのも有効です。
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マッサージ
猫が大腸炎になってしまった場合、特に便秘の猫には腹部のマッサージをしてあげるのがおすすめです。マッサージには胃腸のぜん動運動を補助したり、血流を良くしたりする効果があります。
1日に数回、1回に長くても5分程度、「のの字」を描くように猫の腹部を手のひらでくるくると撫でてマッサージしてあげましょう。猫のお腹は繊細で、猫にとっては弱点ですので、力は入れずそっと優しく扱うようにしてください。
猫によっては気持ちよさにぐでーんと伸びて、「もっとしてください」とばかり自分からお腹を出すこともあります。
しかし、そもそもお腹を触られるのが好きではない猫は嫌がったりさっさと逃げ出すこともあるので、あまり長時間やらない方がよいでしょう。最初はほんの10秒くらいから始めて徐々に長くしていくのもおすすめです。
サプリメント
大腸炎の場合、腸内環境が荒れているので乳酸菌などのサプリメントを利用するのもおすすめです。猫用に乳酸菌や食物繊維といったサプリメントが販売されています。
また人間用のビオフェルミンをあげてもいいという獣医さんもいるので、かかりつけの病院に相談してみるとよいでしょう。
乳酸菌にも猫によって相性があります。大腸炎を頻繁に起こすような猫は胃腸が弱いことが多いので、少量から始めて様子を見るとよいでしょう。乳酸菌の相性が悪いと軟便気味になったり、逆に便秘気味になったりもします。
あまり便の調子がよくない時は乳酸菌を別の種類に変えてみるとよい効果が見られることがあります。また、乳酸菌はあまり効果が見られないものの食物繊維によって劇的に改善する場合もあります。いろいろ試してみるのがおすすめです。
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保温
冬など、寒いと腸の働きが悪くなってしまい、症状が悪化することがあります。そこでおすすめしたいのが猫のお腹の保温です。
暖房をつけるだけでなく、ホットカーペットや湯たんぽなどで積極的にお腹を温めてあげることで、猫の腸を動きやすくしてあげましょう。また、血行を良くすることで免疫力の向上も期待できます。
猫の体温と同程度、38℃~40℃以下を保ちながらこまめに保温対策してあげましょう。ただ、特に太っている猫の場合、お腹をぺったりと暖房器具につけていると低温火傷の危険があるのでくれぐれも気をつけて。
▼猫が低温火傷しないように気を付けながら、腸を温めてあげましょう
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再発や慢性化をしないためにも、猫の胃腸を大事にしてあげよう
人間と同じで、猫も胃腸が弱いと大腸炎になりがちです。猫は痛みを隠したがる生き物なので、知らないうちに再発……ということもしばしば。
飼い主さんは普段の食欲や便の様子をしっかりと観察し、おかしいと思ったら早めに病院で獣医さんに診てもらいましょう。また、日頃から食事やマッサージなどで腸内環境の改善に努め、猫の胃腸に優しい生活をさせてあげましょう。
▼猫がお腹を痛いような仕草をしていたら、早い段階で飼い主さんがしっかり対応してあげてください
猫がお腹を痛がる仕草。異変に気付いたらまずしてほしいこと5つ
胃腸は健康のバロメーターです。胃腸を大事にすることは、胃腸だけでなく体全体の健康を守ることに繋がるということをぜひ覚えておいてください。