猫の発作は突然やってくる。猫の安全を最優先で対処しよう

一瞬前までいつもと変わらない様子だった愛猫が、急にバタリと倒れて激しくけいれんし始める……というような状態のことを発作と言います。

特に初めて愛猫の発作に遭遇した飼い主さんは、どうしたらいいのか、またなぜこのような状態になってしまうのかわからずにパニックになってしまいますよね。

猫の発作の原因は様々ですが、放っておいて治るものではありません。猫の安全や健康を守るためにも、適切な対処方法を知っておきましょう。猫の発作の概要や対処法、注意点などをまとめました。

突然始まって終わる。猫における発作の概要

突然やってきて、数十秒~数分で終わるのが猫の発作です。発作の様子は様々で、

  • 突然異様な様子で暴れ始める
  • ばたりと倒れて、全身を激しくけいれんさせる
  • 倒れた状態で四肢をつっぱらせる、硬直させる
  • 後ろ足だけなど、体の一部をけいれんさせたり、つっぱらせたりする
  • よだれを垂らしたり泡を吹いたりする

などがあります。特に、発作中の猫にありがちなけいれんは、ピクピク震えるといった生易しいものではなく「バタバタバタバタッ!」という非常に激しいものです。

一見して様子がおかしいため、視界に入っていたならば飼い主さんはすぐに気がつくはずです。

しかし一方、発作が終わると猫はケロリとして何事もなかったかのように再び立ち上がったり、あるいは少しぼーっとするものの、いつもどおりに行動しはじめたりします。

実は発作中は、猫の意識がある場合とない場合があり、発作中のことを猫自身が覚えていないこともあるのです。そのため、発作が終わると猫が飼い主さんの様子に驚いて「なにかあったの?」という雰囲気で見てくることもあります。

発作中と後の落差が激しく、またいつも通りに戻る猫の様子に安心してしまうこともありますが、決して油断してはいけません。

群発発作と重積発作に注意

猫の発作の頻度は猫や原因によっても異なります。頻度が少なければ1年に1回発作を起こすだけ、ということもあるでしょう。しかし、発作をそのままにしておくと、だんだん悪化していく可能性が高くなります。

最終的には、1日に何回も発作を起こしたり、あるいは発作を起こした直後に、再び発作を起こしたりする「群発発作」という状態になってしまうこともあるので注意が必要です。

また、1回あたりの発作の時間が以前より長くなったり、時には5分以上も続くような「重積発作」となってしまう場合もあります。

群発発作や重積発作は大変危険な状態で、もしも発生したら決して様子を見ず、すぐに動物病院を受診する必要があります。最悪、発作が止まらなくなってしまい、命に関わるようなこともありますので注意しましょう。

まずは検査が重要!猫の発作の原因

猫の発作はなんらかの疾患の症状として現れることが多くなります。猫の発作の原因は様々ですが、例えば以下のようなものがあります。

てんかん

有名なところではてんかんがあります。先天的に脳に異常があったり、あるいは後天的に脳が損傷したりすることでてんかん発作を引き起こすことがあります。また、異常がないのに、あるいは原因不明でてんかん発作を起こすこともあります。てんかんの種類によっては、発症に遺伝やストレスが関わっているとも考えられており、予防にも限界があるのが現状です。

てんかんの場合は発作だけが症状として現れるため、発作を抑える薬を飲み続けるなど長期的な治療が必要になります。なお、てんかんについて詳しくは猫のてんかんの原因は脳にある。発作の特徴的な症状と対処法の記事でご紹介しています。

病気や癌

心臓病や脳梗塞などの病気や癌、感染症などによっても発作を引き起こすことがあります。

発作の様子を見ることで原因がざっくりとわかる場合もありますが、素人が一見して判断することは不可能です。動物病院で血液検査やMRI検査、レントゲン検査などをした上で診断されることになるでしょう。

病気などが原因の発作の場合は、発作の元となっている病気を治すことで発作も治ります。なんの病気かによって、治療方法や治療期間は全く異なることに注意しましょう。

また、病気が進行してしまうと、治療手段も限られたものになってしまいます。発作を起こしたら裏に何か病気が隠れているかもしれないと考えて、可能な限り素早く受診し治療を受けることが大切です。

低血糖

拾ったばかりの子猫など、よくあるのが低血糖です。特に病気というわけではなくても、長く空腹を抱えていたり、栄養失調を起こしたりすると低血糖や、低血糖による震えやけいれんなどの発作を起こしやすくなります。

低血糖状態が続くと命に関わるため、一刻も早い受診が必要です。

原因が明らかになるまで、粘り強く検査をしてもらおう

病気が原因での発作であれば、血液検査など簡単な検査ですぐにわかることも多いはずです。しかし、その一方でなかなか原因が明らかにならない場合があります。

もし原因不明といわれてしまった場合は、セカンドオピニオンを求めたり、病院を変えたりするのも1つの方法です。また、もしも血液検査など基本的な検査すらない場合は、飼い主さんの方から検査をお願いしてみましょう。

我が家の猫も、発作を起こして半年に1度程度倒れました。当時、病院では発作の現場を獣医さんに見せられなかったこともあり、高齢で足を攣ってしまったとの見立てでした。しかし、実際にはその後、末期の癌であることが発覚しました。

このようなケースもあるので、早期発見や検査は非常に重要です。原因がうやむやのまま不安を抱えることがないように最善を尽くしましょう。

安全が最優先。猫が発作を起こした時の対処法

では、猫が発作を起こした時、飼い主さんがしてあげられることはなんでしょうか。発作は繰り返し起こるものであるため、いつ起きても平気なように、以下のような基本の対処法を頭の中に入れておきましょう。

まず周囲を片づけよう

発作を起こしている間の猫は、自分で自分の体を制御することができません。

また、発作はいつどこで起きるかわかりません。猫が発作を起こしている間、猫がものにぶつかったり、高いところから落ちたりして怪我をしないよう、猫の周囲にあるものを撤去しましょう。猫の安全を確保することが、まず最優先です。

気道を確保しよう

発作の際、大量のよだれを垂らしたり、泡を吹いたりしてしまう猫もいます。発作を起こしている間中、猫は意識がなく、自分で避けることができません。

少しならともかく量が多い場合は、よだれや泡が気管に入るようなことがないよう、また発作で激しく動いている最中に体が汚れないよう、頭を高くしてあげるのがおすすめです。

無闇に触らないでおこう

発作を起こしている間の異常な様子を見ると、飼い主さんはつい心配になって猫の体をゆすったり、声をかけたりするかもしれません。しかし、このような、余計な刺激を与える行為は飼い主さんや猫が怪我をする原因になります。

猫の発作は、数十秒~5分以内で収まることがほとんどです。最低限の安全を確保したら、発作の間は猫にできるだけ触れず、発作が収まってから猫のケアをしてあげるようにしましょう。

動画を撮影するのがベスト

猫が突然発作を起こしたら、発作が収まり次第、動物病院へ連れて行く必要があります。動物病院で獣医さんに説明するために、発作の様子を動画で撮っておくとよいでしょう。

特に初めて発作を目の当たりにした飼い主さんの場合、獣医さんに発作の様子を事細かく説明するのは難しいものです。

例えば、「足がつったような状態だった」というところまでは覚えていても、それが右足なのか左足なのか、ということまで覚えている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。

発作の原因は様々なので、そのような細かな観察も診断の参考になる場合があります。動画を撮っておけば、飼い主さんがいちいち覚えなくとも、あるいは説明しなくとも、正確な状況がわかるので便利です。

猫が発作を起こしている間、飼い主さんがしてあげられることはそう多くはありません。心配かもしれませんが、まずは冷静に動画に撮りましょう。

また、もし動画が撮れない場合は、発作の様子や時間を詳細に覚えたりメモをとったりしておき、獣医さんに報告できるようにしておきましょう。

タオルや毛布などで猫の体を包もう

発作が収まったら、猫の体をタオルや毛布など、柔らかいものでやさしく包んであげましょう。毛布でくるまれると、猫は本能的に落ち着くことができます。

また、発作が起きた直後は猫はぼんやりしていることも多いので、動き回らせないことで怪我の防止にもなります。

さらに、もし猫が危険な場所で発作を起こしていて、移動させなければならないという場合も、あらかじめ毛布でくるんであげると、発作中でも怪我をしないで済むでしょう。猫が落ち着いてきたら、そのまま動物病院へ連れて行きます。

猫の発作は病気の可能性が大!適切な対処をして早めに病院へ

猫が発作を起こす時、その裏では何らかの病気が静かに進行している可能性もあります。

猫によっては発作の回数が少なく、半年~1年に1回という場合もあるかもしれません。また、発作が終わればケロリとしていることもよくあるので、飼い主さんはつい様子を見てもいいだろうと考えがちです。

しかし、発作が多くなって来るころには、原因となっている基礎疾患も進行してしまい、治療が難しくなる場合があります。

1回でも発作を起こしたのであれば、決して見過ごさず、病院できちんと検査をしてもらい、原因究明に努めた方が良いでしょう。重い病気ほど、早期発見することで大事に至らずに済むはずです。

また、1度発作を起こしたのであれば、その後もまた発作を起こす可能性が高くなります。愛猫へ負担をかけないためにも、発作への対処法をあらかじめ熟知しておき、いざ発作が起きたとき冷静に対処できるようにしておきましょう。

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