昨今ではハロウィンが過ぎる頃から店頭にはクリスマスグッズやケーキの予約チラシが並び始め、世間がゆっくりとクリスマス当日に向けてムードを高めていきます。
町を歩けば、エレクトリカルなパレードのような電飾を自宅に施して通りすがりの目を楽しませてくれるお宅なども増えてきました。若い恋人たちはコフレやディナーのチェック、小さなお子様たちはサンタさんへのリクエスト、とワクワクソワソワと準備を進めるこのシーズン。
猫たちは「最近寒くなってきて困ります」と静かに香箱を作って巣ごもりモードに入り始めています。猫たちの冬を、寒いだけのシーズンで終わらせたくない…!
クリスマスプレゼントだってあげたいし、チキンやケーキを楽しみたい。一緒にサンタの帽子も被っちゃいましょう!そんな気持ちで猫と楽しむクリスマスパーティーの企画です。
この記事の目次
飾って遊べる、クリスマスの猫おもちゃの作り方
クリスマスと言えば、装飾されたツリー、リボンのかかったプレゼントや赤いブーツ、雪だるまやサンタの人形、柊とベルのついたリース…是非とも飾って気分を盛り上げたいアイテムがたくさんあります。
しかし、猫がおうちにいるとつい考えてしまいますよね。ツリーはきっと登る…人形はきっと倒す…リースは齧っちゃうんじゃないかな…と。見慣れない季節アイテムは猫の目には目新しいおもちゃに映っても仕方ありません。
インテリアをおもちゃにされてしまうのなら、いっそ猫のおもちゃをインテリアにしてしまいましょう。
簡単に作れるクリスマス仕様の猫のおもちゃをご紹介します。
- ペンチ
- はさみ
- セロハンテープ
- 木工用ボンド(手芸用ボンド)
- 太くて柔らかいアルミ針金
- グルーガン(あると便利/なくてもいいです)
- 裁縫セット
もぐって遊べるプレゼントボックス&ブーツ
材料
- 段ボールのしっかりした空き箱
- 包装紙
- リボン
- 白いファー生地かフェルト
- 新聞紙などの大きな紙
【プレゼントボックス】
- 空き箱の片方に猫が入れる入り口を作ります。
- 反対側に猫じゃらしを差し込んで振れる小さな穴を開けます。
- お好きな包装紙でラッピングして、箱の穴の部分に合わせて切り取るか、切って中に折り込みます。
- 穴に干渉しないようにリボンをかけます。
リボンをもっと長くひらひらさせるのも猫好みがして良いですね。箱も大きくしていっそ中でおくつろぎ頂けるサイズにしてしまうのも良いと思います。
【ブーツ】
- 新聞紙や茶封筒でブーツを作ります。
- 赤いフェルトや紙でカバーします。
- ふちにファーか白いフェルトを接着し、靴底部分に猫じゃらしを差し込む穴を開けます。
私は茶封筒の下を切って筒状にしたものを本体にしました。他にはレジャーシートなど、シャカシャカ・カサカサと猫がワクワクしそうな音のする素材を選んでみて下さいね。
抜け毛も取れちゃう?すりすりリース
材料
- 大きい新品のたわし
- 太くて柔らかいアルミ針金
- 大きめのリボン
- お好きな飾り
- たわしの根元の金具がリンクしている部分を外してたわし全体をU字状にします。
- 全体を丸く整えて金具同士をアルミ針金で繋ぎます。
- 繋いだ針金部分を隠せるようにリボンを結び、お好みの飾りを付けます。
新品のたわしはU字に開いた後、水ですすぎ洗いして余分な抜け毛を落として下さい。リボンをクリスマスプレートや柊の葉っぱにしても可愛いです。誤飲を防ぐために飾りは取れにくいようにしっかりと付けて下さい。
猫パンチでなすがまま・ゆらゆら雪だるま
材料
- カプセルトイの殻・大小
- 白いタオル生地かフェルト
- 赤いフェルト・茶色のフェルト
- 粘土か、重りになるようなもの
- 輪ゴム
- カプセルトイの殻・大の中に重りを固定します。
- カプセルトイの殻・大小をグルーガンか輪っかにしたテープで繋げます。
- ↑のサイズに合わせてU字の袋状に縫ったタオル生地か白いフェルトの袋に入れます。
- 袋の口を輪ゴムで巾着縛りにします。
- 首元にマフラー状にした赤いフェルトを結わえてくびれを作ります。
- 上部の縛り口を隠すように赤フェルトで作ったサンタ帽を接着します。
- 茶色のフェルトでお好みに顔を付けてあげて下さい。
重りは充分な重さがあれば何でもOKですが、しっかりと底に固定してください。帽子の先に猫の好みそうな紐やひらひらしたものを付けるのもいいですね。
全部揃ったところで、実際に猫に遊んでもらいました。
やっぱり箱や紙袋は猫まっしぐらですね!リースはたまに近寄っていくのですが、残念ながら積極的にすりすりしてくれるというほどではありませんでした。
製作途中には帽子を咥えていっちゃうほど興味を示していた雪だるまも完成してみたらお気に召さなかったようです。
今回、ブーツのファー部分や雪だるまの本体など、材料に《ファー生地/白いタオル生地/白いフェルト》と表記してある部分にはすべて100円均一で売られていたふわふわした毛布のような質感の吸水バスマットを使用しました。
切った時のくずが出やすいのでボンドなどで端の始末をするのがちょっと手間ですが、やわらかくて伸びも良いので工作しやすくてオススメです。
猫のためのクリスマスのごちそうの作り方
キリスト教徒ではない日本人にとってクリスマスと言えばチキンとケーキを食べる日、という印象も強いのではないでしょうか。
元々はクリスマスのごちそう食といえば七面鳥であり、日本では某フライドチキン屋さんの宣伝の賜物でチキンと相成った次第ですが、あの骨付きのチキンをガブっと食べる特別感や、サンタの乗ったケーキのクリスマスならではのワクワク感はいいものですよね。
さて、そんなチキンとケーキ、猫は喜んでくれるでしょうか?
猫用クリスマスチキン
材料
- 猫用ジャーキー
- 鶏ひき肉
- 鶏皮
- 鶏ひき肉をふんわりとチキン風に成形し、蒸すかレンジで加熱します。
- 鶏皮を細く切り、蒸し上がった↑に巻き付けます。
- フライパン、トースターでカリっと焦げ目を付け、猫用ジャーキーを刺します。
鶏ひき肉に下味を付けておき、仕上げの猫用ジャーキーを刺さずに、黒胡椒でも振れば人間用おつまみにもなります。しかし、今回は猫用なので一切の味付けは御無用です。
猫用クリスマスケーキ
材料
- こげ茶色の猫用パテか、パテ感のあるウェットフード
- 刺身用サーモン・赤身魚
- ブロッコリー
- かぼちゃ
- 植物性ホイップか無糖ヨーグルト
- 円柱形の小さなカップにラップを敷きます。
- パテかウェットフード、ペースト状になるまで刻んだサーモン、蒸かして裏ごししたカボチャ、を敷きならしては重ねていきます。
- ラップごとカップから引き抜いて、ラップを広げます。
- 砂糖を入れずにホイップした生クリームを薄く塗ります。
- 小さく刻んだ赤身、ブロッコリー、残ったホイップを使ってお好みでデコレーションします。
カップを逆さにしてお皿の上に中身を移し、ラップをはがしても良いです。どちらにせよ、かぼちゃが最下層になるように重ねると型崩れしにくいです。
魚は必ず新鮮な生食用を細かく刻んで下さい。
生クリームは猫が欲しがりやすいけれど与えてはいけない食材ですが、問題になっているのは乳糖や添加されている砂糖の部分ですので植物性のものを砂糖抜きで作る分にはある程度は問題ありません。ただ、脂肪分が気になるところですので、与えすぎたり常食させたりはしないようにしてください。
無糖ヨーグルトをキッチンペーパーを敷いたザルにのせて一晩冷蔵庫で寝かせた”水抜きヨーグルト”をクリームとして使うのもいいですね。
さて、実食です。
宅の猫はどんな食べ物にも激しく反応するタイプですが、中でもとりわけ生クリームは別格、一瞬で目の輝きが増していました。太りやすい食べ物ほど脳が喜ぶのは猫も人間も変わらないのかもしれませんね。
今回、猫が特別な日の一食ぐらいであれば食べても差支えの無い食材を選んでおりますが、どのような食材であれ、猫がアレルギーを起こす可能性はゼロではありません。
複数の食材を使ったメニューではいざ、アレルギーを起こした時にアレルゲンを特定することが難しくなります。始めて食べさせる食材はまず少量を与えて様子を見て下さい。
被り物が苦手な猫のためのクリスマスコスプレ
コスプレと言えばハロウィンのイメージがすっかり定着していますが、クリスマスだって負けてはいませんよね。サンタスーツにトナカイ角、店員さんがコスプレで売り場を盛り上げているのを目にすることも多いでしょう。
そしてこの時期、特に楽しみなのがSNSにあふれる猫たちの可愛いコスプレ姿。子猫ちゃんがブーツにすっぽり入っていたり、サンタスーツでトコトコ歩いていたり、トナカイの角がよく似合っていたり、どれをとっても可愛い画像ばかりです。
是非うちの子にもやって欲しい!そう思ったところで、愛猫が大人しく被り物を我慢して写真を撮らせてくれるとは限りません。
宅の猫などは被り物でもさせようものなら振り落とすか、そのままぐにゃりと床に這いつくばり「ぜんぶおまえのせいだ」と怨嗟の眼差しを向けてきます。
それでもどうしても、愛猫にサンタ帽をかぶらせてみたい…!被り物が苦手な猫のためのコスプレアイテムを考えてみました。
付け替え自由なサンタ帽とトナカイ角
材料
- ボール紙
- フェルト各色(赤・ベージュ・愛猫の毛色に近い色)
- 白いタオル生地かフェルト
- 太くて柔らかいアルミ針金
- マジックテープ
【ベース部分】
- 猫色のフェルトを幅2cm、長さ15cmにカットして2枚合わせにして端を縫います。
- 針金をU字に曲げて↑に入れ、針金の端を外に出ないように折り曲げて、フェルトも縫い閉じます。
- 針金が中であまり動かないように真ん中を縫います。
- 猫の頭の大きさ、カーブに合わせて曲げ、頭頂に来る部分にマジックテープのザラザラした方を貼ります。
【サンタ帽】
- ボール紙を丸めながらでお好みの大きさの円錐形を作り、カットして型紙にします。
- 型紙を使って赤いフェルトを切り出し、円錐形を作ってボンドで端を止めます。
- 型紙の円錐を下部1/3ほどのところでカットしてフェルトの円錐の根元にはめ込みます。
- 根元にファーか白いフェルトを接着し、先端も少し切ってファーか白いフェルトで内側から引っ張り出すようにして接着します。
- 内側にボール紙で橋を作り、マジックテープの柔らかい方を貼ります。
直立の三角帽子のままでも勿論可愛いですし、画像のようにくったりVerの帽子にしたい場合はお好みで折り返して糸で止めて下さい。
【トナカイ角】
- ベージュのフェルトを二つ折りにして、輪になった方を下にします。
- 輪から2.5cmほど空けてトナカイ角を切り出します。
- 角の根元を横一文字に縫います
- 角部分の2枚を接着してお好みで縫い目など入れます。
- 輪になった下部を開きつぶしてベースと同じ要領で針金を入れ、両端を縫い閉じ、裏にマジックテープの柔らかい方を貼ります。
完成したら次はいよいよ猫に装着してもらっての撮影ですね。勝負は一瞬かもしれません。カメラ、スマホ、おやつ、ぬいぐるみをぬかりなく手元に用意しておきましょう。
まずはベースのマジックテープのついていない方を首輪の後ろに差し入れて折り曲げ、全体的に猫に負担のかからない曲線を意識してカーブを作ります。
この時点でイヤイヤを始める可能性もあります。おやつでご機嫌を取りましょう。そして猫がベースを気にしなくなった頃合いを見計らって帽子/角を乗せます。
動画のように、どうしても「イヤ」された場合は潔く諦めて用意してあったぬいぐるみに装着し「最初からこの子用に作ったの」と自分に言い聞かせて下さい。
人間のクリスマスパーティーで猫のために気を付けたい事
猫と楽しむクリスマスパーティーの他に、自宅で人間同士がクリスマスパーティーを楽しむこともありますよね。非日常のひと時が思わぬ事故に繋がらないように、猫のために気を付けたいことがあります。
クリスマスならではの誤飲や誤食
テーブルに載ったごちそうはいつだって猫の垂涎の的です。特にクリスマスに定番のチキンの下味には猫に中毒をもたらすニンニクやスパイスなどがふんだんに使われていますし、ケーキの生クリームやスポンジに含まれる砂糖や乳成分も猫に良いものではありません。
おすそ分けをあげたりするのは禁物ですし、隙をついて食べられてしまわないように気を付けましょう。特に鶏の骨は縦に鋭く割れるため、齧ってそのまま飲み込んでしまった時、窒息の他に食道を傷つける恐れがあります。パーティーの後のごみも猫がいじらないように隔離しておいて下さい。
記事内でご紹介したおもちゃも含め、市販のクリスマス飾りのパーツはグルーやボンドで接着されていることが殆どです。これらは横に加わる力にはある程度耐えますが、垂直に引っ張れば簡単に取れてしまうこともあります。遊んでいるうちに誤飲してしまわないように注意が必要です。
クリスマスツリーの誘惑
人間の目にはクリスマスのシーズンアイテムに見えているツリーですが、猫からは「私のために色々なオモチャがぶら下がっていて、程よい高さで登るための足掛かりも用意されている素敵なタワー」のように見えています。
登ってツリーごと転倒したり、足場にした枝が抜けて転落したり、猫草のつもりで樹脂製の葉っぱを齧って誤飲したり…なんてことのないようにお気を付け下さい。クリスマスツリーを猫から守るためのノウハウも出回っているほどに、この時期世界中の猫の飼い主たちが心を砕いている問題です。
キャンドルは猫や家屋に危険な場合も
特別な一夜を盛り上げるアイテム、キャンドル。クリスマスコーナーには様々な色や形のキャンドルが並び、見ているだけでも楽しくなりますよね。
部屋の明かりを消して、キャンドルを灯してシャンパンで乾杯、だなんて素敵なシチュエーションですが、カラフルなキャンドルにはアロマオイルが配合されているものも少なくありません。
肉食動物である猫の体は植物由来のアロマオイルの成分を代謝できないため、体内に蓄積されると肝臓に負担がかかってしまいます。たった一本のキャンドルでどうこうという極端なお話ではありませんが、猫の体に良いものではないので控えておきたいところです。
また、猫はゆらゆら揺れるキャンドルの火に興味を持ちやすく、仏壇の蝋燭にじゃれ付いて倒してしまい、火災が起きた事例もあります。キャンドルを灯してのパーティーは猫のいないお部屋で楽しんだ方が無難なようです。
パーティーのお客様たち
子供さんのお友達や気の置けない仲間を自宅に招いてのクリスマスパーティー、とっても楽しくて盛り上がりますよね!ここは自慢の愛猫もお客様たちに愛でて頂きたいところ。中には人見知り皆無でおもてなし上手な猫ちゃんもいますが、自分の縄張りに知らない人が来る事が苦手な猫は少なくありません。
また、小さなお客さんの中には日ごろ猫と接するのに慣れていないこともままあります。事故を防止するためにも状況次第では猫には別室でゆっくりしていてもらう方がいいでしょう。
猫も一緒に、良いクリスマスを!
猫のためにプレゼントを用意したけど、中身そっちのけで包装紙や箱やリボンの方で遊んでいる…というのは猫あるあるですよね。
今回、愛猫の喜ぶ顔を思い浮かべながら色々と工作してきましたが、結局、残った端材を縫い合わせて作ったブランケットが一番猫に気に入られているような気もします。
猫にはクリスマスなんて関係ない、猫はいつだって自由で毎日が好日です。それでも特別な一夜を猫のためのクリスマスパーティーで飼い主が楽しめば、きっと猫も喜んでくれる(はずな)のです!
今回ご紹介したのはアイデアのご提案に過ぎません。色々とアレンジを加えて、あなたと愛猫ちゃんだけのスペシャルなクリスマスパーティーを楽しんで下さいね。