猫のケージ飼いのメリット&ケージの中を楽園にする4つの工夫

気ままな性格の猫をケージに入れるのは、自由を奪ってかわいそうだと思われるかもしれません。

しかし、いつどんなことでケージに入れなければならない状況に遭遇するかわかりません。そのときのために、普段からケージに慣らしておくことが大切です。

もちろん、大きくなった猫を狭いケージにずっと閉じ込めておくのはいけませんが、最低限のルールを守れば、ケージでも快適な環境を作ることはできるのです。では、どんなことを守れば良いのか見てまいりましょう。

こんなときにはケージ飼いが必要

次のような状況のときには、ケージに入れておくと安心です。

災害時

災害が起こって避難する際に、ペットも一緒に避難所に連れて行ける場合と連れて行けない場合とがあります。避難所では、ケージやキャリーの中で過ごさせるのが一般的です。

避難所に連れて行けなかったペットたちを預かってくれる場所があっても、そこには多くのペットが集まるため、やはりケージに入れられることが多いでしょう。

病気のとき

多頭飼いの家庭では特にそうですが、病気やけがをすると、他の猫たちから隔離しないといけないことがあります。動かないように静かに過ごさせるときも、ケージに入れておく必要があります。

来客時など

猫嫌いや猫アレルギーのお客さんが来ているときは、ケージに入れたり他の部屋に移したりしておかなければなりません。

料理やミシンがけをするときも、邪魔されると危ないですから、その間だけケージに入れておくと安心です。

普段から慣れさせておいて、「ケージの中は安全なんだ」ということを猫が実感してくれれば、いざというときにも強いストレスを感じることなく、ケージで過ごしてくれます。

長時間はNG。ケージ飼いのデメリット

長時間閉じ込めておくと、猫はとてもストレスを感じます。また、運動不足になり、骨が弱くなる恐れもあります。

ケージ飼いする際に気をつけること

猫をケージに入れることにはたくさんのメリットがありますが、次の注意点は必ず守るようにしてください。

高さのあるケージにする

猫は上下運動が必要な動物です。高さのあるケージを選んでください。2段のものより、3段のもののほうが良いでしょう。

トイレとエサ入れとは離したほうが良いので、トイレを一番下の段に、エサ入れと水入れを真ん中の段に置くのがおすすめです。猫はきれい好きなので、トイレの砂が水入れなどの中に入るのを嫌がるからです。

一番上の段には、寝心地の良いベッドを置きましょう。

5時間以上閉じ込めない

あまり長い時間ケージに閉じ込めておくことは、猫に大きなストレスを与えます。猫を留守番させるときは、ケージではなく、できれば一部屋開放してください。

トイレは常に清潔にしておく

きれい好きな猫は、トイレが汚れていると他の場所で用を足してしまうことがあります。狭いケージの中に置いたトイレが汚いと、猫はトイレを我慢してしまう恐れもありますので、なおさら注意が必要です。

水は常に飲める状態にしておく

水分補給は大事です。水は切らさないように、清潔な状態で24時間いつでも飲めるようにしておきましょう。

温度や湿度が快適な場所におく

その中でしか動けなくなりますから、ケージの置き場所には気を配ってください。夏は直射日光の当たらない場所、冬は寒い風の当たらない場所に置くようにします。

快適でない場所にしか置けない場合には、工夫が必要です。日よけをしたり、寒さ対策にはケージに毛布をかけたりします。

ストレス対策をとる

ケージから出せる状態になったら、すぐに出して、思い切り遊んでやってください。

忙しくてなかなか構っていられないという方でも、成猫の場合は1日に10分~20分遊べば大丈夫です。夜寝る前にしっかり体を動かして遊んでやると、「夜の運動会」予防にもなりますよ。

生後3週以降はケージから出して

子猫を飼い始めたばかりで、どんな行動をするか予測できず危ないからということで、ケージ飼いすることもあるでしょう。

その場合でも、生後3週を過ぎたらケージから出すようにしてください。猫の生後3週~12週の時期というのは、「社会化期」に当たり、他の猫や人間と触れ合うことで、他の生き物とのかかわり方を学ぶ時期なのです。

ここは落ち着くニャ。ケージ好きの猫にする工夫

「きなお」は、1歳になる頃に我が家に来ましたが、初めから寝るときはケージに入れると決めていました。

私は普段から眠りが浅いため、猫と一緒に寝たり夜中にウロウロされたりという生活をしたら、もっと眠れなくなると思ったからです。

譲り受けるときに「きなおは甘えん坊で夜中じゅう鳴くと思うから、そのときは相手をしてやって」と言われたので覚悟していましたが、初日からすんなりとケージで朝まで寝てくれました。それは今でもずっと続いています。

私が工夫した点は、次の通りです。

  • 私(飼い主)のベッドが見える位置にケージを置いた。
  • 昼間は扉を開けて、普段の食事もケージでするようにしている。
  • 寝る前の1時間はリビングで、他の家族と遊ばせている。
  • その間にトイレやエサ入れ、水入れなどケージの中をきれいに掃除する。

どうやらきなおも、「寝る時間はケージに入るのだ」と学んでくれたようです。

ケージが、使い方しだいでは猫にとっても安心できる場所になるのだということがおわかりいただけたでしょうか。ルールを守って、猫の安心・安全な場所になるように、ケージを整えてくださいね。

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