猫ちゃんのイラストを描く時、よくありがちなのは「顔の口周りにシュッシュッと何本か長いひげを描く」ということですよね。
この猫ちゃんのヒゲの生えている膨らんだところ、「ω」の部分の正式名称は「ウィスカーパッド」(Whisker Pad)といいます。
「Whisker」はネズミや猫などの頬ひげの意味なので、Whisker Padは「頬ひげのはえているふくらんだ部分」というような意味になります。
プクッと可愛らしい印象ですが、実はとても重要な役割りを持つ部分でもあるんですよ。今回は、ウィスカーパットの役割やその特殊な構造について解説いたします。
ウィスカーパッドは大切なセンサーを支える土台
なんて立派な「ω」・・・
猫ちゃんにとって、ひげは外部の状況を感知する大切なセンサーです。空気の流れを感知したり、狭い所の通り抜けが可能かを即座にチェックすることができます。
猫ちゃんの平衡感覚を保つとともに、ひげで直接触れることで、ものの大きさや他の動物の体温まで察知できるといわれています。
そして、そのセンサーの土台となっているのがウィスカーパッド、通称「ひげ袋」です。
猫のヒゲは全部で5種類、ウィスカーパッド以外に生えているひげもある
猫ちゃんのひげは、ウィスカーパッド以外にも、目の上や顎、口角などにも生えています。中には短くてわかりにくいものもありますが、これらのひげも全てセンサーの役割をしています。
ひげの種類 | 生えている場所 | 本数 |
---|---|---|
上毛(じょうもう) | 目の上の部分 | 約12本 |
上唇毛(じょうしんもう | ウィスカーパッド | 24本 |
口角毛(こうかくもう) | 口の端 | 約2本 |
頬骨毛(きょうこつもう) | 頬骨付近 | 約2本 |
頭下毛(とうかもう) | 顎の下 | 数本 |
※さらに前足の後ろにも数本のひげが生えています。
顔や体の各所から生えている猫ちゃんのひげの総数は50本~60本。その中で、ウィスカーパッドから生えているひげは左右、各12本、合わせて24本です。
猫ちゃんのセンサーの中でも、おもに中心的な役割りをはたしている、長い24本のひげ、これらをしっかりと支え保護しているのがウィスカーパッドなんですね。
また、ウィスカーパッド、鼻、口、顎を含んむ口周り全体のことは「マズル」と呼ばれています。
ひげが4列に並んでるにゃ…
ひげを支えているウィスカーパッドの構造
ウィスカーパッドは、おもにひげを動かすための筋肉で出来ています。そのため、ここから生えているひげは全て、自由に動かすことができます。多くの神経が集中していて血液の量も多いため、興奮すると膨らんで赤っぽく見えることもあります。
他の体毛に比べるとこの部分のひげは太さが2倍もあり、毛根の深さは普通の体毛の3倍、深い所から生えているため、かなり神経に近いと言えるでしょう。
ウィスカーパッドは繊細な部分なので、あまりしつこく触って刺激すると猫ちゃんが嫌がってしまいます。(元々触られるのを嫌がる子もいます。)無理強いはせずに、触る場合は優しく触れるようにしましょう。
もちろん、猫ちゃんの大切なひげを無理に引っ張ったり切ったりするのは厳禁です。
プクッと膨らむのは興奮している時
猫ちゃんが興奮状態にある時や集中している時に、よく口元のひげが一斉に前に傾いているのを目にすることがありますね。その時のウィスカーパッドはぷっくりと膨らんでいるはずです。
膨らんだ状態はプクプクしていてとっても可愛いですよね。ねこじゃらしなどで遊んであげた時などに膨らむことが多いので、是非、確認してみて下さいね。
他にも、その時の状況や感情に応じて、ウィスカーパッドのひげは様々な方向に動きます。
- 前を向いている…興奮、緊張
- 後を向いている…恐怖、驚き
- 上を向いている…嬉しい、甘えたい、遊んでほしい
- 下を向いている…くつろいでいる、ウトウトしている、退屈
このようにひげを自由自在に動かせるのも、ウィスカーパッドというしっかりした土台があるからこそなんですね。可愛いらしいだけでなく、意外に重要な役割りを担っているんです。
お顔の個性を演出するウィスカーパッド
ウィスカーパッドの形や柄は個体により、模様が入っていたり、そこだけ白かったりと実に様々です。一緒に生まれた兄弟でもバラバラなので、良く似た兄弟猫ちゃんたちを見分けるポイントにもなりますよね。
ちょっとプックリ…
猫ちゃんの表情を可愛らしく演出しているウィスカーパッドは、やはり猫好きにはたまらないチャームポイントです。形や柄に個性があるので、ネット画像などで見ているだけでも楽しく、癒されてしまいます。
ウィスカーパッドには大切な役割りがあるということを十分理解しつつ、今後も愛でていきましょう。
みんなのコメント
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ウィスカーパッド大好き❤