猫を飼っていると、意外と悩みがちなのがトイレやトイレ砂の選び方です。
犬に比べても、猫の糞尿のにおいはかなり強烈。毎日せっせと掃除していても、なかなかにおいが染み着いてとれなかったり、あるいはせっかくおしっこで固まっていたはずのトイレ砂が掃除中に砕けて余計に汚くなってしまったり。
「もっといい方法ない?」と探している飼い主さんも多いのではないでしょうか。そんな飼い主さんにぜひおすすめしたいのが、システムトイレです!固まる砂を使っている飼い主さんの場合、システムトイレはまさに革命といえるでしょう。
清潔で、掃除しやすく、におわない、システムトイレのすごさについてご説明します。
この記事の目次
普通の猫用トイレとどう違う?システムトイレの仕組み
システムトイレは、猫の便とおしっこを別々の方法で処理するトイレです。
一般的に、猫のトイレといえばまず大きなプラスチックの容器があり、その中に砂をざらざらと流し入れて使うものを想像するのではないでしょうか。猫がおしっこをして固まった砂や便を、スコップで取り除いて掃除するタイプのものです。
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しかし、システムトイレの場合は、便に関しては一般的な猫用トイレと変わらないのですが、おしっこの処理方法が全く違います。
システムトイレの場合、トイレの砂を敷いてある容器の底の部分が、すのこ(網目)状になっています。そして、すのこ状になった底面の、さらに下にはおしっこを受けるトレーが置いてあります。
システムトイレの場合、トイレ砂はおしっこがかかっても固まりません。トイレ砂にかかったおしっこは、そのまま砂とすのこを通過して、下のトレーに敷いてあるおしっこ吸収シートへと落ちる仕組みです。
このように、システムトイレとは便に関してはトイレ砂、おしっこに関しては吸収シートと分けて処理するタイプのトイレになります。そしてこの仕組みによって、システムトイレは従来のトイレにない多くのメリットを備えているのです。
まさに革命!システムトイレを使うメリット
システムトイレというだけあって、なんだか普通のトイレより複雑で面倒そう……と感じる飼い主さんもいるかもしれません。しかし、実際はその逆です!
システムトイレを使うことで、今までのトイレに関する様々な苦労が軽減され、非常に清潔な状態を保つことができるのです。システムトイレを使うことによる、具体的なメリットをひとつずつご紹介していきます。
砂が汚れない、おしっこ砂が砕けない
固まる砂を入れて使う一般的なトイレの場合、おしっこで固まった砂を取り除くときに砕けてしまうことがありますよね。せっかく固まっていたはずなのに細かく散ってしまうとがっかりです。
実際「よく固まる砂を探している」という飼い主さんも多く、砂の固まり具合でトイレ砂ジプシーをしている人もいるようです。しかし、システムトイレを使えばそんな悩みとは無縁になります。
システムトイレの場合、おしっこは砂を通過し、トイレの下にあるトレーに落ちる仕組みなのでそもそも固まる砂を探す必要がありません。
もちろん砂が砕けて取り除けない!なんていう悩みもなくなり、飼い主さんのトイレ掃除がぐっと楽になるのです。
臭くない
一般的なトイレの場合、おしっこで固まった砂が砕けて、新しい砂と混ざり、どんどん全体に広がっていってしまいます。そして、取り除けない汚れがたまるにつれてにおいも気になるようになります。
猫のトイレによる悪臭を消すため、消臭剤や香りつきのトイレ砂を駆使している飼い主さんも多いことでしょう。
一方でシステムトイレの場合、おしっこはそのまま砂を通ってまっすぐに下に落ち、それで終わりです。意外にも砂はすぐに乾き、おしっこの通った砂が他の綺麗な砂と混ざっても全くにおいが広がりません。
掃除が簡単
システムトイレの場合、固まる砂を使うタイプのトイレに比べて圧倒的に掃除が楽になります!というのも、システムトイレは基本的に普段の掃除は便を取り除くだけでいいからです。
便の取り除き方は固まる砂のトイレと同じになります。しかし、おしっこの方は下の専用トレーに敷いてあるシートが受けてくれる仕組みになっているので、普段飼い主さんはなにもする必要がありません。
シートについても1週間に1回取り替えればよく、基本的に敷きっぱなしです。
必ず同じ場所におしっこをし続ける猫の場合は数日に1回シートの向きを反対にしてあげれば大丈夫。あらかじめこの事態を想定し、わざわざシートに触らずとも、トレーごと逆に差し込むだけでいい構造になっているシステムトイレもあります。
病気の時おしっこだけ確認できる
濃い尿を出す猫は、泌尿器系の病気にかかりやすい生き物です。そのためおしっこの色や量のチェックはとても重要。
しかし固まる砂の場合、トイレ砂のもともとの色が邪魔して「なんだか普段とおしっこの色が違う気がする、でも気のせい?」と悩むことがあります。
そこでシステムトイレを使えば、システムトイレの大半は白いおしっこ吸収シートを採用しているので、もし血尿を出したとしても一目瞭然です。
また、病院で万が一「採尿してください」と言われた時もシステムトイレなら簡単です。トレーにシートをあえて置かずにいるだけで、自動的にトレーに尿がたまります。猫が踏ん張った隙を見計らい、さっと容器を差し出す必要はありません。
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砂がなかなか減らない
固まるタイプのトイレ砂の場合、当然固まった砂を捨てる度に砂の量が減っていきます。しかし、システムトイレは砂を除去する必要がないため、砂がほとんど減りません。せいぜい便に付着した砂が便と一緒になくなる程度です。
シートも1週間に1回取り替えるだけでよく、砂やシートの在庫にあまり場所をとりません。「固まる砂の減りが早くて困る!」という飼い主さんには非常におすすめです。
飼い主さんによっては深刻?システムトイレのデメリット
飼い主さんのあらゆる悩みを解決してくれるシステムトイレですが、デメリットも存在します。飼い主さんによっては無視できないデメリットもあるので、よく検討しておきましょう。
おしっこの量が固まる砂よりわかりにくい
おしっこの色に関してはシステムトイレの方がわかりやすいのですが、量に関しては固まる砂の方がわかりやすくなります。システムトイレの場合、シートが全て吸収してしまうため、シートにできたシミの大きさでおしっこの量を判断します。
病気などで詳細に調べたい場合はシートをとる、シートの重さそのものを計るなどできるので、融通が利く部分もありますが、普段のわかりやすさは固まる砂の方が上です。
あまりに掃除しやすいがために、トレーを見なくなりがち
おしっこ用のシートは1週間取り替えなくていいのがシステムトイレのメリットです。しかしそのおかげで、逆にトイレ掃除の時にトレーをわざわざ引き出してみないとおしっこの様子がわかりません。
健康な猫を飼っている場合、「まだシートを取り替えたばかりだから」と油断してトレーを開けなくなってしまう可能性があります。
意識して毎日のトイレ掃除でトレーを開けて様子だけ確認するようにしないと、いざ血尿など異常があった時発見が遅れてしまうかもしれません。
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砂の種類が少ない
システムトイレの砂はおしっこをそのまま通す専用の砂を使用します。そのため、市販されている一般的な固まるタイプの砂を流用することはできません。また、新聞紙を裂いてトイレ砂代わりにするというような融通も利きません。
さらに、基本的にトイレ本体とトイレ砂はセットで使うことを想定されて作られています。例えば本体はA社、トイレ砂はB社の製品を使う、ということもできなくはありません。
しかし、もともとセットの砂が大粒の場合、すのこの目も砂の大きさに合わせて粗くなります。
つまり大粒の砂に対応しているトイレに細かい砂を使ってしまうと、砂まで下のトレーに落ちてしまうので使うことができません。他社の製品を使いたい場合は、同じ大粒の砂だけになります。このように、若干砂選びには不自由な面があります。
砂の微妙な感触や大きさにこだわりがあり、好き嫌いが激しいという猫の場合、システムトイレは外れを引いた時の負担が飼い主さんにやや大きいかもしれません。
トイレ砂を水洗トイレに流せない
システムトイレに使う専用の砂は、残念ながら人間用の水洗トイレに流すことはできません。システムトイレの場合、おしっこをそのまま通すため水分でふやけることがないからです。
今までトイレに流せるタイプのトイレ砂ばかり使ってきたという飼い主さんには若干処理が面倒になるかもしれません。
もっとも、システムトイレの場合そもそも「おしっこで固まった砂」が存在しないので、普段捨てることになる砂の量はごくわずかです。
ちなみにシステムトイレ専用の砂の処分方法については、自治体によってかなりの差があるため一概には言うことができませんが、多くの場合は燃えるごみとして処理することができます。
固まる砂より費用がかかる
固まる砂の場合、安いものになると10L入っていてもワンコインというような製品もあります。しかしシステムトイレの砂は基本的にそのシステムトイレの会社が出している純正品しか使うことができないため、やや費用がかさみがちです。
固まる砂をジプシーしていて、納得いく砂を探しているうちにだんだんと費用が高くついてきたという飼い主さんであればシステムトイレに切り換えてもさほど変わらないので問題はありません。
しかし、費用の負担をできるだけ抑えるためにも安い砂を使い続けたいという場合はシステムトイレはおすすめできません。
システムトイレの維持費は、例えばシステムトイレの有名な製品である「デオトイレ(ユニ・チャームより発売)」の場合、実売価格はトイレ1個あたり1ヶ月で砂2L500円、シートが4週間4枚で300円ほどなので合計で800円/1ヶ月となります。
猫のトイレの理想の数は匹数+1と言いますから、実際には800円×匹数+1の出費が毎月かかることになります。
せっかく導入しても維持できないのでは意味がありません。今現在飼い主さんが使用しているトイレ砂と比べて、この価格に納得できるかどうかよく考えてから購入しましょう。
システムトイレはこんな人に便利!活用したいシチュエーション
「システムトイレって、興味はあるけど、あえて買い換えるほどでもないかな……」と考えている飼い主さんのために、よりシステムトイレを有効活用できる場面をご紹介します。
以下にあてはまる人はぜひ、システムトイレの導入を検討してみてください。
愛猫が泌尿器系の病気にかかったことがある
泌尿器系の病気は再発しやすかったり、猫にとって命に関わったりすることも多いものです。一度泌尿器系の病気にかかった経験のある猫を飼っていると、飼い主さんは猫の尿の様子に敏感になるのではないでしょうか。
そこでシステムトイレを使うと、猫の尿だけ個別に様子を見ることができるのでおすすめです。結石ができてしまった場合も、シートが結石できらきらとしているのがすぐにわかるため、病院にシートを持って駆け込むことができます。
また、膀胱炎などは「トイレが汚いために猫が用を足すことを我慢してしまう」ことも原因のひとつであるため、清潔なトイレを保てるシステムトイレの方が病気の予防になります。
猫の粗相に困っている時
猫は綺麗好きな生き物なので、汚れたトイレは使いたがりません。トイレが汚れているとすぐにトイレ以外で用を足してしまうような猫の場合、システムトイレが非常におすすめです。
システムトイレは固まる砂に比べて圧倒的に臭いが少なく清潔を保てるので、猫が積極的に利用してくれます。
我が家の猫も固まる砂のタイプと両方置いたところ、固まる砂のトイレを一切使わなくなってしまったので全てシステムトイレに切り替えました。
多頭飼いで汚れやすい時
猫の理想のトイレの数は匹数+1。しかし、何匹も多頭飼いしているとトイレ掃除はなかなかに大変です。トイレが汚れがちで増やしてあげたいけど、掃除がつらい……。
そんな飼い主さんにも、システムトイレがおすすめです。システムトイレは普段は便を掃除するだけでよいので単純にトイレ掃除の手間が半分になります。
固まる砂を使っているとトイレが1台増えるだけでもあちこちにおしっこの砂があって大変ですが、システムトイレならいくら増えても負担になりません。
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日中留守などでこまめに掃除できない時
トイレを掃除できない時間が長いと、猫が再び用を足して砂をかき、固まった砂が崩れてしまう……ということもしばしばです。
1人暮らしで家を空けることが多い人は、システムトイレを使うと非常に掃除が楽になりますし、猫も快適に用を足すことができます。
とにかくにおいで困っている時
固まる砂のトイレから切り替えた場合、一番驚くのはそのにおいの少なさです。理想の砂になかなか出会えず、トイレの強烈なにおいに困っている飼い主さんはぜひシステムトイレを使ってみてください。
便のにおいはあまり変わりませんが、おしっこのにおいはかなり改善されるはずです。特にトイレがにおいやすい夏場も、砂が汚れないためそれほどにおいはひどくなりません。
清潔で、掃除が楽で、におわない!システムトイレに切り替えよう
固まる砂を使っている飼い主さんにとって、システムトイレは画期的な存在です。トイレをにおわず清潔な状態に保つことは、猫の病気予防にも繋がります。
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各社が様々なシステムトイレを出していますので、まだシステムトイレを使ったことがないという飼い主さんは、ぜひ一度試しに置いてみてください。
ちなみに名前をご紹介した「デオトイレ」は我が家で長年愛用しているシステムトイレです。ご紹介したようなシステムトイレのメリットを全て網羅しているのでとてもおすすめ。どれを買ったらいいか迷った場合はぜひお試しください。
普段使っているトイレに加えてシステムトイレを置くと、きっとその違いに驚くはずです。
