人間の女性には、毎月生理がありますよね。犬の場合は毎月ではなく、半年に1度くらいの感覚で生理があります。
じゃあ猫にも生理はあるのかな?と思うかもしれませんが、実は猫には生理はないんです。それはどうしてなのでしょうか。
猫の排卵は、人間や犬のように定期的に起こるものではありません
猫にも排卵は起こっているんですが、人間や犬のように定期的に起こるわけではないんですよ。
では一体いつ排卵をするのでしょうか。
猫は生まれてから、生後半年から12ヶ月くらいで発情が起こるようになります。
成長によって発情が起こるようになると、それからは1年の間に3回から4回は発情期を迎えるようになるんですよ。
でも、だからといって発情期に入る度に身体の中で排卵が起こっている…というわけではないんです。
猫は発情期に入ったからといって排卵を起こすのではなく、交尾をした時に排卵が起こるようになっているんです。
交尾をした時に雌猫が感じる交尾刺激によって排卵が起こるようになります。雄猫の陰茎部分には刺があるんですよ。
雌猫と交尾をする時に、この陰茎が返しのような常態になるので、雌猫は痛みを感じるんです。
これは「交尾排卵」という名前があるんですが、このやり方だと交尾した時に的確にたくさんの卵子を作り出すことができるわけです。
こうして考えてみると猫の身体というのは、なんとも便利な仕組みになっているんだなぁ~と感心してしまいますね。
この猫の交尾排卵の場合、定期的に生理が起こらない訳ですから出血も通常起こることはない、ということです。
だから出血しない分、猫の体力が奪われなくて済むということになるんですね。さらに交尾をしたときだけ排卵するので、妊娠の確率も上げることができるんです。
交尾排卵のカラクリは、野生で生きてきた猫にとってとても合理的かつ効率的であると言えるでしょう。
猫の排卵の仕方から、生理のように下半身から出血することはありません
このように考えてみると、猫は生理によって下半身から出血をすることはないと言えます。
猫が下半身や陰部から出血をしている場合には、生理ではなくて何かの病気によって出血していると考えたほうがいいでしょう。
もし、猫のトイレを掃除している時にオシッコに血が混じっているのを発見したなら、どのような病気になっている可能性があるでしょうか。
それは、尿路から出血している場合と陰部から出血している場合に分けられるんです。
尿路から出血している場合
では、尿路から出血している場合に考えられる病気について調べていきましょう。
尿路結石
雄猫の場合、尿道が雌猫に比べると細くて長いことが多いので、やはり細い尿道の場合には、中で小さな結石ができてしまった時でも詰まりやすくなってしまうんです。
でも雄猫だけでなく、雌猫でも尿路結石になってしまうことはあります。
雌猫が尿道に石ができてしまう原因として考えられるのは、日頃から偏ったご飯を食べていたり内臓に炎症が起きていることなどがあるんです。
膀胱炎
雌猫は雄猫に比べて尿道が太くて短いです。だからどうしても、膀胱炎になりやすくなるんです。
尿道が短いとそれだけ細菌が入りやすくなるので、腎臓の中にまで到達しやすくなってしまうんですね。
だから、膀胱炎はかなり猫がかかりやすい病気だと言えるんですよ。
溶血の症状に陥っている
猫がタマネギを食べてしまったりウイルスに感染してしまったりすると、猫の血液中にある赤血球が大量に壊されてしまうことがあります。
猫が息をすることで体内に酸素を取り込んでいるのですが、赤血球が壊されていることで血液がうまく回らなくなってしまうんです。
猫同士の喧嘩でできた傷や、交尾によっても感染することがある恐ろしい病気です。
陰部から出血している場合
尿路の他にも猫の陰部から出血が見られる場合には、下記のような病気になっている可能性があるんです。
子宮内膜炎
子宮内膜炎は、まだ避妊手術を受けていない猫が発情をすることがきっかけになることが多いんです。
これによって病気の元となる病原菌を子宮へと運んでしまいやすくなるんです。そして、さらにこの内膜症の症状が悪化して進んでしまうと、下の項目の症状へと変化してしまうんですね。
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は、猫の子宮の中で膿が溜まってしまう病気なのですが子宮系ではかかりやすい病気でもあるんです。
どちらかというと5歳以上の雌猫がかかりやすい傾向になりますが、もちろん若い猫でも危険性はあります。
猫の生活スペースがかなり汚れていたり、日頃からストレスを抱えていたりすると発症しやすくなってしまいます。
やはり子宮蓄膿症の原因は、やはり子宮の中に細菌による汚れが入ってしまうことです。
この症状になってしまった雌猫は、陰部がどうしても汚れがちになってしまいます。そして食欲も落ちてしまいますが、水だけはたくさん飲む…という行動が見られるようになります。
放っておくと命の危険もある病気なので、飼い主さんが気づいた時点ですぐに病院に連れていきましょう。
さらに、猫がいつも使っている道具などに汚れが溜まっていないか、今一度確認してみるのも予防策としてオススメです。
子宮がん
猫の子宮に悪性の腫瘍ができてしまう症状です。犬などに比べると、猫が子宮がんを発症する確率というのは低いのですがやはりかかってしまう可能性もあります。
猫の陰部から血液や、血の混じった体液が漏れ出たりしているのを見て飼い主さんが気づくこともあります。
子宮がんは進行が早いですし転移する恐れもあるので、なるべく早く猫の異変に気づいてあげたいものですね。
食欲が普段に比べてないことや、寝過ぎている…などの異変があるようです。
猫の出血に早く気付くために注意してあげるべきこと
猫が比較的かかりやすいと言える膀胱炎や尿道結石になった場合、オシッコに血が混じることがあります。
これがいわゆる血尿というものになるのですが、これはいつでも出る症状というわけではありません。
毎日猫とのふれあいをして、健康チェックをしましょう。さらに1日に1回以上はトイレ掃除を必ずすることで、血が混じったオシッコをしていないかをチェックするようにしてください。
猫の尿路からの出血なのか、それとも陰部からなのか…これはオシッコを見ただけで判断することはできません。
どちらのパターンであっても、とにかく血尿が出ているという猫の状況に飼い主さんが気づいてあげることが先決なのです。
もしも掃除の時に血尿に気付いたなら、すぐにかかりつけの病院に行くようにしましょう。
さらに、血尿と同時に下記のような症状が1つでも現れていたら、それはかなり危険な状態だと言えるんです。
- オシッコが出ている様子がない
- フラフラしていて元気がない
- お腹がふくらんでいる様子だ
- 口の中の色が白か黄色っぽくなっている
- 事故などにあって怪我をしている
- 性器から出血しているようだ
- 激しい嘔吐をしている
- ネギ類(タマネギなど)を食べてしまった
もし血尿とプラスしてこれらの症状が見られた場合には、急いで病院に向かうようにしてください。
猫が下半身の病気になる可能性を減らすために、飼い主さんがしてあげられること
やはり、雌猫は避妊手術をしていないことで上記の病気にかかってしまう確率がとても高くなります。
ですからこれらの病気の解決策として1番いいのは、やはり避妊手術を受けることが挙げられるでしょう。
しかも、手術をするならなるべく少しでも早いほうが効果も現れやすくなるので、まずは獣医師さんに相談してみるといいですね。
そして、日頃から猫がお水をちゃんと飲んでいるかをチェックしてあげることも必要です。お水は常に清潔さを保てるように配慮してあげてください。
もちろん、猫の生活環境をキレイにしておくことも大事ですよ。
さらに、猫の健康をきちんと考慮されたご飯を選んであげることもとても大切です。毎日あげるご飯は猫の身体の元になるものですから、飼い主さんが責任を持って選択してあげてくださいね。
猫には生理に出血はないので、日頃から血尿がないかをチェックするべきです
猫は人間と違って、定期的な排卵というものが起こりません。だから雌猫だから出血するということも、通常はありえないのです。
猫が出血、または血尿を出している場合には何かの病気などの原因が必ずあるのです。
日頃から猫の健康状態を保つための生活環境を整えてあげることはとても大切だと言えます。さらに毎日のお世話の中でしっかりと猫の健康をチェックしてあげましょう。