猫に盗られたその食べ物、プロピレングリコールが入っているかも?

現代社会では、多くの化学製品であふれています。それらは、口に入れたり、直接触れたりしますので、安全である事がとても重要です。

その為、研究や調査・検査が行われ、有害であれば使用が禁止されます。しかしそれは人間にとっての話であり、猫にとってそうであるとは限りません。

今回はそういったテーマで、「プロピレングリコール」という物質を紹介したいと思います。

これは私たちの生活で幅広く使われているもので、生活用品の成分表などを確認すれば、この化学物質が含まれている商品の多さを実感することでしょう。

猫がプロピレングリコールを摂取するとどうなるのか、誤飲しない為の予防策などを紹介したいと思います。

そもそもプロピレングリコールって何?

プロピレングリコールとは有機化合物であり、二価アルコールの一種です。特徴は、無色無臭で、少し粘り気がある液体です。

水に完全に溶けて混ざる性質を持ち、物質を溶かす能力が優れているため、様々な用途に用いられます。

比較的、毒性が低く、薄められて使用する場合、人体にはほとんど影響が出ないと言われています。

身近な所で使われているプロピレングリコール

プロピレングリコールは保湿剤、潤滑剤、溶剤として優れた性質を持っており、乳化剤、防腐剤、殺菌剤として幅広い用途に適しているといわれています。上記の理由から、この化学物質は保湿性や防カビ性を必要とする商品によく利用されています。

もし、ご自身の身のまわりのものに、どれぐらい含まれているか調べる時は、表示法の決まりから「プロプレングリコール」または「PG」のどちらかの表記で書かれているので確認してみて下さい。

製品の一例として、

  • シャンプーやリンス
  • 育毛剤
  • 制汗剤
  • 化粧品
  • 市販薬 など

食料品では、

  • うどん
  • イカの燻製
  • シュウマイ
  • 春巻きの皮
  • コンビニのおにぎり

などの食品添加物として使用されています。

ちなみに、人体にはほぼ無毒とされているプロプレングリコールですが、食料品に添加されている場合は使用量の制限があります。

そして、ここまでは人側の話ですが、猫の側面に話を移しますと、以前これは猫のペットフードにも使用されていた時代がありました。

その後、猫にとって有害である事が判明し、2009年のペット安全法の施行によりキャットフードへの使用が全面禁止となりました。

しかしこれは、キャットフードへのプロプレングリコールの使用禁止措置であり、犬やその他のペットフードへの使用が禁止されているわけではありません。

それと、近年普及しだしている物の中ですと、意外かも知れませんが電子タバコがあげられます。あの電子タバコのリキッドから出る水蒸気の煙には、プロピレングリコールの成分が内包されているといわれています。

プロピレングリコールが猫の体内に入ったら、どうなるの?

猫の体内にプロピレングリコールが吸収されてしまうと、中毒症状をおこして溶血性貧血になってしまいます。溶血性貧血とは、赤血球が破壊されて起こる貧血です。

猫が貧血になると、次のような症状があらわれます。

  • 元気がなく、動きたがらない
  • 食欲が落ちる
  • 呼吸が荒くなる
  • 鼻や舌の色が白くなる
  • 体がふらつく

猫が貧血を起こしていても、症状が軽い場合には人間はなかなか気づくことができません。そのため、動物病院での定期健診で、初めて貧血になっていると医師から告げられることも多いようです。

そして貧血の原因がプロピレングリコールの場合には、飼い主さんが気づかないうちに、猫がこの物質を含む、何らかの物に触れたり、食べたりした可能性があるという事になります。

猫がプロピレングリコールを舐めたり食べたりした場合の対処法

もしも、猫がプロピレングリコールを摂取してしまったなら、急いで動物病院に連れて行きましょう。その際には、食べたものの残りや、またその食べ物が入っていた箱や袋を持って行くと医師に相談がしやすいです。

どのような形態(固形物なのか気体なのか)でプロピレングリコールが体内に取り込まれたか、体に入ったプロピレングリコールの量や、飲食してからの経過時間によって治療方法も変わってきます。

このような誤飲や誤食により、猫が貧血を起こすことを防ぐには、飼い主さんが気をつけてあげるしか方法はありません。

猫の日用品や人間用だとしても猫の行動範囲の中にプリピレングリコールが使ってある品物がないか一度確認する事をお勧めします。

猫は通常、幼い頃に食べ物の嗜好が決まり、人間の食べ物を欲しがることは余りないといわれていますが、飼い主さんの食べているものに興味を示すようでしたら注意が必要です。

それと、例えば犬などの他のペットと多種飼いをしている方は、猫餌以外のペットフードの管理を徹底してください。

先にも触れましたが、プロピレングリコールは犬には健康被害が出なかった為、猫には全面禁止になりましたが、犬用のドッグフードには使用が容認されています。

もし、犬などの動物と同居をしているのなら他のペットフードもプロピレングリコールが入っていないものに出来るだけ変更し、万が一、猫が食べても安心なような対策を講じてあげてください。

それ以外にも、人間用のシャンプーやボディソープで猫を洗ったり、リキッドタイプの電子タバコを猫の前で吸ったりしていませんか。皮膚や水蒸気から、猫がプロピレングリコールを摂取してしまう事も考えられます。

一番の予防策は、猫がプロピレングリコールを体内に取り込まない環境を作る事が重要だと思います。その為にも愛情を持って、日頃から猫とのコミュニケーションを取りつつ、猫がどんな行動をしているのか気にかけてあげてください。

猫が間違って食べたり、飲んだりしないように気を配ってほしい

猫はとても好奇心の強い動物です。それは、大昔の生活に根付いた行動だといわれています。

だからこそ、出来るだけ猫の気持ちになって、考えてあげてはいかがでしょうか。

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