可愛いペットとの暮らしはいつも穏やかなものであって欲しいですよね。
飼い主さんが日頃から猫ちゃんの健康管理に気を配り、「ウチの子は大丈夫!」と思っていても、思わぬところから危険が迫っている場合もあります。
そこで、今回は猫ちゃんの安全や健康を脅かす「天敵」について、我が家の愛猫たちに実際に起きた事件のご報告なども交えながら、その実態と注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
マダニ:愛猫を蝕む感染症に注意!
日本に生息するマダニは約10種類以上あり、様々な気候や場所に適応することができ、全国でその姿を確認することができます。
マダニは、皮膚炎や猫ヘモプラズマ症、ライム病など、様々な病気を媒介し、それらには他の動物や人間までもが感染するものもあります。
SFTSは、最近になってマダニに寄生された野良猫やペットの犬の体液などから人への感染例も報告されています。
ただし、健康な犬や猫から人に感染することはないので、やはり日頃から猫ちゃんの健康には十分気をつけることが大切ですね。
全てのマダニが恐ろしい病原体を持っているというわけではありませんが、やはり、ペットにはマダニを寄せ付けないことが一番ですよね。
マダニ対策は意外に簡単です。
ペットショップで販売されている猫用のノミ・マダニ駆除薬を定期的に使うことで簡単に駆除できるので、屋外に出る猫ちゃんには必ず薬で予防するようにしましょう。
もし、マダニの被害に会ってしまったら
マダニは吸血すると最大で100倍くらいの大きさになります。そのため、その時点でほとんどの飼い主さんは気づくことができるはずです。
もし、猫ちゃんの皮膚にマダニが付いているのを発見しても、ピンセットなどで無理に取ることは絶対にやめましょう。
マダニの体の一部が皮膚に残ったり、また、病原体を含むマダニの体液を体の中に押し込んでしまうことにもなりかねません。
↑ 噛まれた跡。
必ず動物病院を受診して処置してもらうようにしましょう。
カラス:賢さNO.1、子猫は特に危険です!
カラスも猫ちゃんの天敵の1つにあげられます。
カラスは都会から田舎まで生息域が幅広く、時には子猫や小動物などを狙うことがあります。
空から広範囲を見渡すことができ、するどいくちばしで襲われると思わぬケガをしかねません。
成猫であっても、弱っている時などに攻撃してくることもあり、目をつつかれれば失明の危険も否定できません。
春から初夏にかけての繁殖期には卵やヒナを守るため、巣に近づくと外敵とみなして威嚇や攻撃をしかけてくることがあるので、特に注意が必要です。
野良猫:猫同士でも油断できない!
野良猫や地域猫にとって、たまにやってくる飼い猫は、自分たちの縄張りを荒らす邪魔者以外の何物でもありません。
飼い猫が威嚇や攻撃をされることは当然のことと言えるでしょう。
特に、発情期は猫同士のケンカに巻き込まれる可能性も大きくなります。
感染症にはワクチン接種が有効ですが、中にはワクチンでは防げないタイプの感染症もあるので注意しましょう。
ヘビ:昔から猫の天敵だった?
猫の威嚇音「シャーシャー」という鳴き方はヘビの真似をしたものという説があります。
無毒のヘビであれば心配はありませんが、毒を持っている場合は死に至ることもあるため危険です。
その他、
- キツネ
- アライグマ
- イタチ
- サル
などもまれに猫を襲うことがあるようです。
最近では野生生物がエサを求めて人の生活圏に現れることも多く、アライグマなどの外来生物の数も増えています。
従って、猫ちゃんがこれまでは出会うことのなかった危険動物に遭遇する可能性もあると考えるべきでしょう。
緊急報告・飼い主は語る!愛猫の事件簿
次に、我が家の愛猫たちが実際に被害を受けた事例を2つご紹介します。
事件はベランダで起きている! 【ケース1・忍び寄る黒い影事件】
被害者 | ウミ(ちょっとおデブな先代猫、当時10歳・オス) |
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加害者 | ハシブトガラス |
気持ちの良い晴天の午後、我が家の先代猫、ウミがベランダの手すりの上を気持ちよさそうに歩いていました。(ウミは天気の良い日に2階のベランダの手すりの上を歩くのが大好きでした。)
その様子を何気なく室内から見ていると、突然、上空から黒い影がすごい速さで舞い降りてきて、ウミめがけて体当たりしたのです!
一瞬でしたが、つつかれたのではなく体当たり、もしくは足で蹴られたように見えました。
あっけなくウミは手すりから地面に落とされ、飼い主の視界から消えてしまいました!
あわてて階段を駆け降り庭に出ると、地面に座り込んだまま放心状態で空を見上げるウミの姿が…(涙)幸いにも無傷でした!
周囲には勝ち誇ったように鳴くカラスの声が響いていました。
カラスはベランダや屋上など自分の巣に近い高さにいる生き物を監視対象にし、危険とみなすと攻撃するそうです。
手すりを歩いていたウミは監視対象になってしまったのですね…。
- 【 対策 】
- カラスの巣立ちの時期までウミを出すのは止め、その後もしばらくは飼い主といっしょの時だけベランダに出すようにしました。
事件は(やっぱり)ベランダで起きている!【ケース2・謎の球体はりつき事件】
被害者 | コタロウ(4才、オス) |
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加害者 | マダニ |
ある時、なにげなくコタロウの顔に触れていると、アゴの下あたりに小さなゴマのようなものがポチッとついていました。
指で取ろうとしても取れず、その時は「ニキビか何かができたのかな…」くらいに思っていました。
翌日もう一度見てみると、昨日のゴマ状のものが驚く程大きくなって、丸々と膨らんだ赤い球体になっていました!
飼い主の脳裏に「マダニ」の三文字が浮かびました。
被害者のコタロウくん
コタロウは完全室内飼いなので、マダニの被害に会うなどとは全く思ってもいなかったのですが、考えてみれば、ウミ同様に時々ベランダで遊ばせています。
短足のマンチカンなのでウミのように手すりには乗れず…。←悲(でも、カラス被害は考えなくても良さそうです。)
下でゴロゴロしながらのんびり風に当たったり、たまに来るバッタやせみで遊んだりしています。
- 【対策】
- それからは、たとえたまにであってもベランダに出す以上、ノミ・マダニ対策の駆除薬を使うようにしました。
猫ちゃんの安全・安心な暮らし作り【天敵と出会わないために】
猫ちゃんの飼い方の選択肢の1つとして「室内と外を自由に行き来させる」ということもあるでしょう。
中には「自由気ままな外出は猫ちゃんにとって必要なこと」と思っている方もおられるかもしれませんね。
でも、やはり愛猫の安全が十分に確保されるのは完全室内飼いです。
なるべく猫ちゃんは完全室内飼いにして、家の中でもストレスを溜めることなく楽しく暮らせる工夫をしてあげましょう。
- 十分に遊べるスペースを確保する
- 隠れられる場所や高い場所(キャットタワーなど)を用意する
- 窓越しに外が見られる場所をつくる
- 多頭飼いで遊び相手をつくる(飼い主さんが遊んであげる)
このような工夫で猫ちゃんは十分楽しく、しかも安全に暮らすことができます。猫ちゃんの安全な暮らしを守ることは飼い主さんの大切な役割、責任であると言えますね。
外に出さないことだけで安心ではありません
「ウチの子は外に出さないから大丈夫」と思っていても、ベランダや屋上は意外な盲点になります。
特に、この数年間でマダニの生息域は驚くほど広がっています!
猫ちゃんを外出させる方やベランダなどに出す方は、ノミ、マダニ駆除薬をお忘れなく!反省の念をこめて、筆者からのお願いでした。
みんなのコメント
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品種改良してヒョウを倒せる様な強い猫種を作ればいいんじゃないか。