子猫との出会いは、意外と突然に訪れるものです。
野良犬・捨て犬はほとんど見かけなくなりましたが、捨て猫や野良猫はまだまだ多く見かけます。
そんなことがいつ起きても困らないように、子猫を拾った時の基本的な対応方法を知っておきましょう。
子猫を拾ったその時に、まず確認したいこと
子猫がそこにいて、か細い声で鳴いていたら、思わず保護してあげたくなってしまいますよね。
ですが、ちょっと待ってください。保護する前に、おちついて周囲を確認しておきましょう。
周囲に親猫がいないか確認しよう
道端で鳴いている子猫を見つけたら、まず、親猫や兄弟猫が近くにいるのかどうか確認しましょう。
自分のこどもが突然いなくなってしまったら、親としては、心中穏やかではありませんよね。まずは、周囲の状況をよく確認しましょう。
しばらく観察して、親猫も兄弟猫も傍にいないようであれば、
- 一匹で捨てられた
- 親猫に捨てられた
- 親猫が不幸な事故に遭った
などが考えられます。迷わず保護してあげましょう。
ただし、親猫が近くにいたとしても、野良猫のこどもは野良猫として生きてくことになります。
保護せずに野良猫のままにすることが良いことかどうかは、賛否が別れるところですね。
子猫の健康状態を確認しよう
保護することを決めたのなら、すぐに子猫の健康状態をチェックしましょう。命に関わる状態であれば、早く獣医に連れて行く必要があるからです。
複数の子猫が同時に捨てられていた場合も、その中で特に一匹だけ、特に弱い個体がいる可能性があります。
弱い個体は、なにかと犠牲になる可能性が高いのです。皮膚や毛皮の状態も観察して、ノミやダニ、シラミなどもチェックしましょう。
観察して、あまりにも生命力が弱そうだと思ったのなら、迷わず獣医へ駆け込むことをお勧めします。
生まれたての子猫は、生命力がとても弱く、ささいなことが命の危険に関わります。
注意しましょう。
獣医につれていって、検診してもらおう
拾った子猫がまずまず元気だったとしても、獣医へはなるべく早くかかっておきましょう。野良猫の子猫は、さまざまな病気や寄生虫を持っている可能性があります。
寄生虫を駆除しよう
野良猫の母親から生まれた子猫は、高い確率で、寄生虫の宿主になっています。
瓜実条虫という寄生虫は、宿主である猫を殺すことはありませんが、糞を介してさまざまな生き物に寄生していきます。
つまり、犬や人間も宿主となり得るのです。
この瓜実条虫は、飲み薬で簡単に駆除できます。
病気をもっていないか、診てもらおう
野良猫は、なにかと病気にかかりやすいものです。
また、生まれた時は健康だったとしても、保護されるまでになんらかの病気をもらってしまった可能性もあります。
見た目がなんともないからと言って、油断してはいけません。猫エイズなど、「病気は持っているけれど、目に見える形で症状があらわれていない」という場合もあります。
早い段階で適切な治療をすれば、発症を抑えることが可能な病気もあります。
外見上では病気を持っているように見えなくても、早い段階で血液検査をしておいたほうがよいでしょう。
子猫を迎えるときに用意しておきたいもの
猫を飼うのが初めての場合と、すでに先住の猫がいる場合とがありますよね。どちらの場合も、あたらしい子猫をお迎えする準備が必要になります。
それぞれの方法を考えてみましょう。
猫を飼うのが初めての場合
猫を飼い始めると、徐々に物がそろっていきます。
ですから、ここでは、「子猫を拾ったけど、家には猫用のものがなにもない。おちついたら猫用のものを買いに行くけれど、今どうしたらいいのか」をご紹介します。
まず、子猫用のフードは絶対に用意しましょう。
コンビニなどでも売っていますから、入手は容易なはずです。うっすらでも歯が生えているのなら、子猫用の缶詰や離乳食で大丈夫です。
それ以外に絶対に必要なものは、猫用のトイレです。
ただし、新聞紙やボロ布の感触に慣れてしまうと、猫砂の感触を嫌がるようになります。猫砂に慣らすのが手間になるので、早めに猫砂へとチェンジすることをお勧めします。
寝床は、ダンボール箱に毛布を敷いてあげましょう。寒いようなら、お湯をいれたペットボトルをタオルでくるみ、一緒に入れてあげましょう。
あんかがあれば、使ってあげてもいいですね。その場合も、暑すぎないように温度調節に注意しましょう。
一緒に寝てもいいですが、潰さないように気をつけてくださいね。ベッドの場合は、落とさないようにする注意も必要です。
すでに先住猫がいる場合
すでに先住猫がいる場合は、基本的な猫グッズは揃っていると思います。猫に必要なものについても、知識は持っているはずです。大きな心配はないでしょう。
ただし、先住猫がいる場合ならではの注意点があります。
まず、トイレは先住猫とは別に用意してあげることが必要です。猫は縄張り意識の強い生き物です。
先住猫がひとつのトイレを使っているなら、新しくもうひとつトイレを増やしましょう。
新しく拾った子猫の検診が終わるまでは、たとえ先住猫と仲良くできそうでも、二匹を隔離しておきましょう。もしも子猫が感染症や寄生虫を持っていた場合、先住猫にうつすことになってしまいます。
拾った子猫には、幸せな生活をプレゼントしよう
最近では、地域猫として野良猫を尊重し保護する活動もおこなわれています。自由できままな生活と思えば、野良猫がすべて不幸だとは、一概には言えないかもしれません。
ですが、野良猫には生活の保証がなく、常に危険に晒されているという側面があります。飢えや危険と隣り合わせの生活は、けっして楽ではないはずです。
あなたがもし子猫を拾ったとしたら、拾われたその子猫は、飼い猫として愛されるきっかけを手にすることができたことになります。
安住の地を手に入れられたのなら、その子猫はきっと幸せなはずです。
基本的なポイントさえ押さえておけば、捨てられている子猫を保護するのは、それほど難しいことではありません。
生き物を飼える環境であるのなら、どうか勇気を出して、手をさしのべてみてあげてください。