地震による猫のストレス。飼い主がしてあげられること5つ

猫にとって地震は大変怖い物です。そもそも地震という概念がないため、突然自分の住んでいる家が揺れてしまうと、何が起こったのかわからずに誰かが自分に危害を加えたのではないかと警戒しストレス行動を見せることもあります。

実際に我が家の猫も、地震によってストレス行動を起こしたのと同時に怪我を負ってしまいました。

今回は我が家の愛猫のように怪我をしないためにも知っておいてほしい、地震で強いストレスを感じている愛猫へのケア方法と対策についてご紹介しましょう。

猫が見せたストレス行動

先日我が家の地域を震度6の地震が襲いました。幸いにも被害は少し物が落ちたくらいで済みましたが、大きな地震を経験したことのない3匹の愛猫は大パニックとなりました。

そんな愛猫達が見せたストレス行動をご紹介します。

その場で固まり動かなくなる

一番体も大きくおっとりしている長男猫は、地震が起きたときはキャットタワーで寛いでいましたが、揺れているときも全く微動だにしていませんでした。その様子から、地震にそこまで動揺をしていないのかと思いました。

しかし、それは大きな勘違いで、実際は地震に驚いてその場から動けなくなってしまったようでした。その後、愛猫は私が抱き上げるまで人形のように目を大きくしたまま一歩も動きませんでした。

何かを警戒して部屋中を徘徊する

気が強い、我が家のボス猫は地震発生時、机の下で私と一緒に避難していましたが揺れが治まると部屋の中を警戒しながらパトロールを始めました。

地震という概念が無い猫にとって、突如襲った激しい揺れは何者かの仕業だと考えたのかもしれません。低姿勢になりながら、一つ一つのお部屋を隅々までチェックする愛猫はまさに自分の縄張りを守るという強い使命を抱いた顔をしていました。

押し入れに引きこもる

地震が起きた直後に驚き押し入れに自ら入って何時間も出てこなくなった猫もいます。我が家の猫は、押し入れが大好きで知らないヒトが家にやってきたときや、怖いことがあったときによく押し入れに引きこもっていました。

今回の地震にも心底驚いたのでしょう。いつもはぴったりと締めていたら決して入ることはない押し入れを自分で開けたようです。

押し入れの奥深くに入り込み決して愛猫のことを考えて、最初は無理矢理出さずに自ら出てくるのを待っておこうと思いました。

しかし、地震が発生してから6時間経っても全く出てこようとしない様子にさすがに心配になり、嫌がっている愛猫を無理やり引っ張りだすと、指先から血が出ていました。

地震発生時、あまりにも恐怖を感じたため爪を立てて力任せにこじ開けたためか、爪が3本ほど剥がれてしまっていたのです。幸いにも出血は少なかったのですが、爪がなくなり肉がむき出しになっている姿は本当に痛そうでした。

その後動物病院に行ったのですが、爪は一度取れてしまったら生えてこないこともあると言われて、愛猫に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

▼爪の怪我に関する記事はこちらです
爪を怪我した猫にしてあげるべき4つの手順&病院に行くべき目安

脱走する

知り合いの猫ちゃんは地震に驚いたことで、網戸を突き破って脱走してしまったようです。

普段はそのような行動を取ったことはなく、家が大好きで飼い主様が窓を開けたり玄関を開けたりしても、決して外に出ようとしない猫だったため大変驚いてしまいました。

幸いにも、脱走した猫ちゃんは庭の隅にうずくまっているところをすぐに発見できたそうですが、もし敷地の外に出てしまったらと思うと恐ろしいですよね。

知り合いだけではなく、地震の衝撃に驚いて脱走をしてしまう猫ちゃんは多く地震発生直後は迷子猫の情報でSNSが埋まってしまいます。

それほど地震は猫ちゃんに多大なるストレスを与えてしまう要因となるので、日頃から脱走対策はしっかりしておきましょう。

▼災害によって猫が脱走してしまった場合にそなえて、日頃から対策をしておくべきです
猫が脱走したら。探す場所と探し方、戻ってきてもらうための行動

まだまだある地震直後のストレス行動

上記で紹介したストレス行動は我が家の愛猫についてですが、これ以外にも猫によって様々なストレス行動が見られたようです。

  • 飼い主に噛みつく
  • 引っかく
  • 暴れる
  • 家具の隙間に隠れる
  • 高いところから降りなくなる
  • 猫ハウスや猫ベッドから出てこなくなる
  • 飼い主から離れなくなる
  • 飼い主の姿を見ないと安心できなくなる
  • 餌を食べなくなる
  • 失禁をする

ストレスを感じるとみられる症状や行動はさまざまです。地震という存在を知っているヒトですらこれだけ恐怖心を感じるのですから、何も知らない猫が驚いてパニックになってしまうのは当然ですよね。

▼猫にとって地震は計り知れないダメージであり、それが精神病を引き起こすこともあります
猫にも起こりうる精神病4例。問題行動は性格ではなく病気の可能性も

地震で大きなストレスと恐怖を感じている猫にできる対処法

地震の発生は自然現象のため、私たちが止めることはできませんが地震発生後にパニックになっている愛猫を落ち着かせてあげることはできます。

我が家の爪を怪我した愛猫も、私がもっと早く落ち着かせてあげていれば怪我をしなくても済んだかもしれません。

もし、地震が起きたときに我が家の愛猫のように痛い思いをしないように、地震でパニックになり大きなストレスを感じている猫を落ち着かせる方法をご紹介します。

脇の下に手を入れ揺らす

猫が地震に恐怖を感じるのは、地震という存在を知らないためです。なぜ揺れているのか?誰がこんなひどいことをしたのか?それがわからないためパニックになります。

そんな地震に驚いている愛猫に効果的な落ち着かせる方法として試してほしいのが、猫のわきの下に手を入れて持ち上げ、ぶらぶらと揺らすというものです。

こうすることで、猫も揺れている原因は飼い主様がいたずらをしている、あるいは意味不明なことをしていると思い、とりあえず安心はしてくれるようです。

ぶらぶら揺らされる猫の写真

このように持ち上げて軽くぶらぶらと揺らしてあげるといいようです。もし地震に驚いていたら、恐怖を感じてパニックになる前に猫を揺らす方法を試してみてください。

背中を触り揺する

愛猫を持ち上げなくても地震発生時に驚き固まっている瞬間に、背中を触りながら軽く揺すってあげるのも効果的です。地震発生直後は猫だけでなく、ヒトも動揺しています。

そんな動揺している状態で愛猫を揺らすという考えまで及ばないかもしれませんが、愛猫が恐怖で震えているのであれば優しく背中を触るスキンシップをとってあげましょう。

横抱っこをして揺らす

猫を横抱っこしてゆりかごのようにして揺らす方法も効果的だという情報があります。普段横抱っこが好きな猫ちゃんだったり、重くて両手でしか抱っこをできない猫ちゃんならば、横抱っこをするほうがいいかもしれませんね。

ぎゅっと抱きしめる

あまりにも激しく暴れて抵抗をする猫ちゃんには難しいかもしれませんが、地震が発生したときは両手でギュッと抱きしめながら優しく声をかけてあげると、すぐに落ち着きを取り戻してくれたという飼い主様もいます。

猫にとって飼い主様はもっとも安心できる存在です。そんな飼い主様に抱きしめられ守られているのであれば、ストレスを感じても恐怖心をそこまで感じなくて済むかもしれませんね。

▼猫が安心してリラックスできる抱き方を、普段より心がけましょう
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普段通りの生活を送らせてあげる

地震発生後は猫もストレスをため込み、何もかもに恐怖を感じてしまいます。しかし、そこで飼い主様が普段とは違う様子だったり、不安そうな顔をしていたら愛猫は余計に不安な気持ちになってしまいます。

そんな愛猫に少しでも早く、日常生活に戻ってもらうためには普段通りの生活を送らせてあげることと、普段通りの優しい態度で愛猫に接してあげることが重要となってきます。

被災をしてしまった場合は、普段通りの生活や普段通りのコミュニケーションをとるのは難しいかもしれません。

しかし、いつもと同じようにたくさん話かけてあげて、優しく触ってあげて、たくさん大好きだよと伝えてあげるだけでも、猫は安心をしてくれます。

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愛猫のストレスを考えるならば、地震発生後は普段と変わらない生活と態度を心掛けてあげましょう。

猫は地震のストレスが原因で死にいたるのか

猫は地震を経験すると多大なるストレスを感じて様々な症状を引き起こすことがあります。その中でも、飼い主様がもっとも心配なのは地震のストレスが原因で死にいたることはあるのか?ということです。

地震に限らず、猫はストレスを感じることで様々な病気を引き起こす原因となることがあります。

もともとストレスに弱い動物として知られる猫ちゃんですから、ストレスが直接の死因にならなくても、地震によるストレスが引き金となって病気を発症したり、突然死を引き起こす可能性はあるのです。

▼猫の突然死についてはこちらをご覧ください
悲しすぎる猫の突然死…原因となる病気と兆候でみられる症状

実際にあった例でいうと、地震の発生によって大きなストレスを感じた猫ちゃんが餌や水を一切摂取しなくなったというものがあります。

これは地震によってPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状を引き起こしてしまうのが原因だと考えられています。そのため、どれだけ診察をしても病気や異常は発見できず、治療ができないのが厄介なところです。

通常ならば、2~3日程度で餌や水を摂取するようになりますが、中には1週間以上も摂取せず、脱水症状や栄養失調を引き起こすだけではなく、水を飲まないことで引き起こされる腎不全や泌尿器系の病気によって突然死することもあります。

猫のストレスと突然死との関係はいまだに解明されていない部分も多いですが、ストレスが原因で病気を悪化させるのは事実です。

地震を経験しているのにストレスを感じさせないようにしろというのは、正直不可能に近いでしょうが飼い主様がフォローをしてあげるだけで軽減できます。ぜひ、愛猫のためにも地震直後のストレスには気を付けるようにしましょう。

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猫が地震でストレスを感じたらすかさずフォローをしてあげよう

猫にとって地震はストレスの原因以外の何物でもありません。地震が発生しないことが一番いいのですが、自然現象を止めることはできません。しかし地震の発生後に愛猫をたくさんフォローをしてストレスを軽減させてあげることはできます。

地震に傷つき恐怖を感じている愛猫を気遣いながら、たくさん甘えさせてあげてはいかがでしょうか?

みんなのコメント

  • 小夜 より:

    地震のときの対策として、日頃から意識を高めていく重要さを、痛感しますねぇ。ニャン子達の為にもね(^o^)🐱

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