みなさんも「ギネス」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
ギネス世界記録といえば外国の特別な人たちが挑戦するものと思われがちですが、実は日本でもさまざまな記録が認定されているのです。
例えば、プロ野球の通算最多安打数である4257本を記録したイチロー選手や、スマートフォンのアプリで最多ダウンロード数である1億3000万回を記録したポケモンGOなど、私たちの身近な人や物のなかにもギネス世界記録は存在します。
地球上のあらゆる世界一を認定してきたギネス。そんなギネス世界記録に、猫ちゃんが認定された項目があることをご存知ですか?
今回は、世界一の記録をつかんだかわいい猫ちゃんたちについてご紹介します
人間だけじゃない!ギネス世界記録をもつ猫たち
ギネス世界記録は人間だけでなく、動物の記録も数多く登録されています。
動物のなかでも特に人気なのが、猫ちゃんが獲得した世界記録。
長寿や長身など、世界一に認定されたスター猫ちゃんについてご紹介します。
これらの記録は過去のものです。世界一の記録は今もどこかで更新されています。
長すぎる猫に小さすぎる猫!?
アメリカのネバダ州に住むに住むメインクーンのストゥーウィーちゃん。
なんとストゥーウィーちゃんは「 最も長い尻尾を持つ猫」と「最も長い猫」の二つのギネス世界記録に認定を受けた猫ちゃんなのです。
メインクーンといえば穏やかな性格と大きな身体をもつ猫として有名ですが、ストゥーウィーちゃんの全長は123センチという驚異の長身で世界一を記録しました。
残念なことに今はもう亡くなってしまったストゥーウィーちゃんですが、飼い主さんや近所の人たちからも大変愛された猫ちゃんでした。
また、世界一小さい猫ちゃんもギネス世界記録に登録されています。
成猫であるにもかかわらず足から肩まで13.5cmしかないというマンチカンのピクセルちゃん。
実はピクセルちゃんのお母さんであるフィズガールちゃんは、15センチでギネス世界記録に認定されているのです。
親子の飼い主は小さな二匹と暮らすなかで、ドアの開け閉めや足元にかなり気を使っているそう。いつまでも子猫のようでかわいらしいですね。
健康第一!太った猫ちゃんはかわいいけど・・・
世界でもっとも体重の重い猫として知られているのは、メインクーンという猫種です。
メインクーンのオス猫の平均体重が6~8キロなので、なんと20キロを超えてしまう猫ちゃんも!
しかし、以前は動物の体重の重さなども登録されることがありましたが、今では動物愛護の観点から問題視されることもあるそうです。
ギネスワールドレコーズ社の審査基準も、時代に従ってだんだんと変化しています。
もちろん、世界記録に登録される猫ちゃんたちは、飼い主に愛されて育った猫ちゃんがほとんどです。無理やり太らせたような結果ではありません。
世界記録のために猫ちゃんの命を危険にさらすような人があらわれないように、対策を考える必要があるのです。
いつまでも長生きしてほしい。飼い主孝行の猫ちゃんたち
猫ちゃんの寿命は、猫種や個体差もありますが、15歳前後といわれています。外で生きている野良猫たちは、さらに短くなります。
平均15歳といわれる寿命のなか、史上最も長生きした猫としてギネス世界記録に登録されているのはクリーム・パフちゃんというメスの猫です。
1967年8月3日に産まれ、2005年8月6日に亡くなったクリーム・パフちゃんは、なんと38才と3日も生きました。
平均の倍以上を生きたこの長寿記録は、人間に換算すると168歳。おどろきの長生きですね。
いまだにこの記録をやぶった猫ちゃんはいないそうですが、クリーム・パフちゃんの飼い主であるジェイク・ペリーさんは、グランパ・レックス・アレンちゃんという34才2ヶ月の長寿記録をもつ猫ちゃんも飼っていたのです。
同時期に同じ飼い主さんのもとで育った長寿猫たち。長生きの秘訣を教えてほしいですね。
また、2016年にはアメリカのテキサスに住むシャム猫のスクーターちゃんが、現存する最長寿の猫として認定されました。
スクーターちゃんは1986年生まれで、人間でいえば100歳をとっくに超えている年齢です。
猫の寿命は食事や生活環境の改善によって、昔よりも大きく伸びているそうです。
愛猫にはいつまでも健康で長生きしてほしいもの。私の猫たちも、いつか最長寿の猫として認定されたいものです。
アメリカで起きた奇跡。二匹同時に世界一を記録した猫たち
アメリカのミシガン州住むシグナスとアークトゥルス。
この二匹は同じ家に暮らす猫なのですが、どちらもギネス世界記録に認定されたスター猫ちゃんなのです。
メインクーンのシグナスは44.66センチの長いしっぽで世界記録をもっています。
公式測定に居合わせたサバンナキャットのアークトゥルスは、背の高さが48.4センチと、こちらもギネスワールドレコーズに認定されました。
飼い主さんがSNSに投稿したシグナスの長いしっぽが、ギネスワールドレコーズ社のスタッフの目にとまり、測定を行うことになったそう。
測定時に近くにいたアークトゥルスの大きさにおどろいた認定員が高さを測ったところ、世界一背の高い猫として認定されました。こんな偶然があるんですね。
残念なことに、この二匹は自宅で発生した火災によって亡くなってしまったそうです。冥福をお祈りします。
子育てが大変?世界一に登録されている子だくさん猫
猫は一度に3~5匹の子を出産することもありますが、ギネス世界記録に登録されている記録はさらにすごい数です。
イギリスのオックスフォードシャーに住んでいた、バーミーズとシャムのミックスのタラウッド・アンティゴンちゃんは、1970年8月7日になんと19匹の子猫を出産。
その内の4匹は残念なことに死産でしたが、生存していた15匹のうちオスが1匹、メスが14匹でした。
出産でのギネス世界記録は、ほかにもあります。
イギリスのスタッフォードシャー在住のジョージ・ジョンストンさんの愛猫、キティちゃんは30歳の高齢で2匹の子猫を出産しました。
生涯に生んだ子猫の数は、218匹ですが、キティちゃんがギネス世界記録に認定されたのは最高齢出産記録です。
猫は妊娠期間が3~4か月と短いので、子どもを産んですぐまた次の子を産むなんてこともあります。
アメリカのテキサス州に住むタビー猫のダスティちゃんは、もっとも多く子どもを産んだ猫としてギネス世界記録に認定されています。
1952年6月12日の最後の出産まで、なんと生涯420匹の子猫を生んだそうです。
子猫がたくさんいるのはかわいらしいですが、母猫は育児が大変そうですね。
ネズミ捕獲数世界一!ネズミ捕りのプロフェッショナル
ウイスキーキャットをご存知ですか?
ウイスキーの原料である大麦をネズミから守るため、蒸留所の敷地内で飼われている猫のことです。そこに世界一ネズミを捕獲したスター猫ちゃんがいます。
この記録を持つ猫の名前は、タウザーちゃん。スコットランドにあるグレンタレット蒸留所でウイスキーキャットとして働きました。
彼女は、1963年4月21日から1987年3月20日までの24年間の生涯で、1日平均3匹、通算28,899匹(概算)という膨大なネズを捕えたとしてギネス世界記録に認定されています。
タウザーちゃんが亡くなると、彼女への感謝を込めて銅像がたてられました。
また、Fairlie’s Light Highland Liqueurには、肉球のマークがデザインされているそうです。
猫に関するちょっとかわったギネス記録も
マレーシアで少しかわった猫のギネス世界記録が認定されました。
猫の街として有名なマレーシアのクチン市。実は「クチン」とは、マレー語で猫を意味する言葉です。
猫を愛してやまないクチン市の人たちが、猫の衣装や化粧でなんと440人も集まり、猫のコスプレをした人の最大の集まりという項目でギネス世界記録に認定されました。
子どもたちもギネス世界記録への挑戦に大興奮したようで、大盛り上がりだったそうです。お祭りのようで楽しそうですね。
猫に関する項目で世界一を獲得したクチン市は、晴れてキャットタウンに認定されました。
世界一を決めるのは誰?ギネス世界記録の認定方法とは
「みんなでギネスに挑戦しよう!」という番組もあるように、日本でも多くの人がギネス世界記録に申請し、認定されています。
ギネス世界記録は今も世界のどこかで挑戦されているワールドワイドなプロジェクトなのです。
世界中の一番を集めるに至った歴史や、公式の認定方法などについてご説明します。
ギネス世界記録はあのギネスビールと関係があるって本当?
ギネスと聞けば、ビール好きな私はあのクリーミーで琥珀色のギネスビールを思い浮かべます。
実は、ギネスビールとギネス世界記録には、深い関係があるのです。
約60年前、ビール会社「ギネス醸造所」の取締役だったサー・ヒュー・ビーバーは、アイルランドで仲間と狩りをしていました。
狩猟中にはじまった「ヨーロッパで一番速く飛ぶ狩猟鳥はなんだろう」という何気ない会話から、世の中のさまざまな世界一を記録した本をつくろうと思い立ったのです。
ここから生まれた本が、ギネスブック・オブ・レコーズ(ギネス世界記録)です。
この本には、
- 驚異の人間
- 動物
- 乗り物
- 地球
- 宇宙
などさまざまなジャンルの世界一が収録されています。
ギネスブック・オブ・レコーズは1955年に初版が刊行して以来、毎年出版されています。2000年にはギネス醸造所から独立し、タイトルもギネス・ワールド・レコーズに変更されました。
20か国語に翻訳され、世界100か国以上の本屋に並び、1億3800万部も販売されたギネス・ワールド・レコーズは、ベストセラーとして世界中で楽しまれているのです。
世界一に認定されるためにはどうすればいいの?
現在5万件以上の記録を保持しているギネス世界記録。記録を申請して認定されるまで、さまざまな手続きが必要となります。
何かの記録を出してすぐに世界一の認定を受けることができるわけではありません。
ではギネス世界記録に認定されるためにはどうすればいいのでしょうか。
イギリスのロンドンにあるギネスワールドレコーズ社が世界一だと認定した記録が、ギネス世界記録となるので、まずは協会へ申請を行わなければなりません。
日本であれば、ギネスワールドレコーズの日本支社に申請が必要です。日本でも毎年1000件ほど、世界一を目指して申請がくるそうです。
記録の挑戦に年齢制限はありませんが、13歳以下の子どもは保護者の同意が必要となります。
審査基準は大きくわけると
- 計測できるかどうか
- 証明できるかどうか
- 特別な道具や場所じゃなくてもできるかどうか
- 誰でも記録を破ることができるかどうか
の4つです。
審査はとても厳しいものですが、これまで前例のないような新しい申請には特に時間をかけた審査が行われます。
世界中の人たちが平等に審査されるためにも、厳重で公平な審査が必要なのです。
もちろん、
- 法律や道徳に反する挑戦
- 環境に悪影響を及ぼす挑戦
- 本人や観客、周囲の人たちを大きな危険にさらす挑戦
などは認められていません。
年間何万件もの申請がありますが、厳しい審査を通って世界一と認定される記録は約4~5%ほどです。
申請が受け付けられると、ルールなどが書かれたガイドラインが申請者のもとへ送られてきます。
このルールを少しでも破ってしまうと即失格です。ガイドラインを読み込み、しっかり理解しましょう。
記録の挑戦には、その様子がわかる映像などの証拠をギネスワールドレコーズ社に提出するか、現場にギネスワールドレコーズ社の公式認定員をよんで判定してもらう必要があります。
公式認定員はルールを守っているかどうかチェックしたり、記録を測定する専門スタッフです。派遣費用だけでなく、移動費や宿泊費も挑戦者の負担となります。
挑戦に成功し、誰も成しえたことのない記録が認められれば、世界一であるという認定書が送られます。
知名度の高いギネス世界記録は、個人だけでなく、企業や町おこしなど、その経済効果についても注目が集まっています。
愛猫が世界一になる日がやってくるかも
世界一の猫ちゃんをたくさんご紹介しましたが、今回ご紹介した以外にもおもしろいギネス世界記録はたくさんあります。
例えば、イギリスの億万長者だったベン・リーさん。
愛猫のブラッキーちゃんに1500万ポンド(約26億円)もの大金を遺産として残し、世界一のお金持ち猫として認定されました。
また、日本に住むスコティッシュフォールドのまるちゃんは、YouTubeで最も視聴された動物として世界一に記録されています。
このように、さまざまな項目で世界一が登録されるギネス世界記録。
愛猫ちゃんと一緒に挑戦してみてはいかがですか。
みんなのコメント
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世界一短い尻尾を持つ猫ちゃんを調べて欲しいです。