キャットフードの種類別の特徴。ドライ、ウェット、缶詰どれにする?

ペットショップには選びきれないほどのキャットフードが並べられています。

「ドライフードがお得だから」「缶詰は猫ちゃんがよろこぶから」など、フードの種類のちがいや、メリット・デメリットを知らずに購入していませんか?

毎日食べ続けるキャットフードだからこそ、私たちもしっかりその特徴を知っておきたいですよね。

今回は、キャットフードの種類とその特徴についてご紹介します。

どれを選べばいいの?キャットフードの4種類の特徴

キャットフードの種類は大きくわけて

  • ドライフード
  • ソフトドライフード
  • セミモイストフード
  • ウェットフード

の4つに分類されます。

そのフードごとの特徴についてご紹介します。

これが主食!ドライフードには栄養がたくさん

ドライフードは基本的に猫の主食となるものです。どこのペットショップでも、大袋で売られています。

水分の含有量が10%以下で、加熱処理されている、いわゆるカリカリとよばれるフードです。

ドライフードは猫の栄養バランスを考えてつくられた総合栄養食です。猫に必要な毎日の栄養は、基本的にこのフードのみで摂取することができます。

また、硬さがあるので歯石がつきにくく、歯周病の予防にもなります。

乾燥したフードなので密閉管理で長期保存しやすく、保存方法を工夫すれば2~3ヵ月もつことも。

ウェットフードよりは賞味期限が長いものの、空気に触れた瞬間から酸化がはじまります。直射日光を避けた密閉保存が必要です。開封後すぐにタッパーや専用のフードストッカーに保存してください。

また、乾燥している食べ物なので、ドライフードだけでは便秘がちになってしまいます。ドライフードと一緒に水分も用意しましょう。

しっかり噛まないと食べられないフードなので、歯が悪い猫やシニアの猫には向いていません。

ドライフードよりやわらかく、食べやすいソフトドライフード

ソフトドライフードは水分を20~35%ほどふくんだキャットフードです。

ドライフードと同じようにつくられますが、最後の乾燥の過程がありません。水分を保つために湿潤調整剤を使ってしっとり感を出します。

形状もドライフードと似ていますが、少し水分量が多いので、食欲のない猫ちゃんにぴったりです。

品質を維持するために防カビ剤などの添加物が多い傾向があります。パッケージの表記をきちんと確認してから購入しましょう。

セミモイストフードは与えすぎに注意して

セミモイストフードは、ドライフードとウェットフードの中間のフードです。

水分が25~40%ふくまれているので、一般的なドライフードよりも食感が猫好みのものが多く、食欲がないときも最適とされています。歯が弱くなってドライフードが食べられないシニアの猫にもおすすめです。

しかし、いわゆる半生のフードなので、防腐剤などの猫の身体に良くない添加物がふくまれている場合もあります。きちんとパッケージを確認してから購入しましょう。

缶詰やパウチで販売されているので、持ち運びに便利です。開封前は常温で長期間保存できます。開封後は空気が入らないよう密閉して冷蔵庫に保存し、早めに食べきるようにしてください。

また、主食としてセミモイストフードを与えると、糖質・カロリー過多による肥満を引き起こすことがあります。

あくまでもドライフードを主食とし、1日の必要カロリーをオーバーしてしまわないように気をつけましょう。

みんな大好き!ウェットフードは消化も食いつきも◎

ウェットフードとは、水分を75%以上ふくんだキャットフードです。

魚や肉をほぐした形状のフードで、缶詰タイプやパウチタイプのものがあります。

ウェットフードは味の種類が多く、においが強く残っているので、猫の満足度が非常に高いフードです。

一般的な成猫の主食はドライフードですが、食欲がないときや高齢の猫にウェットフードを与えると、食いつきが良くなることも。

やわらかく、消化にも良いので、お腹の調子が悪い猫や消化器官が発達していない子猫にも向いています。

また、水分含有量が多く、食べるだけで水分が摂取できるので、水を飲むのが苦手な猫にもおすすめです。

デメリットのひとつには価格があります。ウェットフードはドライフードのように大袋で売られることがなく、個別包装のため、量に対して値段が高めです。

また、食べかすが残りやすく、歯周病や口臭の原因になってしまうこともあるので、歯磨きなどできちんとケアしてあげる必要があります。

基本的に日持ちしないので、開封後すぐ食べきりましょう。タッパーやラップなどで冷蔵した場合も、次の日には食べきってください。

消化しやすいので、ドライフードに比べると腹持ちが悪いという特徴もあります。

私たちに食べ物の好き嫌いがあるように、猫にも好みがあります。

猫の好みは、キャットフードの味や風味などのフレーバーによって変わります。ウェットフードが好きな猫・肉味が好きな猫などさまざまです。

最近食欲がないなと思ったら、別のドライフードを混ぜてみたり、ドライフードの上にウェットフードを少量のせるなど、工夫して食欲を増進させてあげましょう。

無添加、国産…?まだまだあるキャットフードの気になる特徴

みなさんは、キャットフードのパッケージに

  • グレインフリー
  • 無添加
  • ナチュラル
  • プレミアム
  • 国産・日本製

などの表示を見たことがありますか?

数え切れないほどのキャットフードのなかには、人間の食べ物には書かれていない、わかりにくい言葉が並んでいることも。

キャットフードに書かれた表示の意味を知ることで、愛猫にぴったりのフードを選びましょう。

穀物を消化しづらい猫にはグレインフリーフードを

グレインフリーとは、原材料に穀物を一切使っていないフードを指します。

猫は本来肉食の動物なので、穀物にふくまれている植物性タンパク質を分解する機能がありません。

安価なフードには、コストを安くするために穀物をたくさんつかっているものもあります。消化できない穀物は身体に貯蓄され、アレルギーを引き起こしてしまう可能性も。

できれば穀物が使われていない、グレインフリーのフードを選びましょう。

余分なものがふくまれていない無添加フードで安心安全な食事を

キャットフードには肉や魚などの主原料のほかに、たくさんの添加物がふくまれている可能性があります。

  • 着色料
  • 保存料
  • 酸化防止剤
  • 香料

など、猫には必要がない成分ばかりです。

人間より何倍も小さい猫の身体は、添加物を体内から排出・中和する能力が弱いので、添加物の悪い影響をダイレクトに受けてしまいます。

無添加のフードは保存期間が短いなどのデメリットもありますが、できれば添加物が少ないものや無添加の表示があるフードを選びましょう。

さまざまな基準をクリアしたナチュラルフード

ナチュラルフードとは、その名の通り、人工的な保存料や香料、着色料などの添加物を使わず、自然に由来した天然素材の原料のみでつくられたフードを指します。

「ナチュラル」という言葉はどのフードにも表示できるわけではありません。原材料だけでなく、加工・製造過程もこだわってつくられた天然・自然のフードなのです。

しかし、いつものフードからナチュラルフードに変えると、あまり食べてくれなくなるケースがあります。

これは、従来のフードには食いつきを良くする添加物がふくまれているため、ナチュラルフードのにおいや味の薄さに慣れないからです。

はじめは従来のフードに少しずつ加え、だんだん割合を多くして1ヵ月くらいかけて変えていきましょう。

質の高いプレミアムフードは健康に直結する

プレミアムフードとはその名の通り、人間が食べられるほど質の高い原料でつくられたプレミアムなフードを指します。

明確な定義はありませんが、品質を重視したフードで、AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準をクリアしたフードを指すことが多いです。

一般的に、安いキャットフードは肉類よりも穀物の割合が多く、猫によくない添加物を使っているケースもあります。

プレミアムフードは厳しい安全基準によってつくられているので、安いフードよりも高い安全性が確保されています。

通常のフードからプレミアムフードに切り替えることで、

  • 食いつきが良くなった
  • 便秘・軟便が治った
  • 毛のつやが良くなった

など、猫の健康改善も期待できます。

添加物がほとんどふくまれず、栄養バランスにも優れているため、一般的なフードよりも少しだけ割高ですが、猫の身体を第一に考えたフードを選びましょう。

本当に国産・日本製フードが良いの?

私たちが食材を買うとき、気にすることのひとつに「国産・日本製」であるかどうかというものがあります。やはり、海外のものより国産の食材に安心感をもつからです。

しかし、キャットフードは必ずしもそうとは限りません。

日本で製造・加工されたフードにも、悪質なものはたくさんあります。

国産だ!とすぐに信用したり、つくられた国で選ぶのではなく、原材料や保存料・香料などの添加物についてもしっかり確認してから購入しましょう。

パッケージの主原料をきちんと確認しよう

キャットフードのパッケージには、フードにふくまれるさまざまな原料について記載されています。

主な原料として、

  • 野菜

があります。

主原料を知ることで、飼い猫の好き嫌いもわかるので、必ず確認してから購入しましょう。

それぞれの主原料の特徴についてご紹介します。

猫は肉食!どんなお肉が使われているの?

キャットフードのパッケージに記載されている「肉」という文字。私たちは人間用の肉製品をイメージしますが、実際はすこしちがいます。

肉とは、処理された動物からとれた汚染されていない肉を指します。

よく利用されているのは、

  • 鳥の胸肉
  • 七面鳥
  • 牛肉
  • ラム肉

などです。

また、肉副産物という表示を見ることもあるかと思います。

肉副産物とは、肉以外の汚染されていない、かつ精製されていない部分を指します。

  • 脾臓
  • 腎臓
  • 肝臓
  • 血液
  • 胃腸(内容物は除く)

などで、毛、角、歯、ひづめは含まれません。

猫はもともと肉食であることを考えれば問題はないのですが、一般的に私たちの食用には適さない部分のため、猫の健康にはよくないと考える人もいます。

猫といえば魚というイメージのある方も多いと思いますが、本来、猫は肉食です。

肉には猫に必要なタンパク質が多くふくまれています。タンパク質は身体を動かしたり、栄養素を運搬するために必要不可欠な成分です。

肉が主原料のキャットフードで、高タンパクかつバランスの良い食事を目指しましょう。

魚にふくまれる栄養素で免疫力を上げる

魚もキャットフードの主原料としてよく見られます。

表記に「フィッシュミール」「魚介類」としか書かれていない場合、さまざまな魚がごちゃ混ぜで使われていることもあるので、きちんと表記を確認しましょう。

よく使われている魚に

  • サーモン
  • マグロ
  • アジ

などがあります。

魚には良質なタンパク質や、DHAなどの血流をさらさらに改善してくれる成分がたくさんふくまれています。

また、白身魚は低カロリー高タンパク質なので、ダイエット中の猫にもおすすめです。

できるだけ新鮮で安全な魚がつかわれているものを選び、添加物にも注意しましょう。

猫に野菜は必要?キャットフードにふくまれる野菜とは

もともと肉食の猫は、野菜や穀物を消化する力が少ないといわれています。

また、猫が食べると危険な野菜も多くあるので、私たちが独断で与えるのは危険です。

野菜が入ったキャットフードなら、猫に必要なビタミンやミネラルを消化しやすく摂取することができます。

キャットフードにふくまれる野菜は、

  • サツマイモ
  • にんじん
  • トマト
  • ほうれん草

など、私たちが食べている野菜と同じような原料が使われています。

野菜にふくまれるビタミンや食物繊維は、便通を整え、消化不良を改善してくれます。

猫によっては合わないものもあるので、体調を見ながら与えてあげてください。

愛猫の楽しい食生活のために

それぞれのフードにそれぞれのメリットがあります。普段はドライフードでも、食欲不振だなと感じたらウェットフードを与えるなど、猫の体調にあわせて柔軟にフードを選びましょう。

また、添加物を使っていないフードや、人間が食べることができるくらい自然由来につくられたフードなど、猫の身体を考えてつくられたフードもたくさんあります。

これらのフードは、「賞味期限が短い」「価格が高い」などのデメリットもありますが、ぜひ一度試してみてください。

猫が毎日生きる上で一番の楽しみは「食事」であるといっても過言ではありません。

猫の嗜好や健康状態を考えながら、楽しい食生活を送れるよう工夫しましょう。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ