国産・外国産どちらが良いの?愛猫のキャットフードの選び方

スーパーで買い物しているとき、日本でつくられたものと外国でつくられたものがあれば、つい日本でつくられたものを選んでしまいませんか?

私たちは日本産や国産、Made in Japanと表記されている食材に大きな安心と信頼をもつ傾向にあります。

しかし、キャットフードは必ずしもそうとは限りません。

今回は、国産フードと外国産フードそれぞれのメリット・デメリットや、良いフードを選ぶためのポイントについてご紹介します。

国産と外国産、キャットフードはどちらを選ぶべき?

キャットフードのパッケージをよく見ると、原産国を確認することができます。

この表記されている原産国とは、ペットフードの最終加工工程が行われた国を表すものです。

原材料がアメリカ産でも、日本で加工されれば原産国:日本と表記されるので、きちんと確認して購入しましょう。

国産と外国産のキャットフードの特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。

安くて美味しい!?国産フードのメリットとは

一般的に国産のキャットフードのメリットとして、

  • 価格が安い
  • 味付けの種類が豊富
  • 猫の嗜好性が高い

などがあげられます。

国産のフードは、外国産に比べると安価な傾向にあります。

さらに味の種類が大変豊富なので、ひとつのフードに飽きてしまった猫ちゃんにもぴったりです。

年齢にあわせたフードも豊富にあるので、子猫からシニアの猫まで愛猫にあったフードをさまざまな種類から選ぶことができます。

また、遠くから船などで輸送する必要がないので、製造元から自宅に運ぶまであまり時間がかからないこともメリットのひとつです。

キャットフードのパッケージに使われる缶詰や袋も、日本製のものは日の当たる場所でも酸化しない工夫が施されているなど、丈夫につくられている傾向があります。

日本はペットフード後進国!?国産フードのデメリットとは

2009年6月に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されました。

ここでの「愛がん動物」とは犬・猫を指します。つまり、犬や猫の食べ物に関する法律がつくられたということです。

ペットフードだけでなく、犬や猫用の

  • ミネラルウォーター
  • おやつ
  • サプリメント

などもこの飼料のなかにふくまれています。

逆にいえば、この法律が施行されるまでペットフードに関する取り締まりが一切なかったということです。恐ろしいですね。

驚くべきことに、日本ではペットフードは「食品」ではありません。

これは裏を返せば、食品では使うことのできない添加物や原材料がふくまれている恐れがあるということです。

日本がペットフードに関する歴史の浅い後進国だということがお分かりいただけたかと思います。

国産のキャットフードは、猫の嗜好にあわせて食感やにおいなどを工夫し、さらに飼い主がおいしそうに見えるように肉や野菜の色をつけているフードが多く見られます。

これらはすべて

  • 湿潤調整剤
  • 香料
  • 着色料

などの「添加物」によって付属されているものです。

添加物は毎日摂りすぎることで猫の小さな身体にどんどんたまっていき、疾患やときにはガンなどのひどい病気を引き起こす場合もあります。

もちろん、国産でも無添加な原材料を使用した良質なフードも存在しますが、価格の安すぎるフードには気をつけてください。

外国産は安全・安心って本当?外国産フードのメリットとは

日本ではペットフードが雑貨として扱われる一方、海外、特に欧米諸国はペットフードの先進国であるといわれています。

動物に関する法律がきちんと定められているため、ペットフードの品質管理だけでなく、カロリーの算出や栄養バランスについても厳しい安全基準に従ってつくられています。

例えばアメリカにはAAFCOとよばれるペットフードの栄養基準やラベル表示に関するガイドラインをつくる協会があります。

AAFCOとは、米国飼料検査官協会(Association of American Feed Control Official)の略称で、いわゆるアメリカの飼料を管理する公的な協会です。

厳しい規定のなかには「肉タンパク質の原料は綺麗に洗浄した骨や肉であること」などの決まりもあり、私たち人間が口にする食品と同じくらいの安全性を想定してつくられています。

この基準は世界的にスタンダードなものとして採用されていて、日本のペットフード公正取引協議会の規約はこのAAFCOの栄養基準に従っています。

キャットフードの良し悪しの判断材料にはなりますが、AAFCOは基準を提示している機関なので、フードの検査や認定・承認は行いません。

そのフードがAAFCOの基準を満たしている場合、「AAFCO合格」「AAFCO承認」ではなく、「AAFCOの基準クリア」「AAFCOの基準に適合」という表現になるので、一度キャットフードのパッケージをチェックしてみてください。

AAFCOは原料の品質について細かい指定がないので、表示を見て安心するのではなく、原材料や添加物などについてきちんと確認し安全・安心なフードを選びましょう。

また、動物愛護の先進国であるイギリスは、獣医師と連携して栄養バランスを調整するなど、良質なフードが多いといわれています。

農業大国であるオーストラリアは、遺伝子組み換えを使った原材料やホルモン剤の規制が大変厳しく、私たち人間が食べられるレベルの原材料をつかうことで、猫の身体を一番に考えたフードをつくっています。

外国産のキャットフードは、食感や味付け、おいしそうな見た目よりも、安全であることに重きをおいていることが特徴です。

いつも同じだと飽きちゃうかも!外国産フードのデメリットとは

外国産のフードは国産のものに比べて値段が高くなりがちです。

外国産のフードは主原料が肉・魚のものが多く、栄養価は高いのですが、その分コストがかかってしまうからです。

また、外国産のフードは味の種類が少なく、猫が飽きてしまうことも。

日本産のパッケージ袋や缶詰の技術が優れている一方、外国産はまれに缶詰に隙間があいているなど、ミスもあるので注意しましょう。

さらに、外国産のフードはコストを下げるために船で何か月もかけて輸送されるものもあり、輸送中にもフードの賞味期限は過ぎていきます。

そういったフードは、品質を守るために保存料や酸化防止剤などの添加物がたくさん使われている場合もあるので、短期間で輸送されているフードを選びましょう。

外国産だからといってすべてが安全・安心できるフードではありません。原材料や添加物など、きちんと表記をチェックして購入しましょう。

国産フード・外国産フード共通!良質なフードを選ぶポイント

すべてのキャットフードにいえることですが、国産でも外国産でも、安すぎるフードを選ばないようにしましょう。

良質なフードは原材料も新鮮なものを使用し、製造工程にも気を配っているため、必然的にコストがかかります。安すぎるフードは猫に良くないものがふくまれていると思ってください。

国産フード・外国産フードにも共通する、良いキャットフードを選ぶポイントをご紹介します。

原材料に注目!その表記、本当にお肉?

キャットフードのパッケージに注目してみましょう。原材料のはじめに何が書かれていますか?

この原材料、実は使われている成分が多いものから表記されているのです。

原材料のはじめのほうに「穀物」がふくまれているフードは避けましょう。コストを下げるために穀物が多く配合されていることがありますが、猫は穀物を消化できません。

キャットフードを選ぶときは、原材料に魚や肉が豊富にふくまれているものを選んでください。

本来肉食の猫にとって、動物性タンパク質がたっぷりふくまれた魚や肉は、必要不可欠な栄養素です。

単純に「肉」といっても、ミールや副産物、エキスという言葉に注意しましょう。

原材料費を抑えてキャットフードの量を増やすとき、この成分の割合を増やしてかさ増ししている可能性があります。

たとえば原材料に「チキン生肉」と表記されているのに「チキンミール」もふくまれている場合、表記が別ということはチキンミールにはチキンの生肉が入っていないことになります。

このようなフードはできるだけ避け、新鮮な魚や肉が使われているフードを選びましょう。

古いフードに注意!製造日をチェック

キャットフードの品質が高い欧米諸国から輸入されてきたものでも、製造年月日が古いものは避けましょう。

航空便ではなく、船便で数ヶ月かけて送られてきたものは、輸送の環境が必ずしも良かったという保証がありません。必ず新しい製造日のものを選んでください。

添加物を避けてナチュラルでおいしいフードを

添加物はすべてが悪いものではありませんが、

  • 着色料
  • 保存料
  • 酸化防止剤
  • 香料

など、猫には必要がないものもあります。

人間より何倍も小さい猫の身体は、添加物を体内から排出・中和する能力が弱いので、国産のフードも外国産のフードもできるだけ添加物のふくまれていない無添加のフードを選びましょう。

保存料をまったく使っていないフードは、すぐに酸化してしまうなどのデメリットもありますが、保存方法などを工夫し、愛猫の身体を一番に考えた良質なフードを選びましょう。

こんなに恐ろしい事件も!原産国に気をつけて

2007年、アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・南アフリカなどで、ペットフードを食べた犬や猫が次々と腎臓障害を起こし、何千匹も死亡するという事件が起きました。

原因はペットフードにふくまれた小麦グルテンです。

このペットフードを製造した中国業者が、タンパク質の保有量を多くみせるために「メラミン」という有害な物質を混入し、それによって犬や猫の腎不全を引き起こしてしまったことが原因だといわれています。

メラミンとは無色無臭の化学物質で、主に接着剤・プラスチック原料などにつかわれるものです。

この悲惨な事件によってアメリカのペットフードの安全基準が見直され、日本でも「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されました。

二度とこのようなことが起こらないよう、徹底した安全対策を願いたいものです。

国産も外国産も原材料の確認は必須!

国産・外国産フードの特徴についてご説明しましたが、どちらにも共通する項目として「原材料をきちんと確認する」というポイントがあります。

いくらペット先進国の欧米諸国といっても、安価で粗悪なキャットフードが存在することは確かです。

新鮮でナチュラルな原材料と必要な栄養素を考慮し、猫本来の健康を一番に考えたフードを選びましょう。

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