みなさんは愛猫の毎日のごはんであるキャットフードをどのように保存していますか?
ドライフードを買ってきた袋のまま台所へ置いている…という方も多いと思いますが、このような保存方法では、フードが空気に触れて酸化してしまい、においをかぐだけで食べてくれなくなったり、時には嘔吐・下痢を引き起こす原因にもなります。
小さな猫の身体は、毎日の食事が健康に大きな影響を与えます。
愛猫に新鮮でおいしいごはんを食べてもらうために、キャットフードの正しい保存方法についてご紹介します。
キャットフードはどこに保存すればいいの?
脂肪分が多くふくまれているキャットフードは、適切に保存しないと愛猫の健康を損ねてしまう恐れがあります。
- 高温多湿である
- 温度変化が激しい
- 直射日光が当たる
などの場所は避けましょう。
湿気が多い部屋や窓際、朝と夜の温度変化がある部屋などに置いていると、酸化するだけでなく、においや味が劣化してしまうことも。
食器棚のなかや、床下など、乾燥していて日光のあたらない場所が理想です。
キャットフードの種類別!ドライ・ウェットの保存方法
キャットフードはその種類によって保存の仕方が変わります。
ドライフードとウェットフードの保存方法についてご説明します。
ドライフードはしっかり密閉して空気に触れさせないこと
総合栄養食であるドライフードは、猫の主食となるフードです。
保存期間は開封後約1ヵ月なので、大袋であったり、ほかのキャットフードと併用して与えている場合、食べきれないことも多いかと思います。
開封後は密閉できる容器に保存し、できるだけ空気と触れさせないことが大切です。
劣化が早いウェットフードはタッパー&冷蔵庫で
ウェットフードとはいわゆる缶詰など、水分量が多くやわらかいフードを指します。
味付けが猫好みで、食べやすいので、食欲がないときにもおすすめです。
未開封であればドライフードよりも長期間保存が可能で、種類も豊富なので、飼い主さんにもメリットが多いフードです。
しかし、ウェットフードは水分含有率約75%と大変高いので、人間が食べるもの以上に早く劣化が進んでいきます。
基本的に開封したらその日に使い切るよう気をつけ、どうしても残ってしまったらタッパーに移し替えて1日までを目安に冷蔵庫で保存しましょう。
3つのポイントを意識して選ぼう!ドライフードの保存容器
ドライフードを保存する容器を選ぶ際、大切なのは、
- 密閉力
- 除湿力
- 真空力
の3つです。
空気に触れた瞬間からはじまる劣化を、どのように防ぐかがポイントとなります。
ドライフードの保存容器についてご紹介します。
新鮮さを保つことができるタッパー・ジップロック
ドライフードを購入し、開封してすぐ、タッパーやジップロックに1度のフード分を小分けにます。
移し替える際、食品乾燥剤も一緒に入れることで、さらに劣化を防ぐことができます。
少し面倒な作業ですが、次にご紹介するフードストッカーよりも空気に触れる時間が少ないので、フードを新鮮に保つことができます。
タッパーを使う場合、1度分の量にあったサイズの大きさを選んでください。
ジップロックはきちんと空気を抜き、酸化を防ぎましょう。
袋ごと入れられる手間いらずなフードストッカー
フードストッカーはドライフードを保存する蓋のついたバケツのような容器です。
袋から入れ替えずに、そのまま密閉できるので、手間がありません。
キャットフードの袋自体に遮断効果のあるものが多いので、袋ごと保管できるフードストッカーを使えばダブルの効果が期待できます。
また袋ごとではなく、フードを移し替えるタイプのフードストッカーもあります。乾燥剤も一緒に入れることで、酸化を防いでください。
表面が透明で消費量がわかる便利なものや、バケツのような大型から、持ち運びに便利な小型タイプもあるので、使いやすいものを選びましょう。
湿気はフードの天敵です。乾燥剤だけでなく、脱酸素剤も利用することで、フードの鮮度を保ちましょう。
また、食べ残しのフードをそのまま放置していると半日で劣化がはじめるといわれています。
そのまま放置せずに、食べ残したフードは処分し、お皿もきれいに洗ってあげてください。
保存の裏技!?ドライフードをもっと新鮮に保つためには
実はドライフードは、人間の食べ物と同じように冷凍や真空保存することができます。
ドライフードの新鮮な保存方法についてご紹介します。
冷凍して保存期間をのばす!食べるときはかならず自然解凍で
冷凍することで、開封後1ヵ月程度の保存期間が、2~3ヵ月後まで保存可能になります。
1食分を小分けにして、ジップロックやアルミパックなどのチャックがついた保存袋に入れて冷凍保存してください。このとき余分な空気が入らないよう注意しましょう。
冷凍したフードは、与える前日に冷蔵庫にうつし、自然解凍してください。自然界等によって、味や品質をある程度保つことができます。
電子レンジや常温での解答は、温度の差でフードが痛んでしまうので、やめましょう。だんだんに解凍することがおいしさのポイントです。
冷凍保存しても完全に酸化を防ぐことはできません。脱酸素剤も一緒に入れてください。
袋のまま保存するより新鮮さを保つことはできますが、においや風味は落ちていきます。できるだけ早く食べきりましょう。
腐りやすい夏や湿気の多い梅雨などに便利なので、ぜひ試してみてください。
真空保存すると新鮮さが保てる!専用グッズを検討してみて
真空で保存することでさらにフードの鮮度を保つことができます。
容器のなかを真空にするためには、容器のなかの空気を吸い出すための専用のポンプが必要です。
- 真空容器にドライフードをうつす
- 脱酸素剤を入れる
- ポンプで容器内の空気を抜く
- 直射日光を避け、涼しい場所に保管
以上で完成です。
また、大袋で買ったドライフードを小分けで保存できる真空パック機もあります。袋を圧着することで、空気が入らない状態でパックしてくれます。
さらに、海外で人気なの真空容器がフードディスペンサーです。密閉された容器のなかにフードを入れて、ダイヤルを回すと必要な分だけ取り出せるので、手間もかかりません。
真空で保存する方法は、毎回真空にする作業を手間に感じる方も多いかと思います。しかし、真空にすることで酸化を防ぎ、フードのにおいも漏れにくいので、ぜひ試してみてください。
なぜキャットフードは劣化するのか
劣化の原因はずばり「酸化」です。
酸化とは、ある物質と酸素が化合することを指します。金属がさびてしまったり、リンゴをむいてしばらくたつと茶色くなる現象も酸化のひとつです。
フードの酸化は、ふくまれている脂肪分が長時間空気にふれることによって起こります。
暗くて涼しい場所に保存していても、フードの開封口が少しでも開いていたら意味がありません。
酸化しているかどうかを見極めるためには、まずドライフードに触ってみてください。べたべたした感触があれば、そのフードはもう酸化しています。
また、フードを大きなタッパーに入れて冷蔵庫で保存している人も多いかと思います。
一見、新鮮に保存できているように思えますが、ごはんをあげるたびに出し入れを繰り返すことで温度差による結露がつき、フードにカビが生えてしまうことがあるので注意してください。
開封した瞬間からはじまるフードの劣化をどう防ぐか、さまざまな工夫を試してみましょう。
フードの酸化による猫への悪影響
キャットフードが酸化すると、においが薄くなり、歯ごたえも悪くなるなど、猫が食いつきにくくなってしまいます。
フードが空気に触れると、フードにふくまれている脂肪分が酸化し、過酸化脂肪酸という成分に変わります。過酸化脂肪酸はコレステロールと結びつき、悪玉コレステロールへと変化してしまうことも。
悪玉コレステロールは猫の細い血管にこびりつき、がんや動脈硬化の原因となってしまうのです。
ひどく酸化したフードは、下痢や嘔吐、アレルギーの原因になるといわれています。
またキャットフードの香りはダニを寄せ付けることもあるので、密閉した容器にきちんと保存する必要があります。
保存料や香料、防腐剤などの添加物を使っていないキャットフードは、特に酸化が進みやすいので注意してください。
無添加のフードは身体に良いですが、その分品質の劣化も早いのです。
湿気や急激な温度差にも弱いので、通常のフードよりも丁寧に保存しましょう。
愛猫に新鮮なキャットフードを食べてもらうために
身体のことを考えた良いキャットフードを購入しても、保存方法が悪いと必要な栄養素が失われてしまいます。
完全栄養食といわれているドライフードでも、栄養が壊れてしまえば意味がありません。
においをかぐだけで食べてくれないときは、フードが劣化しているかもしれないので注意して見てあげてください。
キャットフードの酸化は愛猫の老化を早めることにもつながってしまいます。きちんと管理して、栄養満点のフードで健康な身体を保ちましょう。