猫が駐車場に集まる理由って何?考えられるトラブルとその対処法

ふと街角の駐車場を見ると、なぜか数匹の野良猫が猫集会をしていた。フト通りかかった駐車場を見ると、猫の仲良し家族が気持ちよさそうにお昼寝をしていた。などなど、野良猫はなぜか駐車場に集まる傾向にあります。

そもそも猫にとって、車は事故に繋がる大変危険な乗り物です。そんな車が行き交う駐車場は猫も恐怖を覚えそうなものですが、なぜ駐車場にわざわざ集まるのでしょうか?

また、駐車場に猫が集まることに困っているという場合、何らかの対策はできるのでしょうか?今回は猫と駐車場の関係についてご紹介しましょう。

野良猫が駐車場に集まる理由

野良猫がいる場所としてよくあげられるのが、民家の軒先、公園、建物の影ですが、実はそれと同じくらい駐車場に猫がいる確率は高いのです。

タイミングによっては一匹だけではなく、複数匹で駐車場に集まり何やら怪しげな集会を行っていることも。一体、猫が駐車場に集まりやすい理由とは何なのでしょうか?

たくさんの猫が集まれる広い空間があるから

深夜の人通りが少ない時間帯を狙って開催される猫集会。周辺地域に住む猫達が、自分達の情報交換をするための行動だと言われていますが、この猫集会に参加する野良猫の数は想像よりも多いようです。

猫集会の写真

こちらは偶然撮影された猫集会の様子です。想像以上に多くの猫が集まっていますよね。これはまだ少ない方で、多い地域だと30匹近くの野良猫が集まるという話もあります。

それだけ多くの猫が一挙に集まれる場所となると、ある程度の広さが必要になります。そこで候補地としてあがるのが駐車場なのです。

駐車場は特に民家の中にあるため、その地域に住む猫達が行きやすい場所にあるだけではなく、夜中は車通りも人通りも少なくなるためちょうど良いようです。また、広く見渡せる空間であるため、誰かが来てもすぐに気づけるというのも選ばれる理由かもしれませんね。

車があるから

猫の交通事故が多いため、猫にとって車はただの危険なものというイメージしかないかもしれませんが、停まっている車は猫にとって大変ありがたい存在だったりします。まず、停車してすぐの車はエンジンがまだ暖かいため、冬の寒い日に暖房代わりとなります。

さらに車の下に入れば、冬は風除け、夏は日除けとなります。雨や雪の日には雨宿りをするのにもってこいですし、危険を察知したときの隠れ場所としても大変役立ちます。

確かに動いている車は猫にとって危険ですが、停まっている車は野良猫にとって大切な拠点となっています。そんな停まっている車がたくさん集まっている駐車場は、猫の集まるポイントになりやすいのです。

日向ぼっこができる

駐車場は建物がなく、だだっ広い広場となっていますので、日中は大変日当たりが良くなります。また、駐車場の場所によっては日中は車の出入りがほとんどなく、人通りもない場所もたくさんあり、猫の日向ぼっこスポットになっていることが結構あります。

家猫でも、家の中で日当たりの良い場所を探しては日向ぼっこをしている様子をよく見かけますが、それと同じで外で暮らす猫達も自分のお気に入り日向ぼっこスポットを知っているのでしょう。

ちなみに猫が日向ぼっこをするのは、ただ怠けているのではなくて、被毛を天日干しすることで虫干しをしているのと、太陽光によって体を動かすためのビタミンを生成しているのだそうです。ただ日向ぼっこをしながらのんびりお昼寝をしているのではないようですね。

程よい高さがあるから

高いところに登るのが大好きなのは野良猫も家猫も同じです。人の目線より高い場所から、周囲を見渡し人間観察をする猫ちゃんや、周辺に異常がないかを常に警戒している猫ちゃんなど、猫は暇そうに見えて猫なりに忙しくしているのです。

そんな猫にとって、多くの駐車場に設置してあるブロック塀の上や車の上は絶好の待機場所。程よい高さがある塀や壁や建物がある駐車場を見かけたら目を凝らして辺りを見渡してください。もしかしたら、どこかで猫があなたの姿をジッと観察しているかもしれませんよ。

物陰になっているから

猫は大変頭の良い動物で、自分が隠れる場所や安心して休める場所を上手に見つけて利用しています。駐車場は車の出入りが激しい場合もありますが、そこに駐車している車の中には、ほとんど動くことがない車というのもあります。

仕事の関係や家族に車を運転する人がいないためか、車を動かすのは月に1回程度。なんて方もいらっしゃるはずです。そんな、いつも停まっている車の下は猫の寝床に最適です。滅多に車が動かないことを知っているため、その車の下を拠点に悠々自適に野良猫ライフを楽しんでいる可能性もあります。

そうではなくても、駐車場の構造によっては車が上手に物陰になってくれているところや、人通もほとんどなく安心してくつろげる場所になっている可能性も。

全ての駐車場に言えるわけではありませんが、猫がやたらと集まってくる駐車場にはこのような条件が当てはまっているのかもしれませんね。

駐車場で餌やりをしている人がいる

駐車場に猫がいる理由の中で、最も考えなければならないのがそこで餌やりをしている人がいる場合です。野良猫に餌やりをするのは、賛否両論ありますが車が行き交う駐車場で餌やりをするのは、猫が車に轢かれる事故につながる可能性もあります。

また、人の所有地で勝手に餌やりをするのはよくありません。さらに、近隣住民の中には野良猫に対して良い感情を抱いていない人もいるはずです。そのような人からすれば、野良猫に餌を与えている人の存在は不快でしかありません。

自分の所有地で、周囲の理解を得た上で餌やりを行うならば良いでしょうが、ただかわいそうだからという理由で野良猫に餌を与えてそのままにするのはやはりよくありません。

駐車場で餌やりをするのが必ず悪!だとは言いませんが、餌やりをしている人がもしいらっしゃったら少し考えた方が良いかもしれませんね。

可愛いだけでは済まされない!猫が駐車場にいることで起こるトラブル

猫好きからすれば猫が駐車場でのんびりとくつろいでいる姿を見て「可愛いな〜」と呑気に眺めていられるかもしれませんが、その駐車場を利用している人やオーナーは猫が駐車場を使っていることに困っている可能性もあります。

ただ駐車場で日向ぼっこをするだけ、そこで休憩をするだけならば、特に被害はないでしょうが、その駐車場で暮らすようになると、駐車場内でフンをするようになり、衛生面に心配が出ることもあります。また、フンをそのままにしていたら悪臭問題に発展するのは明らかです。

その野良猫のフンを掃除する役目は、もちろん持ち主であるオーナーになります。自分が飼っているわけでもない野良猫のフンを掃除することになるなんて、考えるだけで嫌になりますよね。

もちろん、そのオーナーが猫好きで駐車場に住み着いた猫のお世話をするというならば良いでしょうが、そうなると今度は近隣住民からなんらかの苦情が寄せられる可能性もあります。

さらに、その駐車場を利用している人にとって最も嫌になるのが車を傷つけられる被害です。猫は車が何なのかというのもあまりわかりませんし、そもそも人の車が傷ついたところで何も気にすることはありません。

そのため、平気で爪を立てて車のボンネットの上に乗りますし、砂だらけの足で車の上を通過します。また、気まぐれに車におしっこをすることもありますし、タイヤで爪とぎをすることもあります。

場合によっては猫がボンネットに飛び乗った拍子に凹みができてしまう悲惨な事態が巻き起こることも。ちょっとした引っ掻き傷でも、修理をしようとすると1〜3万円ほど取られることもあります。

そんなことがしょっちゅうあれば、駐車場に車を停めている人にとっては猫が憎い存在になっても仕方がないですよね。「猫だから何を言っても仕方がない」「悪意はないんだからそんなに怒らないであげて」なんて言うのは簡単ですが、実際に自分が被害者になったならそんなことも言っていられないかもしれません。

また、猫が駐車場にいることに気がつかずそのまま轢いてしまう事故や、エンジンルームに猫が入り込んでいることに気がつかずエンジンをかけてしまい猫が亡くなってしまう事故の危険性など、猫が駐車場にいることで巻き起こるトラブルは多いのです。

そのようなトラブルを防ぐためにはどうすればいいのか?猫好きも猫がそれほど好きではない人も考える必要があるのかもしれませんね。

猫の駐車場被害への対策

猫好きならば「せっかく憩いの場所として利用しているのだから、もっと暖かい目で見守ってほしい」と思うかもしれませんが、実際に猫によって車が傷つけられたり、タイヤで爪とぎをされてパンクをしたり、駐車場にフンをされる被害に悩んでいる人にとって、猫対策は死活問題です。

理想を言えば、駐車場の利用者に迷惑をかけずに誰もいない時にのんびりとくつろいでくれるだけにしてもらいたいですが、言葉が通じない以上、それをどれだけ訴えかけても聞き入れてはくれないでしょう。

しかし、迷惑をしているからと言って、猫を無理矢理捕まえたり、傷つけるような行為をしては犯罪となりますし、何よりも猫好きとしては思い留まっていただきたいというのが本音ですよね。

猫が駐車場で行う迷惑行為にうんざりしている、どうにかして被害を防ぎたいという方は、このような対策をされてはいかがでしょうか?

カバーをかける

愛車を猫から守りたいと考えるなら、まずはカバーをかけることから始めてはいかがでしょうか。猫が爪を研ぐのは引っ掛かりのあるものです。そのため、カバーの中でも表面がツルツルしているものであれば、爪とぎをされる回数を減らせますし、下まで覆うタイプのカバーをすればタイヤも守れます。

▼タイヤカバー アルミフィルム製
タイヤカバー商品イメージ

ボディだけではなく、タイヤを保護するカバーも発売されています。タイヤのパンクは走行中の事故につながる可能性もある危険なものです。ぜひこのようなアイテムを使って愛車を猫の被害から守りましょう。

猫避けグッズを使う

駐車場に猫がくることに嫌気がさしているという方は、猫避けグッズを使用してはいかがでしょうか?

▼猫よけ OMMANIアニマルバリア
アニマルバリア商品イメージ

こちらは動物が嫌がる音を超音波で出してくれる、猫避けグッズです。設置するだけですぐに使用できるため大変お手軽でありながら効果も期待できるとあり、人気を集めている商品です。

ただし、このような物を使うには駐車場の所有者の許可をとる方が良いでしょうから、どうしても猫被害に耐えられない場合は、駐車場のオーナーさんと相談をしながら対策を行いましょう。

▼犬猫忌避いやがるスプレー
犬猫いやがるスプレー商品イメージ

超音波で撃退することに抵抗がある方は、自分の車の周りにだけこのようなスプレーをしておくのも良いでしょう。こちらの商品は特に猫の排尿・排便被害に効果的なようです。

また猫の嫌がる匂いとして有名なのが、匂いのきついハーブの香りやタバコやコーヒーの匂いです。駐車場にハーブやタバコやコーヒーを巻くわけにはいかないでしょうが、匂いをうつした水などを周辺に巻くだけでも効果があるかもしれません。

▼スマイルキッズ 猫避け だめニャンプレート
だめニャンプレート商品イメージ

市販品でもこのようなハーブを使った猫避けグッズが販売されています。猫よけを使いたいけれど、野良猫の健康を害するものを使うのは嫌だという方は試してはいかがでしょうか。

どうしても困っている方は、試してはいかがでしょうか?

駐車場を変える

人によって思うことは様々でしょうが、思い切って駐車場を変更してしまうのもアリかもしれませんね。駐車場を変えてしまえば、猫の被害に悩むことはありませんし、猫によって車が傷ついていないかハラハラしなくて済みそうです。

しかし駐車場を変更するとなると、立地の問題や金銭面の問題が出てきますので軽く考えられないという人も多いでしょうが、猫の被害によってストレスを溜め込んでしまうよりも、駐車場を変えてしまう方が賢い選択かもしれません。

また、猫は賢いため何らかの対策を行い一時は現れなくなったとしても、時間がたてば再び現れる可能性もあります。

車を外に置いている以上、ある程度の小さな傷は見逃さないといけないかもしれませんが、被害が大きくなりそうならば駐車場の変更も選択肢に入れて対策を考えるようにしましょう。

猫が駐車場に集まる理由を知って上手に共生していこう

猫が駐車場に集まる理由は、単純にその駐車場の居心地が良いからです。逆に、その駐車場の居心地が悪くなれば、猫は自然と別の場所に移動をしていきます。確かに、猫好きからすれば「せっかくお気に入りの場所で過ごしていたのに、追い出してしまうのはかわいそう」と思うかもしれません。

しかし、駐車場を利用している人にとって車への被害は笑い事ではありません。車を傷つけたり、利用者に迷惑をかけたりしないのであれば良いでしょうが、そうとも言っていられないのが現状です。

野良猫にとって駐車場は憩いの場所でもありますが、猫にとって事故に巻き込まれる危険な場所でもあり、利用者とのトラブルを引き起こす可能性のある場所でもあります。

猫が駐車場にいるからと言って、すぐに追い出せというわけではありませんが、もし利用者が困っているようならば少し考えた方が良いかもしれませんね。

みんなのコメント

  • 麦わら帽子の髭おじさん より:

    何で糞猫の為にわざわざ金掛けて対策しなくちゃならないのか。
    車庫代掛かるし、糞猫対策費用もクルマの所有物負担とかどんだけ迷惑掛ければ気が済むのだろうか。
    それならいっその事、車庫のオーナーと相談して捕獲器で捕まえて保健所連れてくわ。
    糞猫は基から絶たないとダメ。

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