猫にぶどうは危険!近年発表されたぶどう中毒の症状と対処法

とっても人気の高い秋の味覚、ぶどう。抗酸化作用があるとして近年注目を集めているフルーツですが、猫にとってぶどうはとても危険な食材なのです!

人間にとって体にいいぶどうですが、猫にとっては中毒を引き起こし最悪の場合は死に至る可能性もある注意したいフルーツなのです。今回は猫好きなら絶対に知っておきたいぶどう中毒の危険性をご紹介したいと思います。

一口くらいあげたっていいのでは?と思っている飼い主様は危険ですよ!愛猫の命を守るためにも、ぶどうの危険性をしっかり理解しておきましょう。

猫のぶどう中毒とは?

猫がぶどうを口にすることで引き起こされる「ぶどう中毒」ですが、どの成分がどのように作用して中毒症状を引き起こすのか解明されていないのが現状です。

さらに、近年のアメリカの研究で犬に及ぼすぶどう中毒の危険性が報告されただけで、猫の臨床データはまだありません。

「だったら、猫にぶどうを与えたからと言って中毒を起こすかどうかはわからないじゃないか!」

そんな意見が聞こえてきそうですが、犬と猫の身体の構造や中毒を引き起こす食材の種類は非常に似ているので、臨床データはない物の猫にもぶどう中毒を引き起こす可能性は十分にあります。

さらにぶどうの中に含まれている成分や栄養素は、猫にとって必要ないものばかりなので結論からいうと中毒を引き起こす可能性があるのにわざわざぶどうを与える必要性はないと言えるのです。

猫のぶどう中毒の主な症状

ぶどうを食べることで引き起こされる症状、それは致死率の高い恐ろしい病気「急性腎不全」です。

急性腎不全とは、文字通り体の臓器である腎臓が機能しなくなる病気で急性腎不全の場合発症からわずか数時間で死に至る可能性がある病気です。仮に助かったとしても、腎不全を患った猫は数ヶ月~1年程度で死に至ると言われています。

ぶどうの成分が何故、腎不全を引き起こすのかは解明されていないのですが腎不全を引き起こす可能性は非常に高く、ぶどうを与えることは絶対にしてはいけないと言えるでしょう。

ぶどうを食べた2~3時間後に嘔吐や下痢が見られ、食欲が落ち見るからに元気がなくなり、さらに症状が進むと尿が出なくなります。そうなれば腎不全を引き起こしている可能性は非常に高く一刻の猶予もありません。

ぶどうを食べた場合は迷わず獣医さんの元に駆け込むようにし、ぶどうを食べた疑いがあり2~3時間後に嘔吐と下痢が始まったらすぐさま治療を施してもらうようにしましょう。

猫にとって致死量となるぶどうの量

前述したとおり、猫がぶどう中毒になるという臨床データは2018年現在存在していませんので、確実な事は言えずあくまでも予想ですが「体重1Kgに対して生のぶどう30g」が猫にとっての致死量になるといわれています。

致死量はもちろん個体差や、食べた時の体調、その時の状況によって異なってきます。さらにこの致死量は何度も言うように目安です。

猫にぶどうを食べさせた臨床データが存在していないのでもしかしたらこれよりも、もっと少ない量で致死量となる可能性も否定できません。

実際猫にぶどうをわざわざ与える飼い主はいないでしょうし、猫も好んでぶどうを食べることはないので過去に猫のぶどう中毒が報告されたことはほとんどありません。

そのため臨床データだけではなく、実際の症例がほとんどないということもぶどう中毒が怖いと言われている要因です。どちらにせよ、ぶどう中毒の可能性がある限り猫にぶどうを与えることは極力しないようにしましょう。

猫が誤ってぶどうを食べた時の対処法

どれだけ注意をしていても、誤って猫がぶどうを食べてしまったという事態は絶対に起こらないと言い切ることはできませんよね。そんな事態に備えて猫がぶどうを食べてしまった時の対処法をご紹介します。

もしもの事態に備えてしっかりと知識を身に着けておくことも飼い主の役目です。ぶどうだけではなく、ほかの猫が食べてはいけない食材を食べてしまった時にも役立つ情報なので是非参考にして下さい。

食べたことがわかったら1時間以内に病院に

猫にとってぶどうは大変危険なので、もしぶどうを食べたことがわかったらすぐに病院に連れていきましょう。猫の胃は、食べてから1時間以内だと体に吸収されていない確率が非常に高いのです。

もし、吸収される前に治療を行えば嘔吐を促す治療のみで済むかもしれません。ぶどうを食べたことがすぐにわかったならば、体に吸収される前に動物病院に駆け込むようにしましょう。

無理矢理吐き出させるのはNG

猫が食べてはいけないものを食べた事に驚いて無理矢理吐き出させようとする飼い主様の話を聞きますが、素人が食べた物を無理矢理吐き出させるのは非常に危険です。

吐き出させようと口に中に手を入れてしまうと、愛猫の気管支を傷つける原因になるだけではなく口に入れた指を噛まれてしまうこともあります。

その他に、食塩水を飲ませて吐き出させるという方法も見かけますが、塩分濃度の高い食塩水を何の知識もなく猫に飲ませるのは病気の原因となります。

よっぽどの事がない限り、無理矢理吐き出させるようなことはせず動物病院で正しい処置を早めにしてもらうようにしましょう。

自己判断はしない

「ぶどうをほんの少し食べただけだから様子をみておこう」と、ぶどうを食べたのに勝手な自己判断で経過観察をするようなことはやめましょう。

ぶどうをどれくらい食べれば致死量になるのかまだ解明されていないので、ほんの少しの量ではぶどう中毒にならないかもしれません。

しかし、ほんの少しの量でぶどう中毒を引き起こし致命傷となってしまう可能性もあるのです。「これくらいなら大丈夫だろう」と、勝手な自己判断をするのではなく念のため動物病院を受診するようにしましょう。

ぶどうを使った加工食品にも注意しよう

ぶどう中毒を引き起こす原因は生のぶどうだけではなくぶどうを使った加工食品も注意が必要です。

そもそも生のぶどうをそのまま猫に与える人は少ないでしょうし、猫も生のぶどうを好んで食べるようなことはあまりないと思います。

ただレーズンを使っている人間のお菓子をつまみ食いしてしまったり、ぶどうジュースやぶどうを使ったワインを誤って盗み飲みしてしまったりする可能性はあります。

実際にぶどうを使っている人間の食べ物を食べてしまってぶどう中毒を引き起こす事故を何度か見かけることがあります。

生のぶどうと違ってレーズンは猫にとっても興味を持ちやすく、人間のお菓子にもよく使われているので口にするタイミングも多いのが原因でしょう。

生のぶどうをあまり食べない家庭でもレーズンの入った食べ物を食べる機会はあるかもしれませんので、愛猫の口に入れないように十分注意しておきましょう。

ぶどう中毒に気をつけて愛猫の健康を守ろう

ぶどう中毒は猫にとって死に直結するとても危険な症状だということをご紹介しました。

生のぶどうだけではなく、ぶどうを使った加工食品であるワイン、ぶどうジュース、レーズンパン、レーズンのお菓子などにも注意してぶどう中毒を防ぐようにしましょう。

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