メス猫が発情期を向かえると、特徴的な鳴き声をあげるようになります。う~ん最近よく鳴くな、なんだかいつもと鳴き声が違うな?と思ったら、発情期かもしれませんね。
春頃に多くみられる猫の発情期。でも、春以外にもみられます。
猫の発情のサイクルと仕組みを知り、避妊去勢手術の必要性についても考えてみましょう。
猫の発情期は春とは限らない!発情期がくる時期
厳密にいうと、メス猫の発情期とは、発情周期のなかの1つの時期のことです。詳しくは次の4つに分かれます。
- 発情前期・・・特徴的な鳴き声を出し、体をこすりつけたりして発情のサインが現れる
- 発情期・・・交尾可能になる
- 発情後期・・・排卵する
- 発情休止期・・・オスに興味を示さなくなる
このサイクルを約14~21日で繰り返します。
一番分かりやすいのは、発情前期でしょう。これには日照時間が関係しています。1日の日照時間が14時間以上になると、発情前期の特徴である行動が現れてきます。
ですので、日照時間が短い冬から春になるとメス猫の発情期が目立ってしまうのです。引き続き、夏の暖かい時期が続きますので、春に出産しなかったメス猫はそのまま発情周期を繰り返し、夏や初秋に出産をします。
地域によりますが、冬を除き2~9月頃までが猫の発情期といえます。その間、2~3回くらい発情期があります。このように、季節に合わせて繁殖するので、猫は季節繁殖動物と言われています。
ただし、室内飼いのメス猫は、部屋の中にある照明の光でも反応します。日中も外からの日光が差し込み、夜は照明器具の明かりがあるため、室内飼いのメス猫は年中、発情期があると考えられます。
オスの発情期とメスの発情期の違い
オスとメスの発情期の違いは何でしょうか。
オスの発情期の特徴
オス猫はメス猫のように、発情周期のようなサイクルはありません。生後約1年で大人、いわゆる交尾ができる体になります。メス猫の鳴き声や臭いに誘発されて発情期となります。主に
次のような行動が現れます。
- スプレー行動をする・・・臭い尿を自分の体くらい、もしくはそれ以上の高さに吹きかけます
- メスを求めて行動範囲が広くなる・・・普段のテリトリーの範囲をこえて行ってしまうため、なかなか戻って来ないときもあります
- 腰を振ったりするマウンティング行動をする・・・交尾をする体勢をとります
- 攻撃的になる・・・他のオスとメスを取り合うためです
メスの発情期の特徴
メス猫は、犬と違って発情出血はありません。ただし、陰部が腫れぼったくなってきます。それ以外の特徴としては次の通りです。
- 特徴的な低くて大きな声でなく・・・普段と異なる遠くに響く声を出します
- 上から首をつまむと腰を高く上げる姿勢をとる・・・交尾を受け入れる体勢をとります
- 体をこすりつけて自分の臭いをつけようとする・・・自分の臭いをアピールするためです
- 陰部をしきりになめる・・・分泌物が出るのでなめます
- トイレの回数が増える・・・臭い付けのためです
- 食欲が落ちる・・・発情中のストレスが原因とも言われています
- オス猫と同じようなスプレー行動をする・・・まれにメス猫にもみられます
私は以前、オス猫と10歳下のメス猫を飼っていました。オス猫は生後6ヶ月くらいに去勢手術をしましたが、メス猫は室内飼いのため、頻繁に発情をしてなかなか手術ができないままでした。
メス猫が発情をむかえて特徴的な鳴き声をあげると、去勢済のオス猫が乗ってきて、マウンティング行動をしていました。去勢済のオスで10歳という年齢差にかかわらず、このような行動をとるとは、メス猫の発情期の誘発はすごいものだと実感しました。
ただ、お互い叶わぬ恋ですし見るに忍びなく、2匹のストレスも心配でしたので、発情中でしたが避妊手術をすることにしました。
避妊手術や去勢手術は必要?スプレー行動や鳴き声の対策
オスもメスも発情期になると、特徴的な行動をします。それは自然なことですが、人間社会と共存するうえでは、人間からみると問題行動になってしまいます。
- スプレー行動
- 大きな声で鳴く
特にこの2つは日常生活に支障になることですので、避妊去勢手術をする理由のほとんどが、この問題行動をしないようにするためです。ただ、手術によって100%この行動が出なくなるわけではありませんので、ご注意ください。
他にも避妊去勢手術のメリットとして、生殖器系の病気を防ぐことができます。それによって、長生きにも繋がります。
メス猫の発情周期をみると、交尾可能のあとに排卵する、となっています。これは、猫が交尾排卵動物だということです。交尾をすることによって、その刺激が排卵を促すので、効率的にタイミングよく妊娠することができます。
野良猫が増えすぎて困っている、という話をよく聞きますが、それは猫の繁殖能力によるものです。仔猫のかわいらしさは何事にも代えられませんが、次々と産まれてくる仔猫が幸せに暮らせるための飼い主さんを探してあげることはなかなか難しいことです。
最初に書きましたが、室内飼いのメス猫は、常に光があたる環境にいるため、季節に関係なく年中発情期がきます。終わったかと思うとすぐ大きな鳴き声をあげるようになるのです。
発情期は陰部が腫れぼったくなり、卵巣も発達しますので、その時期に手術をすると出血する危険性が高くなります。ですので、なるべく発情期ではないときに手術をすることをお勧めします。
猫の発情は、犬や人間と異なることが多くあります。猫特有のメカニズムを知り、自分の猫の幸せには何が必要かと考えてみましょう。そして、適切な処置と環境を作ってあげましょう。