人間にとってはごちそうでも、猫にとっては害になる食べ物、たくさんありますね。人間にはおいしいおやつであるチョコレートも、猫にとっては危険な食べ物。場合によっては命の危険となる事態も引き起こしかねません。
今回は、チョコレートが猫にとって害となる理由、どれくらい食べると命にかかわるのか、万が一食べてしまった時の対処方法、うっかり食べてしまうことを防ぐために普段から気を付けておくこと、を紹介していきます。
チョコに含まれるデオブロミンが中毒症状を起こさせる
猫にとって危険なのは、チョコレートの原料であるカカオに含まれる「デオブロミン」という成分です。これが中枢神経を刺激し、毒素となるのです。
人間であればデオブロミンは体内で代謝分解されるので危険にはなりません。しかし猫はデオブロミンを代謝分解する能力が低いため中毒症状が出てしまうのです。
具体的に現れる症状は次のものが考えられます。
- 嘔吐
- 下痢
- 異常な興奮
- 倦怠感
- 多尿
- 血尿
- 不整脈
- 体の震え
種類によって危険な量はかわる!身近なチョコの致死量
では、どれぐらいのチョコレートを食べてしまうと危ないのでしょうか?
猫にとってチョコレートが危険なのは、カカオが含まれているからです。
市販のミルクチョコレートであれば、カカオ成分意外にミルクや砂糖など様々なものが含まれているため、少しかじった程度ではそれほど焦る必要はありません。
しかし、最近では健康志向や味の好みなどのニーズにこたえるため、カカオ含有量の高いビターチョコレートも販売されています。
また、おかしづくり用に売られている、砂糖を含まないベーキングチョコレートもカカオ含有量の多いチョコレートです。
このことから、
- ビターチョコレート、調理用のチョコレートで大体板チョコ1枚分
- 市販のミルクチョコレートだと560グラムぐらい
となります。
しかし、飲み込んだのが少量だとしても中毒症状を起こす原因になりますので、チョコレートは食べさせない!が基本になります。
万が一、猫がチョコレートを食べた時の対応方法
まず、目の前で猫がチョコレートを口に入れてしまった場合は即座にやめさせ、口の脇から指を入れて掻き出せるかやってみてください。まだ飲み込んでいなければそのまま口から取り出せるかもしれません。
もし一部でも飲み込んでしまっていたら、何の種類のチョコレートをどれぐらい食べたのか確認をしましょう。
そしてまずは動物病院に電話して、猫がチョコレートを食べてしまったこと、食べたチョコレートの種類と量を伝えます。
医師の指示で様子を見るように言われたら、急な変化がないか、吐いたり下痢をしたりしていないか観察してください。
医師の判断ですぐに病院に行った方が良いと言われた場合は受診しましょう。吐かせる処置をする場合、有効なのは危険なものを食べた後30分から2時間後となります。
中毒症状が出るとしたら、食べてから4時間以内といわれています。その時間は特に気を付けてみておきましょう。また、デオブロミンを代謝するのに数時間から1日かかりますので、食べてから1~2日ぐらいは気を付けておくとよいでしょう。
食べさせない、が基本!普段から気を付けておくこと
猫に自らおやつとしてチョコレートを与えてしまう方はほとんどいないと思いますが、思わぬ形でうっかり口にしてしまうことはあるかもしれません。普段から猫がチョコレートを口にしないように対応しておきましょう。
人間が食べている時は、その場を離れない
飼い主がチョコレートを食べることはあると思います。しかし、ちょっと目を離した隙、ちょっと油断した隙に猫が興味本位で口に入れてしまうことはあります。チョコレートを置いたままその場を離れることがないようにしてください。
また、お子さんがチョコレートを食べるときも十分に注意してください。
取り出せないところに置く
チョコレートは猫が開けられないような蓋つきの容器、扉付きの戸棚、冷蔵庫などにしまう習慣をつけましょう。
高いところに置くだけで安心してはいけません。高いところは猫はお得意。ちょっとした足場があれば棚の高いところまでジャンプしてしまいます。
もちろんチョコレートだけにとどまらず口にして危険なものは猫が口にできないところに保管する、ということは基本中の基本になります。
飼い主が外出のため猫だけでお留守番ということも多々あると思います。飼い主不在の際や、就寝の時間には危険なものが出しっぱなしになっていないか注意しましょう。
猫にとってはNO!チョコレート
いかがでしたか?人間と猫では体のつくりも代謝の能力も異なります。人間は大丈夫でも猫にとっては危険なものはチョコレートをはじめたくさんあります。
いたずらっ子で好奇心旺盛な猫なので、食べると危険なものをうっかり口にしてしまって大慌て、ということも起こりえます。
気が気ではありませんが、ちょっとの油断が命の危険につながる事態にもなりかねません。
人間が食べるものは猫が開けられないところにしまう、口にしてはいけないものは出しっぱなしないなど、できることは予めやっておくことでリスクを下げることができます。
また、何かあった時にすぐに相談できるかかりつけの動物病院があると安心です。
それでは、猫は猫専用のご飯、おやつのみ食べてもらい、安心安全な毎日を過ごしていただけるようにしましょう。