絶滅危惧種に登録されている10の猫の種類。絶やすのも救うのも人間

イエネコと違い野生で生きるほとんどの猫は「絶滅危惧種」となっていることをご存知ですか?

絶滅危惧種とは「これから先、失われる危険がある種」のことを言います。

最初のネコ科の動物が現れたのは4000万年前と言われています。狩りに適した体を持ち厳しい環境で生きてきた野生の猫達。しかしその野生猫が絶滅の危機に瀕している多くの原因は私たち人間なのです。

猫好きなら知ってほしい、イエネコの祖先たちでもある野生猫の現状と絶滅危惧種の猫をご紹介します。イエネコとは見た目も性格も生活環境も違いますが、猫好きなら知っておいて損はないはずです。

絶滅危惧種の野生猫10選

それでは世界中の絶滅危惧種として登録されている猫をご紹介します。あなたは野生の猫達が地球上から消えようとしているこの現状をどう思いますか?

イリオモテヤマネコ

日本のヤマネコとしてご存知の方も多いでしょう。1965年に「20世紀の大発見」として話題になったイリオモテヤマネコは、絶滅危惧種の猫として知られています。国の特別記念物としても登録されていますね。

日本の西表島に生息しているヤマネコで体長は50~60で胴が長いのが特徴的です。

専門家によると約20年前に西表島に渡来したベンガルヤマネコを祖先に持つとも言われています。発見された当時から繁殖を試みてはいるが現在もその数は少なく生存しているのはわずか100頭程と言われています。

ツシマヤマネコ

こちらも日本のヤマネコです。イリオモテヤマネコ同様、絶滅危惧種として登録されている他、国の天然記念物となっています。

長崎県の対馬だけに生息しているヤマネコで、現在は森林の減少により住処を失ってしまったため個体数を減らしていっています。

さらに、対馬では昔からツシマヤマネコを専門に狩る猟師がいたそうですが、人間によるその乱獲も個体数を減らした影響が出ていると言われています。

▼ツシマヤマネコについてはこちらもご覧ください
国の天然記念物ツシマヤマネコ。京都市動物園で会ってきました!

スナドリネコ

インドネシアからインドにかけて生息しているスナドリネコは泳ぎが得意な珍しい猫として知られています。器用にマングローブを泳いで魚を捕る姿から「漁(スナド)る」という言葉からスナドリネコと名付けられたほどです。

スナドリネコは魚を食料にするだけではなく、ヒツジや子犬をも食べてしまう気性の荒い野生猫でもあります。環境汚染などにより個体数を減らし絶滅危惧種となっています。

アンデスネコ

とても個体数も少なく、目撃情報もほぼ皆無といっていい程の幻の猫であるアンデスネコも絶滅危惧種に登録されている猫の1つです。南米のアンデス山脈の標高3000m程の場所に生息しているのも目撃情報が少ない原因です。

2015年にアンデスネコの母子が世界で初めて確認されたことがニュースになっていましたのでご存知の方もいるかもしれませんね。アンデスネコの生態はとにかく謎に包まれています。

何せ目撃情報も少なく、捕獲されたのも過去に2回だけだと言われているからです。アンデスネコは正確な生存頭数は確認されていないですが、目撃情報の少なさから決して多くないという事だけは言えます。

ボルネオヤマネコ

一時期絶滅してしまったと考えられていたボルネオヤマネコはマレーシアに生息する野生の猫です。2011年、偶然カメラに写り込んだことからその生存が確認されていらい絶滅危惧種として登録されています。

森林地帯に生息しているのですが、マレーシアでは森林伐採が急速に進んでいるのでボルネオヤマネコの住処も失われていっています。せっかく生き残った貴重な個体がこれ以上減らないことを祈らずにはいられません。

クロアシネコ

世界最小として知られるクロアシネコも絶滅危惧種としてその種の存続が危ぶまれている個体です。世界で最も小さい猫でその体重はわずか1.6Kgです。通常のイエネコの平均が4Kgなので比べても随分小さいのがわかりますね。

▼イエネコでも小さい猫種はたくさんあります
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南アフリカが生息地なのですがその個体数は減る一方なので、現在はアメリカにて繁殖活動が勢力的に行われている猫種でもあります。

マレーヤマネコ

体重が2Kg前後しかない、小柄な野生猫であるマレーヤマネコも絶滅危惧種として知られています。魚類、甲殻類、カエル、果物など完全肉食が多い猫の中では珍しい雑食です。

現在人間により住処を開拓され続け、今もなおその個体数を減らしていっている猫です。

このマレーヤマネコの現状を見かねた政府により狩猟や流通は固く禁じられていますが、その毛皮などを目当てに密猟者がいることも個体数を減らしている原因としてあげられています。

マーゲイ

木の上で生活をしているマーゲイはその美しい毛皮のために毎年14,000頭も殺されている、絶滅危惧種に登録されている野生猫です。

マーゲイは他の猫種と違い1度に1匹ほどしか子供を産まず、さらに2年に1度しか出産を行うことができないのでその個体数を回復することは難しいといわれています。リスのように木から木へ飛び移る姿がとても格好いい猫でもあります。

▼一般的な猫の出産回数と比べてみると、とても少ないことが分かりますね
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スペインオオヤマネコ

スペインオオヤマネコは人間の土地開発により住処を失われているのと同時に、食料であるアナウサギが減少していることでその個体数を休息に減らし絶滅の危機に瀕している野生猫です。

1996年の発表ではその生息数はわずか1200頭未満と言われており、現在はその数をさらに減らしていると思われます。顎の飾り毛が特徴的ですね。

オセロット

南アフリカの熱帯雨林に生息しているオセロットも絶滅危惧種として知られています。

オセロットはその美しい被毛から毛皮として乱獲されている他、野生猫には珍しく人になつきやすい性格からペットとして乱獲が続いたことが原因となっています。

猫科の中でもっとも美しい猫とも言われており、ヤマネコの中でもペットとしての人気が最も高い野生猫でした。

現在は絶滅危惧種として登録されているので、手に入れることはできません。さらに飼育下での繁殖は極めて難しいので、このままでは絶滅してしまう危機がある猫です。

▼イエネコとヤマネコの違いについてはこちらをどうぞ
イエネコの歴史とルーツ。ヤマネコとの違いや先祖の遺伝子のお話

絶滅危惧種を作る原因の多くは人間だが救うのも人間

今回ご紹介した絶滅危惧種の猫の他にも世界中にはまだまだ失われようとしている猫種が存在しています。それらの猫が種を絶やそうとしているのは、人間の身勝手な行動によるものです。

しかし、絶滅危惧種となった野生猫達を何とか救おうと勢力的に活動を行っているのもまた人間なのです。これから失われていくかもしれない野生猫達、願わくばいつまでもその種を絶やすことなく生き続けて欲しいものですね。

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