猫が布を食べるウールサッキング。原因と家庭でできる対策2つ

猫のウールサッキングという言葉を聞いたことがありますか?

なかなか聞き慣れない言葉ですが、「異食」と言い換えればしっくりくるかもしれません。

ウールサッキングとは、布やビニールなど食べることができない物をかじって食べてしまう行動を指します。

今回はこの不思議な行動、ウールサッキングについてご紹介します。

なんでも食べちゃう!ウールサッキングで食べちゃうもの

猫が布やひもをなめている光景をみたことはありませんか?

この噛んだりなめる行為が行き過ぎて、飲み込んでしまうのがウールサッキングです。

ウール噛み (wool chewing)とよばれることもあるこの症状ですが、飲み込んでしまうのはウールだけではありません。

  • 靴ひも
  • カーペット
  • 衣類
  • 飼い主の髪の毛
  • 段ボール

など、その対象物はさまざまです。

布をボロボロになるまで噛んで繊維を食べたり、ビニールの袋を噛みちぎって飲み込んでしまうウールサッキングは、子猫時代に多くみられる行動です。

1歳までに自然と治まる例が多いようですが、なかには成猫になってもこの症状が治らない猫ちゃんも。

最初は布をちゅーちゅーと吸っていたのに、だんだん噛みだすようになり、やがて飲み込んでしまいます。

切れ端程度の布なら便で排せつされたり、嘔吐で吐き出すこともできますが、胃腸に溜まってしまうと大手術になることも。

では、なぜ猫はウールサッキングをしてしまうのでしょうか。

ウールサッキングの原因は遺伝やにおい、ストレスなど様々な説がある

猫は味覚にあまり敏感ではないといわれています。まさか、布やビニールを味がわからず飲み込んでしまっているのでしょうか。

しかし、嗅覚が人間の何倍も優れている猫が、布やビニールをフードと間違えることはありえません。

では猫は、食べることができないとわかって対象物を噛んでいるということになります。

一体ウールサッキングの原因は何でしょうか。

ウールサッキングは東洋の猫に多い!?遺伝が関係しているかも

実は、なぜ猫がウールサッキングをするのか、その原因はまだはっきりわかっていません。原因がわからないので、根本的な治療はむずかしく、対策も取りにくいのが現状です。

しかし一説によれば、東洋の猫の遺伝が関係しているのではといわれています。

統計的にみるとウールサッキングは

  • シャム猫
  • ビルマ猫
  • 日本の猫

など、東洋の猫に多い傾向にあります。

もちろん、東洋の猫以外にも見られる症状ですが、1950年ごろまでは症例も少なかったので、シャム猫に特有の病気とみなされていたほどです。

また、東洋の血統の猫によくみられる長めの耳の猫は、普通の猫よりも長い離乳期間が必要だといわれています。

通常の離乳期間で母猫と引き離してしまうと、ウールサッキングがあらわれやすくなるともいわれていますが、実際のところ定かではありません。

子猫に見られるウールサッキングは愛情不足?

ウールサッキングは主に0~1歳の子猫に多くみられる症状です。

子猫は12週くらいまで、母猫と一緒に育つのが理想です。

しかしペットショップで売られる子猫などは、固形のフードが食べられるようになる6週くらいになると、店頭に並ぶため母猫と引き離されてしまいます。

飼い主さんは見たことがある光景かと思いますが、猫ちゃんが毛布をふみふみする姿はとてもかわいらしいですよね。

生後すぐに母猫から引き離されると、おっぱいが恋しくて毛布などの柔らかいものをふみふみします。これが行き過ぎて、ウールサッキングになってしまうのではないかという説もあります。

離乳が早すぎた猫に多いウールサッキングは、母親にもっと甘えたかった気持ちのあらわれかもしれません。

ウールのにおいに反応しているという説も

私たちには感じられないにおいですが、猫ちゃんはウール自体のにおいに反応して噛んだり飲み込んでしまうことがあるそうです。

信じられないことに、猫のなかには人間の汗、特にわきの汗のにおいを好む猫がいます。

羊毛を使った毛布にはウールオイルという油分がしみ込んだ繊維が使われることがあり、 この油分のもとになるラノリンという成分が人間のわきの汗のにおいに似ているといわれています。

つまり、人間のわきの汗のにおいが好きな猫ちゃんはウールに執着が強まり、ウールサッキングしているのかもしれないというわけです。

また、ラノリンは人間のわきだけでなく、湿気を帯びると母猫の乳首のにおいにも似ているといわれています。

飼い主さんの服をかじったりするウールサッキングは、甘えるような意味があるのかもしれませんね。

ストレスがウールサッキングを引き起こす

猫は非常にストレスを感じやすい生き物です。

新しい猫がやってきたり、引っ越し、騒音など、環境の変化にも大変弱く、ストレスで体調を壊してしまう猫もいます。

強いストレスを感じた猫は、母猫のもとで安全に過ごした時期への退行行動として衣類を吸ったり噛んだりするウールサッキングを引き起こすことがあります。

これは人間の子供がストレスによって指を吸うのと同じ行動です。

特に、子猫のころは見られなかったのに成猫になってからウールサッキングをはじめた猫は、ストレスの可能性が高い傾向にあります。

ウールサッキングを続けることで身体に大きなダメージが

ではウールサッキングが習慣化してしまった猫は、身体にどのような影響が出るのでしょうか。

ウールサッキングは、消化できない布やビニール袋を食べる行為なので、当然お腹を壊してしまいます。

小さく噛みちぎった繊維なら便と一緒に排出することもありますが、長い間ウールサッキングを習慣としている猫はお腹に繊維がどんどん溜まってしまい、開腹などの大手術になることも。

また、ストレスや退行行動によるウールサッキングではなかった場合、消化器の不調による行動かもしれないので注意してください。

消化器の不調を感じて繊維質を求める習性が、布などの繊維を噛むという行動にあらわれているのかもしれません。

また、ウールサッキングではありませんが、猫が自分の身体を頻繁に噛むときは皮膚の病気が隠れている場合もあります。身体全体をしっかりとチェックしてあげましょう。

原因からウールサッキングの対策を考えてみよう

ウールサッキングの原因を突き止めることはむずかしいので、さまざまな対策を試してみる必要があります。

主な対策についてご紹介します。

運動や遊びでストレスを発散!

1歳ごろに自然に終わることが多いウールサッキングですが、成猫になっても続けている猫は注意して見てあげる必要があります。

しかし、原因を突き止めずに吸ったり噛んだりする行為だけをやめさせても意味がありません。

寂しさや退屈、子猫のころの愛情不足が原因の症状なら、たくさん遊んでウールサッキングの対象物への執着心をなくしてあげましょう。

家のなかだけで飼われている猫は、運動不足によるストレスが多いといわれています。

留守しがちの飼い主さんは、キャットタワーでいつでも上下運動ができるような部屋にしてあげるなど、1日15分だけでも遊んであげるよう心がけてください。

そのウールサッキングは毎日のごはんで治せるかも

いつもお腹が空いてにゃーにゃー怒っている猫ちゃんはいませんか?

実は、猫はフードに不満があるとき、お腹を満たそうとほかの物を口にすることがあるのです。

何度もご飯を催促しているのにあげなかったり、あげたご飯を残してウールサッキングをしているようなら、まずはフードを見直してみましょう。

常に満腹感を与えることで改善した例もありますが、ほしいだけあげていると今度は肥満が心配です。

肥満は万病の元なので、フードの1日の量はあまり変えずに、あげる回数を増やしてみてください。

摂取量よりすこし多めに与えてもたくさん運動をすれば、消費もできてストレスの解消にもなり一石二鳥です。

たっぷりの愛情と生活習慣の変化でウールサッキングを予防しよう

先ほどもご説明したように、ウールサッキングの原因を突き止めることは困難です。

では飼い主がウールサッキングの根本的な解決のためにできることはなんでしょうか。

考えられる対策として、ウールサッキングの対象となる布やひもを隠してしまうという手もありますが、対象物が多いので部屋のなかのものすべて隠してしまうことになり、現実的ではありません。

食べやすいひもや、よく噛みついている布などがあれば隠すようにしてください。

異物を食べて体調が悪くなったときはすぐにかかりつけのお医者さんに連れて行きましょう。

飼い猫をゲージに入れてウールサッキングを防ぐという方法もありますが、自由に動けないストレスでさらに症状がひどくなってしまうケースもあります。

私たち飼い主は母猫の代わりになることはできませんが、毎日の生活のなかでたっぷりと愛情を与え、すこやかにストレスなく暮らせるようケアしてあげましょう。

みんなのコメント

  • まんまる より:

    ストレス解消何だろうけどね、里親候補さまからは、噛みクセあるのかしら?って言われてしまいました。ウーン、遊ぶより人の膝の上が大好きです。噛んでも大丈夫なオモチャが知りたいです。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ