猫がちょっと外やベランダに出た時に、小さな鳥を捕まえてくることがあります。突然飼い猫が鳥をくわえてきたり、瀕死の鳥がおうちの中に横たわっていたら思わず叫んでしまいそうになりますね。でも、猫側にはそれなりの理由があるのです。
今回は、猫が鳥を捕まえてくる理由、捕まえてきた時の対応、やめさせたい時の対処法などをお伝えしていきたいと思います。
猫の狩りの本能!獲物を飼い主のところにもってくる理由
猫は人間に飼われるようになる以前は、他の野生動物と同じように自分で食料を調達する必要がありました。
普段の愛らしい姿を見ているとつい忘れがちですが、猫はライオンやトラと同じ肉食動物なのです。猫がいまだに野生動物として生きていたらおそらく、自分より小さくて捕まえやすい鳥やネズミ、モグラなどを狩って生きていたでしょう。
しかし、人間に飼われている猫は、本来は狩りをする必要はありません。なので、生きるために必要に迫られて狩りをするわけではなく、ちょろちょろと動き回ったり飛んだりする小動物を見るとつい体が動いてしまうのです。
その証拠に、せっかく捕らえてきた「獲物」を安全な場所(室内など)に持ってきたらそのあと忘れて放置してしまうこともしばしばです。
捕らえた獲物を飼い主のところに持ってくる猫の気持ち
捕らえた獲物を、飼い主のところまで持って来たり飼い主が出入りする部屋に置いたりすることもあります。しかも、息の根を止めずにまだ生きているけれども弱っている状態でわざわざ持ってくる、ということも。
なぜそんな面倒なことをするのでしょうか?
もう一つは、単純に人間に食料を分け与えようとしてくれている、という理由です。
猫は人間を「飼い主」または「ご主人様」という見方をしていません。同じ種族だと思って暮らしています。猫から見たら人間は狩りのできない出来の悪い猫と言ったところなのでしょう。
「捕ってきてあげたから、とどめを刺しなさい」
「お前、鳥も自分で狩れないなんて鈍いやつだなぁ。代わりに取ってきてやったから食べな」
といったように思っているのでしょう。
猫が獲物を捕まえて持ってきたときの対処法
人間からしたら「やめてくれ~」と言いたいところですが、先述のように猫は「良かれと思って」やっていることです。
怒ったとしても「なぜ怒られたのか」は理解できません。かといって過剰にほめたりすると「喜んでくれた」と思ってまた繰り返しかねません。
しかし、無視したり放置したりすると今度は「気に入ってくれなかった」「もっといい獲物をとってこよう」となったりするのでそれはそれで厄介です・・・
いったん軽く褒めて、後で猫が見ていないところでこっそり処置する、というのがベターな方法です。
獲物を持ってくるのをやめさせる方法。本能を刺激するおすすめおもちゃ
一番確実なのは、完全室内飼いにするという方法です。うちの中には当然野生の鳥は飛んでいないので当たり前ですが。
しかし、外に出入りする習慣がある、ベランダぐらいには出入りするという飼い方をしている方も多くいるかと思います。そうなると完全に鳥のいない環境にすることが難しい場合もありますよね。
その場合、首輪に鈴をつけるという方法があります。猫が動くたびに鈴がリンリンいうので獲物の方が先に気が付いて逃げてしまうためです。
このやり方で心配なのは、猫自身が鈴の音にストレスを感じてしまうことです。
動くものを捕まえたい!と言う気持ちを無理に抑えるとストレスになってしまうことがあります。
何度も言いますが、猫が鳥などの小動物を狩るのは狩りの本能が残っているからで必要に迫られてやっているわけではないのです。猫自身にとっても「なんとなく楽しいから」と言うぐらいの気持ちなのです。
そういうわけなので、本当に狩りをしなくても似たような行動をすることで満たされたり発散することも可能なのです。
ペットショップなどで売られている猫用のおもちゃの大半はそういった猫の「狩りの本能」を刺激するものとなっています。
猫じゃらし型
猫のおもちゃと言えば猫じゃらし、というぐらいメジャーなおもちゃですね。棒の先にふわふわが付いていたり、セロファンのようなシャカシャカ言う素材のものがついていたりとさまざまなデザインのものがあります。
棒の部分をマットで隠して下からチラ見せしたり、家具などの端からちょこちょこと動かすなど、小動物が動いているように見せるとより興味をもってくれます。
ボール型
ピンポン玉ぐらいのプラスチックや布でできたボールです。中に鈴が入っていて音が鳴るものもあります。猫はとにかく動くものに反応を示すので、ちょっとつついただけでひとりでに転がっていくボールに夢中になる猫ちゃんも多いのです。
一度遊び始めると自分で転がしては追いかけるなど一人で遊んでくれるので、こちらの手間がかからないので楽ちんですね。
ヒモ型
棒の先にヒモが付いているもの。紐の先に小動物に見える飾りがついているものなどがあります。紐を空中で左右に動かすとまるで鳥が飛んでいるように見えるので、夢中で追いかける遊びをします。
一度床に寝せて動きを止めてから急に動き始めるなど工夫するとより興味を示してくれます。
こちらに上げたおもちゃ以外にもさまざまな形態のものが売られています。また工夫次第では自分でおもちゃを作ることもできます。
より狩りに近い形で遊んでもらうコツは、一度止まってから急にまた動き出す、テーブルや絨毯、家具の裏に隠れてまた飛び出すなどの動きに緩急をつけていくことです。
おもちゃは猫ちゃんごとに好みがあります。また好きなおもちゃでも長い期間使っているとマンネリ化して反応が鈍くなります。
何パターンか用意してどれが一番お気に入りか確認しつつ、飽きてきたら違うパターンのおもちゃで遊んでみるなどするのが良いでしょう。
獲物を捕まえてくるのは、本能と飼い主への愛
いかがでしたか。鳥を捕まえてくる理由は、狩りの本能が働くため、それから飼い主に食べ物を分け与えるためです。言い換えると飼い主のことを自分の子供や家族と同じように思っているということです。
どちらにしてもあなたのことが好きだということには変わりないのですが、やっぱりおうちの中に鳥を咥えてもってきてしまうのは困りますよね。
猫の生態や本能を理解したうえで欲求を満たしてあげて、猫にとっても人間にとっても良い環境で暮らせるように工夫してみてください。