猫にたけのこをおすそ分けしていいの?与えるときの調理法&注意点

冬から春にかけて市場に出回る美味しい野菜、たけのこを普段から食卓に並べているという方もいらっしゃるでしょう。食物繊維が豊富でローカロリー。コリコリとした食感が楽しいたけのこですが、猫が食べても良い食べ物なのか少々気になりませんか?

野菜ですし、食物繊維も豊富で体にも良さそうな食べ物だから、食べても特に問題はないんじゃないの?と思うかもしれませんが、実際は注意が必要な食べ物なのです。今回は猫はたけのこを食べても問題ないのか?という疑問にお答えしましょう。

猫はたけのこを食べても問題はないけど、注意が必要

結論から言いますと、猫はたけのこを食べても中毒を起こすことはありませんし、誤って口にしてもすぐに死に至るような危険な食べ物ではありません。

愛猫が食卓のたけのこを盗み食いしたことに焦っている方や、目を離した隙にたけのこを齧っていたという方は、少量であれば様子を見るだけでも問題はないでしょう。

しかし、たけのこを食べても問題はないとは言っても、何も気にせず与えても良い食材という訳ではありません。

ちょっとお裾分けをするだけ、旬の食材を一口だけ堪能させてあげるだけならば、そこまで問題はないでしょうが、あまりにも多量に与えたり、常用的に与えてしまうと思いがけない悪影響を受けてしまう可能性があります。

猫がたけのこを食べることで起り得る危険な病気

たけのこを少し食べるくらいならば特に問題はありませんが、一食で多量のたけのこを摂取したり、毎日たけのこを摂取し続けると気がついたときには大変な病気を発症する可能性もあります。猫がたけのこを食べると、どのような危険があるのでしょうか?

消化不良の危険性

たけのこは食物繊維がとても多い野菜です。そもそもたけのこは竹の芽の部分です。繊維質の多い竹の芽なのですから、その中身はほとんど繊維です。人間であれば、たけのこのような繊維質の多い食べ物でも問題なく消化できますが、猫は食物繊維を消化するのが苦手な動物です。

肉食動物である猫は、人間のように腸があまり長くないので、たけのこのような食物繊維が豊富な食べ物を口にすると消化不良を起こし、嘔吐や下痢といった症状に陥る場合もあります。

便秘気味の愛猫に食物繊維が豊富な野菜を与えたいからと言って、たけのこなど大量の野菜を与えてしまうと逆い体調不良を起こしてしまいますので十分に気をつけましょう。

腎不全の原因となる可能性

猫の死因第一位である腎不全。体が丈夫で、他の動物に比べて病気をしにくいと言われていますが、泌尿器系が弱い動物としても知られています。そんな猫が最も気をつけるべき病気と言われているのが腎不全です。

腎不全とは、言葉の通り体内の不純物を尿と一緒に排出する働きをしている腎臓が何らかの理由で活動が低下する病気です。腎不全の原因は様々なものがありますが、この中でも最も多い原因がマグネシウムなどのミネラル過多です。

加齢や感染症などにより腎臓機能が低下している状態で、ミネラルを大量に摂取すると腎臓が分解できずにドンドンと蓄積されていき、様々な症状を発症した後、死に至るというのが腎不全の恐ろしいところです。

この腎不全の原因となりやすいミネラルはたけのこにたっぷりと含まれています。

もちろん、猫もある程度のミネラルは必要となりますが、基本的にはキャットフードなどから必要な分を摂取できるため、たけのこなどから余分に摂取をすると最悪の場合はミネラル過多によって腎不全を引き起こしてしまうかも。

たけのこを食べたら必ず腎不全になる、ミネラルを取りすぎると必ず腎不全になるというものではありませんが、原因となる可能性がありますので、多量には与えないようにしましょう。

泌尿器系の病気の原因となる可能性

ミネラルが多量に含まれているという点で注意をしてもらいたいポイントがもう一つ。それが、泌尿器系の病気の原因となる可能性です。ミネラルが多量に含まれているたけのこには、尿路結石の原因となるマグネシウムやリンやカルシウムも多く含まれています。

これらのミネラルは結石になりやすく、もともと尿道が狭い猫だと特に結石がつまりやすくなってしまうのです。結石は大変な痛みを伴うだけではなく、運が悪ければ死に至ることもある恐ろしい病気です。

愛猫の健康を維持してあげるためにも、やはり泌尿器系の病気は十分に注意をしておくことが大切です。

アレルギーに注意をする

意外に思うかもしれませんが、たけのこがアレルゲンとなってアレルギー症状に苦しむ羽目になる可能性もあります。たけのこにアレルギー反応を示す原因はアクに含まれているアセチルコリンなのだとか。

そのため、アク抜きをしていないたけのこを食べたたり触ってしまったりすると、皮膚に湿疹が出たり、かゆみが出たりすることもあるようです。もし、たけのこを与えるときはしっかりとアク抜きをし、加熱をしてから与えましょう。

また、アレルギー体質の猫ならば嘔吐や下痢といった症状に苦しむ可能性も。たけのこ自体が取り扱いに注意をしたい野菜ではありますが、特にアク抜きをしていない状態のたけのこと取り扱いには十分に注意をしましょう。

猫にたけのこを与える時の調理法、与え方

猫はたけのこを多量に食べてしまうと泌尿器系の疾患や腎不全や消化不良を起こす危険性がありますが、デメリットばかりではありません。前述したようにたけのこには大変多くの食物繊維が含まれているため、便秘解消に効果的です。

また、食感もコリコリとしているため普段の食事にトッピングをしてあげるだけでいつもよりも楽しく食事をしてくれるかもしれません。また、たけのこは腸内の老廃物や塩分の排出を促してくれるデトックス効果の高いカリウムが含まれています。

以上のことから、猫にたけのこを与えるのは絶対に良くないとは言い切れないのが事実です。消化不良の危険性やミネラルの過剰摂取にさえ注意をすれば、おすそ分け程度に与えても良いと言う意見もあります。

たけのこを与えるか、与えないかは飼い主様の考え方次第ですが、もし与える場合には以下のことに注意をしながら与えるようにしましょう。

  • アク抜きをしっかりと行う
  • 必ず茹でる(加熱する)
  • 味付けはしない
  • 細かく切る

たけのこを与える時に気をつけたいのは、アレルギーなどの原因となるアセチルコリンの存在と消化不良の可能性です。アレルギーの原因であるアセチルコリンは加熱することで量を減らせますし、加熱をすることでたけのこも柔らかくなり消化をしやすくなります。

さらに細かく刻むことで、消化はさらに良くなるはずです。ただ、前述したようにたけのこを多量に食べてしまうと様々な症状の原因となります。与えるときは、ひとつまみをおやつ程度、またはご飯のトッピングとして与えるようにして、多量には与えないように気をつけましょう。

猫にとってたけのこは注意が必要な食材

たけのこ自体に中毒性はないため、そこまで神経質になって警戒をしなくても良い食材ではありますが、あまりにも多量に口にすると様々な悪影響を及ぼす可能性がある食材です。

もし、たけのこを与えようと思っている方がいらっしゃったら今回の注意点や危険性を十分に把握したうえで与えるようにしましょう。また、猫が誤ってたけのこを大量に誤飲しないように、たけのこを自宅に保管するときは十分に気をつけるようにしてくださいね。

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